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第二章 生まれながらの悪役令嬢
11、王子改造計画……なの?
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コーデリアから話を聞いたわたくしは部屋に帰って、うんうんと頭を抱えました。
コーデリアの手前、幸せになりましょうとは言ったものの、どうすれば王子の教育に口を出せるのかがわからないのです。
三番目の王子ですから国王や王妃は可愛がって、甘やかしてしまう事は容易に想像できます。
その結果として我が儘で俺様で自己中心的なあの王子となるのです。
それに対して真理子さんの理想は正反対です。
理想を簡単に言うと眼鏡をかけた生徒会長系ですわ!
クールで理性的で頭も良くて、少し腹黒。銀ブチ眼鏡をクイっと上げるイメージですわ!
わたくしはこのギャップを、どう埋めるべきなのかが、わかりませんでした。
「アリアドネ? どうしたんだい?」
随分長い時間考えいたらしく、レオポルト様が心配して来てくれました。
わたくしは頭を切り替えてレオポルト様に笑顔を向けました。
「まあ、ごめんなさい。少し考え事をしていたの。随分おそくなってしまったのね」
レオポルト様はわたくしの座るソファに腰をかけると優しく話しかけて来ました。
「アリアドネ、何か心配な事があるのなら私に言いなさい。君の憂いを払うのは私の役目だよ」
「ありがとうございます。あの、わたくし、少し心配していますの。コーデリアと婚約する第三王子は、あの、やはり、その、とっても可愛がられていますわよね?」
「え? ああ、それはそうだな。王も王妃もこれ以上のお子は望んでいらっしゃらないようだから、それはそれは可愛がられていると聞いたよ」
「やっぱり……ですわ。貴方、それは大変なことになりますわ!! なんと言ってもコーデリアの夫となるのですわ。甘やかされた王子でよろしいのでしょうか?」
「え?」
「貴方! 考えてみてください。国王夫妻が目に入れても痛くないくらい可愛がっていたら、一体誰が教育をされるのでしょう? もし、王子に注意する事で職を追われるようですと誰一人として王子に大切なことをお教えできませんわ!」
「確かにな」
「そのような王子と結婚するコーデリアは幸せに成れましょうか? きちんとした家庭を築いていけるのでしょうか? コーデリアを守ってくれるのでしょうか?」
わたくしが冷静に指摘すると流石のレオポルト様も考え込んでしまいましたわ。
やっぱり父親であるレオポルト様にもご協力頂かないと王子の教育までは入り込めませんもの。
「確かにアリアドネの言う通りかもしれないな。コーデリアと結婚するのだから、立派な青年になってもらわねばならない。だが、現状のままでは我が儘で甘えた男にしかならないかもしれない」
レオポルト様が、困ったように腕を組みました。
「そうなんでございます。我がバルターク家にはアルバートがおりますから、将来的には公爵家を起こしての嫁入りとなりますわ。王家を離れ、独立されるのですから、それなりのご教育が必要なのではないでしょうか? 言い方よくないかもしれませんが、それこそ、人を手玉に取るような一面も必要だと思いますの!」
レオポルト様は少し考えてから、顔を上げてわたくしを見て言いました。
「君の心配は理解した。王にはその旨進言してみよう」
「はい!! ありがとうございます!!」
レオポルト様の協力を得た事で、わたくしはやっと本物の笑顔を作る事が出来ました。
そうして、まずはレオポルト様が王にお話しして、その後わたくしと一緒にご機嫌伺いという名目で今現在の王子と対面する事になりました。
もちろんその時はコーデリアやアルバートも連れての対面です。
婚約話が出てから初めての事で、他人事ながらコーデリアが今現在の王子をどう思うのか、ドキドキが止まりませんわ!
そうして、あっという間に対面の日になったのでした。
コーデリアの手前、幸せになりましょうとは言ったものの、どうすれば王子の教育に口を出せるのかがわからないのです。
三番目の王子ですから国王や王妃は可愛がって、甘やかしてしまう事は容易に想像できます。
その結果として我が儘で俺様で自己中心的なあの王子となるのです。
それに対して真理子さんの理想は正反対です。
理想を簡単に言うと眼鏡をかけた生徒会長系ですわ!
クールで理性的で頭も良くて、少し腹黒。銀ブチ眼鏡をクイっと上げるイメージですわ!
わたくしはこのギャップを、どう埋めるべきなのかが、わかりませんでした。
「アリアドネ? どうしたんだい?」
随分長い時間考えいたらしく、レオポルト様が心配して来てくれました。
わたくしは頭を切り替えてレオポルト様に笑顔を向けました。
「まあ、ごめんなさい。少し考え事をしていたの。随分おそくなってしまったのね」
レオポルト様はわたくしの座るソファに腰をかけると優しく話しかけて来ました。
「アリアドネ、何か心配な事があるのなら私に言いなさい。君の憂いを払うのは私の役目だよ」
「ありがとうございます。あの、わたくし、少し心配していますの。コーデリアと婚約する第三王子は、あの、やはり、その、とっても可愛がられていますわよね?」
「え? ああ、それはそうだな。王も王妃もこれ以上のお子は望んでいらっしゃらないようだから、それはそれは可愛がられていると聞いたよ」
「やっぱり……ですわ。貴方、それは大変なことになりますわ!! なんと言ってもコーデリアの夫となるのですわ。甘やかされた王子でよろしいのでしょうか?」
「え?」
「貴方! 考えてみてください。国王夫妻が目に入れても痛くないくらい可愛がっていたら、一体誰が教育をされるのでしょう? もし、王子に注意する事で職を追われるようですと誰一人として王子に大切なことをお教えできませんわ!」
「確かにな」
「そのような王子と結婚するコーデリアは幸せに成れましょうか? きちんとした家庭を築いていけるのでしょうか? コーデリアを守ってくれるのでしょうか?」
わたくしが冷静に指摘すると流石のレオポルト様も考え込んでしまいましたわ。
やっぱり父親であるレオポルト様にもご協力頂かないと王子の教育までは入り込めませんもの。
「確かにアリアドネの言う通りかもしれないな。コーデリアと結婚するのだから、立派な青年になってもらわねばならない。だが、現状のままでは我が儘で甘えた男にしかならないかもしれない」
レオポルト様が、困ったように腕を組みました。
「そうなんでございます。我がバルターク家にはアルバートがおりますから、将来的には公爵家を起こしての嫁入りとなりますわ。王家を離れ、独立されるのですから、それなりのご教育が必要なのではないでしょうか? 言い方よくないかもしれませんが、それこそ、人を手玉に取るような一面も必要だと思いますの!」
レオポルト様は少し考えてから、顔を上げてわたくしを見て言いました。
「君の心配は理解した。王にはその旨進言してみよう」
「はい!! ありがとうございます!!」
レオポルト様の協力を得た事で、わたくしはやっと本物の笑顔を作る事が出来ました。
そうして、まずはレオポルト様が王にお話しして、その後わたくしと一緒にご機嫌伺いという名目で今現在の王子と対面する事になりました。
もちろんその時はコーデリアやアルバートも連れての対面です。
婚約話が出てから初めての事で、他人事ながらコーデリアが今現在の王子をどう思うのか、ドキドキが止まりませんわ!
そうして、あっという間に対面の日になったのでした。
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