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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第2部 《精霊の紋章》
17話 夜のさざ波亭
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今日行われる最後の試合、エルフのユミンさんと人族のカイさんの試合が始まります。
ユミンさんが引いたのは【短剣】と書かれた球です。
『本日最後の試合は【短剣】です。
お二人にはこちらが用意した短剣で戦って頂きます』
武器の指定ですか、見たところユミンさんは剣を装備していました。
対してカイさんは穂先が三又になった槍、トライデントを持っていました。
短剣は、武器の性質としては剣に近いのでユミンさんの方が有利かも知れません。
しかし、魔法が禁じられているわけではないのでその辺も勝敗に絡んで来るかも知れませんね。
『さぁ、本日最後の試合です!
世界各地を渡り歩いたエルフ族の旅人、吟遊詩人ユミン対、商船の護衛としてやって来たリーブン王国出身のAランク冒険者、『海斬り』のカイ』
カイさんは二つ名持ちの冒険者の様ですね。
リーブン王国は確か帝国の隣にあるヤナバル王国を超えた先に有る、国土の多くが山脈や海、湖で、農耕などは細々としたものですが、鍛治や錬金術が発達している国です。
シアさんが教えてくれました。
結構遠い国から来ている様ですね。
「始め!」
ユミンさんが腰を落とし、短剣を逆手に構え、カイさんの様子を伺っています。
しかし、カイさんはそれを意に返さず、普通に立っていて構えも取っていません。
「風の精霊よ!」
ユミンさんが精霊魔法によって、無数の風の刃をカイさんに目掛けて飛ばしました。
「水よ」
つぶやく様な詠唱でカイさんの周りに水が生み出されます。
「海噛み!」
カイさんが突き出した短剣に呼応する様に生み出された水が槍と成り、まるで巨大な顎の様にユミンさんを飲み込みました。
そして……
「そこまで!勝者カイ!」
第4試合はカイさんの圧勝でした。
コレでベスト4が出揃いましたね。
明日の試合はザムさんvsナーブさん、わたしvsカイさん、そして決勝戦です。
わたしとシアさんも宿に帰って休む事にします。
そう、王宮ではなく宿です。
クルーガー殿下は好きなだけ滞在して良いと言ってくれましたが街をぶらついた時にアレを発見したわたしは、丁重にお断りし、城下の高級宿にチェックインしました。
いえ、王宮にもアレは有るのですが、やはり宿の方が風情が有ります。
大会の会場を後にしたわたしとシアさんは取っておいた高級宿、夜のさざ波亭にやって来ました。
街でいろいろとリサーチした所、数々の宿の中で夜のさざ波亭のアレは最高だと聞いたのです。
部屋に荷物を置いたわたし達は、早速アレに向かいます。
賢明な皆さんならもうお分かりでしょう。
ここはリザードマンの国、彼らは体温を上げなければ行動力が出ないのです。
ならば、コレが発達するのも自然の摂理です。
そう、温泉です。
次回はサービス満載の温泉回ですよ!
ユミンさんが引いたのは【短剣】と書かれた球です。
『本日最後の試合は【短剣】です。
お二人にはこちらが用意した短剣で戦って頂きます』
武器の指定ですか、見たところユミンさんは剣を装備していました。
対してカイさんは穂先が三又になった槍、トライデントを持っていました。
短剣は、武器の性質としては剣に近いのでユミンさんの方が有利かも知れません。
しかし、魔法が禁じられているわけではないのでその辺も勝敗に絡んで来るかも知れませんね。
『さぁ、本日最後の試合です!
世界各地を渡り歩いたエルフ族の旅人、吟遊詩人ユミン対、商船の護衛としてやって来たリーブン王国出身のAランク冒険者、『海斬り』のカイ』
カイさんは二つ名持ちの冒険者の様ですね。
リーブン王国は確か帝国の隣にあるヤナバル王国を超えた先に有る、国土の多くが山脈や海、湖で、農耕などは細々としたものですが、鍛治や錬金術が発達している国です。
シアさんが教えてくれました。
結構遠い国から来ている様ですね。
「始め!」
ユミンさんが腰を落とし、短剣を逆手に構え、カイさんの様子を伺っています。
しかし、カイさんはそれを意に返さず、普通に立っていて構えも取っていません。
「風の精霊よ!」
ユミンさんが精霊魔法によって、無数の風の刃をカイさんに目掛けて飛ばしました。
「水よ」
つぶやく様な詠唱でカイさんの周りに水が生み出されます。
「海噛み!」
カイさんが突き出した短剣に呼応する様に生み出された水が槍と成り、まるで巨大な顎の様にユミンさんを飲み込みました。
そして……
「そこまで!勝者カイ!」
第4試合はカイさんの圧勝でした。
コレでベスト4が出揃いましたね。
明日の試合はザムさんvsナーブさん、わたしvsカイさん、そして決勝戦です。
わたしとシアさんも宿に帰って休む事にします。
そう、王宮ではなく宿です。
クルーガー殿下は好きなだけ滞在して良いと言ってくれましたが街をぶらついた時にアレを発見したわたしは、丁重にお断りし、城下の高級宿にチェックインしました。
いえ、王宮にもアレは有るのですが、やはり宿の方が風情が有ります。
大会の会場を後にしたわたしとシアさんは取っておいた高級宿、夜のさざ波亭にやって来ました。
街でいろいろとリサーチした所、数々の宿の中で夜のさざ波亭のアレは最高だと聞いたのです。
部屋に荷物を置いたわたし達は、早速アレに向かいます。
賢明な皆さんならもうお分かりでしょう。
ここはリザードマンの国、彼らは体温を上げなければ行動力が出ないのです。
ならば、コレが発達するのも自然の摂理です。
そう、温泉です。
次回はサービス満載の温泉回ですよ!
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