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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第1部 《漆黒の少女》
139話 保護とわたし
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「魔力欠乏症候群ですね」
わたしはベッドで赤い顔をして眠るマールちゃんの病を診断します。
「はい、孤児院がお世話になっているお医者様からも魔力欠乏症候群だと言われました。
その……治療には高額の薬が必要だと……」
「確かに魔力欠乏症候群は体内で魔力を作る事が出来ない人が掛かる病気です。
治療するには魔力が高い土地に自生する薬草が必要ですから、必然と薬も高額になって行きます」
「私達の力が足りないばかりにマールは……」
「大丈夫ですよ、問題の薬草ならわたしのマジックバッグにまだストックが有った筈です」
「え⁉︎」
「わたしは普段、ミルミット王国の辺境の街に住んでいるのですよ。
そして、魔力の高い辺境の森で薬草を集めているので沢山有りますよ」
「ほ、本当ですか」
「はい、すぐに薬を調合しますから待っていて下さい」
「しかし、お金が……」
「お金は要りませんよ、気にしないで下さい」
「いえ、そう言う訳には行きません」
「なら、これは寄付という事で」
「寄付……ですか」
「ええ、神様にはお世話になっていますからね」
「ふふふ、まるで神様にあった事があるかの様ですね、分かりました。
有難く頂戴致します」
冗談ではなかったのですが、まぁ納得して貰えるなら良いでしょう。
調合が終わり、マールちゃんに薬を飲ませた後、シスターのカームさんと神父のナギさんに誘われてお茶を頂いています。
「ユウさんの薬でマールも大分落ち着いた様ですね」
「はい、あのままでは命も危なかった。
ユウさんには本当に感謝しております」
「気にしないで下さい、わたしが好きでやった事ですから。
それにしてもこの孤児院の子供達は仲間意識と言うか結束力と言うか絆が強いですね。
いくら兄弟の様に育ったとしても、罪を犯してまで助けようとするとは驚きました」
「あの子達はみんな同じ境遇でこの孤児院にやって来たのです」
「神父様⁉︎」
「良いのです、シスターカーム。
ユウさんはマールの恩人です。
彼女になら話しても良いでしょう」
「話しにくいのなら構いませんよ?」
「いえ、重大な秘密と言う訳ではないのですよ。
帝都に住む者なら大抵の人が知っている事です。
ユウさんは帝都で暗躍している2つの犯罪組織の事をご存知ですか?」
「えっと高き釣鐘と堅固な水門でしたっけ」
「そうです。
高き釣鐘は暗殺や闇市の仕切りなどを行い、堅固な水門は人身売買や違法薬物の取り引きなどを行う組織です。
そして、この孤児院にいる子供達は全て堅固な水門に親を殺され違法奴隷として捕らえられていたのです」
「堅固な水門に……」
「はい、あの子達を捕らえていたアジトにいた構成員が高き釣鐘との抗争で壊滅して売られる前に高き釣鐘に保護されたのです」
「保護……ですか、犯罪組織ですよね?」
「はい、高き釣鐘はお金で人の命を奪う罪深い者たちです。
しかし、高き釣鐘はもともと帝国建国時に出来た自警団です。
その為、高き釣鐘には人身売買や違法薬物などを禁止するなど街の人々を守る為の掟が存在するらしいのです。
彼らは掟に従い子供達を保護すると、この孤児院に預けて行ったのです」
ん~複雑ですね。
でも、暗殺者は暗殺者ですから向かって来たら叩き斬る、これで行きましょう。
うん、わたしはブレませんよ!
わたしはベッドで赤い顔をして眠るマールちゃんの病を診断します。
「はい、孤児院がお世話になっているお医者様からも魔力欠乏症候群だと言われました。
その……治療には高額の薬が必要だと……」
「確かに魔力欠乏症候群は体内で魔力を作る事が出来ない人が掛かる病気です。
治療するには魔力が高い土地に自生する薬草が必要ですから、必然と薬も高額になって行きます」
「私達の力が足りないばかりにマールは……」
「大丈夫ですよ、問題の薬草ならわたしのマジックバッグにまだストックが有った筈です」
「え⁉︎」
「わたしは普段、ミルミット王国の辺境の街に住んでいるのですよ。
そして、魔力の高い辺境の森で薬草を集めているので沢山有りますよ」
「ほ、本当ですか」
「はい、すぐに薬を調合しますから待っていて下さい」
「しかし、お金が……」
「お金は要りませんよ、気にしないで下さい」
「いえ、そう言う訳には行きません」
「なら、これは寄付という事で」
「寄付……ですか」
「ええ、神様にはお世話になっていますからね」
「ふふふ、まるで神様にあった事があるかの様ですね、分かりました。
有難く頂戴致します」
冗談ではなかったのですが、まぁ納得して貰えるなら良いでしょう。
調合が終わり、マールちゃんに薬を飲ませた後、シスターのカームさんと神父のナギさんに誘われてお茶を頂いています。
「ユウさんの薬でマールも大分落ち着いた様ですね」
「はい、あのままでは命も危なかった。
ユウさんには本当に感謝しております」
「気にしないで下さい、わたしが好きでやった事ですから。
それにしてもこの孤児院の子供達は仲間意識と言うか結束力と言うか絆が強いですね。
いくら兄弟の様に育ったとしても、罪を犯してまで助けようとするとは驚きました」
「あの子達はみんな同じ境遇でこの孤児院にやって来たのです」
「神父様⁉︎」
「良いのです、シスターカーム。
ユウさんはマールの恩人です。
彼女になら話しても良いでしょう」
「話しにくいのなら構いませんよ?」
「いえ、重大な秘密と言う訳ではないのですよ。
帝都に住む者なら大抵の人が知っている事です。
ユウさんは帝都で暗躍している2つの犯罪組織の事をご存知ですか?」
「えっと高き釣鐘と堅固な水門でしたっけ」
「そうです。
高き釣鐘は暗殺や闇市の仕切りなどを行い、堅固な水門は人身売買や違法薬物の取り引きなどを行う組織です。
そして、この孤児院にいる子供達は全て堅固な水門に親を殺され違法奴隷として捕らえられていたのです」
「堅固な水門に……」
「はい、あの子達を捕らえていたアジトにいた構成員が高き釣鐘との抗争で壊滅して売られる前に高き釣鐘に保護されたのです」
「保護……ですか、犯罪組織ですよね?」
「はい、高き釣鐘はお金で人の命を奪う罪深い者たちです。
しかし、高き釣鐘はもともと帝国建国時に出来た自警団です。
その為、高き釣鐘には人身売買や違法薬物などを禁止するなど街の人々を守る為の掟が存在するらしいのです。
彼らは掟に従い子供達を保護すると、この孤児院に預けて行ったのです」
ん~複雑ですね。
でも、暗殺者は暗殺者ですから向かって来たら叩き斬る、これで行きましょう。
うん、わたしはブレませんよ!
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