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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第1部 《漆黒の少女》

151話 借りとわたし

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「臨時教員ですか?」

「ああ、実は学院の教員が犯罪を犯し、教員の枠が空いてしまったのだ。  
  正規の教員は見つかったのだが遠方から招く為、今の最上級生の卒業までには間に合わないそうなんだ。
  そこで国王陛下は最上級生の内、成績上位のSクラスに高ランク冒険者からの戦闘指導を受けれる様に手配する事を決められたのだ。
  Sクラス以外のクラスは冒険者との相談にもよるが、一応、他の教員が持ち回り指導に当たるそうだ。
  なので、最低限Sクラスの戦闘指導をしてくれたら良い」

  教員が犯罪ですか、何処の世界でもバカ教師はいるのですね。

「う~ん、教えるのは戦闘だけで良いのですか?」

「出来るなら是非、薬術を教えて貰いたいが、難しいたろう?」

「え、何故です?」

「薬の作り方とかは門外不出じゃ無いのか?」

「危険な毒薬などは別ですが普通の薬なら教えても構わないですよ」

「本当か⁉︎ なら是非、薬術も教えて欲しい」

  フレイド様の食いつきが凄いです。
  しかし、わたしにはこれが有ります。
『だが断る!』

  「いえ、自分で言っておいて何ですが面倒です」

「そこを何とか頼めないか?
  ユウ殿の薬術が広まれば多くの人の命を救うことが出来るはずだ」

  む、それを言われると断り辛いですね。
  しかし、わたしはタダでは折れませんよ。

「条件次第では薬術の講義も含めてお受けしても良いです」

「そうか、条件とは何だ?
  なるべくユウ殿の意に沿う様に私からも国王陛下に伝えよう」

「まず、報酬ですがわたしの働きに相応しいと思う物を用意して下さい。
  わたしの働きに相応しいと思ったのならば金塊でも石ころでも構いません。
  ただし地位とか領地はダメです」

  ふふふ、帝国で学習した方法です。
  今回は個人ではなく国からの依頼ですからね。
  もし、これで国が大した物を用意しなかったら、わたしはこの国を去るかも知れませんし、他の国から『あの国は、功績を正当に評価しない国』と言うレッテルを貼られてしまいます。
  必然的にそれなりの報酬を用意してくれると言う絡繰です。

「なるほどな、ユウ殿もなかなか抜け目がない。
  わかった、その条件で国王陛下に伝えよう」

「あ、条件はもう1つ有ります」

「もう1つ?」

「はい、フレイド様はわたしの薬術を高く評価してくれていますよね?」

「勿論だ、もし、学院での臨時教員を断られたら王宮の薬師達に少しでも指導して貰えないか頼む積りだったんだ」

「なるほど、そんなわたしから薬術の講義の約束を取り付ける事が出来たのならば、さぞ王宮からのフレイド様の評価が上がるのではないでしょうか?」

「……………………………そうだな」

  わたしはニヤリと笑い要求を突きつけます。

「ではこれで、以前のカヤバ草とムーンラビットの魔石の件での借りは返したと言う事で良いですか?」

「む…………」

  フレイド様はたっぷり30秒掛けて悩んだ末、わたしの条件を飲むのでした。

  
  
  

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