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新しい世界
13.不吉な回答
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「あははは」
エドガー様と笑いながら生徒会室のドアを開けた。
すると中からものすごい圧を感じる。
「おい! アレクサンドラ!」
「待ってくださいませ! まさかエドガー様が……。もうルートは潰れたと……ノーマークでしたわ」
「姉さん、殿下。そういうことは別室で! ごめんよ、フルール嬢。アンケートを持ってきてくれたのかい?」
「はい。でも、途中からはエドガー様が持ってくださいました」
「そうか、ありがとうございます。エドガーさん」
「いや、女性が重いものを持つのは我がコルベール家の家訓に反する」
「ハハハ、いつも面白いですよね。エドガーさんって」
「ん? そうか? マルセル、これを」
「はい、確かに受けとりました」
「では、カントループ嬢、失礼する。殿下、私はこれから鍛錬に向かいます」
「ああ、頑張れ」
「はっ!」
エドガー様はピッと敬礼すると颯爽と生徒会室から去って行った。
「フルール嬢、こちらで集計しよう」
「はい! マルセル様」
「あれ、これ全部じゃないね」
「残りはビビエ様が回収されています」
「じゃあ、先に始めようか?」
そう言ってマルセルくんは大きなテーブルの上にエドガー様から受け取ったアンケートをばさりと広げた。
「あの、マルセル様、このアンケートは何のためのものなのでしょうか? 満足度とは?」
「ああ、これは満足度といいながらも不満分子を炙り出すためです」
「不満分子ですか?」
「まぁ、学園内のことなので可愛いものですが、やはり今は殿下もいらっしゃるし何か起きる前に潰した方が安心です」
そう言ってパラパラとアンケートをめくった。
マルセル様はふと手を止めて少し考え込むと私に向かってにっこりと微笑んだ。
「フルール嬢、申し訳ないけれどダニエルさんを手伝いにいってもらえるかな?少し遅いから回収に時間がかかっているのかもしれない」
私は「あっ」と声を上げた。確かにアンケート回収の手分けをしときにビビエ様の方が私より随分と多い気がしてたんだ!
「はい! 急いてお手伝いに行ってきます!!」
私が生徒会室から出るときにマルセルくんがアンケートを持って殿下とアレクサンドラ様の方に歩み寄るのが見えた。
殿下達にもお手伝いをお願いするのね。
私は安心してビビエ様を探すためドアを閉めた。
「ビビエ様!!」
私は私の倍近い量のアンケートを運んでいるビビエ様に声をかける。
「ああ、カントループ嬢。君はもう運べましたか?」
「はい! すみません。お手伝いに来るのが遅くなってしまいました」
そう言って腕にかけている袋をビビエ様から受け取る。
「ありがとうございます。思ったよりも重かったですね。カントループ嬢は大丈夫でしたか?」
「はい! 途中でエドガー様に手伝って頂きました」
「それはいい。彼はこういうことは得意分野ですからね」
見るからに頭脳派のビビエ様が疲れたように笑う。
もしかしたら私の方が力があるかもしれない。
「ビビエ様、そちらのアンケートも私が持ちましょうか?」
「ははは、流石にこれは私が持ちます。みっともない所を見せてしまいましたね」
そう言ってバツが悪そうに笑ったビビエ様はいつものクール系美形というより親しみやすさが増す感じだ。
私はふふふと笑うと少し強引にもう片方の袋を取った。それでも、ビビエ様は大きな箱を抱えているのだ。
「私は平民育ちです。こういうことは慣れているんですよ」
「頼もしい限りです」
ビビエ様は少し軽くなった腕で箱を抱え直すと私の方を振り向いた。
「あー、このことは殿下には内密に。あの方がこのことを知ったら私に肉体労働させようとするかもしれません」
「え? まさか」
「いえ、いつも私は殿下を正す役割を担っています。殿下が煙たく思っているのですよ」
その様子は拗ねたようで私は思わず声を上げて笑ってしまう。
「笑わないでください」
「す、すみません。ビビエ様は可愛らしい方なんですね」
「さぁ、急ぎますよ」
「はい」
私はビビエ様に親近感を抱いた。
こんな気持ちは平民の学校に行っていた時以来だ。
ふわりと心が軽くなったのだった。
私はビビエ様が通りやすいように生徒室のドアを開けた。
「遅くなりました」
ビビエ様は既にいつものクール系美形に戻り、しれっとテーブルにアンケートをおろした。
「ああ、ご苦労だったな。フルール嬢も何度もありがとう」
殿下がアンケートを確認しながら声をかける。
「あっ、私も手伝います」
私はビビエ様が持ってきたアンケートに手を伸ばそうとするとマルセルくんがその手を止める。
「そっちはボクがやるよ。フルール嬢はこのアンケートを表にまとめてもらえるかな?」
「わかりました!!」
私はマルセルを始め殿下やアレクサンドラ様がまとめたアンケートを受け取って表にまとめる。
なかなか生徒の満足度は高そうだった。
「みなさん、充実しているみたいですね」
私は表を見ながら呟いた。
「そうみたいね。たまに、殿下への愛の告白も混ざっているわ。殿下は脇が甘くていらっしゃるもの」
「うるさい。これは支持率の裏返した。いいことだろう? なぁ、マルセル」
「はいはい、その通りです。それに僕やダニエルさんも同じくらい、いや姉さんという壁がないので多いくらいありますからね」
マルセルさんは手を止めずに返事を返した。
「まぁ、マルセルってば失礼ね」
「全くだ。アレクサンドラ、公爵家の教育を見直した方がいいぞ」
お二人が盛り上がっとところでビビエ様の冷たく冴え渡った一言が場をビシッと固める。
「集中してください。もう日が暮れます」
今日も生徒会室は平和の一言だった。
「あら? 私の名前もありますね」
私は手を伸ばして未集計のアンケートからカントループという文字が書いてある一枚を抜き取った。
「あっ!」
とマルセルくんが叫び
「おい!」
と殿下が止めたが私は見てしまった。
「カントループは……相応しく……ない」
私はガックリと肩を落とした。
「フルールさん、中にはそういう人もいるわ。気にする必要はなくってよ」
アレクサンドラ様はそう言って私の背中を撫でてくれた。
そう、わかっていた。平民育ちの私がこの生徒会に相応しくないなんて! 私が一番わかってる! でも、それでも! 私は自分の力でここにいる。
「だ、大丈夫です。すみません。取り乱してしまいました。わかっています。覚悟の上でここにいます」
私がキッと顔を上げて真っ直ぐに周りを見渡した。
「……」
「うん、そうだね。気にしたらダメだ。君は正々堂々とここにいるんだ」
「はい!」
マルセルくんがいつもの笑顔を向けてくれた。
アレクサンドラ様はずっと私の背を抱いてくれる。
ビビエ様もしっかりと頷いてくれているし、殿下は……。
「カントループ嬢、僕は君が生徒会役員で良かったと思っているよ。君は有能だし、しなやかな強さがある。君を友人として誇りに思う」
「ありがとうございます」
「僕のことは名前で呼ぶといい。許そう。僕も君をフルールと呼ぶよ」
「そんな、私のことはお好きにお呼びください。殿下のことはこれかも殿下と呼ばせてください」
「まぁ、いいよ。でも、僕のことは友人と思ってくれ」
「はい! ありがとうございます」
私は殿下の気持ちが嬉しくて笑顔になる。今まで誰にも誇りに思うなんて言われたことがなかった。
私はここにいられることを正式に認められたのだと思えたのだった。
エドガー様と笑いながら生徒会室のドアを開けた。
すると中からものすごい圧を感じる。
「おい! アレクサンドラ!」
「待ってくださいませ! まさかエドガー様が……。もうルートは潰れたと……ノーマークでしたわ」
「姉さん、殿下。そういうことは別室で! ごめんよ、フルール嬢。アンケートを持ってきてくれたのかい?」
「はい。でも、途中からはエドガー様が持ってくださいました」
「そうか、ありがとうございます。エドガーさん」
「いや、女性が重いものを持つのは我がコルベール家の家訓に反する」
「ハハハ、いつも面白いですよね。エドガーさんって」
「ん? そうか? マルセル、これを」
「はい、確かに受けとりました」
「では、カントループ嬢、失礼する。殿下、私はこれから鍛錬に向かいます」
「ああ、頑張れ」
「はっ!」
エドガー様はピッと敬礼すると颯爽と生徒会室から去って行った。
「フルール嬢、こちらで集計しよう」
「はい! マルセル様」
「あれ、これ全部じゃないね」
「残りはビビエ様が回収されています」
「じゃあ、先に始めようか?」
そう言ってマルセルくんは大きなテーブルの上にエドガー様から受け取ったアンケートをばさりと広げた。
「あの、マルセル様、このアンケートは何のためのものなのでしょうか? 満足度とは?」
「ああ、これは満足度といいながらも不満分子を炙り出すためです」
「不満分子ですか?」
「まぁ、学園内のことなので可愛いものですが、やはり今は殿下もいらっしゃるし何か起きる前に潰した方が安心です」
そう言ってパラパラとアンケートをめくった。
マルセル様はふと手を止めて少し考え込むと私に向かってにっこりと微笑んだ。
「フルール嬢、申し訳ないけれどダニエルさんを手伝いにいってもらえるかな?少し遅いから回収に時間がかかっているのかもしれない」
私は「あっ」と声を上げた。確かにアンケート回収の手分けをしときにビビエ様の方が私より随分と多い気がしてたんだ!
「はい! 急いてお手伝いに行ってきます!!」
私が生徒会室から出るときにマルセルくんがアンケートを持って殿下とアレクサンドラ様の方に歩み寄るのが見えた。
殿下達にもお手伝いをお願いするのね。
私は安心してビビエ様を探すためドアを閉めた。
「ビビエ様!!」
私は私の倍近い量のアンケートを運んでいるビビエ様に声をかける。
「ああ、カントループ嬢。君はもう運べましたか?」
「はい! すみません。お手伝いに来るのが遅くなってしまいました」
そう言って腕にかけている袋をビビエ様から受け取る。
「ありがとうございます。思ったよりも重かったですね。カントループ嬢は大丈夫でしたか?」
「はい! 途中でエドガー様に手伝って頂きました」
「それはいい。彼はこういうことは得意分野ですからね」
見るからに頭脳派のビビエ様が疲れたように笑う。
もしかしたら私の方が力があるかもしれない。
「ビビエ様、そちらのアンケートも私が持ちましょうか?」
「ははは、流石にこれは私が持ちます。みっともない所を見せてしまいましたね」
そう言ってバツが悪そうに笑ったビビエ様はいつものクール系美形というより親しみやすさが増す感じだ。
私はふふふと笑うと少し強引にもう片方の袋を取った。それでも、ビビエ様は大きな箱を抱えているのだ。
「私は平民育ちです。こういうことは慣れているんですよ」
「頼もしい限りです」
ビビエ様は少し軽くなった腕で箱を抱え直すと私の方を振り向いた。
「あー、このことは殿下には内密に。あの方がこのことを知ったら私に肉体労働させようとするかもしれません」
「え? まさか」
「いえ、いつも私は殿下を正す役割を担っています。殿下が煙たく思っているのですよ」
その様子は拗ねたようで私は思わず声を上げて笑ってしまう。
「笑わないでください」
「す、すみません。ビビエ様は可愛らしい方なんですね」
「さぁ、急ぎますよ」
「はい」
私はビビエ様に親近感を抱いた。
こんな気持ちは平民の学校に行っていた時以来だ。
ふわりと心が軽くなったのだった。
私はビビエ様が通りやすいように生徒室のドアを開けた。
「遅くなりました」
ビビエ様は既にいつものクール系美形に戻り、しれっとテーブルにアンケートをおろした。
「ああ、ご苦労だったな。フルール嬢も何度もありがとう」
殿下がアンケートを確認しながら声をかける。
「あっ、私も手伝います」
私はビビエ様が持ってきたアンケートに手を伸ばそうとするとマルセルくんがその手を止める。
「そっちはボクがやるよ。フルール嬢はこのアンケートを表にまとめてもらえるかな?」
「わかりました!!」
私はマルセルを始め殿下やアレクサンドラ様がまとめたアンケートを受け取って表にまとめる。
なかなか生徒の満足度は高そうだった。
「みなさん、充実しているみたいですね」
私は表を見ながら呟いた。
「そうみたいね。たまに、殿下への愛の告白も混ざっているわ。殿下は脇が甘くていらっしゃるもの」
「うるさい。これは支持率の裏返した。いいことだろう? なぁ、マルセル」
「はいはい、その通りです。それに僕やダニエルさんも同じくらい、いや姉さんという壁がないので多いくらいありますからね」
マルセルさんは手を止めずに返事を返した。
「まぁ、マルセルってば失礼ね」
「全くだ。アレクサンドラ、公爵家の教育を見直した方がいいぞ」
お二人が盛り上がっとところでビビエ様の冷たく冴え渡った一言が場をビシッと固める。
「集中してください。もう日が暮れます」
今日も生徒会室は平和の一言だった。
「あら? 私の名前もありますね」
私は手を伸ばして未集計のアンケートからカントループという文字が書いてある一枚を抜き取った。
「あっ!」
とマルセルくんが叫び
「おい!」
と殿下が止めたが私は見てしまった。
「カントループは……相応しく……ない」
私はガックリと肩を落とした。
「フルールさん、中にはそういう人もいるわ。気にする必要はなくってよ」
アレクサンドラ様はそう言って私の背中を撫でてくれた。
そう、わかっていた。平民育ちの私がこの生徒会に相応しくないなんて! 私が一番わかってる! でも、それでも! 私は自分の力でここにいる。
「だ、大丈夫です。すみません。取り乱してしまいました。わかっています。覚悟の上でここにいます」
私がキッと顔を上げて真っ直ぐに周りを見渡した。
「……」
「うん、そうだね。気にしたらダメだ。君は正々堂々とここにいるんだ」
「はい!」
マルセルくんがいつもの笑顔を向けてくれた。
アレクサンドラ様はずっと私の背を抱いてくれる。
ビビエ様もしっかりと頷いてくれているし、殿下は……。
「カントループ嬢、僕は君が生徒会役員で良かったと思っているよ。君は有能だし、しなやかな強さがある。君を友人として誇りに思う」
「ありがとうございます」
「僕のことは名前で呼ぶといい。許そう。僕も君をフルールと呼ぶよ」
「そんな、私のことはお好きにお呼びください。殿下のことはこれかも殿下と呼ばせてください」
「まぁ、いいよ。でも、僕のことは友人と思ってくれ」
「はい! ありがとうございます」
私は殿下の気持ちが嬉しくて笑顔になる。今まで誰にも誇りに思うなんて言われたことがなかった。
私はここにいられることを正式に認められたのだと思えたのだった。
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