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第一章 悪役令嬢の母
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「ナ、ナ、ナチュラルボーン悪役令嬢……」
息子に呼ばれて娘の部屋にやって来た、わたくしの目の前には優しそうだからと選んだ教育係が泣き崩れておりました。
そんな教育係の上に片足を乗せて、三歳ながらに腕を組んでいるのが、わたくしの大切な娘コーデリアでございます。
「お母様! 僕はコーデリアが大嫌いです!」
「アルバート?」
わたくしがアルバートの方を向くと、八歳のアルバートがプルプル震えながら訴えてきました。
「コーデリアは、酷いんです。マリアが用意してくれた絵本が気に入らないと言ってマリアの髪を引っ張ったり、叩いたりしたんです!!」
「ま……まぁ」
わたくしは目を閉じて今までの事を思い出していました。
前世の記憶が戻ってからの日々はあっという間のことで、何故コーデリアが悪役令嬢なのかをもう一度考えてみる必要性をヒシヒシと感じています。
わたくしが望んでいるのは子供達の幸せのみ! なのです。
そうは言っても、わたくしは公爵夫人、なかなか育児に直接関わるわけにも参りません。
だからこその優しい教育係のマリアだったのでございます。
それなのに、目の前には泣き崩れるマリアとそれを見下ろすコーデリア、更にわたくしに不満を訴える息子のアルバートというカオスしかありません。
わたくしはめまいを覚えて、フラリと近くの椅子に腰を下ろしました。
「誰か教えてくださいませ。どうすれば、生まれながらの悪役令嬢を可愛らしい、誰からも愛される令嬢に変えられるのでしょう……」
そうして、わたくしはこの三年のことを思い出しましたわ。
息子に呼ばれて娘の部屋にやって来た、わたくしの目の前には優しそうだからと選んだ教育係が泣き崩れておりました。
そんな教育係の上に片足を乗せて、三歳ながらに腕を組んでいるのが、わたくしの大切な娘コーデリアでございます。
「お母様! 僕はコーデリアが大嫌いです!」
「アルバート?」
わたくしがアルバートの方を向くと、八歳のアルバートがプルプル震えながら訴えてきました。
「コーデリアは、酷いんです。マリアが用意してくれた絵本が気に入らないと言ってマリアの髪を引っ張ったり、叩いたりしたんです!!」
「ま……まぁ」
わたくしは目を閉じて今までの事を思い出していました。
前世の記憶が戻ってからの日々はあっという間のことで、何故コーデリアが悪役令嬢なのかをもう一度考えてみる必要性をヒシヒシと感じています。
わたくしが望んでいるのは子供達の幸せのみ! なのです。
そうは言っても、わたくしは公爵夫人、なかなか育児に直接関わるわけにも参りません。
だからこその優しい教育係のマリアだったのでございます。
それなのに、目の前には泣き崩れるマリアとそれを見下ろすコーデリア、更にわたくしに不満を訴える息子のアルバートというカオスしかありません。
わたくしはめまいを覚えて、フラリと近くの椅子に腰を下ろしました。
「誰か教えてくださいませ。どうすれば、生まれながらの悪役令嬢を可愛らしい、誰からも愛される令嬢に変えられるのでしょう……」
そうして、わたくしはこの三年のことを思い出しましたわ。
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