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新しい世界
7.ベルナールの疑念
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「そこにいるんだろう? アレクサンドラ」
たった今フルールを教室に送ったばかりのベルナールは教室から見えなくなったであろう場所で呼びかけた。
「まぁ、そうね。もちろんいますわ。ベルナール殿下」
「全く……。これで本当に合ってるのか?」
「そうねぇ。今のところマルセル以外のイベントは殿下がこなしていらっしゃるから王子ルートに入ると思いますわ」
そう言いながらベルナールに歩み寄ってきたのは今現在の婚約者であるアレクサンドラ・シャノワーヌ公爵令嬢だ。
アレクサンドラとは生まれた時からの婚約者で、幼馴染だ。
男女もない頃から一緒にいる相手を異性として見ることもできずお互いにずっと悪友的な関係を保っていた。
それもこれもこのアレクサンドラがかなり変わっているからだ。
見た目は極上らしい。ベルナールにとってはあまり気にならない。まぁ見慣れているからだが。
アレクサンドラは十七歳という年齢でも美女として有名だった。緩やかなウェーブの漆黒の髪と宝石よりも煌めくエメラルドの瞳が一目見ると忘れられないと言われている。
見慣れたがな。
そんな美女が人目も憚らずにベルナールの胸ぐらをつかんだ。
「もう! しゃんとして頂戴!!」
ぼうっとしてるベルナールに詰め寄った。
「わかっている。手を離せ。苦しいだろ? 全く凶暴だな。何だって誰もお前の本性に気付かないんだ?」
アレクサンドラはベルナールの襟を直して手を離して、にっこり微笑む。
「それはもちろん破滅フラグを折りまくった結果ですわ。ベルナール殿下」
楚々として答えるアレクサンドラにぐったりとしてため息を吐いた。
「まあ、とりあえず生徒会室に行くか」
そう言ってベルナールは自然にアレクサンドラに手を差し出した。アレクサンドラも当然ようにその手を取る。側から見ると完璧な婚約者なのだが二人にはいやアレクサンドラの弟であるマルセルも含めると三人には人には言えない秘密があるのだった。
ベルナールは隣を歩くアレクサンドラの子供の頃を思い出していた。
ベルナールより二ヶ月遅れて生まれたアレクサンドラとは生まれる前から婚約が決まっていた。王家と公爵家との政略結婚だ。
ベルナールも物心ついた時にはそのことを自覚していたし、そんなもんだと思っていた。しかし、アレクサンドラは違った。
あれは多分ベルナールが五歳の時だった。月に一度婚約者とのお茶会というお遊び会が開かれるように予定が組まれていた。
そんな月一の会もアレクサンドラの急病で殆ど開かれることなく過ぎたある日のこと、ベルナールはまた来ないのかと庭園で座っているとアレクサンドラが初めてお茶会にやってきたのだ。
しかも開口一番言った言葉が「婚約破棄して頂戴」だった。
王子に敬語を使わないことにも驚いたがその太々しい態度にも驚いた。
手を腰に当てての上から目線だったのだ。
もちろんベルナールは怒り狂った。
その場でアレクサンドラをドンッと押すとそのまま部屋に戻ったのだ。
今度は、ベルナールがお茶会を欠席し続けた。
そして、二人が八歳の時アレクサンドラの弟がベルナールの遊び相手としてやって来たのだ。
アレクサンドラの弟のマルセルは二つ年下とは思えないほどしっかりとした考えを持っていた。
ベルナールはマルセルを気に入った。そのマルセルが頭を下げて頼んできたのだ。
姉の言うことを聞いて欲しいと。
始めは嫌だと言っていたがあんまり何度も言われるので仕方なく三年ぶりにお茶会に参加することにした。それにはマルセルが同席することを条件にだ。
そうして、この婚約者と二度目のお茶会が開かれた。
アレクサンドラもマルセルから言われているのか今度は行儀良くベルナールと向き合った。そこで話されたのは信じられない話だったのだ。
なんでもアレクサンドラは前世の記憶を持っていて、その前世でこの世界のことを書かれた本みたいなゲームと呼ばれる物語を読んでいたらしい。
そのゲームではアレクサンドラもマルセルもベルナールも登場人物として書かれていたらしい。
アレクサンドラの話は信じられないものだったが、とても興味深かった。
「えっと、じゃあ僕は学園で伯爵家の令嬢に恋をして、その子に意地悪をした君と婚約破棄するってこと?」
「ええ、そうなんですの! もちろんそれは王子ルートになったときですけど。わたくしは王子ルートをお勧めしてますの」
「なんで? 君は王妃になれなくなるよ」
「いいんですの! わたくしの推しはダニエル・ビビエ様ですのよ。貴方と穏便に婚約破棄をしてアタックしますのよ」
「どうして君はダニエルのことを知っているの? ダニエルは嫌味で腹黒で怖いぞ」
「クールで腹黒! 最高ですわ」
「なーんか、信じられないなぁ。マルセルは信じてるの?」
「え? 僕ですか? まぁ、そうですね。うるさいですし、公爵家に著しい損害を与えうる可能性が一パーセントでもあるのなら、しっかりとその芽は摘むつもりです」
「そうよね。わたくしが破滅したら当然公爵家も大変なことになりますもの」
「で? 破滅ってどうなるの?」
「王子ルートですと、その伯爵令嬢を拉致監禁して捉えられて処刑されます。もちろん公爵家もお取り潰しですわ」
「……君、頭大丈夫? まさか、王子の婚約者を処刑なんてしないだろ?」
「まぁ、確かに今この世界を生きているとかなり無理な設定だとは思いますわ。でも、ゲームの強制力という恐ろしいものがあるかもしれませんの」
「マルセル……」
「殿下の言いたいことは、わかりますが回避する方法もあるようなんです。そうですよね? 姉さん」
「ええ、生まれてからずっとこのことを考えて来ましたの。殿下と会わなければいいと思って仮病を使っていたんですが、よく考えると殿下とは協力した方がいいと思いますの。最善はあくまで穏便に婚約破棄していただいて殿下は伯爵令嬢とお幸せになっていただくことですわ」
「僕はまだ見たこともない令嬢と幸せになれるのか?」
「もちろんですわ! わたしく全力で殿下と伯爵令嬢の幸せのお手伝いさせて頂きます」
「一つ質問がある」
「はい、何でございましょう」
「僕と君が幸せになることはないのか?」
「残念ですが、ありえませんわ。私の推しはダニエル様ですの」
その時ベルナールの初恋にもならなかった気持ちはパキンとへし折れた。
「そ、そうか、それで僕の運命の令嬢とは誰だ?」
「あっー、それは、わかりませんの」
「え?」
「そうなんですか? 姉さん」
マルセルもびっくりと声をあげる。
「残念ながら、そのゲームでは自分の好きな名前をつけるので……わたくし、デフォルトの名前は覚えていなくて……」
「て、手がかりは?」
「えっと、フワフワの金髪も青い瞳の伯爵令嬢としか……」
「姉さん! なんでそんな大事なことを僕に話してくれなかったんですか? この国にいくつ伯爵家があると思っているんですか? 百は下りませんよ! 金髪も青い目も普通すぎて……。まだ僕らのような黒髪の方が珍しい」
マルセルはガクッと肩を落とした。
「まぁ、わかった。お前達が変わり者で興味深い姉弟だということがな。いいだろう。お前達の計画に協力しよう。どうせ僕の結婚は政略結婚だ。恋だの愛だのが経験できるのなら楽しそうだ」
それからはアレクサンドラのゲームの記憶と最善のゴールを三人で話し合って来た。もちろん全部を信じたわけではないが、正直楽しかった。
今までもルート変更のために失敗も成功もしたがベルナール達はとうとう学園に入った。
そして、運命の日に本当に入学して来たのだ。
ベルナールの運命の伯爵令嬢フルール・カントループその人だった。
たった今フルールを教室に送ったばかりのベルナールは教室から見えなくなったであろう場所で呼びかけた。
「まぁ、そうね。もちろんいますわ。ベルナール殿下」
「全く……。これで本当に合ってるのか?」
「そうねぇ。今のところマルセル以外のイベントは殿下がこなしていらっしゃるから王子ルートに入ると思いますわ」
そう言いながらベルナールに歩み寄ってきたのは今現在の婚約者であるアレクサンドラ・シャノワーヌ公爵令嬢だ。
アレクサンドラとは生まれた時からの婚約者で、幼馴染だ。
男女もない頃から一緒にいる相手を異性として見ることもできずお互いにずっと悪友的な関係を保っていた。
それもこれもこのアレクサンドラがかなり変わっているからだ。
見た目は極上らしい。ベルナールにとってはあまり気にならない。まぁ見慣れているからだが。
アレクサンドラは十七歳という年齢でも美女として有名だった。緩やかなウェーブの漆黒の髪と宝石よりも煌めくエメラルドの瞳が一目見ると忘れられないと言われている。
見慣れたがな。
そんな美女が人目も憚らずにベルナールの胸ぐらをつかんだ。
「もう! しゃんとして頂戴!!」
ぼうっとしてるベルナールに詰め寄った。
「わかっている。手を離せ。苦しいだろ? 全く凶暴だな。何だって誰もお前の本性に気付かないんだ?」
アレクサンドラはベルナールの襟を直して手を離して、にっこり微笑む。
「それはもちろん破滅フラグを折りまくった結果ですわ。ベルナール殿下」
楚々として答えるアレクサンドラにぐったりとしてため息を吐いた。
「まあ、とりあえず生徒会室に行くか」
そう言ってベルナールは自然にアレクサンドラに手を差し出した。アレクサンドラも当然ようにその手を取る。側から見ると完璧な婚約者なのだが二人にはいやアレクサンドラの弟であるマルセルも含めると三人には人には言えない秘密があるのだった。
ベルナールは隣を歩くアレクサンドラの子供の頃を思い出していた。
ベルナールより二ヶ月遅れて生まれたアレクサンドラとは生まれる前から婚約が決まっていた。王家と公爵家との政略結婚だ。
ベルナールも物心ついた時にはそのことを自覚していたし、そんなもんだと思っていた。しかし、アレクサンドラは違った。
あれは多分ベルナールが五歳の時だった。月に一度婚約者とのお茶会というお遊び会が開かれるように予定が組まれていた。
そんな月一の会もアレクサンドラの急病で殆ど開かれることなく過ぎたある日のこと、ベルナールはまた来ないのかと庭園で座っているとアレクサンドラが初めてお茶会にやってきたのだ。
しかも開口一番言った言葉が「婚約破棄して頂戴」だった。
王子に敬語を使わないことにも驚いたがその太々しい態度にも驚いた。
手を腰に当てての上から目線だったのだ。
もちろんベルナールは怒り狂った。
その場でアレクサンドラをドンッと押すとそのまま部屋に戻ったのだ。
今度は、ベルナールがお茶会を欠席し続けた。
そして、二人が八歳の時アレクサンドラの弟がベルナールの遊び相手としてやって来たのだ。
アレクサンドラの弟のマルセルは二つ年下とは思えないほどしっかりとした考えを持っていた。
ベルナールはマルセルを気に入った。そのマルセルが頭を下げて頼んできたのだ。
姉の言うことを聞いて欲しいと。
始めは嫌だと言っていたがあんまり何度も言われるので仕方なく三年ぶりにお茶会に参加することにした。それにはマルセルが同席することを条件にだ。
そうして、この婚約者と二度目のお茶会が開かれた。
アレクサンドラもマルセルから言われているのか今度は行儀良くベルナールと向き合った。そこで話されたのは信じられない話だったのだ。
なんでもアレクサンドラは前世の記憶を持っていて、その前世でこの世界のことを書かれた本みたいなゲームと呼ばれる物語を読んでいたらしい。
そのゲームではアレクサンドラもマルセルもベルナールも登場人物として書かれていたらしい。
アレクサンドラの話は信じられないものだったが、とても興味深かった。
「えっと、じゃあ僕は学園で伯爵家の令嬢に恋をして、その子に意地悪をした君と婚約破棄するってこと?」
「ええ、そうなんですの! もちろんそれは王子ルートになったときですけど。わたくしは王子ルートをお勧めしてますの」
「なんで? 君は王妃になれなくなるよ」
「いいんですの! わたくしの推しはダニエル・ビビエ様ですのよ。貴方と穏便に婚約破棄をしてアタックしますのよ」
「どうして君はダニエルのことを知っているの? ダニエルは嫌味で腹黒で怖いぞ」
「クールで腹黒! 最高ですわ」
「なーんか、信じられないなぁ。マルセルは信じてるの?」
「え? 僕ですか? まぁ、そうですね。うるさいですし、公爵家に著しい損害を与えうる可能性が一パーセントでもあるのなら、しっかりとその芽は摘むつもりです」
「そうよね。わたくしが破滅したら当然公爵家も大変なことになりますもの」
「で? 破滅ってどうなるの?」
「王子ルートですと、その伯爵令嬢を拉致監禁して捉えられて処刑されます。もちろん公爵家もお取り潰しですわ」
「……君、頭大丈夫? まさか、王子の婚約者を処刑なんてしないだろ?」
「まぁ、確かに今この世界を生きているとかなり無理な設定だとは思いますわ。でも、ゲームの強制力という恐ろしいものがあるかもしれませんの」
「マルセル……」
「殿下の言いたいことは、わかりますが回避する方法もあるようなんです。そうですよね? 姉さん」
「ええ、生まれてからずっとこのことを考えて来ましたの。殿下と会わなければいいと思って仮病を使っていたんですが、よく考えると殿下とは協力した方がいいと思いますの。最善はあくまで穏便に婚約破棄していただいて殿下は伯爵令嬢とお幸せになっていただくことですわ」
「僕はまだ見たこともない令嬢と幸せになれるのか?」
「もちろんですわ! わたしく全力で殿下と伯爵令嬢の幸せのお手伝いさせて頂きます」
「一つ質問がある」
「はい、何でございましょう」
「僕と君が幸せになることはないのか?」
「残念ですが、ありえませんわ。私の推しはダニエル様ですの」
その時ベルナールの初恋にもならなかった気持ちはパキンとへし折れた。
「そ、そうか、それで僕の運命の令嬢とは誰だ?」
「あっー、それは、わかりませんの」
「え?」
「そうなんですか? 姉さん」
マルセルもびっくりと声をあげる。
「残念ながら、そのゲームでは自分の好きな名前をつけるので……わたくし、デフォルトの名前は覚えていなくて……」
「て、手がかりは?」
「えっと、フワフワの金髪も青い瞳の伯爵令嬢としか……」
「姉さん! なんでそんな大事なことを僕に話してくれなかったんですか? この国にいくつ伯爵家があると思っているんですか? 百は下りませんよ! 金髪も青い目も普通すぎて……。まだ僕らのような黒髪の方が珍しい」
マルセルはガクッと肩を落とした。
「まぁ、わかった。お前達が変わり者で興味深い姉弟だということがな。いいだろう。お前達の計画に協力しよう。どうせ僕の結婚は政略結婚だ。恋だの愛だのが経験できるのなら楽しそうだ」
それからはアレクサンドラのゲームの記憶と最善のゴールを三人で話し合って来た。もちろん全部を信じたわけではないが、正直楽しかった。
今までもルート変更のために失敗も成功もしたがベルナール達はとうとう学園に入った。
そして、運命の日に本当に入学して来たのだ。
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