51 / 71
第3章 破滅への足音
51、わたくし、全てを手に入れます
しおりを挟む
クローディアがビクトル王子に恋愛勝負宣言をしてから数ヶ月が経過した。
地面が揺れた事による被害の復興も進み、王都も真新しい建物も含めてまた前の様な賑やかさを取り戻しつつあった。
そんな中で変化した者と変化しなかった者の間に大きな溝が生まれていた。
変化した者とは勿論クローディアを始めとする新行政組織で変化しなかった者はローレンス率いる旧政府の者だった。
災害時の対応で大きな差が発生し、司法と経済も巻き込んでの実政府の交代劇があったのだった。それによってローレンスからは王という位以外の権限が剥奪されて政治の実権はクローディア達に移る事になったのだった。
これには多くの国民の嘆願書がこの国の三権の長を動かしたと言っても過言ではなかった。
そうして動き出した新行政府はクローディアとビクトルを中心に組閣され国民に二人の婚約と共に発表されたのだった。
これはビクトル王子の勧めで国民の暗い気持ちを明るくする為にも慶次を公表しようという事になったのだ。
勝ち負けはまだついていないが、勿論二人の気持ちも何となく伝わった事もこの婚約発表を後押ししたことに違いはない。
「クローディア!!」
「はい、何でしょうか?ビクトル様。」
「き、今日のそ、其方も、、う、美しいな。」
「まぁ、ありがとうございます。ビクトル様も素敵ですわ。」
そう言ってにっこり笑ったクローディアを見て顔を真っ赤に染めたのはビクトル王子本人だった。
「くっ、、。今日も負けか、、、。」
「ふふ、ビクトル様、もうやめませんか?毎日どちらの方が顔を赤くするかでは勝敗を決められませんわ。」
「ふむ、そうかもしれないな、、。では、クローディアはどの様な勝負を望んでいるのだ?」
クローディアから恋愛勝負と言われてからビクトル王子の方がそれを口実にクローディアに話しかける様になっていた。
「そうですわね。プロポーズした方が負け?とか?」
「プ、プ、プロポーズ!!」
「ええ、まだ、わたくしビクトル様からプロポーズされていない事に気がついたのですわ。」
クローディアに痛いところを突っ込まれたビクトル王子はそうかもしれないなと早口で同意するとサッサと仕事モードに入った。この朝の一幕が終わると二人は仕事上のパートナーとしてよく話し、よく意見を言い合い、助け合い、このアッカルドの発展の為に知恵を絞っていた。
クローディアにとってビクトル王子の助言は的を射るものばかりで中にはクローディアが気づかなかった国内の問題まで指摘することがあるのだ。それはビクトルの記憶によるものが大きいのだがそれを知らないクローディアはシダールの情報網に舌を巻いていた。
「そういえば、奴らの動向はどうなのだ?」
ビクトル王子は取り敢えず今日話すべき内容を話してから休憩を取りながらクローディアに確認した。
「ローレンス王達のことですか?」
「ああ。この前はローレンス王とカーティスそれに王妃が毎日の様に集まっていると言っていたではないか?」
「はい、それは今も変わりませんわ。何をやっているのかはよくわからないのですが、今も三人で集まって何かを話している様ですの。ただ、三人以外に連絡をとっているわけではないのでクーデター等は心配要らないと思います。」
「そうか、、、。」
ビクトル王子からするとその会合はこの国の滅亡への引き金だと思っていたが未だに予言書についてはクローディアに話せていなかった。話しても良かったが、信じてもらえるのかが不安だし、いまこうして二人で国を運営しているからもしもの時も大丈夫ではないかと考えていた。
「でも、わたくし、少し心配しておりますの。ローレンス王はともかくあのカーティスがそう易々と権力の座を諦めるのかが信じられないのです。」
「そうなのか?」
「ビクトル様はご存知ないとは思いますが、カーティスは昔から自分の才覚に絶対の自信を持っていました。それなのにこの前の実権の放棄にああも簡単にサインして要求はローレンス王の王位維持のみだったのです。未だに信じられません。」
「ふむ、、、、。ではクローディアは奴等が何か企んでいると?」
「はい、その可能性は高いかと思います。」
「わかった。私も気をつけてみていよう。」
そうして二人の休憩は終わり、また、忙しい仕事に戻ったのだった。
「おい、本当にこれでいいのか?」
ローレンスの疑いの目を無視してカーティスはサオリに話しかける。
「サオリ王妃、私の計算では王妃がこの世界に来た日と来月の月の日は状況が似ていると思うのです。」
「どういう事?」
「サオリ王妃がこちらにいらしたのは十四年前の隠れ月の月の日です。隠れ月は十五年毎に暦の修正月として設定されているので来月が丁度十五年目になります。その日にサオリ王妃が迷い込んだ場所に行けばそのニホンという場所に帰れるのではないかと思います。」
「流石カーティス様ね。そんな難しい事があったのね。私全然気がつかなかったわ!!凄いわ!!」
サオリの全力の褒めに満更でもないカーティスが今度は地図を広げた。
「サオリ王妃が迷い込んだ森はこの地図で言うとどこですか?」
「うーん、地図だとよくわからないわ。実際に行って景色を見ないと、、、。」
「そんな事言っても今はまだ王宮から出るのは危険だぞ!民が殺気立ってるらしいからな。」
「何か目立つものはありませんでしたか?」
カーティスの確認にサオリは懸命に昔の事を思い出す。
本当に歩きスマホをしていて気づいたら森の中だったからよくわからないのだ。
「そうねぇ、森を出たら牛が一杯いてびっくりしたのよね。」
「牛ですか?」
「うん。真っ白な牛ばっかり居たのよね。」
「白い牛、白牛か!それならセドア共和国の国境付近が酪農地域だな!!」
ローレンスの言葉にカーティスも頷いてある一箇所を指差した。
「でしたら、多分この森辺りが怪しいですね。森を挟んでセドアとの国境になっていますがこの森の手前が大きな放牧地となっています。」
そう言って地図をトントンと指先で叩いたカーティスが顔を明あげた。
「じゃあ、来月その森に行けばニホンに帰れそうなの?」
「はい。」
「サオリ、其方は本当に帰りたいのか?私との結婚に未練は本当にないのか?」
もう何度も確認して諦めたはずのローレンスだがまた同じ質問をサオリにした。
「もう!何度も言ったでしょ?私の役はもう終わってるの!ローレンスの事はキャラとしか思えないの!カーティス様が言ってる様に私が帰ったら再婚して幸せになってよ!!わかった!」
「、、そんな、言い方は、、、、。」
ガックシと肩を落としたローレンスはいつも通りほって置いてカーティスとサオリはどうやったら来月ここに行く事が出来るのかを話し始めたのだった。
地面が揺れた事による被害の復興も進み、王都も真新しい建物も含めてまた前の様な賑やかさを取り戻しつつあった。
そんな中で変化した者と変化しなかった者の間に大きな溝が生まれていた。
変化した者とは勿論クローディアを始めとする新行政組織で変化しなかった者はローレンス率いる旧政府の者だった。
災害時の対応で大きな差が発生し、司法と経済も巻き込んでの実政府の交代劇があったのだった。それによってローレンスからは王という位以外の権限が剥奪されて政治の実権はクローディア達に移る事になったのだった。
これには多くの国民の嘆願書がこの国の三権の長を動かしたと言っても過言ではなかった。
そうして動き出した新行政府はクローディアとビクトルを中心に組閣され国民に二人の婚約と共に発表されたのだった。
これはビクトル王子の勧めで国民の暗い気持ちを明るくする為にも慶次を公表しようという事になったのだ。
勝ち負けはまだついていないが、勿論二人の気持ちも何となく伝わった事もこの婚約発表を後押ししたことに違いはない。
「クローディア!!」
「はい、何でしょうか?ビクトル様。」
「き、今日のそ、其方も、、う、美しいな。」
「まぁ、ありがとうございます。ビクトル様も素敵ですわ。」
そう言ってにっこり笑ったクローディアを見て顔を真っ赤に染めたのはビクトル王子本人だった。
「くっ、、。今日も負けか、、、。」
「ふふ、ビクトル様、もうやめませんか?毎日どちらの方が顔を赤くするかでは勝敗を決められませんわ。」
「ふむ、そうかもしれないな、、。では、クローディアはどの様な勝負を望んでいるのだ?」
クローディアから恋愛勝負と言われてからビクトル王子の方がそれを口実にクローディアに話しかける様になっていた。
「そうですわね。プロポーズした方が負け?とか?」
「プ、プ、プロポーズ!!」
「ええ、まだ、わたくしビクトル様からプロポーズされていない事に気がついたのですわ。」
クローディアに痛いところを突っ込まれたビクトル王子はそうかもしれないなと早口で同意するとサッサと仕事モードに入った。この朝の一幕が終わると二人は仕事上のパートナーとしてよく話し、よく意見を言い合い、助け合い、このアッカルドの発展の為に知恵を絞っていた。
クローディアにとってビクトル王子の助言は的を射るものばかりで中にはクローディアが気づかなかった国内の問題まで指摘することがあるのだ。それはビクトルの記憶によるものが大きいのだがそれを知らないクローディアはシダールの情報網に舌を巻いていた。
「そういえば、奴らの動向はどうなのだ?」
ビクトル王子は取り敢えず今日話すべき内容を話してから休憩を取りながらクローディアに確認した。
