278 / 418
神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第2部 《精霊の紋章》
83話 違法奴隷
しおりを挟む
「どうだ、何か有ったか?」
「いいえ、特に変わったものは無かったわ」
精霊の泉と呼ばれる泉に辿り着いた俺達は二手に別れて泉の周囲を探索して見た。
しかし、特に変わった所などない普通の泉だ。
「これはハズレかも知れないな」
「まぁ、精霊に関わる土地は沢山有りますしもう少し調べて何も無かったら次にいきましょう」
俺達はしばらく泉の周りを調べたが何かを見つける事は出来なかった。
「日も暮れて来たしここで一晩野営して、明日ロックドック王国に向かおう」
俺達は日が落ちる前に野営の準備を始める。
野営の準備も済み、夕食の用意をしようとすると、剣を打ち合う様な音が聞こえて来た。
「おい、聞こえたか?」
「ああ、近いぞ」
「みんな、戦闘準備を!」
俺達は警戒しながら音が聞こえる方に進んで行った。
===========================
ガマガエルとヤモリ達が立ち去った地下牢は、換気用の穴から入る夕日だけが唯一の光源であり、後数時間のうちに月明かりへと変わるでしょう。
そんな地下牢に少女の押し殺した鳴き声だけが響いています。
「大丈夫ですか?
わたしはユウと言います。
薬師兼冒険者です、あなたは?」
「わ、私はメリンダです。
ご、ごめんなさい!ごめんなさい!
私のせいであなたがこんな目に……」
どうやら彼女はわたしを騙す片棒を担がされた事を悔やんでいる様ですね。
「顔を上げてください。
わたしなら平気ですよ。
あなたが奴らに逆らえなかった理由もわかってますから」
彼女の首には鉄製の黒い首輪がはめられています。
わたしも盗賊共を売り払う時に何度も目にしている隷属の首輪です。
これは犯罪奴隷に付けられる首輪なのです。
借金奴隷や身売り奴隷の場合は隷属の腕輪と言うマジックアイテムを付けられるのですが犯罪奴隷には隷属の首輪が付けられます。
2つの違いは装着者に対して懲罰の効果があるかどうかです。
隷属の腕輪には装着者の行動範囲を制限し使役者が位置を確認でき、また反乱などを犯した場合身体を麻痺させる事が出来る効果が有ります。
そして、隷属の首輪には同じ効果に加えて使役者によって首を締めて苦しめる効果があるそうです。
メリンダさんの首に有るのは隷属の首輪なのですが……
「この隷属の首輪には登録番号が有りませんね」
隷属の首輪には全てに登録番号が有ります。
犯罪者の管理のためでしょう。
それに犯罪奴隷を所有出来るのは国か国の許可を得た者だけです。
重犯罪奴隷は国が運営する鉱山などの危険な場所で働いています。
軽犯罪奴隷の場合は危険の少ない作業になりますが基本的に国の管理下に置かれるものです。
「あなたは違法奴隷ですか?」
「………………はい」
違法奴隷とは盗賊などが罪の無い人を違法に奴隷商人売ったり騙されて奴隷となった人達の事です。
「なるほど」
わたしは彼女の首輪にそっと触れ…………隷属の首輪をアイテムボックスに収納します。
アイテムボックスは魔法では有りませんからね。
それにどうやらこの牢屋の魔法阻害は魔力の操作を妨害するタイプの様です。
確かに魔法は使いづらいですが一定以上の力量を持っていれば有る程度の魔法は使えます。
わたしでも手元を光らせてアイテムボックスを召喚魔法に見せかける程度の事は出来ますしね。
「え⁉︎」
再び隷属の首輪を取り出しその辺に捨てます。
更にテーブルやソファを取り出し腰を落ち着けると果実水とサンドイッチを取り出しました。
「まぁ、取り敢えずご飯にしましょう。
話はその後です」
「いいえ、特に変わったものは無かったわ」
精霊の泉と呼ばれる泉に辿り着いた俺達は二手に別れて泉の周囲を探索して見た。
しかし、特に変わった所などない普通の泉だ。
「これはハズレかも知れないな」
「まぁ、精霊に関わる土地は沢山有りますしもう少し調べて何も無かったら次にいきましょう」
俺達はしばらく泉の周りを調べたが何かを見つける事は出来なかった。
「日も暮れて来たしここで一晩野営して、明日ロックドック王国に向かおう」
俺達は日が落ちる前に野営の準備を始める。
野営の準備も済み、夕食の用意をしようとすると、剣を打ち合う様な音が聞こえて来た。
「おい、聞こえたか?」
「ああ、近いぞ」
「みんな、戦闘準備を!」
俺達は警戒しながら音が聞こえる方に進んで行った。
===========================
ガマガエルとヤモリ達が立ち去った地下牢は、換気用の穴から入る夕日だけが唯一の光源であり、後数時間のうちに月明かりへと変わるでしょう。
そんな地下牢に少女の押し殺した鳴き声だけが響いています。
「大丈夫ですか?
わたしはユウと言います。
薬師兼冒険者です、あなたは?」
「わ、私はメリンダです。
ご、ごめんなさい!ごめんなさい!
私のせいであなたがこんな目に……」
どうやら彼女はわたしを騙す片棒を担がされた事を悔やんでいる様ですね。
「顔を上げてください。
わたしなら平気ですよ。
あなたが奴らに逆らえなかった理由もわかってますから」
彼女の首には鉄製の黒い首輪がはめられています。
わたしも盗賊共を売り払う時に何度も目にしている隷属の首輪です。
これは犯罪奴隷に付けられる首輪なのです。
借金奴隷や身売り奴隷の場合は隷属の腕輪と言うマジックアイテムを付けられるのですが犯罪奴隷には隷属の首輪が付けられます。
2つの違いは装着者に対して懲罰の効果があるかどうかです。
隷属の腕輪には装着者の行動範囲を制限し使役者が位置を確認でき、また反乱などを犯した場合身体を麻痺させる事が出来る効果が有ります。
そして、隷属の首輪には同じ効果に加えて使役者によって首を締めて苦しめる効果があるそうです。
メリンダさんの首に有るのは隷属の首輪なのですが……
「この隷属の首輪には登録番号が有りませんね」
隷属の首輪には全てに登録番号が有ります。
犯罪者の管理のためでしょう。
それに犯罪奴隷を所有出来るのは国か国の許可を得た者だけです。
重犯罪奴隷は国が運営する鉱山などの危険な場所で働いています。
軽犯罪奴隷の場合は危険の少ない作業になりますが基本的に国の管理下に置かれるものです。
「あなたは違法奴隷ですか?」
「………………はい」
違法奴隷とは盗賊などが罪の無い人を違法に奴隷商人売ったり騙されて奴隷となった人達の事です。
「なるほど」
わたしは彼女の首輪にそっと触れ…………隷属の首輪をアイテムボックスに収納します。
アイテムボックスは魔法では有りませんからね。
それにどうやらこの牢屋の魔法阻害は魔力の操作を妨害するタイプの様です。
確かに魔法は使いづらいですが一定以上の力量を持っていれば有る程度の魔法は使えます。
わたしでも手元を光らせてアイテムボックスを召喚魔法に見せかける程度の事は出来ますしね。
「え⁉︎」
再び隷属の首輪を取り出しその辺に捨てます。
更にテーブルやソファを取り出し腰を落ち着けると果実水とサンドイッチを取り出しました。
「まぁ、取り敢えずご飯にしましょう。
話はその後です」
2
お気に入りに追加
2,354
あなたにおすすめの小説
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
導きの暗黒魔導師
根上真気
ファンタジー
【地道に3サイト計70000PV達成!】ブラック企業勤めに疲れ果て退職し、起業したはいいものの失敗。公園で一人絶望する主人公、須夜埼行路(スヤザキユキミチ)。そんな彼の前に謎の女が現れ「承諾」を求める。うっかりその言葉を口走った須夜崎は、突如謎の光に包まれ異世界に転移されてしまう。そして異世界で暗黒魔導師となった須夜埼行路。一体なぜ異世界に飛ばされたのか?元の世界には戻れるのか?暗黒魔導師とは?勇者とは?魔王とは?さらに世界を取り巻く底知れぬ陰謀......果たして彼を待つ運命や如何に!?壮大な異世界ファンタジーが今ここに幕を開ける!
本作品は、別世界を舞台にした、魔法や勇者や魔物が出てくる、長編異世界ファンタジーです。
是非とも、気長にお付き合いくだされば幸いです。
そして、読んでくださった方が少しでも楽しんでいただけたなら、作者として幸甚の極みです。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした
コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。
クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。
理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。
アレク・プランタン
かえるまる
ファンタジー
長く辛い闘病が終わった
と‥‥転生となった
剣と魔法が織りなす世界へ
チートも特典も何もないまま
ただ前世の記憶だけを頼りに
俺は精一杯やってみる
毎日更新中!
虚無の統括者 〜両親を殺された俺は復讐の為、最強の配下と組織の主になる〜
サメ狐
ファンタジー
———力を手にした少年は女性達を救い、最強の組織を作ります!
魔力———それは全ての種族に宿り、魔法という最強の力を手に出来る力
魔力が高ければ高い程、魔法の威力も上がる
そして、この世界には強さを示すSSS、SS、S、A、B、C、D、E、Fの9つのランクが存在する
全世界総人口1000万人の中でSSSランクはたったの5人
そんな彼らを世界は”選ばれし者”と名付けた
何故、SSSランクの5人は頂きに上り詰めることが出来たのか?
それは、魔力の最高峰クラス
———可視化できる魔力———を唯一持つ者だからである
最強無敗の力を秘め、各国の最終戦力とまで称されている5人の魔法、魔力
SSランクやSランクが束になろうとたった一人のSSSランクに敵わない
絶対的な力と象徴こそがSSSランクの所以。故に選ばれし者と何千年も呼ばれ、代変わりをしてきた
———そんな魔法が存在する世界に生まれた少年———レオン
彼はどこにでもいる普通の少年だった‥‥
しかし、レオンの両親が目の前で亡き者にされ、彼の人生が大きく変わり‥‥
憎悪と憎しみで彼の中に眠っていた”ある魔力”が現れる
復讐に明け暮れる日々を過ごし、数年経った頃
レオンは再び宿敵と遭遇し、レオンの”最強の魔法”で両親の敵を討つ
そこで囚われていた”ある少女”と出会い、レオンは決心する事になる
『もう誰も悲しまない世界を‥‥俺のような者を創らない世界を‥‥』
そしてレオンは少女を最初の仲間に加え、ある組織と対立する為に自らの組織を結成する
その組織とは、数年後に世界の大罪人と呼ばれ、世界から軍から追われる最悪の組織へと名を轟かせる
大切な人を守ろうとすればする程に、人々から恨まれ憎まれる負の連鎖
最強の力を手に入れたレオンは正体を隠し、最強の配下達を連れて世界の裏で暗躍する
誰も悲しまない世界を夢見て‥‥‥レオンは世界を相手にその力を奮うのだった。
恐縮ながら少しでも観てもらえると嬉しいです
なろう様カクヨム様にも投稿していますのでよろしくお願いします
神々の間では異世界転移がブームらしいです。《サイドストーリー》
はぐれメタボ
ファンタジー
《番外編》
神々の間では異世界転移がブームらしいです。の番外編です。
《マーリンさんの学業奮闘記》
大賢者イナミの弟子、マーリンは師匠の命令でミルミット王国の学院に入学する事になった。
マーリンは、そこで出会った友人達と事件に巻き込まれて行く。
《迷宮都市の盾使い》
ミルミット王国最大の迷宮都市ダイダロスで迷宮に挑む冒険者達と全身鎧を身に付けた謎の冒険者の物語り。
《炎の継承者》
田舎に暮らす少年、カートは憧れの父親の背中を追って成長して行く。
《盃を満たすは神の酒》
エルフのジンとドワーフのバッカスは2人組の冒険者である。
彼等は神が醸造したと言われる伝説の酒を探して旅を続けていた。
そんな彼等が居た帝国の街に、とてつもない数の魔物が迫っていた。
《1人と1振り》
冒険者のヴァインはある日、奇抜な冒険者アークと出会う。
やがて共に旅をする様になった2人はミルミット王国のある街でとある依頼を受ける事になった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる