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王宮生活
17(クラウスサイド)
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「アーデル!」
グラリと体が傾いたアーデルハイドを腕の中に引き寄せる。意識を失っているようだ。
「きゃーーー」
「アーデルハイド様!」
周りから悲鳴が上がる。クラウスは彼女を横抱きにして抱き上げると笑顔を顔に貼り付けた。
「皆、大丈夫だ。心配はいらない。彼女は少し疲れたようだ」
「しかし……」
「心配はいらない。だか、申し訳ないが、今日は失礼する。皆はまだ楽しむがいい」
クラウスの笑顔に誰一人反論する者はいない。直ぐに会場内いたベルナンドとリヒャルドがやってくる。
「クラウス殿下、こちらへ」
ベルナンドの指示でリヒャルドが先頭に立つと会場の出口に向かう。
しんと静まり返った会場と女性とはいえ人一人にしては軽すぎる彼女の体に気持ちは焦る。
「ベルナンド」
「わかっている。会場は俺に任せてくれ」
「頼んだ。リヒャルド」
「はっ! 医者は既に手配しました」
クラウスは頷いてから腕の中のアーデルハイドに目を向けた。あの強い瞳が閉じていると弱々しすぎる。
後ろで扉が閉まる音がするが、クラウスは歩くことに集中する。その途中で何度もアーデルハイドが息をしているかを確かめる。
大丈夫だ。息をしている。背中を変な汗が背中を伝う。
王太子宮の彼女の部屋に向かう道のりはこんなにも遠かっただろうか?
最後には走るように彼女の部屋に駆け込んだ。前を走っているリヒャルドはすぐに彼女のベッドの上掛けを捲るとサッと身を引いた。クラウスはベッドの脇に立つと大きく息を吐いてからゆっくりと慎重に彼女をベッドに下ろす。
バタン
扉が閉まる音共に物凄い勢いでリヒャルドがベッドサイドにやってきた。
「生きてるか? アーデル!」
すぐに彼女の口元に手を当てて、脈を測る。その動作はとても手慣れている。王宮に連れて来る前リヒャルドは今クラウスが感じている恐怖を一人で抱えていたのだろう。
「リヒャルド、大丈夫だ。息はちゃんとしている」
クラウスの言葉にリヒャルドはハーっと息を吐いた。
「よかった。死んでない。死んでいない」
半泣きになっているリヒャルドの肩に手を置いた。
「リヒャルド、大丈夫だ。アーデルハイド嬢はもう死なない。いいな? 私が死なせない。約束したんだ」
「クラウス殿下?」
その時部屋へバタバタと医者がやってきた。
クラウスとリヒャルドは部屋の端によって診察が終わるのを待つ。
こんなに時間がかかるものか?
クラウスは自分が冷静ではないことに気付いていなかった。
一通り診察を終えた医者が立ち上がる。
「ただの貧血でしょう。心配ありませんな」
知らず知らず詰めていた息を吐き出したクラウスは医者に礼を言って部屋から送り出すとベッドに横たわるアーデルハイドに目を向ける。
そこににはリヒャルドがアーデルハイドの力ない手を取って握りしめているのが見える。医者の話に安心したのだろう。その顔は泣き笑いのように歪んでいた。
「よかった。本当によかった」
そう繰り返すリヒャルドにクラウスは近づくとその肩に手を置いた。
リヒャルドは信頼できる。
「リヒャルド……」
リヒャルドはアーデルハイドの手を跪いた額に当てて祈るように目を閉じている。
「クラウス殿下、アーデルは何をしたんでしょうか。なぜこんなに苦しまねばならないのでしょうか。この子は何もしていないはずなのに」
クラウスはリヒャルドに全てを話すには今しかないと思った。
アーデルハイドが自分で話すとしていたが今この状況で話すことが効果的だ。
心の中でアーデルハイドに詫びながらリヒャルドをソファーに座らせて、クラウスも目の前に腰を下ろすとふぅっと息を吐き出した。
目を真っ赤にしているリヒャルドにクラウスは心を決めて向き合った。
「リヒャルド、お前に話したいことがある」
ハンカチで目元を抑えながらリヒャルドは顔を上げた。
「何でしょうか」
「アーデルハイド嬢から聞いたのだが、彼女は階段から落とされたと言っている」
「え?」
「私との婚約発表の日、あの大階段から落ちたのではなく落とされたと言っている」
リヒャルドの顔からサーッと血の気が引いた。
「なんだと!!!」
大きな声を出したリヒャルドに向かってクラウスは手を挙げて落ち着くように言う。
「落ち着いてくれ。本来ならアーデルハイド嬢から直接話すはずだったんだが、今話すべきだと私が判断したんだ」
クラウスは自分の能力がアーデルハイドに移ってしまったこと以外を全て話した。あの葬送の儀式でアーデルハイドの声を聞いたこと、まだ生きていると思ったこと、能力を使って気力をサポートしたこと全てを話した。
「アーデルは何と言っていますか?」
クラウスはリヒャルドの目をしっかりと見た。
「彼女は強いな。自分自身で犯人を見つけると言っている。ただお前が自分を束縛するのではないかと心配していた」
リヒャルドは膝に置いた手をギュッと握りしめた。
「だが私はお前には側にいて彼女を守りながら一緒に犯人を探してもらいたいと思っているし彼女にもそう話した」
「あの、アーデルは……」
「最後には了承した。今私が話さなかったとしてもアーデルハイド嬢が話すはずだった話だ」
リヒャルドは頷くと俯いた。
「誰かがアーデルを殺したということ……ですよね」
リヒャルドの体から物騒なオーラが立ち込める。
「あ、いや、アーデルハイド嬢はい、生きてるぞ」
リヒャルドが鬼気迫る目をしてクラウスを睨む。
「クラウス殿下が気づかなければ死んでいました。そうですよね」
「あ、ああ、まぁ、そうだが」
リヒャルドが手を組んで指をポキポキと鳴らす。
「どこの誰だかは知らないが、絶対に許さない。絶対に許さない」
あまりのどす黒いオーラの色に顔を引き攣らせたが釘を刺す。
「リ、リヒャルド。お前の気持ちはわかるが報復はアーデルハイド嬢本人が行いたいと言っていたぞ」
「えぇ、わかります。わかっておりますとも。アーデルは自分できちんと報復すべきです。ですが私のこの気持ちは私にしか晴らせない恨みもあるのです。もし、万が一優しいアーデルが情に流されても、その時は……」
クラウスはその続きは聞かなかったことにしてアーデルハイドの体調に話を移した。
「ところで、彼女はあんなに軽いのか?」
「へ?」
「あ、いや、女性を抱き上げた経験はあまりないからよくわからないのだが、かなり軽く感じたのだ」
「そんな……」
「見た目も前よりはかなり痩せたな。お前はどう思う?」
「殿下、アーデルの侍女をお呼びください」
リヒャルドに言われた通りカーラを呼び出すと早速リヒャルドがカーラに日頃の様子や食事の量、内容を確認する。
「やはり……」
「どうしたんだ?」
「食事量の割に運動量が多いのです。更にアーデルの嫌いな物も多い」
「カーラ、本当か?」
カーラは頭を下げて首を振った。
「存じ上げません。アーデルハイド様はいつも美味しいと仰って召し上がっておりました。ですが、確かに残されることも多かったかもしれません」
「それはそうです。アーデルハイドは無闇に好き嫌いは言いません。人であっても食べ物であっても。しかし、知らず知らずに食事の量に影響したのでしょう。それにアーデルは弱音を吐きません。リハビリは真面目にやりすぎていたのでしょう」
「ふむ」
クラウスは、内心リヒャルドのアーデルハイドへの過剰な干渉を懸念したが、今はその過剰さも必要なのかもしれない。
「リヒャルド、お前の考えるアーデルハイド嬢の理想の生活について教えてくれ」
クラウスは腕に残る頼り無げな彼女の体の感触を確かめるように手を握りしめた。
この放って置けないという気持ちがなんなのかクラウスにはまだ判断がつかなかった。
グラリと体が傾いたアーデルハイドを腕の中に引き寄せる。意識を失っているようだ。
「きゃーーー」
「アーデルハイド様!」
周りから悲鳴が上がる。クラウスは彼女を横抱きにして抱き上げると笑顔を顔に貼り付けた。
「皆、大丈夫だ。心配はいらない。彼女は少し疲れたようだ」
「しかし……」
「心配はいらない。だか、申し訳ないが、今日は失礼する。皆はまだ楽しむがいい」
クラウスの笑顔に誰一人反論する者はいない。直ぐに会場内いたベルナンドとリヒャルドがやってくる。
「クラウス殿下、こちらへ」
ベルナンドの指示でリヒャルドが先頭に立つと会場の出口に向かう。
しんと静まり返った会場と女性とはいえ人一人にしては軽すぎる彼女の体に気持ちは焦る。
「ベルナンド」
「わかっている。会場は俺に任せてくれ」
「頼んだ。リヒャルド」
「はっ! 医者は既に手配しました」
クラウスは頷いてから腕の中のアーデルハイドに目を向けた。あの強い瞳が閉じていると弱々しすぎる。
後ろで扉が閉まる音がするが、クラウスは歩くことに集中する。その途中で何度もアーデルハイドが息をしているかを確かめる。
大丈夫だ。息をしている。背中を変な汗が背中を伝う。
王太子宮の彼女の部屋に向かう道のりはこんなにも遠かっただろうか?
最後には走るように彼女の部屋に駆け込んだ。前を走っているリヒャルドはすぐに彼女のベッドの上掛けを捲るとサッと身を引いた。クラウスはベッドの脇に立つと大きく息を吐いてからゆっくりと慎重に彼女をベッドに下ろす。
バタン
扉が閉まる音共に物凄い勢いでリヒャルドがベッドサイドにやってきた。
「生きてるか? アーデル!」
すぐに彼女の口元に手を当てて、脈を測る。その動作はとても手慣れている。王宮に連れて来る前リヒャルドは今クラウスが感じている恐怖を一人で抱えていたのだろう。
「リヒャルド、大丈夫だ。息はちゃんとしている」
クラウスの言葉にリヒャルドはハーっと息を吐いた。
「よかった。死んでない。死んでいない」
半泣きになっているリヒャルドの肩に手を置いた。
「リヒャルド、大丈夫だ。アーデルハイド嬢はもう死なない。いいな? 私が死なせない。約束したんだ」
「クラウス殿下?」
その時部屋へバタバタと医者がやってきた。
クラウスとリヒャルドは部屋の端によって診察が終わるのを待つ。
こんなに時間がかかるものか?
クラウスは自分が冷静ではないことに気付いていなかった。
一通り診察を終えた医者が立ち上がる。
「ただの貧血でしょう。心配ありませんな」
知らず知らず詰めていた息を吐き出したクラウスは医者に礼を言って部屋から送り出すとベッドに横たわるアーデルハイドに目を向ける。
そこににはリヒャルドがアーデルハイドの力ない手を取って握りしめているのが見える。医者の話に安心したのだろう。その顔は泣き笑いのように歪んでいた。
「よかった。本当によかった」
そう繰り返すリヒャルドにクラウスは近づくとその肩に手を置いた。
リヒャルドは信頼できる。
「リヒャルド……」
リヒャルドはアーデルハイドの手を跪いた額に当てて祈るように目を閉じている。
「クラウス殿下、アーデルは何をしたんでしょうか。なぜこんなに苦しまねばならないのでしょうか。この子は何もしていないはずなのに」
クラウスはリヒャルドに全てを話すには今しかないと思った。
アーデルハイドが自分で話すとしていたが今この状況で話すことが効果的だ。
心の中でアーデルハイドに詫びながらリヒャルドをソファーに座らせて、クラウスも目の前に腰を下ろすとふぅっと息を吐き出した。
目を真っ赤にしているリヒャルドにクラウスは心を決めて向き合った。
「リヒャルド、お前に話したいことがある」
ハンカチで目元を抑えながらリヒャルドは顔を上げた。
「何でしょうか」
「アーデルハイド嬢から聞いたのだが、彼女は階段から落とされたと言っている」
「え?」
「私との婚約発表の日、あの大階段から落ちたのではなく落とされたと言っている」
リヒャルドの顔からサーッと血の気が引いた。
「なんだと!!!」
大きな声を出したリヒャルドに向かってクラウスは手を挙げて落ち着くように言う。
「落ち着いてくれ。本来ならアーデルハイド嬢から直接話すはずだったんだが、今話すべきだと私が判断したんだ」
クラウスは自分の能力がアーデルハイドに移ってしまったこと以外を全て話した。あの葬送の儀式でアーデルハイドの声を聞いたこと、まだ生きていると思ったこと、能力を使って気力をサポートしたこと全てを話した。
「アーデルは何と言っていますか?」
クラウスはリヒャルドの目をしっかりと見た。
「彼女は強いな。自分自身で犯人を見つけると言っている。ただお前が自分を束縛するのではないかと心配していた」
リヒャルドは膝に置いた手をギュッと握りしめた。
「だが私はお前には側にいて彼女を守りながら一緒に犯人を探してもらいたいと思っているし彼女にもそう話した」
「あの、アーデルは……」
「最後には了承した。今私が話さなかったとしてもアーデルハイド嬢が話すはずだった話だ」
リヒャルドは頷くと俯いた。
「誰かがアーデルを殺したということ……ですよね」
リヒャルドの体から物騒なオーラが立ち込める。
「あ、いや、アーデルハイド嬢はい、生きてるぞ」
リヒャルドが鬼気迫る目をしてクラウスを睨む。
「クラウス殿下が気づかなければ死んでいました。そうですよね」
「あ、ああ、まぁ、そうだが」
リヒャルドが手を組んで指をポキポキと鳴らす。
「どこの誰だかは知らないが、絶対に許さない。絶対に許さない」
あまりのどす黒いオーラの色に顔を引き攣らせたが釘を刺す。
「リ、リヒャルド。お前の気持ちはわかるが報復はアーデルハイド嬢本人が行いたいと言っていたぞ」
「えぇ、わかります。わかっておりますとも。アーデルは自分できちんと報復すべきです。ですが私のこの気持ちは私にしか晴らせない恨みもあるのです。もし、万が一優しいアーデルが情に流されても、その時は……」
クラウスはその続きは聞かなかったことにしてアーデルハイドの体調に話を移した。
「ところで、彼女はあんなに軽いのか?」
「へ?」
「あ、いや、女性を抱き上げた経験はあまりないからよくわからないのだが、かなり軽く感じたのだ」
「そんな……」
「見た目も前よりはかなり痩せたな。お前はどう思う?」
「殿下、アーデルの侍女をお呼びください」
リヒャルドに言われた通りカーラを呼び出すと早速リヒャルドがカーラに日頃の様子や食事の量、内容を確認する。
「やはり……」
「どうしたんだ?」
「食事量の割に運動量が多いのです。更にアーデルの嫌いな物も多い」
「カーラ、本当か?」
カーラは頭を下げて首を振った。
「存じ上げません。アーデルハイド様はいつも美味しいと仰って召し上がっておりました。ですが、確かに残されることも多かったかもしれません」
「それはそうです。アーデルハイドは無闇に好き嫌いは言いません。人であっても食べ物であっても。しかし、知らず知らずに食事の量に影響したのでしょう。それにアーデルは弱音を吐きません。リハビリは真面目にやりすぎていたのでしょう」
「ふむ」
クラウスは、内心リヒャルドのアーデルハイドへの過剰な干渉を懸念したが、今はその過剰さも必要なのかもしれない。
「リヒャルド、お前の考えるアーデルハイド嬢の理想の生活について教えてくれ」
クラウスは腕に残る頼り無げな彼女の体の感触を確かめるように手を握りしめた。
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