「ローレンス王達のことですか?」
「ああ。この前はローレンス王とカーティスそれに王妃が毎日の様に集まっていると言っていたではないか?」
「はい、それは今も変わりませんわ。何をやっているのかはよくわからないのですが、今も三人で集まって何かを話している様ですの。ただ、三人以外に連絡をとっているわけではないのでクーデター等は心配要らないと思います。」
「そうか、、、。」
ビクトル王子からするとその会合はこの国の滅亡への引き金だと思っていたが未だに予言書についてはクローディアに話せていなかった。話しても良かったが、信じてもらえるのかが不安だし、いまこうして二人で国を運営しているからもしもの時も大丈夫ではないかと考えていた。
「でも、わたくし、少し心配しておりますの。ローレンス王はともかくあのカーティスがそう易々と権力の座を諦めるのかが信じられないのです。」
「そうなのか?」
「ビクトル様はご存知ないとは思いますが、カーティスは昔から自分の才覚に絶対の自信を持っていました。それなのにこの前の実権の放棄にああも簡単にサインして要求はローレンス王の王位維持のみだったのです。未だに信じられません。」
「ふむ、、、、。ではクローディアは奴等が何か企んでいると?」
「はい、その可能性は高いかと思います。」
「わかった。私も気をつけてみていよう。」
そうして二人の休憩は終わり、また、忙しい仕事に戻ったのだった。
「おい、本当にこれでいいのか?」
ローレンスの疑いの目を無視してカーティスはサオリに話しかける。
「サオリ王妃、私の計算では王妃がこの世界に来た日と来月の月の日は状況が似ていると思うのです。」
「どういう事?」
「サオリ王妃がこちらにいらしたのは十四年前の隠れ月の月の日です。隠れ月は十五年毎に暦の修正月として設定されているので来月が丁度十五年目になります。その日にサオリ王妃が迷い込んだ場所に行けばそのニホンという場所に帰れるのではないかと思います。」
「流石カーティス様ね。そんな難しい事があったのね。私全然気がつかなかったわ!!凄いわ!!」
サオリの全力の褒めに満更でもないカーティスが今度は地図を広げた。
「サオリ王妃が迷い込んだ森はこの地図で言うとどこですか?」
「うーん、地図だとよくわからないわ。実際に行って景色を見ないと、、、。」
「そんな事言っても今はまだ王宮から出るのは危険だぞ!民が殺気立ってるらしいからな。」
「何か目立つものはありませんでしたか?」
カーティスの確認にサオリは懸命に昔の事を思い出す。
本当に歩きスマホをしていて気づいたら森の中だったからよくわからないのだ。
「そうねぇ、森を出たら牛が一杯いてびっくりしたのよね。」
「牛ですか?」
「うん。真っ白な牛ばっかり居たのよね。」
「白い牛、白牛か!それならセドア共和国の国境付近が酪農地域だな!!」
ローレンスの言葉にカーティスも頷いてある一箇所を指差した。
「でしたら、多分この森辺りが怪しいですね。森を挟んでセドアとの国境になっていますがこの森の手前が大きな放牧地となっています。」
そう言って地図をトントンと指先で叩いたカーティスが顔を明あげた。
「じゃあ、来月その森に行けばニホンに帰れそうなの?」
「はい。」
「サオリ、其方は本当に帰りたいのか?私との結婚に未練は本当にないのか?」
もう何度も確認して諦めたはずのローレンスだがまた同じ質問をサオリにした。
「もう!何度も言ったでしょ?私の役はもう終わってるの!ローレンスの事はキャラとしか思えないの!カーティス様が言ってる様に私が帰ったら再婚して幸せになってよ!!わかった!」
「、、そんな、言い方は、、、、。」
ガックシと肩を落としたローレンスはいつも通りほって置いてカーティスとサオリはどうやったら来月ここに行く事が出来るのかを話し始めたのだった。
10
お気に入りに追加
2,427
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
蔑ろにされた王妃と見限られた国王
奏千歌
恋愛
※最初に公開したプロット版はカクヨムで公開しています
国王陛下には愛する女性がいた。
彼女は陛下の初恋の相手で、陛下はずっと彼女を想い続けて、そして大切にしていた。
私は、そんな陛下と結婚した。
国と王家のために、私達は結婚しなければならなかったから、結婚すれば陛下も少しは変わるのではと期待していた。
でも結果は……私の理想を打ち砕くものだった。
そしてもう一つ。
私も陛下も知らないことがあった。
彼女のことを。彼女の正体を。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
