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第3章 破滅への足音
43、運命の森の日
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「クローディア様、お時間でございます。」
クローディアは今日はサオリ王妃のお見舞いという名目で面会を申し込んでいた。そう、今日がファティマの予言書にあった分岐点の一つが起こる日なのだ。
未だにサオリ王妃はボーッとして日々を過ごしているらしく、始めは面会を拒んでいたがクローディアは王太子としての見舞いだと押し切って予定をねじ込んだ。
クローディアが執務室を出るとそこにはビクトル王子とアーベルが立っていた。
「ビクトル様、、とアーベル。デートですか?」
ビクトル王子の頬がピクッとしたが少し不機嫌そうに返事を返した。
「これからサオリ王妃に会うのだろう?私も連れて行け!」
「え?」
「王太子の婚約者なのだ。同席しても構わないだろう?」
「あ、、はい。」
渋々という風情でクローディアが頷くとビクトル王子はぶっきら棒に行くぞというと先に歩き出した。
クローディアも今日あの出来事が起こるのならビクトル王子も一緒にいた方が安心かもと思い直し、先を行くビクトル王子の後を追った。
「サオリ王妃、サオリ王妃?クローディア王太子殿下とビクトル王子殿下がいらっしゃいましたよ。」
侍女が肩を叩いて話しかけてもサオリの視線は動かずソファからずっと外を眺めていた。
「クローディア様、、、、。」
「気にしないでいいわ。今日はお見舞いだもの。少し一緒にいさせてもらうわね。」
「は、はい。」
クローディアはサオリの前のソファをビクトル王子に勧めると自分はその横の一人がけの椅子に腰掛けた。
「ビクトル様、本当にここにいてよろしいのですか?」
「まぁ、いいだろう。今日は予定が空いているのだ。それより王妃は大丈夫なのか?」
「うーん。それはわかりません。前回少し話した感じですと、それ程酷くなるようには思えなかったのですが、、。」
前回の会合の後、クローディアはサオリを制裁リストに入れなかった。要注意人物ではあるが、同情の余地ありと判断していた。
「それで、ここにはどれくらい滞在するのだ?」
クローディアは時計をチラリと確認すると侍女が用意したティーカップを持ち上げた。
「このお茶が飲み終わるまで、、ですわ。」
「わかった。」
それから二人は何も話さず、それぞれのお茶を傾けた。
大きく開けられた窓からは澄んだ空気が部屋の中を吹き抜けていく。
窓の外は晴れわたり、王宮の側にある海がキラキラと輝いていた。
あと少し、、。
クローディアが残り少なくなったお茶を見て思ったのか、時計を見て思ったのかはわからないがその手に持っていたカップをソーサーに戻したその時、地面が轟音を立てて揺れたのだった。
ガタガタガタガタ
「な、なんだ!!」
アーベルが剣の柄に手をかけて周囲を警戒した。
「きゃー!!」
「地面が、、地面が!!」
侍女達の声が響く。
クローディアの目の前のテーブルも大きく揺れて上に乗っていたティーセットがガチャンガチャンと落ちて割れた。
そんな中三人だけが動かなかった。
クローディアは流石に驚いた顔をしていたが平常心を保っていた。
ビクトル王子は目を閉じて何事もないように腕を組んでいた。
そして、サオリは何も感じていないようだった。
「じ、地震、、、。」
サオリの小さな声が響いた。その間も地面は揺れ続いていた。
「地震。地震よ!!!」
何も映していなかったサオリの瞳が急に生気を帯びてしっかりとクローディアを見つめた。
「クローディア様!!!地震よ!!何座っているの!!逃げなきゃ!!」
サオリはクローディアの手を強引に掴むと立ち上がった。
「サオリ王妃、わたくしがわかるのですか?」
「当たり前でしょ!!こんな大きな地震大変よ!!貴女も日本人ならわかるでしょ?早く逃げないと!!」
「じしん?」
クローディアはビクトル王子に目を向けると揺れる地面の中器用に肩をすくめた。何故なら地震という言葉は初めて聞いたのだ。クローディアでさえファティマの予言書には地面が揺れるとしか書かれておらず、それがなんなのか今わかったくらいなのだ。
これが危険なのかどうかさえ初めて感じる揺れに困惑していた。
それに初めこそ大きく揺れたが今は少し収まりつつあるように感じたのだ。
「サオリ王妃、もうそんなに揺れていませんよ。」
クローディアの心の声を聞いたかのようにサオリに話しかけたのはビクトル王子だった。
「あんた、誰よ!!」
サオリがクローディアの手を掴んだままツカツカとビクトルの方に歩いていく。
「ああ、続編の攻略対象ね。それより何でここに、、、、、。」
ビクトル王子に話しかけていたサオリがピタリと止まった。
それはまるで機械仕掛けの人形が止まったかのようだ。
ようやく揺れが収まって侍女達が倒れたものなどをバタバタと片付けだした動きとは見事に対比されていた。
「あの、サオリ王妃?」
心配になったクローディアがサオリ王妃を呼ぶと今までのパニックの比ではない程の大声でサオリが叫んだ。
「こ、ここの目の前は、、、、海じゃない!!!!」
あまりの絶叫にクローディアやビクトル王子以外の者の視線もサオリに注がれた。
「え?海ですか?」
ビクトル王子も訳がわからんと窓からの景色を眺めた。
確かにこの王宮から海は近く実際にこのバルコニーからもキラキラ光る海面がよく見えていた。
その海面には特に変化もなくいつもの光景だった。
「い、嫌!!早く高い場所に逃げないと!!!」
サオリの慌てように皆が唖然としていたが流石に様子がおかしいのでクローディアがサオリの肩に手を置いた。
「サオリ王妃?どうしたんですか?地面の揺れは収まりましたよ?高い場所?何でですか?」
「え?クローディア様は転生者なんでしょ?なんで津波をしらないの?地震があって海の近くにいるのよ?逃げないとダメよ?え?転生者じゃないの?え?そんな、、、。」
それだけ言うとサオリはその場でパタリと倒れてしまった。
慌てて侍女達が駆け寄りサオリを寝室に連れて行った。
地面が揺れてから10分くらいの出来事だったが、怒涛の10分だった。
「なんだったの?」
クローディアは初めて経験する地面の揺れとサオリの言動に頭の中は疑問ばかりとなっていた。すると今まで黙っていたビクトル王子が立ち上がり未だ混乱の中にいるクローディアに話しかけた。
「クローディア、とにかく今はあの地面の揺れに対する被害状況を確認するぞ。あの揺れだ王宮だけではなく王都全体に影響があるかもしれない。」
ビクトル王子の言葉にハッと顔を上げてクローディアは頷いた。そして、そのまま廊下に出てその場で待機していたバーナードに情報収集を命じるとそのまま歩き出した。
「クローディア!どこにいく!まだ、何があるかわからないぞ!」
そう言って付いてきたビクトル王子には目もくれず進んでいった。
そして、クローディアが向かった先は王族が国民に向けたイベントで使用されるバルコニーだった。このバルコニーは王都へ大きく開いており、広く見渡せる構造になっている。王族の結婚式や即位式などで国民へのお披露目に使用される場所だった。
「あああ、、王都が、、、。」
クローディアの嘆きの声を耳にしてビクトル王子もバルコニーから王都を見た。
そこは、、、戦場のように変貌していたのだった。
クローディアは今日はサオリ王妃のお見舞いという名目で面会を申し込んでいた。そう、今日がファティマの予言書にあった分岐点の一つが起こる日なのだ。
未だにサオリ王妃はボーッとして日々を過ごしているらしく、始めは面会を拒んでいたがクローディアは王太子としての見舞いだと押し切って予定をねじ込んだ。
クローディアが執務室を出るとそこにはビクトル王子とアーベルが立っていた。
「ビクトル様、、とアーベル。デートですか?」
ビクトル王子の頬がピクッとしたが少し不機嫌そうに返事を返した。
「これからサオリ王妃に会うのだろう?私も連れて行け!」
「え?」
「王太子の婚約者なのだ。同席しても構わないだろう?」
「あ、、はい。」
渋々という風情でクローディアが頷くとビクトル王子はぶっきら棒に行くぞというと先に歩き出した。
クローディアも今日あの出来事が起こるのならビクトル王子も一緒にいた方が安心かもと思い直し、先を行くビクトル王子の後を追った。
「サオリ王妃、サオリ王妃?クローディア王太子殿下とビクトル王子殿下がいらっしゃいましたよ。」
侍女が肩を叩いて話しかけてもサオリの視線は動かずソファからずっと外を眺めていた。
「クローディア様、、、、。」
「気にしないでいいわ。今日はお見舞いだもの。少し一緒にいさせてもらうわね。」
「は、はい。」
クローディアはサオリの前のソファをビクトル王子に勧めると自分はその横の一人がけの椅子に腰掛けた。
「ビクトル様、本当にここにいてよろしいのですか?」
「まぁ、いいだろう。今日は予定が空いているのだ。それより王妃は大丈夫なのか?」
「うーん。それはわかりません。前回少し話した感じですと、それ程酷くなるようには思えなかったのですが、、。」
前回の会合の後、クローディアはサオリを制裁リストに入れなかった。要注意人物ではあるが、同情の余地ありと判断していた。
「それで、ここにはどれくらい滞在するのだ?」
クローディアは時計をチラリと確認すると侍女が用意したティーカップを持ち上げた。
「このお茶が飲み終わるまで、、ですわ。」
「わかった。」
それから二人は何も話さず、それぞれのお茶を傾けた。
大きく開けられた窓からは澄んだ空気が部屋の中を吹き抜けていく。
