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第2章 クローディアとサオリ
26、王太子選定審査のその後
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「私はこれで失礼する!!全く何の茶番なのだ!!こんな弱小国の王太子など誰がなっても同じではないか!!!」
ベルンハルトは自ら支持したリカルドが去り、ビクトル王子とも意見を合わせる事が出来なかったと怒りを撒き散らしていた。
「ベルンハルト殿、私の態度が誤解を与えたようで申し訳ない。但し私は公平にこの判断を下したという自負がある。ベルンハルト殿も自らのプライドに掛けて下した判断ならそれでいいではないか?」
ベルンハルトはビクトル王子の大国の王子然とした余裕のある態度に悔しさがこみ上げたがこの場では何も言わずにそのまま退出していった、
「この国もビクトル王子も許さん!」
会場を出た途端放った言葉はそのまま誰にも聞かれる事なく霧散した。
「お姉様!おめでとうございます!」
シャルロッテは満面の笑みでクローディアに近づくとその手を取って握りしめた。
「シャルロッテ様、ありがとうございます!」
「あの、でも、誤解なさらないでね?お姉様。わたくし、お姉様だから支持したのではなくてお姉様の解決策がとても斬新で感銘を受けたんですの!!」
そう言って更に強くクローディアの手を握る。
「わたくし、恥ずかしかったのです。お姉様のお話を聞いて如何にわたくしが甘やかされていたのかに気付いたのですわ!ですから、お姉様とお話ししてから私なりに今回の問題に対する答えを考えてみましたの。」
そう言ってシャルロッテは一枚の紙をクローディアに差し出した。クローディアはその紙を開いて中に書かれている内容を読んでみた。そこにはクローディアともリカルドとも違う解決策が書かれていた。クローディアから見てもまだ拙い内容ではあったがシャルロッテが国や国民の事を考え始めた事がよくわかる内容だった。
「シャルロッテ様、素晴らしいですわ!!」
クローディアが褒めそやすとシャルロッテも頬を染めて恥ずかしそうに微笑んだ。
「そう思われます?」
「ええ、本当に素晴らしいですわ。わたくしが気づかなかった貴族女性向けの温泉の啓蒙内容など、もしお許しいただければ参考にさせていただいてもいいかしら?」
「本当ですか?お姉様!!」
「勿論ですわ。シャルロッテ様は良い王族ですのね。」
「お姉様、、、。」
「兎に角また、お会いしたいわね?」
「はい!!国の様子を確認したらいつもよりも早く社交シーズンのパーティに出席しますわ。そうすればアッカルドにも頻繁に来ることが叶いますわ!」
シャルロッテは瞳を輝かせて大きく頷いた。クローディアはそっとシャルロッテの体に腕を回してハグすると囁いた。
「可愛い方ね。では、また、いらっしゃい?」
「はい!」
そうしてシャルロッテも会場から去っていった。
「ビクトル王子、、、。あの、この度は、ありがとうございました。」
クローディアは未だに残っているビクトル王子に淑女の礼をとった。
「べ、別にクローディア殿の為ではない!!良いものを良い、悪いものを悪いと言っただけだ!!」
ビクトル王子は早口で囃し立てた。
「それでも、わたくしは貴方の言葉で王太子としてこの場にこの国に残ることが出来ました。本当にありがとうございます。」
「ふん!そんな事はどうでもいい。まあ、精々頑張るんだな!し、し、失礼する。」
ビクトル王子が慌てたように壇上からおりたその時会場の扉の方からザワザワとした声が響く。
「なんだ?」
ビクトル王子が不思議そうに見つめるとその横を物凄い勢いで走り抜けた男がそのザワザワの中心に向かって飛び込んだ。
「サ、サオリ!!!」
「え?!」
「何!?」
「王妃様?」
ローレンスの叫び声に周りのものは少し離れて輪になった。その中心には真っ黒な髪を二つに結んで異世界の服を着たこの国の王妃が立っていた。
その瞳は挑発的に輝いている。
「ちょっと!!やっぱり悪役令嬢がここにいるんじゃない!!!あんた追放されたんじゃないの?!何が起こってるの!!ローレンス!!!」
「サオリ!どうしてここに来たんだ?」
「そんなことどうでもいいでしょう!!なんで悪役令嬢がまだここにいるのよ!!あんた転生者なんでしょう!!私が帰れないのはあんたのせいなのね!!それとも転生ゲームが終わってないの?教えなさいよ!!!」
そう言ってサオリがローレンスの腕を振り払ってクローディア目掛けて走り出した。その様子は尋常じゃないものでそのまま体当たりしそうな勢いだった。
クローディアはあまりの事に一瞬何も出来なかった。
もうそのままサオリに掴み掛かられるという時に両手を上げて走るサオリの首をビクトル王子が軽くトンっと手刀で叩くのが見えた。
その途端、サオリの体は力がなくなり、そのまま倒れ込んだ。
ローレンスは慌ててサオリに駆け寄ると抱き寄せた。
「サ、サオリ!!大丈夫か?」
「う、、。」
気を失っているサオリに変わってビクトル王子が答える。
「大丈夫だろう?眠っているだけだ。」
「きっさまー!!」
淡々と述べるビクトル王子をキッと睨むとローレンスはカーティスを呼んでサオリを任せて立ち上がった。
「おい!!私の妻に我が国の王妃に手をあげたのだ!!わかっているんだろうな!!第三王子!!」
ローレンスのその言葉にビクトル王子の顔が疑問だらけになった。
「は?!王妃だと?この女が?本当に?不審者ではないのか?」
「不審者だと!おい、お前らこの男を捕らえよ!!」
「え?!何を言っている?!」
ローレンスの信じられない言葉にハッとして動き出したのはクローディアとアーベルだった。
「その発言は聞き捨てならん!ローレンス王、どう言う事だ!ビクトル王子はシダール王国の第三王子。アッカルド如きに捕らえられるお方ではない!!」
アーベルはそう言うとビクトル王子の前に立って剣の柄に手をかけた。
クローディアもアーベルの前に立ちローレンスに向かって両手を広げた。
「ローレンス王!!ビクトル王子に謝罪と騎士たちに命令の撤回を!!!」
真剣な表情のクローディアはキッとローレンスを睨みつけた。
「黙れ!!クローディア!!この国の王は私だ!!!王妃に手を上げた者をこのまま帰すわけにはいかん!!!」
「ローレンス王!!いけません!!」
「ええい!!うるさい!!さっさとこの男を捕らえよ!!このアッカルドの王妃が倒れたのだ!!」
ローレンスの剣幕に騎士達は顔を見合わせてどうすべきかを推し量っているようだった。クローディアはローレンスに更に畳み掛ける。
「なりません!!アッカルドはシダールに逆らってはならないのですよ!!そんな事も学んでいないのですか?!」
「うるさい!!王は私だ!!!」
ローレンスの絶叫にビクトル王子が一歩前に出てアーベルとクローディアを脇に押しやると話しかけた。
「わかった。ローレンス王、私を捕らえよ。」
「ビクトル王子!!」
「大丈夫だ。今はローレンス王も冷静ではないらしい。」
そう言うとビクトル王子は騎士達に向かって歩き出した。その後を慌てたようにアーベルが付いていく。
クローディアは未だにビクトル王子を睨みつけているローレンスを呆れたように見やってからビクトル王子の後を追った。
「貴方達、ビクトル王子をそのまま部屋に案内なさい。」
「ですがクローディア王太子殿下、ローレンス王が、、、。」
「いいのです。その部屋の外に騎士が立てば良いのです!!わかりましたね!」
「はっ!!」
クローディアはビクトル王子に頭を下げて腰を落とした。
「ビクトル王子、、、大変申し訳ございません。少しの間ご不便をお掛けしますがお許しください。」
「ああ、貴女が謝ることではない。行くぞ。」
ビクトル王子は冷たく言い放って騎士を先導して部屋を去っていった。
その後ろ姿を見つめるとクローディアはローレンスに向き直り睨みつけた。
「ローレンス王、貴方はご自分が何をなさったのかわかっていますか!!冷静におなりなさい!!」
それだけ言うとクローディアも部屋を退出していった。
ベルンハルトは自ら支持したリカルドが去り、ビクトル王子とも意見を合わせる事が出来なかったと怒りを撒き散らしていた。
「ベルンハルト殿、私の態度が誤解を与えたようで申し訳ない。但し私は公平にこの判断を下したという自負がある。ベルンハルト殿も自らのプライドに掛けて下した判断ならそれでいいではないか?」
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「この国もビクトル王子も許さん!」
会場を出た途端放った言葉はそのまま誰にも聞かれる事なく霧散した。
「お姉様!おめでとうございます!」
シャルロッテは満面の笑みでクローディアに近づくとその手を取って握りしめた。
「シャルロッテ様、ありがとうございます!」
「あの、でも、誤解なさらないでね?お姉様。わたくし、お姉様だから支持したのではなくてお姉様の解決策がとても斬新で感銘を受けたんですの!!」
そう言って更に強くクローディアの手を握る。
「わたくし、恥ずかしかったのです。お姉様のお話を聞いて如何にわたくしが甘やかされていたのかに気付いたのですわ!ですから、お姉様とお話ししてから私なりに今回の問題に対する答えを考えてみましたの。」
そう言ってシャルロッテは一枚の紙をクローディアに差し出した。クローディアはその紙を開いて中に書かれている内容を読んでみた。そこにはクローディアともリカルドとも違う解決策が書かれていた。クローディアから見てもまだ拙い内容ではあったがシャルロッテが国や国民の事を考え始めた事がよくわかる内容だった。
「シャルロッテ様、素晴らしいですわ!!」
クローディアが褒めそやすとシャルロッテも頬を染めて恥ずかしそうに微笑んだ。
「そう思われます?」
「ええ、本当に素晴らしいですわ。わたくしが気づかなかった貴族女性向けの温泉の啓蒙内容など、もしお許しいただければ参考にさせていただいてもいいかしら?」
「本当ですか?お姉様!!」
「勿論ですわ。シャルロッテ様は良い王族ですのね。」
「お姉様、、、。」
「兎に角また、お会いしたいわね?」
「はい!!国の様子を確認したらいつもよりも早く社交シーズンのパーティに出席しますわ。そうすればアッカルドにも頻繁に来ることが叶いますわ!」
シャルロッテは瞳を輝かせて大きく頷いた。クローディアはそっとシャルロッテの体に腕を回してハグすると囁いた。
「可愛い方ね。では、また、いらっしゃい?」
「はい!」
そうしてシャルロッテも会場から去っていった。
「ビクトル王子、、、。あの、この度は、ありがとうございました。」
クローディアは未だに残っているビクトル王子に淑女の礼をとった。
「べ、別にクローディア殿の為ではない!!良いものを良い、悪いものを悪いと言っただけだ!!」
ビクトル王子は早口で囃し立てた。
「それでも、わたくしは貴方の言葉で王太子としてこの場にこの国に残ることが出来ました。本当にありがとうございます。」
「ふん!そんな事はどうでもいい。まあ、精々頑張るんだな!し、し、失礼する。」
ビクトル王子が慌てたように壇上からおりたその時会場の扉の方からザワザワとした声が響く。
「なんだ?」
ビクトル王子が不思議そうに見つめるとその横を物凄い勢いで走り抜けた男がそのザワザワの中心に向かって飛び込んだ。
「サ、サオリ!!!」
「え?!」
「何!?」
「王妃様?」
ローレンスの叫び声に周りのものは少し離れて輪になった。その中心には真っ黒な髪を二つに結んで異世界の服を着たこの国の王妃が立っていた。
その瞳は挑発的に輝いている。
「ちょっと!!やっぱり悪役令嬢がここにいるんじゃない!!!あんた追放されたんじゃないの?!何が起こってるの!!ローレンス!!!」
「サオリ!どうしてここに来たんだ?」
「そんなことどうでもいいでしょう!!なんで悪役令嬢がまだここにいるのよ!!あんた転生者なんでしょう!!私が帰れないのはあんたのせいなのね!!それとも転生ゲームが終わってないの?教えなさいよ!!!」
そう言ってサオリがローレンスの腕を振り払ってクローディア目掛けて走り出した。その様子は尋常じゃないものでそのまま体当たりしそうな勢いだった。
クローディアはあまりの事に一瞬何も出来なかった。
もうそのままサオリに掴み掛かられるという時に両手を上げて走るサオリの首をビクトル王子が軽くトンっと手刀で叩くのが見えた。
その途端、サオリの体は力がなくなり、そのまま倒れ込んだ。
ローレンスは慌ててサオリに駆け寄ると抱き寄せた。
「サ、サオリ!!大丈夫か?」
「う、、。」
気を失っているサオリに変わってビクトル王子が答える。
「大丈夫だろう?眠っているだけだ。」
「きっさまー!!」
淡々と述べるビクトル王子をキッと睨むとローレンスはカーティスを呼んでサオリを任せて立ち上がった。
「おい!!私の妻に我が国の王妃に手をあげたのだ!!わかっているんだろうな!!第三王子!!」
ローレンスのその言葉にビクトル王子の顔が疑問だらけになった。
「は?!王妃だと?この女が?本当に?不審者ではないのか?」
「不審者だと!おい、お前らこの男を捕らえよ!!」
「え?!何を言っている?!」
ローレンスの信じられない言葉にハッとして動き出したのはクローディアとアーベルだった。
「その発言は聞き捨てならん!ローレンス王、どう言う事だ!ビクトル王子はシダール王国の第三王子。アッカルド如きに捕らえられるお方ではない!!」
アーベルはそう言うとビクトル王子の前に立って剣の柄に手をかけた。
クローディアもアーベルの前に立ちローレンスに向かって両手を広げた。
「ローレンス王!!ビクトル王子に謝罪と騎士たちに命令の撤回を!!!」
真剣な表情のクローディアはキッとローレンスを睨みつけた。
「黙れ!!クローディア!!この国の王は私だ!!!王妃に手を上げた者をこのまま帰すわけにはいかん!!!」
「ローレンス王!!いけません!!」
「ええい!!うるさい!!さっさとこの男を捕らえよ!!このアッカルドの王妃が倒れたのだ!!」
ローレンスの剣幕に騎士達は顔を見合わせてどうすべきかを推し量っているようだった。クローディアはローレンスに更に畳み掛ける。
「なりません!!アッカルドはシダールに逆らってはならないのですよ!!そんな事も学んでいないのですか?!」
「うるさい!!王は私だ!!!」
ローレンスの絶叫にビクトル王子が一歩前に出てアーベルとクローディアを脇に押しやると話しかけた。
「わかった。ローレンス王、私を捕らえよ。」
「ビクトル王子!!」
「大丈夫だ。今はローレンス王も冷静ではないらしい。」
そう言うとビクトル王子は騎士達に向かって歩き出した。その後を慌てたようにアーベルが付いていく。
クローディアは未だにビクトル王子を睨みつけているローレンスを呆れたように見やってからビクトル王子の後を追った。
「貴方達、ビクトル王子をそのまま部屋に案内なさい。」
「ですがクローディア王太子殿下、ローレンス王が、、、。」
「いいのです。その部屋の外に騎士が立てば良いのです!!わかりましたね!」
「はっ!!」
クローディアはビクトル王子に頭を下げて腰を落とした。
「ビクトル王子、、、大変申し訳ございません。少しの間ご不便をお掛けしますがお許しください。」
「ああ、貴女が謝ることではない。行くぞ。」
ビクトル王子は冷たく言い放って騎士を先導して部屋を去っていった。
その後ろ姿を見つめるとクローディアはローレンスに向き直り睨みつけた。
「ローレンス王、貴方はご自分が何をなさったのかわかっていますか!!冷静におなりなさい!!」
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