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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第2部 《精霊の紋章》
49話 クズ共の噂とレジスタンス
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ガヤガヤと冒険者達のざわめきで満たされた酒場にやって来ました。
果実水で満たされた盃を酒場のマスターから受け取ったわたしは端っこの席に腰を下ろします。
「ふぅ、なんだかとても疲れました」
「まったくだ、なんであんな事に……」
わたしの前に座ったガラッドさんが肩を落としながら呟きました。
「何を言っているのですか、そもそも貴方が絡んで来たのが原因でしょう」
「うっ、そ、そうだな。
悪かった、少し呑み過ぎていたみてぇだ」
ガラッドさんは素直に頭を下げてくれました。
「それで、なんでお前さんみてぇな奴が冒険者ギルドに?」
「冒険者ですからね」
「………………嘘だろ」
「本当ですよ」
ギルドカードを取り出しガラッドさんに見せます。
わたしのギルドカードを見たガラッドさんは顔色がみるみる内に青くなって行きました。
「…………え、Aランク……マジで?」
「マジです」
「…………俺はあのバカに感謝するべきだったかも知れん」
「わたしとしてはどっちを殴っても大して変わらないのですが、ガラッドさんを殴り倒した方が面倒が少なかったですね」
更に青くなって行くガラッドさんを無視しつつ果実水を味わいます。
美味しいです。
ついでにガラッドさんからこの辺りの情報を教えて貰います。
……いえ、脅してなんかいませんよ?
わたしの卓越した交渉術によって、彼は喜んで喋ってくれています。
「兎に角、今この国は治安が最悪なんだ」
「確かにこの街に来るまで沢山の盗賊を殺しましたね?」
「……そ、そうか。
本来なら盗賊どもに対処するべき領主は盗賊どもから賄賂を受け取り奴らを野放ししてんだよ。
だから街道は盗賊どもで溢れ、多くの商人が犠牲になっている。
村々を回る商人が減ったせいで、村では物資が不足し、困窮した村人が野盗になって更に治安が悪化している」
「悪循環ですね。
国の上層部はなんでそんな状況を放置しているのですか?
賄賂を受け取り盗賊を放置している貴族を処罰するべきではないですか?」
「その処罰する王族も領主どもから賄賂を受け取ってんだよ。
そもそも、諸悪の根源は王族だ。
現国王のリアは、民を実験台にして怪しげな実験を繰り返しるって噂だし、王妃のコーディリアは国費で宝石を買い漁っているバカ。
第1王子のゴリネルは逃げ惑う平民を弓で射るのが趣味のクズ、第2王子のダンカンは気に入らない奴を犯罪者にでっち上げて拷問して殺すクズ、第3王子のマクベスは街に出ては気に入った女を問答無用で連れ帰り飽きたら放り出すクズだ」
「なんですかそれは⁉︎
そんな奴らが国のトップなんですか⁉︎」
「そうだ、この街なんてまだ平和な方だ。
王都なんて明日の命も分からない程危険らしい」
「誰も王族を止めようとしないのですか?」
「本来、王族の暴走を止める筈の国の上位者は軒並み腐ってやがるんだ」
そこで言葉を切ったガラッドさんはこちらに身を乗り出すと、声を小さくして話します。
「ここだけの話だが、近々レジスタンスが反乱を起こすって噂なんだ」
おお、歴史小説みたいな展開ですね。
わたしも小声で尋ね返しました。
「レジスタンスなんて居るのですか?」
「あくまで噂だがな。
流れの冒険者を雇ったり、武器や情報を集めたりしているらしい」
成る程、現在は『逃○まどう民』、『弾圧さ○る民』、『団結するレジ○タンス』の3枚のカードが場にある状態なんですね。
あとはトラップカードをオープンして『大○命』を発動すれば相手の手札もフィールドも一掃できる訳です。
分かります。
「まぁ、そんな訳だからこの国に用が無いならさっさと出た方がいいぞ」
「ご忠告ありがとうございます。
もともとリーブン王国に用があるのでこの国は通過するだけのつもりなんですよ。
何だか面倒なことになりそうなので早めに出る事にします」
ガラッドさんにお礼を言ってエールを一杯奢った後、ギルドを出ると近場の宿に泊まり朝一で街を出たわたしは盗賊を血祭りに上げる事数日、ガラッドさんの忠告通りそうそうにヤナバル王国を抜けてリーブン王国に入るのでした。
果実水で満たされた盃を酒場のマスターから受け取ったわたしは端っこの席に腰を下ろします。
「ふぅ、なんだかとても疲れました」
「まったくだ、なんであんな事に……」
わたしの前に座ったガラッドさんが肩を落としながら呟きました。
「何を言っているのですか、そもそも貴方が絡んで来たのが原因でしょう」
「うっ、そ、そうだな。
悪かった、少し呑み過ぎていたみてぇだ」
ガラッドさんは素直に頭を下げてくれました。
「それで、なんでお前さんみてぇな奴が冒険者ギルドに?」
「冒険者ですからね」
「………………嘘だろ」
「本当ですよ」
ギルドカードを取り出しガラッドさんに見せます。
わたしのギルドカードを見たガラッドさんは顔色がみるみる内に青くなって行きました。
「…………え、Aランク……マジで?」
「マジです」
「…………俺はあのバカに感謝するべきだったかも知れん」
「わたしとしてはどっちを殴っても大して変わらないのですが、ガラッドさんを殴り倒した方が面倒が少なかったですね」
更に青くなって行くガラッドさんを無視しつつ果実水を味わいます。
美味しいです。
ついでにガラッドさんからこの辺りの情報を教えて貰います。
……いえ、脅してなんかいませんよ?
わたしの卓越した交渉術によって、彼は喜んで喋ってくれています。
「兎に角、今この国は治安が最悪なんだ」
「確かにこの街に来るまで沢山の盗賊を殺しましたね?」
「……そ、そうか。
本来なら盗賊どもに対処するべき領主は盗賊どもから賄賂を受け取り奴らを野放ししてんだよ。
だから街道は盗賊どもで溢れ、多くの商人が犠牲になっている。
村々を回る商人が減ったせいで、村では物資が不足し、困窮した村人が野盗になって更に治安が悪化している」
「悪循環ですね。
国の上層部はなんでそんな状況を放置しているのですか?
賄賂を受け取り盗賊を放置している貴族を処罰するべきではないですか?」
「その処罰する王族も領主どもから賄賂を受け取ってんだよ。
そもそも、諸悪の根源は王族だ。
現国王のリアは、民を実験台にして怪しげな実験を繰り返しるって噂だし、王妃のコーディリアは国費で宝石を買い漁っているバカ。
第1王子のゴリネルは逃げ惑う平民を弓で射るのが趣味のクズ、第2王子のダンカンは気に入らない奴を犯罪者にでっち上げて拷問して殺すクズ、第3王子のマクベスは街に出ては気に入った女を問答無用で連れ帰り飽きたら放り出すクズだ」
「なんですかそれは⁉︎
そんな奴らが国のトップなんですか⁉︎」
「そうだ、この街なんてまだ平和な方だ。
王都なんて明日の命も分からない程危険らしい」
「誰も王族を止めようとしないのですか?」
「本来、王族の暴走を止める筈の国の上位者は軒並み腐ってやがるんだ」
そこで言葉を切ったガラッドさんはこちらに身を乗り出すと、声を小さくして話します。
「ここだけの話だが、近々レジスタンスが反乱を起こすって噂なんだ」
おお、歴史小説みたいな展開ですね。
わたしも小声で尋ね返しました。
「レジスタンスなんて居るのですか?」
「あくまで噂だがな。
流れの冒険者を雇ったり、武器や情報を集めたりしているらしい」
成る程、現在は『逃○まどう民』、『弾圧さ○る民』、『団結するレジ○タンス』の3枚のカードが場にある状態なんですね。
あとはトラップカードをオープンして『大○命』を発動すれば相手の手札もフィールドも一掃できる訳です。
分かります。
「まぁ、そんな訳だからこの国に用が無いならさっさと出た方がいいぞ」
「ご忠告ありがとうございます。
もともとリーブン王国に用があるのでこの国は通過するだけのつもりなんですよ。
何だか面倒なことになりそうなので早めに出る事にします」
ガラッドさんにお礼を言ってエールを一杯奢った後、ギルドを出ると近場の宿に泊まり朝一で街を出たわたしは盗賊を血祭りに上げる事数日、ガラッドさんの忠告通りそうそうにヤナバル王国を抜けてリーブン王国に入るのでした。
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