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第2章 クローディアとサオリ
38、それぞれの会合
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「クローディア王太子殿下がいらっしゃいました!!」
お茶会会場となっている庭園のテラスにクローディアが現れるとサオリの護衛騎士が頭を下げて大きな声で皆に知らせた。
「クローディア王太子殿下、こちらにお越しください。」
侍女に案内されるまま歩いて行くと大きな木の下にテーブルが用意されていた。
この木はサクラと言って一年に一度ピンク色の花を咲かせるのだ。丁度今が見頃のようで花びらの舞う中でのお茶会となっているらしい。
「サオリ王妃、クローディア王太子殿下がいらっしゃいました。」
侍女がそう言うとテーブルの横でサクラを見ていたサオリがゆっくりと振り向いた。そして、あの時見せた勢いで再びクローディアに飛びつくように走ってきた。
「クローディア様!!!」
クローディアは思わず一歩横にずれてサオリをかわすと王太子が王妃にすべき礼をとった。
「サオリ王妃、本日はお招きいただきありがとうございます。」
それだけ言ってから立ち上がった。
手を伸ばしたまま立ち止まっていたサオリも姿勢を正すとクローディアに挨拶を返す。
「えっと、クローディア様!!お会いしたかったです!!!」
クローディアは相変わらずの高い声で、相変わらずの礼儀知らずの態度をとるサオリを呆れたように見下ろすとわからないように顔をしかめた。
サオリはスラリとしたクローディアとは違いどちらかと言うと幼児体形をしていた。背もクローディアの肩に届くかどうかだ。もっともクローディアが平均よりも背が高いのでサオリは普通なのかもしれない。しかし、服装には問題がある。あいも変わらず異世界の服を着ているのだ。
この服は信じられないくらい丈が短く、太ももの半分以上は隠れていない。正式な場であれば踝を隠す事がマナーとされている為その格好は奇抜としか言えない。
「ご機嫌いかがですか?サオリ王妃。」
サオリのマナー違反はまるっと無視してクローディアはサオリにマナー通りの言葉を返す。
「こっちよ!来て頂戴!懐かしいでしょう?サクラだものね。やっぱり日本人にはサクラよね?」
サオリがクローディアの手を取るとグイグイとサクラの下に連れて行く。
クローディアが面を食らっているのにも気付かずにサオリは話し続ける。
「ねぇ、いつから転生者って気付いたの?追放されたのも作戦?あれでしょ?私が知らない続編とかも知ってて私を帰してくれるんでしょ?」
クローディアはサオリが話している内容が全く理解出来ずに首をかしげる。
周りに控えている侍女を見ても皆一様に首を横に振るばかりで、誰もサオリの話す内容を説明できないらしい。
「あの、サオリ王妃、、少し落ち着いて頂けますか?」
クローディアは何とかサオリが話す話の合間を縫って進言した。するとサオリもパンと手を叩いてにっこりと笑った。
「そうね。ゆっくりと話を聞かないといけないわ。また、何か間違って帰れなくなっちゃ大変だもの。」
そう言って席に着いたサオリを見てクローディアは怪訝な顔を隠せなかった。
サオリの格好が非常識なのはわかっていたが何よりその表情が異質だった。
もうクローディアと同じ二十八歳の筈なのにその表情は未だに少女の様なのだ。
その雰囲気は何か否定されると爆発するような危うさも感じられる。
仕方なくクローディアも席に着いてサオリの話を聞くことにしたのだった。
ビクトル王子は目の前で落ち着きなく座っているローレンスを呆れた顔で見つめていた。
「それで、、、そ、其方が怪我したというのか?」
「はい。昨日クローディア殿と一緒に何者かに襲われまして、ほらご覧ください。ここに怪我を負いました。」
そう言ってビクトル王子は指先に巻いた包帯をチラリとローレンスに見せた。
「それは災難だったな。」
「ええ、本当に。アッカルドがこのように治安が悪いとは思いませんでした。
クローディア殿もかなり恐怖を感じたようでしたよ。」
「クローディアが?怖いと?フッ」
ローレンスがニヤリと笑ったのを見てビクトル王子はカチンときた。
「勿論クローディア殿は私の婚約者ですから、私が守りましたよ。」
「其方の、、、。ふん、それは我が国の王太子が迷惑をかけたな。今後は其方に迷惑が掛からないように気をつけさせよう。」
暫しローレンスとビクトル王子は無言で睨み合ったが、ふっと息を吐くとビクトル王子が話し出した。
「しかし、シダールから護衛の騎士団を呼び寄せるように勧められているんですよ。」
「き、騎士団!?」
「はい、私直属の騎士団が百名程おりますので、、、。このように賊に襲われるようでしたらこの王宮に呼び寄せる必要があると言われています。」
「ひゃ、百人!!」
「ただ、何といいますか、この王宮は騎士団を滞在させるには手狭ですよね。そうなりますとこの王宮を囲むように配置するしかなさそうです。」
「おい!ちょっと待て!!王宮をシダールの騎士団が取り囲んだら、、ご、誤解されるだろう!!」
「誤解ですか?」
「ああ、そうだ!カーティス!いないのか!全く何処行ったのだ!!ああ、何と言うか、、その、攻められていると国民に思われるのは、多分、きっと、良くないと、、、カーティスが言う気がするぞ!」
「そうですか?でも、賊が入り込むような場所では、、、、。」
「もう大丈夫だ!!賊など入り込まん!!安心せよ!!」
「一応婚約者であるクローディア王太子の護衛も必要だと思っているんですよね。」
「ク、クローディアの安全も保、保証する!!」
「成る程、アッカルド王がそうおっしゃるなら信じましょう。しかしながら大国であるシダールでは口約束はしないことになっているのです。アーベル。」
「は!こちらに。」
そう言ってアーベルが差し出した覚書には今後王宮内でクローディア及びビクトル王子が襲われた場合、シダールの騎士団が即日護衛として配置されると書かれている。
「こ、これに、サインせよと?」
「ええ。今すぐに。」
ビクトル王子に押し負けたローレンスは渋々とサインを書いた。それこそカーティスがこの場にいれば絶対に止めたであろう事だがそれにローレンスは気付いていなかった。
「ああ、これで安心して滞在出来ますね。では、失礼。」
ビクトル王子とアーベルが退出すると丁度今戻ってきたカーティスとすれ違った。怪訝な顔をしたカーティスにビクトル王子は平然と頷くとその横を通り過ぎてたのだった。
「カーティス殿がいなくて良かったですね?簡単にサインしてくれちゃいましたよ。あの王は。」
「ああ、これで暫くは荒事は起こらなくなるだろう。それにしてもあの王はクローディアを自分の物のように話したぞ。あんな仕打ちをして置いてな。」
ビクトル王子がもう少し脅しておけば良かったなとブツブツ言っているとアーベルが話しかけた。
「それで、これからどうします?」
「勿論、クローディアの誤解を解かねばならんだろう。全くいけ好かないローレンス王相手なら話すのも交渉するのも脅すのも何の問題もないのに、なぜそれはこんなにも難しいのだ。」
ビクトル王子の愚痴が廊下に響いていた。
お茶会会場となっている庭園のテラスにクローディアが現れるとサオリの護衛騎士が頭を下げて大きな声で皆に知らせた。
「クローディア王太子殿下、こちらにお越しください。」
侍女に案内されるまま歩いて行くと大きな木の下にテーブルが用意されていた。
この木はサクラと言って一年に一度ピンク色の花を咲かせるのだ。丁度今が見頃のようで花びらの舞う中でのお茶会となっているらしい。
「サオリ王妃、クローディア王太子殿下がいらっしゃいました。」
侍女がそう言うとテーブルの横でサクラを見ていたサオリがゆっくりと振り向いた。そして、あの時見せた勢いで再びクローディアに飛びつくように走ってきた。
「クローディア様!!!」
クローディアは思わず一歩横にずれてサオリをかわすと王太子が王妃にすべき礼をとった。
「サオリ王妃、本日はお招きいただきありがとうございます。」
それだけ言ってから立ち上がった。
手を伸ばしたまま立ち止まっていたサオリも姿勢を正すとクローディアに挨拶を返す。
「えっと、クローディア様!!お会いしたかったです!!!」
クローディアは相変わらずの高い声で、相変わらずの礼儀知らずの態度をとるサオリを呆れたように見下ろすとわからないように顔をしかめた。
サオリはスラリとしたクローディアとは違いどちらかと言うと幼児体形をしていた。背もクローディアの肩に届くかどうかだ。もっともクローディアが平均よりも背が高いのでサオリは普通なのかもしれない。しかし、服装には問題がある。あいも変わらず異世界の服を着ているのだ。
この服は信じられないくらい丈が短く、太ももの半分以上は隠れていない。正式な場であれば踝を隠す事がマナーとされている為その格好は奇抜としか言えない。
「ご機嫌いかがですか?サオリ王妃。」
サオリのマナー違反はまるっと無視してクローディアはサオリにマナー通りの言葉を返す。
「こっちよ!来て頂戴!懐かしいでしょう?サクラだものね。やっぱり日本人にはサクラよね?」
サオリがクローディアの手を取るとグイグイとサクラの下に連れて行く。
クローディアが面を食らっているのにも気付かずにサオリは話し続ける。
「ねぇ、いつから転生者って気付いたの?追放されたのも作戦?あれでしょ?私が知らない続編とかも知ってて私を帰してくれるんでしょ?」
クローディアはサオリが話している内容が全く理解出来ずに首をかしげる。
周りに控えている侍女を見ても皆一様に首を横に振るばかりで、誰もサオリの話す内容を説明できないらしい。
「あの、サオリ王妃、、少し落ち着いて頂けますか?」
クローディアは何とかサオリが話す話の合間を縫って進言した。するとサオリもパンと手を叩いてにっこりと笑った。
「そうね。ゆっくりと話を聞かないといけないわ。また、何か間違って帰れなくなっちゃ大変だもの。」
そう言って席に着いたサオリを見てクローディアは怪訝な顔を隠せなかった。
サオリの格好が非常識なのはわかっていたが何よりその表情が異質だった。
もうクローディアと同じ二十八歳の筈なのにその表情は未だに少女の様なのだ。
その雰囲気は何か否定されると爆発するような危うさも感じられる。
仕方なくクローディアも席に着いてサオリの話を聞くことにしたのだった。
ビクトル王子は目の前で落ち着きなく座っているローレンスを呆れた顔で見つめていた。
「それで、、、そ、其方が怪我したというのか?」
「はい。昨日クローディア殿と一緒に何者かに襲われまして、ほらご覧ください。ここに怪我を負いました。」
そう言ってビクトル王子は指先に巻いた包帯をチラリとローレンスに見せた。
「それは災難だったな。」
「ええ、本当に。アッカルドがこのように治安が悪いとは思いませんでした。
クローディア殿もかなり恐怖を感じたようでしたよ。」
「クローディアが?怖いと?フッ」
ローレンスがニヤリと笑ったのを見てビクトル王子はカチンときた。
「勿論クローディア殿は私の婚約者ですから、私が守りましたよ。」
「其方の、、、。ふん、それは我が国の王太子が迷惑をかけたな。今後は其方に迷惑が掛からないように気をつけさせよう。」
暫しローレンスとビクトル王子は無言で睨み合ったが、ふっと息を吐くとビクトル王子が話し出した。
「しかし、シダールから護衛の騎士団を呼び寄せるように勧められているんですよ。」
「き、騎士団!?」
「はい、私直属の騎士団が百名程おりますので、、、。このように賊に襲われるようでしたらこの王宮に呼び寄せる必要があると言われています。」
「ひゃ、百人!!」
「ただ、何といいますか、この王宮は騎士団を滞在させるには手狭ですよね。そうなりますとこの王宮を囲むように配置するしかなさそうです。」
「おい!ちょっと待て!!王宮をシダールの騎士団が取り囲んだら、、ご、誤解されるだろう!!」
「誤解ですか?」
「ああ、そうだ!カーティス!いないのか!全く何処行ったのだ!!ああ、何と言うか、、その、攻められていると国民に思われるのは、多分、きっと、良くないと、、、カーティスが言う気がするぞ!」
「そうですか?でも、賊が入り込むような場所では、、、、。」
「もう大丈夫だ!!賊など入り込まん!!安心せよ!!」
「一応婚約者であるクローディア王太子の護衛も必要だと思っているんですよね。」
「ク、クローディアの安全も保、保証する!!」
「成る程、アッカルド王がそうおっしゃるなら信じましょう。しかしながら大国であるシダールでは口約束はしないことになっているのです。アーベル。」
「は!こちらに。」
そう言ってアーベルが差し出した覚書には今後王宮内でクローディア及びビクトル王子が襲われた場合、シダールの騎士団が即日護衛として配置されると書かれている。
「こ、これに、サインせよと?」
「ええ。今すぐに。」
ビクトル王子に押し負けたローレンスは渋々とサインを書いた。それこそカーティスがこの場にいれば絶対に止めたであろう事だがそれにローレンスは気付いていなかった。
「ああ、これで安心して滞在出来ますね。では、失礼。」
ビクトル王子とアーベルが退出すると丁度今戻ってきたカーティスとすれ違った。怪訝な顔をしたカーティスにビクトル王子は平然と頷くとその横を通り過ぎてたのだった。
「カーティス殿がいなくて良かったですね?簡単にサインしてくれちゃいましたよ。あの王は。」
「ああ、これで暫くは荒事は起こらなくなるだろう。それにしてもあの王はクローディアを自分の物のように話したぞ。あんな仕打ちをして置いてな。」
ビクトル王子がもう少し脅しておけば良かったなとブツブツ言っているとアーベルが話しかけた。
「それで、これからどうします?」
「勿論、クローディアの誤解を解かねばならんだろう。全くいけ好かないローレンス王相手なら話すのも交渉するのも脅すのも何の問題もないのに、なぜそれはこんなにも難しいのだ。」
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