307 / 418
神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第2部 《精霊の紋章》
112話 リゼさんの過去
しおりを挟む
「お前はそんな適当にあの技を扱っていたのか?」
「ちゃんと考えているわよ。
ズズズっと変換するのに結構コツがいるのよ?」
セシルさんの呆れた様な問いかけにリゼさんは何故か自信有り気に答えています。
「わかるか!
だいたいどうやってあの技を身につけたんだよ」
「ああ、魔力を凝縮する方法はエンシェントドラゴンと戦った時に習得したわ。
エンシェントドラゴンのブレスは周囲の魔力を口元に凝縮して放つのよ。
それを真似して見たら上手く行ったわ」
なんて非常識な人なのでしょうか……
そもそも自然界の魔力をそう簡単に扱えるのもおかしいです。
「リゼさん……人間ですよね?」
「当たり前でしょ!」
「いや、自然界の魔力を扱うなんてハイエルフでもなかなかいないぞ」
「リゼさんは昔から非常識だったんですかね?」
「そりゃそうだろ。
きっとガキの頃から魔物とか狩ってたに違いない」
「あんた達……怒るわよ?」
少しからかい過ぎた様です。
「すみません。
ではリゼさんはどんな子供だったんですか?」
「普通の子供よ。
私はミルミット王国の田舎の村の生まれでね。
物心ついた時にはすでに両親は居なかったけど、村長夫婦に育てて貰っていたわ」
意外に普通ですね。
「でもある日、村が盗賊に襲われたのよ。
男は殺されて女子供は違法の奴隷商人に売り払われたわ」
予想外に重い話になって来ました。
セシルさんも気まずそうな顔をしています。
「それは……えっと……」
「ああ、大丈夫よ。
もう随分前の話だからね。
王都に連れてこられた私は、隷属の首輪を付けられる直前に逃げ出す事が出来たの。
それからはスラムでスリや搔っ払いをして生活していたわ」
「何故そこから冒険者に?」
「あー冒険者だったゴルドからサイフを搔っ払ったのよ」
「ゴルド?」
知らない人物が出て来ました。
誰の事でしょうか?
「ガナの街の冒険者ギルドのマスターよ」
「ああ、あの筋肉ですか」
ハゲ筋肉として覚えていました。
アレがスマートなシルバさんと兄弟だと驚いた物です。
「その筋肉よ。
ゴルドに捕まって拳骨と串焼きを貰ってね。
ゴルドがリーダーをしていた《天馬の手綱》と言うパーティで見習いとして数年間、冒険者としての知識や生き方を教わって独立したのよ」
「そうでしたか」
「意外と苦労してんだな」
リゼさんの過去話を聞いている内に広場に到着しました。
広場では若いハイエルフが剣を振ったり、魔法の講義を受けています。
ところで、魔法を教えているのは老人達だと聞いたのですが、どう見ても30代くらいですね。
ですがハイエルフは見た目では年齢が分かりません。
セシルさんが老人だと言うのなら彼等は老人なのでしょう。
わたしはその老人達に塩や鉄と引き換えに指導を受けれる様に交渉するのでした。
「ちゃんと考えているわよ。
ズズズっと変換するのに結構コツがいるのよ?」
セシルさんの呆れた様な問いかけにリゼさんは何故か自信有り気に答えています。
「わかるか!
だいたいどうやってあの技を身につけたんだよ」
「ああ、魔力を凝縮する方法はエンシェントドラゴンと戦った時に習得したわ。
エンシェントドラゴンのブレスは周囲の魔力を口元に凝縮して放つのよ。
それを真似して見たら上手く行ったわ」
なんて非常識な人なのでしょうか……
そもそも自然界の魔力をそう簡単に扱えるのもおかしいです。
「リゼさん……人間ですよね?」
「当たり前でしょ!」
「いや、自然界の魔力を扱うなんてハイエルフでもなかなかいないぞ」
「リゼさんは昔から非常識だったんですかね?」
「そりゃそうだろ。
きっとガキの頃から魔物とか狩ってたに違いない」
「あんた達……怒るわよ?」
少しからかい過ぎた様です。
「すみません。
ではリゼさんはどんな子供だったんですか?」
「普通の子供よ。
私はミルミット王国の田舎の村の生まれでね。
物心ついた時にはすでに両親は居なかったけど、村長夫婦に育てて貰っていたわ」
意外に普通ですね。
「でもある日、村が盗賊に襲われたのよ。
男は殺されて女子供は違法の奴隷商人に売り払われたわ」
予想外に重い話になって来ました。
セシルさんも気まずそうな顔をしています。
「それは……えっと……」
「ああ、大丈夫よ。
もう随分前の話だからね。
王都に連れてこられた私は、隷属の首輪を付けられる直前に逃げ出す事が出来たの。
それからはスラムでスリや搔っ払いをして生活していたわ」
「何故そこから冒険者に?」
「あー冒険者だったゴルドからサイフを搔っ払ったのよ」
「ゴルド?」
知らない人物が出て来ました。
誰の事でしょうか?
「ガナの街の冒険者ギルドのマスターよ」
「ああ、あの筋肉ですか」
ハゲ筋肉として覚えていました。
アレがスマートなシルバさんと兄弟だと驚いた物です。
「その筋肉よ。
ゴルドに捕まって拳骨と串焼きを貰ってね。
ゴルドがリーダーをしていた《天馬の手綱》と言うパーティで見習いとして数年間、冒険者としての知識や生き方を教わって独立したのよ」
「そうでしたか」
「意外と苦労してんだな」
リゼさんの過去話を聞いている内に広場に到着しました。
広場では若いハイエルフが剣を振ったり、魔法の講義を受けています。
ところで、魔法を教えているのは老人達だと聞いたのですが、どう見ても30代くらいですね。
ですがハイエルフは見た目では年齢が分かりません。
セシルさんが老人だと言うのなら彼等は老人なのでしょう。
わたしはその老人達に塩や鉄と引き換えに指導を受けれる様に交渉するのでした。
2
お気に入りに追加
2,354
あなたにおすすめの小説
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。
水定ユウ
ファンタジー
村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。
異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。
そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。
生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!
※とりあえず、一時完結いたしました。
今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。
その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
器用さんと頑張り屋さんは異世界へ 〜魔剣の正しい作り方〜
白銀六花
ファンタジー
理科室に描かれた魔法陣。
光を放つ床に目を瞑る器用さんと頑張り屋さん。
目を開いてみればそこは異世界だった!
魔法のある世界で赤ちゃん並みの魔力を持つ二人は武器を作る。
あれ?武器作りって楽しいんじゃない?
武器を作って素手で戦う器用さんと、武器を振るって無双する頑張り屋さんの異世界生活。
なろうでも掲載中です。
俺は善人にはなれない
気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる