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第三章 王子改造計画
27、誘拐事件(シモン視点)
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「シモン第三王子だな!!」
シモンが馬車で公爵家から帰る途中突然馬車が止まると外から剣が交わる音と大声が聞こえてきた。
「ああ、中にいるのは間違いなくシモン王子だ!」
その声に、答えたのは今日の護衛の声だった。
確かに今日はハーモンの体調が悪く、初めての護衛だったが、まさか犯人側の人間だったとはと肩を落とした。
「よし!! それじゃあ、このままアジトまで走るぞ」
「わかった!!」
シモンには御者が無事なのか確認する術はなかった。
ただ、常に誘拐や襲撃を想定した教育を受けているので、パニックには陥らず、冷静に現状を把握できている事に感謝していた。
シモンはこの辺りの地図を思い浮かべると最近マスターした遠目の魔法を発動した。
まだ、あまり上手くないので、馬車の周りが見えるくらいだが、曲がる方向で大体の位置を把握できるのだ。
「でも、あんまり遠くまで連れて行かれると魔力がもたないな」
シモンが独り言を言っていると程なく馬車が止まり、ドアが開かれた。
「シモン王子だな! そのまま手を後ろに回しておりろ!」
「わかった」
シモンが馬車から降りると元護衛の男が近づいてきて目隠しをしてきた。
「大人しくしていろよ!」
「おい! 王子は魔法は使えるのか?」
「いや、そんな話は聞かないな。まだ、ガキだ。魔法なんて無理だろうよ!」
「まぁそうだな」
シモンが既に遠目の魔法で周りの景色を把握している事に気づかない犯人達は小さな倉庫のような場所にシモンを連れていくと中に押し込めた。
「離せ! お前らは何者だ!」
シモンは遠目の魔法をやめると犯人達に向かって声を上げた。
犯人達は恐怖で話せないと思っていたらしいが、シモン的には魔法に集中していただけなのだ。
「やっと、元気がでたか? 怖いんだろうよ。お坊っちゃま?」
「何者だと聞いている!」
「そんな事は知らなくていいんだよ」
「目的はなんだ!!」
「目的ねぇ。まぁ、現王家が最近調子に乗ってるからな。少しは自分の立場を自覚してもらわないとな」
「お前ら前王派か!!」
「うるせぇな。前王派だとしても、お前のアリアドネへの媚びた態度なんて認めないがな。世の中前王派と言っても軟弱な奴らが多すぎるんだ。俺たちからしたら前王陛下の意に背いて王位を投げ出したアリアドネもお前ら現王家と同罪だ!!」
「え? お前達は前王派ではないのか?」
「あんな奴らと一緒にするな! 我らは前王陛下一筋だ! アリアドネやその子供達とお前ら現王家が繋がろうと許さん!! 前王陛下が再度王位につかれるのが我らの望みだ!」
「なんだと!」
「勝手に王位を降りた王女など認めん! いくらお前ら現王家がそんな王女の血筋と繋がろうと我らは断固として抗議する!! この誘拐も警告だ! お前がアリアドネ達と懇意になろうが血を交わろうが絶対に認めん!! いや、そんなお前ら現王家の汚れた血と交わるくらいならアリアドネの娘など消えてもらう!! 暫くここで大人しくしていろ!!」
それだけ言うと数人の男達は倉庫らしき部屋から出て行った。
一人残されたシモンは今言われた事を反芻していた。
「前王原理主義者か……」
確かにアリアドネの父である前王は名君として名高いのだ。
だが名君であるが故に自分が歳をとって万全に王の役目をこなせなくなる前に退位を決めたのだ。
もう、戻ることはないのに未だにああやって持ち上げらるのだな。
名君も大変だ。
「それより、最後に言っていた事が問題だな」
犯人達が最後に言っていたのはコーデリアの事だ。
シモンは婚約者としてコーデリアが好きかと言われると違うと答えるし、日頃からわがままで、癇癪持ちで、ストーカーの様で苦手だが、殺される事は容認できない。
あれでも、幼馴染としての愛着はあるのだ。
シモンは今後の事は取り敢えず此処を抜け出してから考える事にして、先ずは脱出する事に集中する事にした。
遠目の魔法で、この部屋の大体の位置は確認できているし、窓や扉の位置も把握した。
犯人達はシモンがまだ魔法を使えるとは考えていない事を逆手に取って、今は出来るだけ早く逃げ出そう。
そう考えると先ずは自分の手を縛っている紐を魔法で切ると目隠しもとった。
次にこの部屋の外の様子を遠目の魔法で確認すると窓の外を見てみた。
扉には鍵、部屋の前には、見張りがいる。
逃げるとするとこの窓しかない。
「行くか? 待つか?」
シモンがいなくなった事は直ぐに伝わるだろうし、優秀な騎士団ならば直ぐに見つけてはくれるだろう。
しかし、そうなるとバルターク公爵家はどうなる?
ただでさえ、前王派に睨まれているのでバルターク公爵家は半ば隠居の様な立場だ。
それが過激な前王原理主義者まで現れた。
しかも、前王の血筋がシモン達現王家と交わる事を本当に嫌がっていた。
一人二人は捕まるだろうが、全員を捕まえるのは難しいだろう。
そうすると報復はシモンだけではなく、コーデリアにも及ぶ可能性が高い。
「コーデリア……か」
シモンの中のコーデリアは好きでも嫌いでもない存在だ。
ただ、最近は以前言っていた癇癪も影響して少し鬱陶しいとは思っている。
それでも、愛着は感じているし、可愛い妹というか、しょうがない幼馴染というかそんな存在ではあるのだ。
決して危険な目に合わせたくはない。
「顔は可愛いしな……」
そうなのだ。最近女の子らしくなったコーデリアの美貌は目を見張るものがあるのだ。
兄であるアルバートは気付いていないが、城で会うどの令嬢よりも可愛い。
シモン王子はその顔が恐怖に歪む事を許せそうになかった。
それはまだ恋とは呼べないまでも、それに近い独占欲だとは気付きもしていなかった。
「それなら、僕一人で逃げるがいいな」
シモン王子はヨイショと手を伸ばすと窓の外を覗き込んだ。
窓の下には川が流れており、かなり深そうだが川幅はそれ程広くない。
犯人達はまだ学校に行く年齢ではないシモンが魔法を使えるとは思っていない様だ。
普通魔法は学校に行ってから習うものだからだ。
しかし、シモンは三歳から公爵家で教育を受けているし、コーデリアが遠耳や遠目の魔法を使えると知ってから負けてたまるかと懸命に練習していた。
その甲斐あって、これくらいの距離なら自分の体を移動させる事は難しくないのだ。
「うん、いけるな」
川岸では町の子供達が遊んでいるが、それは気にせずに目を閉じた。
流石にまだかなり集中しないと移動の魔法は使えない。
「…………よし!」
シモンがそう叫んだ瞬間、その部屋からシモンが消えたのだった。
「う、うわー!!」
突然現れたシモンにその場で遊んでいた子供達の驚きは凄まじいものがあった。
ただ、シモンの魔力は使い果たされ、その場でガックリと膝をついたのだった。
「お、おい? 大丈夫か?」
「ねぇ? 大丈夫? 顔が真っ青よ?」
「おーい、みんな変な奴が来たぞ!」
ワラワラと集まってくる子供達にシモンは肩で息をしながらも声をかけた。
「おい、お前の上着を僕にかけろ」
「へ?」
「いいから、言うことを聞け!」
「あ、ああ」
「僕にお前の上着とその子の帽子をかすんだ。それから、町の中心まで連れて行ってくれ。褒美はだすぞ」
「褒美?」
「何くれるの?」
「食べ物か?」
次々と聞いてくる子供達に何でもいいぞと答えるとワー!という歓声があがった。
「じゃあ、私の帽子を貸してあげるね」
酷く整った顔立ちの少女が被っていた帽子を差し出してきた。
「あ、ああ」
シモンはコーデリアの方が可愛いなと思いながらもその帽子を受け取ると、目立つ金髪を覆い隠した。
「じゃあ、俺の上着だ!」
そう言って渡された上着を着込むと見た目は既に町の子供だった。
「よーし! みんなで町の噴水までこいつを案内してやるぞ!」
「おー!!」
そうしてシモンは自力で脱出する事で犯人達から逃れ、報復を受けない様犯人の情報さえも何も言わない事に決めた。
そして、コーデリアと仲良くする事でコーデリアへ危険が及ぶのならもう公爵家に行く事はやめる事にしたのだ。
コーデリアに害が及ぶのなら、前王派からの嫌がらせを受けた方がマシなのだ。
そうして、シモンの公爵家通いは終わりを告げた。
シモンを町の中心部まで案内した子供達にはそれぞれの希望にそった褒美を与えた。
お菓子などの食べ物が多かったが、ちゃっかりとお金を欲しがるものや中には学校に行きたいと言うものもいたが、約束通り好きなものを手配したのだった。
そうして、シモンの誘拐事件は犯人未定のまま幕を閉じたのだった。
シモンが馬車で公爵家から帰る途中突然馬車が止まると外から剣が交わる音と大声が聞こえてきた。
「ああ、中にいるのは間違いなくシモン王子だ!」
その声に、答えたのは今日の護衛の声だった。
確かに今日はハーモンの体調が悪く、初めての護衛だったが、まさか犯人側の人間だったとはと肩を落とした。
