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マーリンさんの学業奮闘記
マーリンさん、指環を作製する
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バカ貴族と戦った翌日、コーレル先生が教室に入り、朝のホームルームが始まる。
「昨日は災難だったな。
ランスロットは1ヶ月の謹慎となった。
お前らは大丈夫だと思うが貴族の3人はあんなバカな事はしない様に、気をつけろよ」
「「「はい」」」
「先生、質問してもいいですか?」
「どうしたクルス?」
「なぜ、先生はあのマジックアイテムの霧の中で行動出来たのですか?」
「あぁ、これだ」
そう言ってコーレル先生は首からさげたペンダントを見せてくれた。
「《解放の首飾り》ですわね。
束縛系の魔法や麻痺毒など、身体の自由を奪う異常を抵抗する事が出来るマジックアイテムですわ」
「流石だなレブリック。
これは俺が冒険者時代に迷宮都市ダイダロスで手に入れた物だ。
この様な防御系のマジックアイテムは非常に有用だ。
お前達もそのうち……特にレオンハルトなどは、良いものを手に入れた方が良い」
なるほど、何時も教師に似つかわしくないアクセサリーだと思っていたけどアレはマジックアイテムだったのか。
と言う事はあの指環やピアスもマジックアイテムかも知れない。
今日の授業は魔導工学だ。
魔導工学は魔力によって作動する道具の作製などを学ぶ。
つまり、マジックアイテムの作製だ。
「それでは、今説明した事に注意しながら各自指環に魔法を付与してみなさい」
魔導工学の担当は見た目、邪悪な魔法使いにしか見えないサマリオ先生だ。
何と言うか、こう、どんよりしたオーラを放っている。
授業は丁寧で分かりやすいし、良い先生なのだが。
わたしは手元に配られた魔鋼製の指環(本当にただの輪っかだ)に一緒に配られたスクロールに封じられた魔法を付与していく。
スクロールは魔法を封じ込める事で適正がない者や魔力が少ない者でも魔法を使う事が出来る(魔力が少ない者はコントロールするのが難しいので、あまり高度なスクロールは扱えない)マジックアイテムだ。
価値は街の魔法屋で購入する事が出来る安い物から、城の宝物庫に厳重に管理された国宝級の物までピンキリだ。
今回、指環に付与するのは水属性のミラージュと言う魔法だ。
幻影を纏う事で自分の姿を変えることが出来る。
まぁ、学生の作るマジックアイテムだ。
流石にそこまでの効果はない。
せいぜい、少し雰囲気が変わるくらいだろう。
「おっと、こんなもんかな」
「ふむ、マーリン嬢はなかなか筋が良いな」
「わっ! あ、ありがとうございます」
びっくりした。
いつの間にか、後ろにサマリオ先生が立っていた。
集中していて気づかなかった。
「皆、《偽りの指環》は完成したな。
では、各自、自作した指環を着けて発動して見なさい」
私達は自分で作製したマジックアイテムを起動する。
すると皆んなから感じる雰囲気が変わった気がする。
顔は知っている人なのに、初めて会った人の様だ。
そんな中、私だけは、髪の色や瞳の色、雰囲気、などの変化があった。
「うむ、全員成功か。
流石Sクラスだな。
特に、マーリン嬢、君の偽りの指環は他の者より1段上の性能がある様だな」
「あ、本当ですわ、わたくし達の指環は低品質ですがマーリンさんの指環は中級品ですわ」
「マジックアイテムの作製は師匠から少し教わってたからね」
「む~、羨ましいですわ」
「ははは、商人のシアさんには羨ましい技術だよね」
「マーリンさん、わたくしの商会に就職致しませんか?」
「い、いや、遠慮するよ」
(おい、シアの奴、目がマジだぞ)
(レオ、今は話しかけちゃダメだよ。
