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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第2部 《精霊の紋章》
124話 転魔症
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サーリスさんに連れられて街の一角にある建物に案内されました。
「病を患った者はこの建物には集められているんだが、我々龍族は元々丈夫な種族だ。
怪我はしても病気になる者など滅多に居ないし、病気になっても数日、安静にしていれば回復する。
その為、病気に詳しい者が居なくてな。
困っていたんだ」
サーリスさんは建物に入ると1番手前の部屋を開けます。
その部屋には沢山のベッドが並んでいました。
どうやらここに病人が寝かされているようです。
部屋のベッドは全て埋まっています。
ベッドに近づくと龍族の女性が苦しそうに横たわっていまた。
「彼女はエルルの母親で、この街を守る戦士の1人だ。
数日前に意識を無くし倒れている所を家族に発見された。
彼女が倒れる半年ほど前から突然苦しみ出し、意識を無くす者が現れ始めた。
その人数は次第に増え行き、街を守る人手も不足する程なんだ」
「わかりました、少し調べさせて貰いますね」
わたしは血液や唾液を採取して検査薬に混ぜて行きます。
「コレは……」
「何かわかったのか?」
「血液中に自分以外の魔力が多く含まれています」
「ユウちゃん、どういう事?」
「コレは魔力系の毒を持っている虫型の魔物などに毒を受けた時に起こる症状とよく似ています」
「では、彼女達は毒蟲に刺されたという事か?」
「いいえ、それにしては症状が重すぎます」
わたしは診断スキルを発動させました。
「…………転魔症ですね」
「転魔症?」
「はい、発病したみなさんは自然界の魔力を扱えるのではないですか?」
わたしの質問にサーリスさんは少し考えてから答えました。
「ああ、確かに自然界の魔力を扱える者達ばかりだ」
「原因はそれです。
病魔によって魔力の制御が出来なくなって自然界の魔力を許容量以上に吸収してしまったんです」
「そんな病気があるの?」
「はい、普通の人間は、自然界の魔力を扱えませんからまず発病しません。
自然界の魔力扱える龍族でなければ何の問題もない病なんです」
「ちょっと待ってくれ俺も自然界の魔力を扱えるが、いたって健康だぞ?」
サーリスさんはわたしの説明に疑問を挟んで来ました。
「おそらくサーリスさんにも感染しています。
発病していないのは、それだけサーリスさんの魔力許容量が大きいのでしょう。
しかし、時間の問題です。
今の内に手を打たなければ戦える人は全滅してしまいます。
急ぎましょう」
「何をすればいい?」
「薬の調合に必要な物を書き出すのでそれを集めて下さい」
「わかった」
サーリスさんに薬草のメモを渡し、他の病人の様子を見て行きます。
やはり、病に伏せている人達はみなさんとても鍛えられています。
龍族であっても自然界の魔力を扱えるのは修行を積んだ者達だけなのでしょう。
全ての病人を見て回った頃、サーリスさんが戻って来ました。
「ユウ、あのメモに書かれていたほとんどの物はすぐに用意出来る。
しかし、1つだけコンジキヤシャタケが手に入らなかった。
採取に行きたいのだが、何処にあるかわからないか?」
「コンジキヤシャタケですか、湿気の多い密林などに生えている筈です」
「そうか……うん、近くに条件に合いそうな場所がある」
「わかりました。
明日、採取に行きましょう。
サーリスさんはいつ発病するかわかりません。
採取にはわたしとリゼさんで行きます」
「いいのか?」
「はい、わたし達は人間ですからね。
転魔症にかかる事は有りません」
「わかった、よろしく頼む。
今夜は俺の家に泊まってくれ」
この日はサーリスさんの家でお世話になりました。
明日は朝一で採取に向かうので早めにベッドに入ります。
隣のベッドに潜り込むリゼさんに声を掛けます。
「お休みなさい、リゼさん」
「ええ、お休み」
そして翌日、朝起きるとリゼさんは転魔症に掛かっていました。
どこまでも規格外な人です。
「病を患った者はこの建物には集められているんだが、我々龍族は元々丈夫な種族だ。
怪我はしても病気になる者など滅多に居ないし、病気になっても数日、安静にしていれば回復する。
その為、病気に詳しい者が居なくてな。
困っていたんだ」
サーリスさんは建物に入ると1番手前の部屋を開けます。
その部屋には沢山のベッドが並んでいました。
どうやらここに病人が寝かされているようです。
部屋のベッドは全て埋まっています。
ベッドに近づくと龍族の女性が苦しそうに横たわっていまた。
「彼女はエルルの母親で、この街を守る戦士の1人だ。
数日前に意識を無くし倒れている所を家族に発見された。
彼女が倒れる半年ほど前から突然苦しみ出し、意識を無くす者が現れ始めた。
その人数は次第に増え行き、街を守る人手も不足する程なんだ」
「わかりました、少し調べさせて貰いますね」
わたしは血液や唾液を採取して検査薬に混ぜて行きます。
「コレは……」
「何かわかったのか?」
「血液中に自分以外の魔力が多く含まれています」
「ユウちゃん、どういう事?」
「コレは魔力系の毒を持っている虫型の魔物などに毒を受けた時に起こる症状とよく似ています」
「では、彼女達は毒蟲に刺されたという事か?」
「いいえ、それにしては症状が重すぎます」
わたしは診断スキルを発動させました。
「…………転魔症ですね」
「転魔症?」
「はい、発病したみなさんは自然界の魔力を扱えるのではないですか?」
わたしの質問にサーリスさんは少し考えてから答えました。
「ああ、確かに自然界の魔力を扱える者達ばかりだ」
「原因はそれです。
病魔によって魔力の制御が出来なくなって自然界の魔力を許容量以上に吸収してしまったんです」
「そんな病気があるの?」
「はい、普通の人間は、自然界の魔力を扱えませんからまず発病しません。
自然界の魔力扱える龍族でなければ何の問題もない病なんです」
「ちょっと待ってくれ俺も自然界の魔力を扱えるが、いたって健康だぞ?」
サーリスさんはわたしの説明に疑問を挟んで来ました。
「おそらくサーリスさんにも感染しています。
発病していないのは、それだけサーリスさんの魔力許容量が大きいのでしょう。
しかし、時間の問題です。
今の内に手を打たなければ戦える人は全滅してしまいます。
急ぎましょう」
「何をすればいい?」
「薬の調合に必要な物を書き出すのでそれを集めて下さい」
「わかった」
サーリスさんに薬草のメモを渡し、他の病人の様子を見て行きます。
やはり、病に伏せている人達はみなさんとても鍛えられています。
龍族であっても自然界の魔力を扱えるのは修行を積んだ者達だけなのでしょう。
全ての病人を見て回った頃、サーリスさんが戻って来ました。
「ユウ、あのメモに書かれていたほとんどの物はすぐに用意出来る。
しかし、1つだけコンジキヤシャタケが手に入らなかった。
採取に行きたいのだが、何処にあるかわからないか?」
「コンジキヤシャタケですか、湿気の多い密林などに生えている筈です」
「そうか……うん、近くに条件に合いそうな場所がある」
「わかりました。
明日、採取に行きましょう。
サーリスさんはいつ発病するかわかりません。
採取にはわたしとリゼさんで行きます」
「いいのか?」
「はい、わたし達は人間ですからね。
転魔症にかかる事は有りません」
「わかった、よろしく頼む。
今夜は俺の家に泊まってくれ」
この日はサーリスさんの家でお世話になりました。
明日は朝一で採取に向かうので早めにベッドに入ります。
隣のベッドに潜り込むリゼさんに声を掛けます。
「お休みなさい、リゼさん」
「ええ、お休み」
そして翌日、朝起きるとリゼさんは転魔症に掛かっていました。
どこまでも規格外な人です。
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