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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第1部 《漆黒の少女》

131話 謁見とわたし

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  わたしは、帝都の門から少し離れた人気のない場所に降りました。

「お疲れ様です、オリオン」

「キュキュ」

「契約により 扉を開く 地を駆ける翼を我が元に 召喚サモン走鳥バードランナー

  オリオンの頭を撫でてから送還したわたしは新たにモモを召喚します。

「モモ、帝都まではお願いしますね」

「ぐぅ!」

  モモに騎乗したわたしは数分で帝都の門にたどり着きました。
  帝都に入ろうとしている人達の列に並びます。
  チェクしている衛兵さんの数が多いのでしょう、列はさくさく進みます。
  そして、わたしの番になりました。

「次の者、身分証はあるか?」

「はい」

  わたしはギルドカードを差し出します。

「え、Aランク⁉︎  も、もしや、貴方が皇帝陛下の依頼を受けて来られた冒険者殿でしょうか?」

「はい、ミルミット王国の辺境の街ガストから来ました薬師兼冒険者のユウです」

「失礼しました、直ぐに上の者を呼びますので少々お待ちください」

  若い衛兵さんが呼んで来た、この門を担当する責任者だと言う隊長さんに案内され門の中の部屋に通されます。

「直ぐに迎えの馬車が参りますのでしばらくお待ちください」

「ありがとうございます」

  紅茶を一杯頂き、迎えの馬車を待ちます。
  数分で馬車が到着し、遠くの方に見える城へと向かいます。
  王国では、王都に行ったことがなかったので、城に行くのは初めてですね。
  少し、楽しみです。
  患者のルクス氏は現在は城の医務室にいるらしいです。
  馬車に揺られること数十分、ようやく城に到着しました。
  遠いです。
  城自体は帝都の入り口から見えていたのですが、そこから城門までかなりの時間を要しました。
  とても大きな建物です。
  イメージとしてはスペインのコカ城とドイツのホーエンツォレルン城をたして2を掛けたような感じです。
  城門を抜けた所でギルドカードと皇帝陛下からの依頼書を確認されたわたしは応接室へ通されます。

「この部屋でしばらくお待ちください」

  ここまで案内してくれた執事さんにお礼を言って待たせて貰います。
  王族いえ、皇族ですか……まぁ貴族とかの偉い人に会うのは面倒ですね。
  しばらく待たされたあと、執事さんが呼びに来ました。
  謁見の用意が出来たようです。
  応接室から少し歩くととても豪華な扉がありました。
  
「大変恐縮でございますが武器をお預け願えますか?」
 
  執事さんに言われてまだ自分が背中に戦斧を背負っている事を思い出しました。
  そうですね。
  あからさまに武器を持って皇帝陛下に謁見する訳にはいきませんね。
  応接室で座る時などは横に立て掛けていたのに気がつきませんでした。
  現代日本出身のわたしは当然、謁見など初めてですから仕方ないですね。
  わたしは水龍の戦斧と腰に付けていたナイフを謁見の間の前に控えていた騎士さんに預けます。
  水龍の戦斧を受け取った騎士さんは少しよろめいていました。
  鍛え方が足りませんよ。
  アイテムボックスの中にはまだまだ武器が有りますし、召喚魔法を使えば水龍の戦斧も直ぐに手元に召喚出来るのですがめんどくさいので口には出しません。
  そもそも別に暴れるつもりは無いのですから問題ないのです。

「それでは、どうぞ、皇帝陛下が、お待ちです」

  わたしは、両側に控えた騎士さんが開けてくれた扉を潜り、皇帝陛下と謁見するのでした。
  

  
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