最愛の婚約者に婚約破棄されたある侯爵令嬢はその想いを大切にするために自主的に修道院へ入ります。
ひよこ麺
恋愛
ある国で、あるひとりの侯爵令嬢ヨハンナが婚約破棄された。
ヨハンナは他の誰よりも婚約者のパーシヴァルを愛していた。だから彼女はその想いを抱えたまま修道院へ入ってしまうが、元婚約者を誑かした女は悲惨な末路を辿り、元婚約者も……
※この作品には残酷な表現とホラーっぽい遠回しなヤンデレが多分に含まれます。苦手な方はご注意ください。
また、一応転生者も出ます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約破棄は踊り続ける
お好み焼き
恋愛
聖女が現れたことによりルベデルカ公爵令嬢はルーベルバッハ王太子殿下との婚約を白紙にされた。だがその半年後、ルーベルバッハが訪れてきてこう言った。
「聖女は王太子妃じゃなく神の花嫁となる道を選んだよ。頼むから結婚しておくれよ」
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
人生の全てを捨てた王太子妃
八つ刻
恋愛
突然王太子妃になれと告げられてから三年あまりが過ぎた。
傍目からは“幸せな王太子妃”に見える私。
だけど本当は・・・
受け入れているけど、受け入れられない王太子妃と彼女を取り巻く人々の話。
※※※幸せな話とは言い難いです※※※
タグをよく見て読んでください。ハッピーエンドが好みの方(一方通行の愛が駄目な方も)はブラウザバックをお勧めします。
※本編六話+番外編六話の全十二話。
※番外編の王太子視点はヤンデレ注意報が発令されています。
そんなに妹が好きなら死んであげます。
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』
フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。
それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。
そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。
イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。
異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。
何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
[完]僕の前から、君が消えた
小葉石
恋愛
『あなたの残りの時間、全てください』
余命宣告を受けた僕に殊勝にもそんな事を言っていた彼女が突然消えた…それは事故で一瞬で終わってしまったと後から聞いた。
残りの人生彼女とはどう向き合おうかと、悩みに悩んでいた僕にとっては彼女が消えた事実さえ上手く処理出来ないでいる。
そんな彼女が、僕を迎えにくるなんて……
*ホラーではありません。現代が舞台ですが、ファンタジー色強めだと思います。
根暗令嬢の華麗なる転身
しろねこ。
恋愛
「来なきゃよかったな」
ミューズは茶会が嫌いだった。
茶会デビューを果たしたものの、人から不細工と言われたショックから笑顔になれず、しまいには根暗令嬢と陰で呼ばれるようになった。
公爵家の次女に産まれ、キレイな母と実直な父、優しい姉に囲まれ幸せに暮らしていた。
何不自由なく、暮らしていた。
家族からも愛されて育った。
それを壊したのは悪意ある言葉。
「あんな不細工な令嬢見たことない」
それなのに今回の茶会だけは断れなかった。
父から絶対に参加してほしいという言われた茶会は特別で、第一王子と第二王子が来るものだ。
婚約者選びのものとして。
国王直々の声掛けに娘思いの父も断れず…
応援して頂けると嬉しいです(*´ω`*)
ハピエン大好き、完全自己満、ご都合主義の作者による作品です。
同名主人公にてアナザーワールド的に別な作品も書いています。
立場や環境が違えども、幸せになって欲しいという思いで作品を書いています。
一部リンクしてるところもあり、他作品を見て頂ければよりキャラへの理解が深まって楽しいかと思います。
描写的なものに不安があるため、お気をつけ下さい。
ゆるりとお楽しみください。
こちら小説家になろうさん、カクヨムさんにも投稿させてもらっています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる