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アルタリア大陸編
16話 因縁のあいつ?
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村長に聞いた山の中、道無き道を進んでいくと小さな小川を発見した。
聞いていた通りならこの小川に沿って進むと小さな洞窟があり、その中が確認されている水源の最上流らしい。
『水【毒入り】』
○毒物に汚染された小川の水。
人間の飲用には適さず、注意が必要。
「少し毒が強くなっているわね」
と言うことは毒の原因に近づいているって事ね。
「⁉︎」
咄嗟にその場を飛び退くと鋭い牙を持った狼の様な魔物が私がいた場所に飛びかかって来た。
「邪魔しないでよ!」
狼の魔物に分銅を投擲するのと同時に【索敵】を使って周囲を探ると、少し離れた位置から私を半円で囲む様に魔物の気配を見つけた。
「狼って言えば群れるのが定番よね」
狼のまの素早いステップで躱された分銅を手元に引き戻し、その勢いのまま左後方に飛ばす。
「ギャン!」
茂みに隠れて此方を伺っていた1匹に直撃する。
「ガッ!」
「グォ!」
仲間がやられて焦ったのか目の前にいた狼の魔物が私に飛び掛かり、そのタイミングに合わせる様に右側の岩山上からも狼の魔物が跳躍する。
「“加風”」
本来なら、鎖を伸ばしきった分銅を使うには時間が足りなかった。
しかし、魔法の風で加速した分銅は狼の魔物が私の喉笛に食らいつく前にその身体を叩き落とす。
「“土槍”」
更に足元から土を固めた槍を伸ばし、岩山の上から襲い掛かって来た狼の魔物を迎撃した。
3匹の狼の魔物が死んだ事を確認し、もう1度【索敵】を使うと、他の魔物は既に姿を隠していた。
どうやら勝てないと悟って逃げたらしい。
実に賢い。
狼の魔物との戦闘の後は特に襲撃などもなく、小川を辿り聞いていた洞窟へと到着した。
ここに来るまで特に変なものは無かったと思う。
私の予想では川の途中で毒を持つ魔物の死骸か、毒草が川の中に沈んでいるのではなとこと思っていたのだけれど違ったらしい。
洞窟の中に魔物の死骸や毒草がある可能性も有るが、洞窟の入り口は小柄な私が身を屈めてようやく入れる程度、死後何日も毒を出し続けるほど大きな魔物は入り込めないし、光源が乏しく毒草は育たないと思っていたのだけれど……
『水【毒入り】』
○毒物に汚染された小川の水。
飲用には適さず、注意が必要。
鑑定の情報から『人間の』と言う文字が消えていた。
魔物でも危険な猛毒と言うことか……
「洞窟の奥でも原因が分からなかったらお手上げね」
その時は後発の調査隊に任せるしかない。
私は身を屈めて洞窟の中に入って行った。
「“灯”」
魔法で作り出した光源を3つ程周囲に浮かべて辺りを見回すと、洞窟は小川に沿う様に奥へと続いていた。
幸いなことに少し奥に入ると立って歩ける程度には広くなっており、這いずり回る羽目にはならなかった。
特に何も無く進むと急に広い場所に出た。
ここが村長が言っていた最上流だろう。
「うわぁ……」
そして……見つけてしまった。
アレが毒の原因に違いない。
【キングポイズンスライム】
○称号
【王者】
○スキル
【腐食】【消化】【物理耐性】【自己再生】【魔力感知】
○エクストラスキル
【猛毒】
洞窟の奥に潜んでいたのは唯一私に泥を付けた因縁のあいつ……その上位種だった。
てか、強すぎない?
聞いていた通りならこの小川に沿って進むと小さな洞窟があり、その中が確認されている水源の最上流らしい。
『水【毒入り】』
○毒物に汚染された小川の水。
人間の飲用には適さず、注意が必要。
「少し毒が強くなっているわね」
と言うことは毒の原因に近づいているって事ね。
「⁉︎」
咄嗟にその場を飛び退くと鋭い牙を持った狼の様な魔物が私がいた場所に飛びかかって来た。
「邪魔しないでよ!」
狼の魔物に分銅を投擲するのと同時に【索敵】を使って周囲を探ると、少し離れた位置から私を半円で囲む様に魔物の気配を見つけた。
「狼って言えば群れるのが定番よね」
狼のまの素早いステップで躱された分銅を手元に引き戻し、その勢いのまま左後方に飛ばす。
「ギャン!」
茂みに隠れて此方を伺っていた1匹に直撃する。
「ガッ!」
「グォ!」
仲間がやられて焦ったのか目の前にいた狼の魔物が私に飛び掛かり、そのタイミングに合わせる様に右側の岩山上からも狼の魔物が跳躍する。
「“加風”」
本来なら、鎖を伸ばしきった分銅を使うには時間が足りなかった。
しかし、魔法の風で加速した分銅は狼の魔物が私の喉笛に食らいつく前にその身体を叩き落とす。
「“土槍”」
更に足元から土を固めた槍を伸ばし、岩山の上から襲い掛かって来た狼の魔物を迎撃した。
3匹の狼の魔物が死んだ事を確認し、もう1度【索敵】を使うと、他の魔物は既に姿を隠していた。
どうやら勝てないと悟って逃げたらしい。
実に賢い。
狼の魔物との戦闘の後は特に襲撃などもなく、小川を辿り聞いていた洞窟へと到着した。
ここに来るまで特に変なものは無かったと思う。
私の予想では川の途中で毒を持つ魔物の死骸か、毒草が川の中に沈んでいるのではなとこと思っていたのだけれど違ったらしい。
洞窟の中に魔物の死骸や毒草がある可能性も有るが、洞窟の入り口は小柄な私が身を屈めてようやく入れる程度、死後何日も毒を出し続けるほど大きな魔物は入り込めないし、光源が乏しく毒草は育たないと思っていたのだけれど……
『水【毒入り】』
○毒物に汚染された小川の水。
飲用には適さず、注意が必要。
鑑定の情報から『人間の』と言う文字が消えていた。
魔物でも危険な猛毒と言うことか……
「洞窟の奥でも原因が分からなかったらお手上げね」
その時は後発の調査隊に任せるしかない。
私は身を屈めて洞窟の中に入って行った。
「“灯”」
魔法で作り出した光源を3つ程周囲に浮かべて辺りを見回すと、洞窟は小川に沿う様に奥へと続いていた。
幸いなことに少し奥に入ると立って歩ける程度には広くなっており、這いずり回る羽目にはならなかった。
特に何も無く進むと急に広い場所に出た。
ここが村長が言っていた最上流だろう。
「うわぁ……」
そして……見つけてしまった。
アレが毒の原因に違いない。
【キングポイズンスライム】
○称号
【王者】
○スキル
【腐食】【消化】【物理耐性】【自己再生】【魔力感知】
○エクストラスキル
【猛毒】
洞窟の奥に潜んでいたのは唯一私に泥を付けた因縁のあいつ……その上位種だった。
てか、強すぎない?
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