「よし!! それじゃあ、このままアジトまで走るぞ」
「わかった!!」
シモンには御者が無事なのか確認する術はなかった。
ただ、常に誘拐や襲撃を想定した教育を受けているので、パニックには陥らず、冷静に現状を把握できている事に感謝していた。
シモンはこの辺りの地図を思い浮かべると最近マスターした遠目の魔法を発動した。
まだ、あまり上手くないので、馬車の周りが見えるくらいだが、曲がる方向で大体の位置を把握できるのだ。
「でも、あんまり遠くまで連れて行かれると魔力がもたないな」
シモンが独り言を言っていると程なく馬車が止まり、ドアが開かれた。
「シモン王子だな! そのまま手を後ろに回しておりろ!」
「わかった」
シモンが馬車から降りると元護衛の男が近づいてきて目隠しをしてきた。
「大人しくしていろよ!」
「おい! 王子は魔法は使えるのか?」
「いや、そんな話は聞かないな。まだ、ガキだ。魔法なんて無理だろうよ!」
「まぁそうだな」
シモンが既に遠目の魔法で周りの景色を把握している事に気づかない犯人達は小さな倉庫のような場所にシモンを連れていくと中に押し込めた。
「離せ! お前らは何者だ!」
シモンは遠目の魔法をやめると犯人達に向かって声を上げた。
犯人達は恐怖で話せないと思っていたらしいが、シモン的には魔法に集中していただけなのだ。
「やっと、元気がでたか? 怖いんだろうよ。お坊っちゃま?」
「何者だと聞いている!」
「そんな事は知らなくていいんだよ」
「目的はなんだ!!」
「目的ねぇ。まぁ、現王家が最近調子に乗ってるからな。少しは自分の立場を自覚してもらわないとな」
「お前ら前王派か!!」
「うるせぇな。前王派だとしても、お前のアリアドネへの媚びた態度なんて認めないがな。世の中前王派と言っても軟弱な奴らが多すぎるんだ。俺たちからしたら前王陛下の意に背いて王位を投げ出したアリアドネもお前ら現王家と同罪だ!!」
「え? お前達は前王派ではないのか?」
「あんな奴らと一緒にするな! 我らは前王陛下一筋だ! アリアドネやその子供達とお前ら現王家が繋がろうと許さん!! 前王陛下が再度王位につかれるのが我らの望みだ!」
「なんだと!」
「勝手に王位を降りた王女など認めん! いくらお前ら現王家がそんな王女の血筋と繋がろうと我らは断固として抗議する!! この誘拐も警告だ! お前がアリアドネ達と懇意になろうが血を交わろうが絶対に認めん!! いや、そんなお前ら現王家の汚れた血と交わるくらいならアリアドネの娘など消えてもらう!! 暫くここで大人しくしていろ!!」
それだけ言うと数人の男達は倉庫らしき部屋から出て行った。
一人残されたシモンは今言われた事を反芻していた。
「前王原理主義者か……」
確かにアリアドネの父である前王は名君として名高いのだ。
だが名君であるが故に自分が歳をとって万全に王の役目をこなせなくなる前に退位を決めたのだ。
もう、戻ることはないのに未だにああやって持ち上げらるのだな。
名君も大変だ。
「それより、最後に言っていた事が問題だな」
犯人達が最後に言っていたのはコーデリアの事だ。
シモンは婚約者としてコーデリアが好きかと言われると違うと答えるし、日頃からわがままで、癇癪持ちで、ストーカーの様で苦手だが、殺される事は容認できない。
あれでも、幼馴染としての愛着はあるのだ。
シモンは今後の事は取り敢えず此処を抜け出してから考える事にして、先ずは脱出する事に集中する事にした。
遠目の魔法で、この部屋の大体の位置は確認できているし、窓や扉の位置も把握した。
犯人達はシモンがまだ魔法を使えるとは考えていない事を逆手に取って、今は出来るだけ早く逃げ出そう。
そう考えると先ずは自分の手を縛っている紐を魔法で切ると目隠しもとった。
次にこの部屋の外の様子を遠目の魔法で確認すると窓の外を見てみた。
扉には鍵、部屋の前には、見張りがいる。
逃げるとするとこの窓しかない。
「行くか? 待つか?」
シモンがいなくなった事は直ぐに伝わるだろうし、優秀な騎士団ならば直ぐに見つけてはくれるだろう。
しかし、そうなるとバルターク公爵家はどうなる?
ただでさえ、前王派に睨まれているのでバルターク公爵家は半ば隠居の様な立場だ。
それが過激な前王原理主義者まで現れた。
しかも、前王の血筋がシモン達現王家と交わる事を本当に嫌がっていた。
一人二人は捕まるだろうが、全員を捕まえるのは難しいだろう。
そうすると報復はシモンだけではなく、コーデリアにも及ぶ可能性が高い。
「コーデリア……か」
シモンの中のコーデリアは好きでも嫌いでもない存在だ。
ただ、最近は以前言っていた癇癪も影響して少し鬱陶しいとは思っている。
それでも、愛着は感じているし、可愛い妹というか、しょうがない幼馴染というかそんな存在ではあるのだ。
決して危険な目に合わせたくはない。
「顔は可愛いしな……」
そうなのだ。最近女の子らしくなったコーデリアの美貌は目を見張るものがあるのだ。
兄であるアルバートは気付いていないが、城で会うどの令嬢よりも可愛い。
シモン王子はその顔が恐怖に歪む事を許せそうになかった。
それはまだ恋とは呼べないまでも、それに近い独占欲だとは気付きもしていなかった。
「それなら、僕一人で逃げるがいいな」
シモン王子はヨイショと手を伸ばすと窓の外を覗き込んだ。
窓の下には川が流れており、かなり深そうだが川幅はそれ程広くない。
犯人達はまだ学校に行く年齢ではないシモンが魔法を使えるとは思っていない様だ。
普通魔法は学校に行ってから習うものだからだ。
しかし、シモンは三歳から公爵家で教育を受けているし、コーデリアが遠耳や遠目の魔法を使えると知ってから負けてたまるかと懸命に練習していた。
その甲斐あって、これくらいの距離なら自分の体を移動させる事は難しくないのだ。
「うん、いけるな」
川岸では町の子供達が遊んでいるが、それは気にせずに目を閉じた。
流石にまだかなり集中しないと移動の魔法は使えない。
「…………よし!」
シモンがそう叫んだ瞬間、その部屋からシモンが消えたのだった。
「う、うわー!!」
突然現れたシモンにその場で遊んでいた子供達の驚きは凄まじいものがあった。
ただ、シモンの魔力は使い果たされ、その場でガックリと膝をついたのだった。
「お、おい? 大丈夫か?」
「ねぇ? 大丈夫? 顔が真っ青よ?」
「おーい、みんな変な奴が来たぞ!」
ワラワラと集まってくる子供達にシモンは肩で息をしながらも声をかけた。
「おい、お前の上着を僕にかけろ」
「へ?」
「いいから、言うことを聞け!」
「あ、ああ」
「僕にお前の上着とその子の帽子をかすんだ。それから、町の中心まで連れて行ってくれ。褒美はだすぞ」
「褒美?」
「何くれるの?」
「食べ物か?」
次々と聞いてくる子供達に何でもいいぞと答えるとワー!という歓声があがった。
「じゃあ、私の帽子を貸してあげるね」
酷く整った顔立ちの少女が被っていた帽子を差し出してきた。
「あ、ああ」
シモンはコーデリアの方が可愛いなと思いながらもその帽子を受け取ると、目立つ金髪を覆い隠した。
「じゃあ、俺の上着だ!」
そう言って渡された上着を着込むと見た目は既に町の子供だった。
「よーし! みんなで町の噴水までこいつを案内してやるぞ!」
「おー!!」
そうしてシモンは自力で脱出する事で犯人達から逃れ、報復を受けない様犯人の情報さえも何も言わない事に決めた。
そして、コーデリアと仲良くする事でコーデリアへ危険が及ぶのならもう公爵家に行く事はやめる事にしたのだ。
コーデリアに害が及ぶのなら、前王派からの嫌がらせを受けた方がマシなのだ。
そうして、シモンの公爵家通いは終わりを告げた。
シモンを町の中心部まで案内した子供達にはそれぞれの希望にそった褒美を与えた。
お菓子などの食べ物が多かったが、ちゃっかりとお金を欲しがるものや中には学校に行きたいと言うものもいたが、約束通り好きなものを手配したのだった。
そうして、シモンの誘拐事件は犯人未定のまま幕を閉じたのだった。
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