気配を消すんだ)
く、レオとアルは知らん振りを決め込んでいる。
商人モードのシアはマジで怖いんだよ。
誰か……助けて…
「昨日は災難だったな。
ランスロットは1ヶ月の謹慎となった。
お前らは大丈夫だと思うが貴族の3人はあんなバカな事はしない様に、気をつけろよ」
「「「はい」」」
「先生、質問してもいいですか?」
「どうしたクルス?」
「なぜ、先生はあのマジックアイテムの霧の中で行動出来たのですか?」
「あぁ、これだ」
そう言ってコーレル先生は首からさげたペンダントを見せてくれた。
「《解放の首飾り》ですわね。
束縛系の魔法や麻痺毒など、身体の自由を奪う異常を抵抗する事が出来るマジックアイテムですわ」
「流石だなレブリック。
これは俺が冒険者時代に迷宮都市ダイダロスで手に入れた物だ。
この様な防御系のマジックアイテムは非常に有用だ。
お前達もそのうち……特にレオンハルトなどは、良いものを手に入れた方が良い」
なるほど、何時も教師に似つかわしくないアクセサリーだと思っていたけどアレはマジックアイテムだったのか。
と言う事はあの指環やピアスもマジックアイテムかも知れない。
今日の授業は魔導工学だ。
魔導工学は魔力によって作動する道具の作製などを学ぶ。
つまり、マジックアイテムの作製だ。
「それでは、今説明した事に注意しながら各自指環に魔法を付与してみなさい」
魔導工学の担当は見た目、邪悪な魔法使いにしか見えないサマリオ先生だ。
何と言うか、こう、どんよりしたオーラを放っている。
授業は丁寧で分かりやすいし、良い先生なのだが。
わたしは手元に配られた魔鋼製の指環(本当にただの輪っかだ)に一緒に配られたスクロールに封じられた魔法を付与していく。
スクロールは魔法を封じ込める事で適正がない者や魔力が少ない者でも魔法を使う事が出来る(魔力が少ない者はコントロールするのが難しいので、あまり高度なスクロールは扱えない)マジックアイテムだ。
価値は街の魔法屋で購入する事が出来る安い物から、城の宝物庫に厳重に管理された国宝級の物までピンキリだ。
今回、指環に付与するのは水属性のミラージュと言う魔法だ。
幻影を纏う事で自分の姿を変えることが出来る。
まぁ、学生の作るマジックアイテムだ。
流石にそこまでの効果はない。
せいぜい、少し雰囲気が変わるくらいだろう。
「おっと、こんなもんかな」
「ふむ、マーリン嬢はなかなか筋が良いな」
「わっ! あ、ありがとうございます」
びっくりした。
いつの間にか、後ろにサマリオ先生が立っていた。
集中していて気づかなかった。
「皆、《偽りの指環》は完成したな。
では、各自、自作した指環を着けて発動して見なさい」
私達は自分で作製したマジックアイテムを起動する。
すると皆んなから感じる雰囲気が変わった気がする。
顔は知っている人なのに、初めて会った人の様だ。
そんな中、私だけは、髪の色や瞳の色、雰囲気、などの変化があった。
「うむ、全員成功か。
流石Sクラスだな。
特に、マーリン嬢、君の偽りの指環は他の者より1段上の性能がある様だな」
「あ、本当ですわ、わたくし達の指環は低品質ですがマーリンさんの指環は中級品ですわ」
「マジックアイテムの作製は師匠から少し教わってたからね」
「む~、羨ましいですわ」
「ははは、商人のシアさんには羨ましい技術だよね」
「マーリンさん、わたくしの商会に就職致しませんか?」
「い、いや、遠慮するよ」
(おい、シアの奴、目がマジだぞ)
(レオ、今は話しかけちゃダメだよ。
気配を消すんだ)
く、レオとアルは知らん振りを決め込んでいる。
商人モードのシアはマジで怖いんだよ。
誰か……助けて…
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