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新しい世界
8.生徒会役員試験
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私は朝から気合を入れた。
(まずは生徒会に入る試験について確認しなければ!)
教室に入ると勇気を出してマルセル・シャノワーヌに声を掛ける。とりあえずこの優しげ美形のマルセルくんしか生徒会について確認する人が思いつかなかったのだ。まさか昨日のように超絶美形殿下に会えるわけでもない。
「あ、あの、シャノワーヌ様、少しお聞きしたいことがあるのですが……」
私が話しかけると優しげ美形くんは目を見開いて口籠る。
「なんで? 僕? いや、失礼。カントループ嬢、何か御用でしょうか?」
優しげ美形くんはそう言ってにっこりと微笑んだ。
(お、お貴族様ーーー!)
あまりの神々しさに一瞬怯むがなんとか持ち直した。
「あの、私、生徒会に興味があるんです。試験について教えていただけますか?」
「生徒会?」
「はい!」
「マジか! 姉さん、これで受かったら凄過ぎる!」
口に手を当ててモゴモゴしている優しげ美形くんはコホンと咳払いすると微笑んだ。
(美形の笑顔は危険極まりない!)
思わず何にでも頷いてしまいそうな魅力にゴクンと喉を鳴らす。
「失礼したね。えっとカントループ嬢は生徒会に興味をお持ちですか?」
「はい! 父が昔入っていたそうで、出来れば私もと考えております」
「なるほど、確かに来週生徒会選定試験が行われます。僕は春の試験に合格したので今生徒会の会計を担当しています」
「春にも試験があったんですね」
「ええ、前の会計の方が卒業してしまったので。今回の募集は書記ですよ。忙し過ぎると言って辞めてしまって……姉さんに振られたせいなんですがね」
「はい?」
「いえ、何でもありません」
私は成る程と頷いた。確かに不思議に思っていたのだ。同じクラスの優しげ美形くんが何故既に生徒会に入っているのか。
「あの、すみません。生徒会の試験にはどのように申し込めばよろしいのでしょうか?」
「え? 君が受けるんですか?」
「あの、やはりちゃんとした貴族でないとダメなのでしょうか?」
「あ、いや、誰でも受けることはできます。しかし、君は入学したばかりでしょう?」
「それはシャノワーヌ様も同じではありませんか!」
優しげ美形くんがびっくりしている。
(確かに私なんかが生徒会を目指すなんて身度程知らずかもしれないけど、パパの笑顔のためよ!)
「うん、まぁそうだね。そうなる運命なんだ。姉さんの自慢げな顔は見たくないがしょうがないよな」
「何か?」
「いや、なんでもないよ。生徒会室に願書があるからそれに記入すれば来週の試験を受けることはできるよ」
「ありがとうございます!!」
私はにっこりと笑って頭を下げた。
(よかったわ! 頑張ろう!)
「でも、急いだ方がいい。確か今日が締め切りだと思う」
「え? わかりました! ありがとうございます!!」
私はそのまま教室をでて生徒会室に向かった。授業前に提出してしまおう。
「なんだ。もっと大人しくて、ビクビクしてるのかと思ったら結構しっかりしてるんだな」
マルセルが意外そうな顔をして呟いていた。
「失礼します」
生徒会室は昨日超絶美形殿下に連れて来てもらったので、すぐにわかった。私は早速ノックをするとドアを開ける。
「誰だい?」
そこには昨日庭園で美女と一緒にいたクール系美形さんがいた。
「あ、あの、今度の生徒会の試験を受けたいのですが……」
「ああ、願書ですか?」
「はい!」
「……君は何故生徒会へ?」
「えっと……」
(パパのためだと動機が不純かしら?)
「もし、今の役員と懇意になりたいという理由なら願書は渡しません。今年はそういう生徒が多くて困っているんです。馬鹿殿下と自由美女のせいですね」
「え?」
「ああ、失礼。つい本音が。君の志望動機を簡潔に一言で述べて下さい」
私は迷った。でも、この人に嘘はいけないような気がする。
「……お父様のためです」
「は?」
「私のお父様が学園て生徒会に入っていたんです! とても楽しかったと聞いて私も入ってみたいと思いました。そうすればお疲れのお父様にも喜んで頂けると」
「えっと、君は確か……」
「フルール・カントループです」
「ああ、君が」
クール系美形さんは納得したように頷いた。
「半年前まで大変だったでしょう。色々噂があるのも聞いています。気になった噂は生徒会で根絶やしにしてますが、間に合わないものも多い。ふむ、そうですね。確かに君であれば生徒会に入る方がいいでしょう。噂もなくなりますしね。但し、試験は公平です。いいですね」
「はい! 頑張ります!」
私はいつの間にか笑顔になっていた。初めてだったのだ。以前の私を話題にした人は。その上できちんと今の私を気遣ってくれた。
(嬉しい!)
私はクール系美形さんから願書を受け取るとその場で書いて提出した。
「では、来週の月曜日の放課後にこの生徒会室に来てください」
「はい!」
「ああ、僕としたことが、僕はダニエル・ビビエです。ミーハーなものが生徒会に入るより君が入った方がお互いのためですね。頑張ってください」
「ビビエ様、ありがとうございます」
私は頭を下げると生徒会を後にした。純粋な応援に心が躍る。
「よし! 帰ったら勉強よ!」
私は全身にやる気が漲るのを感じたのだった。
そして、月曜日。私は生徒会室にいた。
受験者は十人、生徒会の空席は書記のみ。この中の一人しか受からない。
私はキョロキョロと見回した。今日はビビエ様はいないようだ。
すると前で生徒会長の超絶美形殿下が説明を始めた。
「みんな、よく集まってくれた。今年は突然の空席で急な試験となったが是非頑張ってほしい。優秀な人材を期待している」
それだけ言うと超絶美形殿下が手を挙げた。
「では、試験スタート」
それを合図にテーブルに伏せられていた試験用紙をめくった。
それからは答えを書く音だけが生徒会室に響くのみ。
(あっ! これ昨日勉強したところだわ)
私は順調に答えを記入した。何故か昨日勉強したところばかりが試験に出たのだ。雑学系の問題は以前読んだ本にのっていたことばかりだった。
(凄いわ。全部わかる!)
「では、みんなペンを置いてくれ。今日はお疲れ様。明日合格者を発表するから楽しみに待っていてほしい」
超絶美形殿下の言葉で受験者は次々と生徒会室から去っていった。みんな顔が暗い。出来なかったのかしら?
私はペンを片付けてから立ち上がる。
「君も受けたのか?」
すると超絶美形殿下が話しかけて来た。
王子様と連続して話すなんて凄い確率だ。
「はい! ご迷惑かもしれませんがチャレンジしたくて」
「いや、君は苦労したと聞いている。生徒会はかなり忙しいが大丈夫か? 昨日も倒れていただろう?」
(受かった時にちゃんと仕事ができるのか心配なんだわ。確かに昨日貧血で倒れたし……。どうしよう)
「大丈夫です!! ほら、見て下さい! 昨日は初めての学園で緊張してました!」
「そうか、ならいい。では、出口まで送ろう」
私は超絶美形殿下が手を出す前に頭を下げた。
「いえ、それには及びません。し、失礼します!!」
(昨日は何となく成り行きでエスコートされてしまったが、ビビエ様も、お忙しそうだった。きっと超絶美形殿下は忙しくても国民を優先してしまうんだわ)
私はそのまま生徒会室を一人で走り出た。
ガチャン
「きゃ!」
慌てて生徒会室から出たところで誰かにぶつかってしまった。顔を上げるとビビエ様だった。
「す、すみません!!」
私は下に落ちた書類の束を集めて手渡した。何故か顔が熱い。
「大丈夫ですか? 前も見ずに飛び出すのは良くありませんね。気をつけて下さい」
「……はい」
私はもっともなことを言われてしゅんと肩を落とした。
「ああ、試験ですね。お疲れ様でした。気をつけて走らずに帰って下さい」
「はい、気をつけます」
そのまましゅんと通り過ぎようと思った時ビビエ様が声をかけてくれた。
「ああ、その先は清掃中で通れませんでした。少し待っていなさい」
ビビエ様は生徒会室に入ってからすぐに出て来てくれた。書類を置いて来たようだ。
「こちらからなら清掃中のところを避けられます。送りましょう」
そう言って手を差し出してくれる。
私はびっくりして、一瞬ビビエ様を見上げてしまった。
「そんな、お忙しいのにお送りいただかなくても結構です。お手を煩わせて申し訳ありません」
ビビエ様は断られた自分の手を見つめていた。
「エスコートを、断られるのは初めてです」
(ひぇーーー)
「す、すみません!! まだ貴族のマナーがよくわからなくて」
「いえ、何か新鮮な感じがしただけです。それではこちらの廊下を真っ直ぐにいって……」
ビビエ様はエスコートを断った私に丁寧に道順を説明してくれた。
「どうですか? わかりますか?」
「はい! ありがとうございます」
元気に返事を返すとビビエ様が初めて微笑んだ。
(クール系美形の笑顔も危険!!!)
「君が受かると仕事が捗りそうですね。では、気をつけて」
私はもう一度頭を下げるとその場を辞したのだった。
(まずは生徒会に入る試験について確認しなければ!)
教室に入ると勇気を出してマルセル・シャノワーヌに声を掛ける。とりあえずこの優しげ美形のマルセルくんしか生徒会について確認する人が思いつかなかったのだ。まさか昨日のように超絶美形殿下に会えるわけでもない。
「あ、あの、シャノワーヌ様、少しお聞きしたいことがあるのですが……」
私が話しかけると優しげ美形くんは目を見開いて口籠る。
「なんで? 僕? いや、失礼。カントループ嬢、何か御用でしょうか?」
優しげ美形くんはそう言ってにっこりと微笑んだ。
(お、お貴族様ーーー!)
あまりの神々しさに一瞬怯むがなんとか持ち直した。
「あの、私、生徒会に興味があるんです。試験について教えていただけますか?」
「生徒会?」
「はい!」
「マジか! 姉さん、これで受かったら凄過ぎる!」
口に手を当ててモゴモゴしている優しげ美形くんはコホンと咳払いすると微笑んだ。
(美形の笑顔は危険極まりない!)
思わず何にでも頷いてしまいそうな魅力にゴクンと喉を鳴らす。
「失礼したね。えっとカントループ嬢は生徒会に興味をお持ちですか?」
「はい! 父が昔入っていたそうで、出来れば私もと考えております」
「なるほど、確かに来週生徒会選定試験が行われます。僕は春の試験に合格したので今生徒会の会計を担当しています」
「春にも試験があったんですね」
「ええ、前の会計の方が卒業してしまったので。今回の募集は書記ですよ。忙し過ぎると言って辞めてしまって……姉さんに振られたせいなんですがね」
「はい?」
「いえ、何でもありません」
私は成る程と頷いた。確かに不思議に思っていたのだ。同じクラスの優しげ美形くんが何故既に生徒会に入っているのか。
「あの、すみません。生徒会の試験にはどのように申し込めばよろしいのでしょうか?」
「え? 君が受けるんですか?」
「あの、やはりちゃんとした貴族でないとダメなのでしょうか?」
「あ、いや、誰でも受けることはできます。しかし、君は入学したばかりでしょう?」
「それはシャノワーヌ様も同じではありませんか!」
優しげ美形くんがびっくりしている。
(確かに私なんかが生徒会を目指すなんて身度程知らずかもしれないけど、パパの笑顔のためよ!)
「うん、まぁそうだね。そうなる運命なんだ。姉さんの自慢げな顔は見たくないがしょうがないよな」
「何か?」
「いや、なんでもないよ。生徒会室に願書があるからそれに記入すれば来週の試験を受けることはできるよ」
「ありがとうございます!!」
私はにっこりと笑って頭を下げた。
(よかったわ! 頑張ろう!)
「でも、急いだ方がいい。確か今日が締め切りだと思う」
「え? わかりました! ありがとうございます!!」
私はそのまま教室をでて生徒会室に向かった。授業前に提出してしまおう。
「なんだ。もっと大人しくて、ビクビクしてるのかと思ったら結構しっかりしてるんだな」
マルセルが意外そうな顔をして呟いていた。
「失礼します」
生徒会室は昨日超絶美形殿下に連れて来てもらったので、すぐにわかった。私は早速ノックをするとドアを開ける。
「誰だい?」
そこには昨日庭園で美女と一緒にいたクール系美形さんがいた。
「あ、あの、今度の生徒会の試験を受けたいのですが……」
「ああ、願書ですか?」
「はい!」
「……君は何故生徒会へ?」
「えっと……」
(パパのためだと動機が不純かしら?)
「もし、今の役員と懇意になりたいという理由なら願書は渡しません。今年はそういう生徒が多くて困っているんです。馬鹿殿下と自由美女のせいですね」
「え?」
「ああ、失礼。つい本音が。君の志望動機を簡潔に一言で述べて下さい」
私は迷った。でも、この人に嘘はいけないような気がする。
「……お父様のためです」
「は?」
「私のお父様が学園て生徒会に入っていたんです! とても楽しかったと聞いて私も入ってみたいと思いました。そうすればお疲れのお父様にも喜んで頂けると」
「えっと、君は確か……」
「フルール・カントループです」
「ああ、君が」
クール系美形さんは納得したように頷いた。
「半年前まで大変だったでしょう。色々噂があるのも聞いています。気になった噂は生徒会で根絶やしにしてますが、間に合わないものも多い。ふむ、そうですね。確かに君であれば生徒会に入る方がいいでしょう。噂もなくなりますしね。但し、試験は公平です。いいですね」
「はい! 頑張ります!」
私はいつの間にか笑顔になっていた。初めてだったのだ。以前の私を話題にした人は。その上できちんと今の私を気遣ってくれた。
(嬉しい!)
私はクール系美形さんから願書を受け取るとその場で書いて提出した。
「では、来週の月曜日の放課後にこの生徒会室に来てください」
「はい!」
「ああ、僕としたことが、僕はダニエル・ビビエです。ミーハーなものが生徒会に入るより君が入った方がお互いのためですね。頑張ってください」
「ビビエ様、ありがとうございます」
私は頭を下げると生徒会を後にした。純粋な応援に心が躍る。
「よし! 帰ったら勉強よ!」
私は全身にやる気が漲るのを感じたのだった。
そして、月曜日。私は生徒会室にいた。
受験者は十人、生徒会の空席は書記のみ。この中の一人しか受からない。
私はキョロキョロと見回した。今日はビビエ様はいないようだ。
すると前で生徒会長の超絶美形殿下が説明を始めた。
「みんな、よく集まってくれた。今年は突然の空席で急な試験となったが是非頑張ってほしい。優秀な人材を期待している」
それだけ言うと超絶美形殿下が手を挙げた。
「では、試験スタート」
それを合図にテーブルに伏せられていた試験用紙をめくった。
それからは答えを書く音だけが生徒会室に響くのみ。
(あっ! これ昨日勉強したところだわ)
私は順調に答えを記入した。何故か昨日勉強したところばかりが試験に出たのだ。雑学系の問題は以前読んだ本にのっていたことばかりだった。
(凄いわ。全部わかる!)
「では、みんなペンを置いてくれ。今日はお疲れ様。明日合格者を発表するから楽しみに待っていてほしい」
超絶美形殿下の言葉で受験者は次々と生徒会室から去っていった。みんな顔が暗い。出来なかったのかしら?
私はペンを片付けてから立ち上がる。
「君も受けたのか?」
すると超絶美形殿下が話しかけて来た。
王子様と連続して話すなんて凄い確率だ。
「はい! ご迷惑かもしれませんがチャレンジしたくて」
「いや、君は苦労したと聞いている。生徒会はかなり忙しいが大丈夫か? 昨日も倒れていただろう?」
(受かった時にちゃんと仕事ができるのか心配なんだわ。確かに昨日貧血で倒れたし……。どうしよう)
「大丈夫です!! ほら、見て下さい! 昨日は初めての学園で緊張してました!」
「そうか、ならいい。では、出口まで送ろう」
私は超絶美形殿下が手を出す前に頭を下げた。
「いえ、それには及びません。し、失礼します!!」
(昨日は何となく成り行きでエスコートされてしまったが、ビビエ様も、お忙しそうだった。きっと超絶美形殿下は忙しくても国民を優先してしまうんだわ)
私はそのまま生徒会室を一人で走り出た。
ガチャン
「きゃ!」
慌てて生徒会室から出たところで誰かにぶつかってしまった。顔を上げるとビビエ様だった。
「す、すみません!!」
私は下に落ちた書類の束を集めて手渡した。何故か顔が熱い。
「大丈夫ですか? 前も見ずに飛び出すのは良くありませんね。気をつけて下さい」
「……はい」
私はもっともなことを言われてしゅんと肩を落とした。
「ああ、試験ですね。お疲れ様でした。気をつけて走らずに帰って下さい」
「はい、気をつけます」
そのまましゅんと通り過ぎようと思った時ビビエ様が声をかけてくれた。
「ああ、その先は清掃中で通れませんでした。少し待っていなさい」
ビビエ様は生徒会室に入ってからすぐに出て来てくれた。書類を置いて来たようだ。
「こちらからなら清掃中のところを避けられます。送りましょう」
そう言って手を差し出してくれる。
私はびっくりして、一瞬ビビエ様を見上げてしまった。
「そんな、お忙しいのにお送りいただかなくても結構です。お手を煩わせて申し訳ありません」
ビビエ様は断られた自分の手を見つめていた。
「エスコートを、断られるのは初めてです」
(ひぇーーー)
「す、すみません!! まだ貴族のマナーがよくわからなくて」
「いえ、何か新鮮な感じがしただけです。それではこちらの廊下を真っ直ぐにいって……」
ビビエ様はエスコートを断った私に丁寧に道順を説明してくれた。
「どうですか? わかりますか?」
「はい! ありがとうございます」
元気に返事を返すとビビエ様が初めて微笑んだ。
(クール系美形の笑顔も危険!!!)
「君が受かると仕事が捗りそうですね。では、気をつけて」
私はもう一度頭を下げるとその場を辞したのだった。
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