304 / 418
神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第2部 《精霊の紋章》
109話 第4の刃
しおりを挟む
「ギョエェェエ!」
グレートモスの甲高い声と共に羽から放たれた衝撃波は、どう言う原理か分かりませんが、わたしとリゼさんに目掛けて真っ直ぐに飛んで来ました。
わたしは右に、リゼさんは左に跳ぶと、わたし達が立っていた場所に有った岩が粉々に砕け散ってしまいます。
普通、発生した場所から円形に拡散するであろう衝撃波が謎原理で指向性を持ってわたし達に目掛けて飛んで来ました。
更に厄介なのは衝撃波が目に見えないと言う事です。
わたしは危機察知スキルのお陰で避ける事が出来ていますが、ハイエルフの戦士達にはいくらかのダメージが入っています。
「ギョエ!」
グレートモスが大きく羽ばたき5メートル程、空中に浮かび上がります。
世界樹の洞は、その常識外れの大木に相応しくかなり広く、高さも10メートル以上有ります。
しかし、このまま外に逃げられると手も足も出なくなってしまいます。
入り口付近では遊撃の戦士達が陣取っており、いつでも魔法を放てる様に構えて居ますが強行突破されると不味いです。
優先的に羽を潰すべきですね。
そうすれば飛ぶ事が出来なくなりますし、鱗粉や衝撃波などの攻撃も出来なくなる可能性が高いです。
「はっ!」
洞の中の壁を蹴り、三角飛びの要領でグレートモスに飛び掛かったわたしは、纏を発動させて魔力を込めたピリオドを振り下ろします。
わたしの攻撃を避けようとグレートモスが身をよじった為、羽を狙った攻撃はグレートモスの胴体にヒットしました。
思わぬクリティカルヒットでしたが、なんとグレートモスの胴体は、ピリオドの一撃を弾き返したのです。
「ギョエェェエ!」
「くっ!」
お返しとばかりに至近距離で放たれた衝撃波を身を翻し、夜天のローブでガードします。
「ユウちゃん!」
距離が近く勢いが乗る前だった為か、それ程のダメージは有りませんでしたが、10数メートルも吹き飛ばされてしまいました。
「大丈夫です。
しかし、今ので無傷ですか、硬くて柔軟な攻殻ですね」
「ウインドバースト!」
「ロックエッジ!」
「アイスハンマー」
洞の中をかなりのスピードで飛び回るグレートモスにハイエルフの戦士達が強力な魔法を浴びせて行きます。
しかし、グレートモスは巧みな飛行で羽への攻撃を避けていました。
定説通りなら、虫系の魔物であるグレートモスに有効な属性は火属性かその上位属性の炎属性です。
しかし、ここは世界樹の洞の中、世界樹が燃え尽きる様な事は無いでしょうがわたし達が火達磨になるくらいなら十分有り得ます。
皆さんもその点を留意しているのでしょう。
なるべく周囲に被害の出ない属性の魔法を使っています。
「おぉぉお!」
グレートモスが低空を飛んでいる時、セシルさんが斬りかかり鋭い三連撃を与えますが、攻殻に浅く傷を付けるだけで致命的なダメージにはなりません。
「セシル、退がって!」
リゼさんの声にセシルさんがグレートモスから離れると、弾丸の様に飛び出したリゼさんが腰だめに構えた剣をグレートモスに突き立てました。
今までの攻撃で1番深い傷を与えていますが、それでも浅く、身体を回転させたグレートモスに振り払われてしまいます。
猫の様に着地したリゼさんはすぐさま指示を飛ばします。
「ユウちゃん、セシル、10秒稼いで!」
「はい!」
「わかった!」
リゼさんの言葉に答えるとわたしとセシルさんはグレートモスの気をひく様に派手な攻撃を放ちます。
「撃ち抜け 氷の礫 アイスショット」
「シャイニングショット」
大したダメージは与えられていませんがグレートモスはイラつくいたのか、わたしとセシルさんに衝撃波を撃って来ます。
衝撃波を避け、リゼさんの方を向かない様に誘導して行きます。
そして、指定された10秒が過ぎリゼさんの方に視線を向けました。
するとリゼさんは光り輝く剣を構えて居ました。
Bランクの昇格試験の時に見たアレです。
あの時は凝縮した魔力を風属性に変換して放たれた技、『エア』で吹き飛ばされてしまいました。
今回もリゼさんは凝縮した魔力の属性を変換しています。
「おいおいおい!」
それを見たセシルさんが顔を青くしています。
「ユウちゃん、セシル、避けなさい!」
リゼさんは赤く染まった光の剣を振り抜きました。
「第4の刃、プロミネンス!」
「バカ野郎ぉぉぉお!!!」
真っ赤に染まった空間に、リゼさんの声とセシルさんの叫びが木霊したのでした。
グレートモスの甲高い声と共に羽から放たれた衝撃波は、どう言う原理か分かりませんが、わたしとリゼさんに目掛けて真っ直ぐに飛んで来ました。
わたしは右に、リゼさんは左に跳ぶと、わたし達が立っていた場所に有った岩が粉々に砕け散ってしまいます。
普通、発生した場所から円形に拡散するであろう衝撃波が謎原理で指向性を持ってわたし達に目掛けて飛んで来ました。
更に厄介なのは衝撃波が目に見えないと言う事です。
わたしは危機察知スキルのお陰で避ける事が出来ていますが、ハイエルフの戦士達にはいくらかのダメージが入っています。
「ギョエ!」
グレートモスが大きく羽ばたき5メートル程、空中に浮かび上がります。
世界樹の洞は、その常識外れの大木に相応しくかなり広く、高さも10メートル以上有ります。
しかし、このまま外に逃げられると手も足も出なくなってしまいます。
入り口付近では遊撃の戦士達が陣取っており、いつでも魔法を放てる様に構えて居ますが強行突破されると不味いです。
優先的に羽を潰すべきですね。
そうすれば飛ぶ事が出来なくなりますし、鱗粉や衝撃波などの攻撃も出来なくなる可能性が高いです。
「はっ!」
洞の中の壁を蹴り、三角飛びの要領でグレートモスに飛び掛かったわたしは、纏を発動させて魔力を込めたピリオドを振り下ろします。