窓の外は晴れわたり、王宮の側にある海がキラキラと輝いていた。
あと少し、、。
クローディアが残り少なくなったお茶を見て思ったのか、時計を見て思ったのかはわからないがその手に持っていたカップをソーサーに戻したその時、地面が轟音を立てて揺れたのだった。
ガタガタガタガタ
「な、なんだ!!」
アーベルが剣の柄に手をかけて周囲を警戒した。
「きゃー!!」
「地面が、、地面が!!」
侍女達の声が響く。
クローディアの目の前のテーブルも大きく揺れて上に乗っていたティーセットがガチャンガチャンと落ちて割れた。
そんな中三人だけが動かなかった。
クローディアは流石に驚いた顔をしていたが平常心を保っていた。
ビクトル王子は目を閉じて何事もないように腕を組んでいた。
そして、サオリは何も感じていないようだった。
「じ、地震、、、。」
サオリの小さな声が響いた。その間も地面は揺れ続いていた。
「地震。地震よ!!!」
何も映していなかったサオリの瞳が急に生気を帯びてしっかりとクローディアを見つめた。
「クローディア様!!!地震よ!!何座っているの!!逃げなきゃ!!」
サオリはクローディアの手を強引に掴むと立ち上がった。
「サオリ王妃、わたくしがわかるのですか?」
「当たり前でしょ!!こんな大きな地震大変よ!!貴女も日本人ならわかるでしょ?早く逃げないと!!」
「じしん?」
クローディアはビクトル王子に目を向けると揺れる地面の中器用に肩をすくめた。何故なら地震という言葉は初めて聞いたのだ。クローディアでさえファティマの予言書には地面が揺れるとしか書かれておらず、それがなんなのか今わかったくらいなのだ。
これが危険なのかどうかさえ初めて感じる揺れに困惑していた。
それに初めこそ大きく揺れたが今は少し収まりつつあるように感じたのだ。
「サオリ王妃、もうそんなに揺れていませんよ。」
クローディアの心の声を聞いたかのようにサオリに話しかけたのはビクトル王子だった。
「あんた、誰よ!!」
サオリがクローディアの手を掴んだままツカツカとビクトルの方に歩いていく。
「ああ、続編の攻略対象ね。それより何でここに、、、、、。」
ビクトル王子に話しかけていたサオリがピタリと止まった。
それはまるで機械仕掛けの人形が止まったかのようだ。
ようやく揺れが収まって侍女達が倒れたものなどをバタバタと片付けだした動きとは見事に対比されていた。
「あの、サオリ王妃?」
心配になったクローディアがサオリ王妃を呼ぶと今までのパニックの比ではない程の大声でサオリが叫んだ。
「こ、ここの目の前は、、、、海じゃない!!!!」
あまりの絶叫にクローディアやビクトル王子以外の者の視線もサオリに注がれた。
「え?海ですか?」
ビクトル王子も訳がわからんと窓からの景色を眺めた。
確かにこの王宮から海は近く実際にこのバルコニーからもキラキラ光る海面がよく見えていた。
その海面には特に変化もなくいつもの光景だった。
「い、嫌!!早く高い場所に逃げないと!!!」
サオリの慌てように皆が唖然としていたが流石に様子がおかしいのでクローディアがサオリの肩に手を置いた。
「サオリ王妃?どうしたんですか?地面の揺れは収まりましたよ?高い場所?何でですか?」
「え?クローディア様は転生者なんでしょ?なんで津波をしらないの?地震があって海の近くにいるのよ?逃げないとダメよ?え?転生者じゃないの?え?そんな、、、。」
それだけ言うとサオリはその場でパタリと倒れてしまった。
慌てて侍女達が駆け寄りサオリを寝室に連れて行った。
地面が揺れてから10分くらいの出来事だったが、怒涛の10分だった。
「なんだったの?」
クローディアは初めて経験する地面の揺れとサオリの言動に頭の中は疑問ばかりとなっていた。すると今まで黙っていたビクトル王子が立ち上がり未だ混乱の中にいるクローディアに話しかけた。
「クローディア、とにかく今はあの地面の揺れに対する被害状況を確認するぞ。あの揺れだ王宮だけではなく王都全体に影響があるかもしれない。」
ビクトル王子の言葉にハッと顔を上げてクローディアは頷いた。そして、そのまま廊下に出てその場で待機していたバーナードに情報収集を命じるとそのまま歩き出した。
「クローディア!どこにいく!まだ、何があるかわからないぞ!」
そう言って付いてきたビクトル王子には目もくれず進んでいった。
そして、クローディアが向かった先は王族が国民に向けたイベントで使用されるバルコニーだった。このバルコニーは王都へ大きく開いており、広く見渡せる構造になっている。王族の結婚式や即位式などで国民へのお披露目に使用される場所だった。
「あああ、、王都が、、、。」
クローディアの嘆きの声を耳にしてビクトル王子もバルコニーから王都を見た。
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