わたしの攻撃を避けようとグレートモスが身をよじった為、羽を狙った攻撃はグレートモスの胴体にヒットしました。
思わぬクリティカルヒットでしたが、なんとグレートモスの胴体は、ピリオドの一撃を弾き返したのです。
「ギョエェェエ!」
「くっ!」
お返しとばかりに至近距離で放たれた衝撃波を身を翻し、夜天のローブでガードします。
「ユウちゃん!」
距離が近く勢いが乗る前だった為か、それ程のダメージは有りませんでしたが、10数メートルも吹き飛ばされてしまいました。
「大丈夫です。
しかし、今ので無傷ですか、硬くて柔軟な攻殻ですね」
「ウインドバースト!」
「ロックエッジ!」
「アイスハンマー」
洞の中をかなりのスピードで飛び回るグレートモスにハイエルフの戦士達が強力な魔法を浴びせて行きます。
しかし、グレートモスは巧みな飛行で羽への攻撃を避けていました。
定説通りなら、虫系の魔物であるグレートモスに有効な属性は火属性かその上位属性の炎属性です。
しかし、ここは世界樹の洞の中、世界樹が燃え尽きる様な事は無いでしょうがわたし達が火達磨になるくらいなら十分有り得ます。
皆さんもその点を留意しているのでしょう。
なるべく周囲に被害の出ない属性の魔法を使っています。
「おぉぉお!」
グレートモスが低空を飛んでいる時、セシルさんが斬りかかり鋭い三連撃を与えますが、攻殻に浅く傷を付けるだけで致命的なダメージにはなりません。
「セシル、退がって!」
リゼさんの声にセシルさんがグレートモスから離れると、弾丸の様に飛び出したリゼさんが腰だめに構えた剣をグレートモスに突き立てました。
今までの攻撃で1番深い傷を与えていますが、それでも浅く、身体を回転させたグレートモスに振り払われてしまいます。
猫の様に着地したリゼさんはすぐさま指示を飛ばします。
「ユウちゃん、セシル、10秒稼いで!」
「はい!」
「わかった!」
リゼさんの言葉に答えるとわたしとセシルさんはグレートモスの気をひく様に派手な攻撃を放ちます。
「撃ち抜け 氷の礫 アイスショット」
「シャイニングショット」
大したダメージは与えられていませんがグレートモスはイラつくいたのか、わたしとセシルさんに衝撃波を撃って来ます。
衝撃波を避け、リゼさんの方を向かない様に誘導して行きます。
そして、指定された10秒が過ぎリゼさんの方に視線を向けました。
するとリゼさんは光り輝く剣を構えて居ました。
Bランクの昇格試験の時に見たアレです。
あの時は凝縮した魔力を風属性に変換して放たれた技、『エア』で吹き飛ばされてしまいました。
今回もリゼさんは凝縮した魔力の属性を変換しています。
「おいおいおい!」
それを見たセシルさんが顔を青くしています。
「ユウちゃん、セシル、避けなさい!」
リゼさんは赤く染まった光の剣を振り抜きました。
「第4の刃、プロミネンス!」
「バカ野郎ぉぉぉお!!!」
真っ赤に染まった空間に、リゼさんの声とセシルさんの叫びが木霊したのでした。
2
お気に入りに追加
2,361
あなたにおすすめの小説

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています

【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!
まにゅまにゅ
ファンタジー
平均レベルの低い底辺パーティ『龍炎光牙《りゅうえんこうが》』はオーク一匹倒すのにも命懸けで注目もされていないどこにでもでもいる冒険者たちのチームだった。
そんなある日ようやく資金も貯まり、神殿でお金を払って恩恵《ギフト》を授かるとその恩恵《ギフト》スキルは『拡大解釈』というもの。
その効果は魔法やスキルの内容を拡大解釈し、別の効果を引き起こせる、という神スキルだった。その拡大解釈により色んなものを回復《ヒール》で治したり強化《ブースト》で獲得経験値を増やしたりととんでもない効果を発揮する!
底辺パーティ『龍炎光牙』の大躍進が始まる!
第16回ファンタジー大賞奨励賞受賞作です。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
おっさんの異世界建国記
なつめ猫
ファンタジー
中年冒険者エイジは、10年間異世界で暮らしていたが、仲間に裏切られ怪我をしてしまい膝の故障により、パーティを追放されてしまう。さらに冒険者ギルドから任された辺境開拓も依頼内容とは違っていたのであった。現地で、何気なく保護した獣人の美少女と幼女から頼られたエイジは、村を作り発展させていく。
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
【完結】ご都合主義で生きてます。-商売の力で世界を変える。カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく-
ジェルミ
ファンタジー
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
その条件として女神に『面白楽しく生活でき、苦労をせずお金を稼いで生きていくスキルがほしい』と無理難題を言うのだった。
困った女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
この味気ない世界を、創生魔法とカスタマイズ可能なストレージを使い、美味しくなる調味料や料理を作り世界を変えて行く。
はい、ご注文は?
調味料、それとも武器ですか?
カスタマイズ可能なストレージで世の中を変えていく。
村を開拓し仲間を集め国を巻き込む産業を起こす。
いずれは世界へ通じる道を繋げるために。
※本作はカクヨム様にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる