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第1章 悪役令嬢の帰還
13、わたくし、御披露目されます
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クローディアが王太子となって一ヵ月が経過した。
クローディアが指名した四人の大臣補佐のうち三人までが大臣と入れ替わり、今はそれぞれの担当のトップとなっていた。あとの一人も今法律通りの諮問委員会にかけられているのでそろそろ入れ替わりが言い渡されるだろう。
「やっぱり馬鹿につける薬はないのね。」
クローディアはそれぞれの大臣が失態を続けて直ぐに補佐のカウンターパートナーである司法担当に目をつけられた過程を思い出していた。
王太子が指名した補佐の方が大臣に相応しいという結果に怒り狂った者もいたがそれはそれとして捕縛後に幽閉していた。
クローディアの気持ちとしては復讐までもう少し待って欲しかった。
ローレンスもカーティスも不満そうではあったが、司法の長の元行われる正規の手続きである諮問委員会の結果に従うしかないのだ。
「ふふふ、二人の顔は最高だったわ。
ねぇ、バーナード、ダルトリー子爵からの連絡はあって?」
「いえ、まだでございます。ですが、そろそろいらっしゃる頃だと思われます。」
トントン
丁度その時にノックがして今は大臣となったダルトリーが入ってきた。
「クローディア王太子殿下、ご機嫌麗しゅうございます。ご報告が遅くなり申し訳ありません。二週間後の王太子殿下のお披露目パーティの返事が全て届きまして、出席者が確定いたしました。」
「そう。誰が出席することになって?」
「はい、まずはクローディア王太子殿下のご両親、そして近隣の国から王族の方が、出席となりました。後は王太子殿下が亡命されていた国の国王陛下もいらっしゃいます。」
「まぁ、国王陛下がいらしてくれるのね。嬉しいわ。国内の様子はどうなの?」
クローディアが御披露目パーティの仕切りを依頼したダルトリーは額の汗をハンカチで拭った。
「こ、国内は、、、芳しくありません。若手の貴族と元老院の方々は基本出席なんですが、現在要職についている者からは断りの返事も多く受け取っています。」
クローディアは少し考えてからダルトリーに命じた。
「わかったわ。では欠席の返事を出した者のリストをわたくしに教えて頂戴。そして、わたくしが欠席者リフトを欲している事を噂で広めなさい。それだけで保身に走った者からは出席の返答が届くはずよ。」
「はぁ、そうですか、、。」
「くだらないことに現職の者で話し合った結果でしょうね。わたくしのパーティに現職の大臣達が出席しないなんて他国から見たらおかしいと思うもの。でも、わたくしに恥をかかせる為に自分の地位を売る者はいないはずよ。すぐにわかるわ。」
そう言ってクローディアはにっこりと笑ったのだった。
その数日後、ダルトリーの所に用事が無くなったから出席したいと言う連絡が何十件も入ったのだった。
「私は出ないぞ!!」
ローレンスは王の執務室で声を荒だてていた。
「ローレンスが出席しないのは不味いだろ?なんと言っても国内だけではなく国外からも要人が来るんだぞ。」
「でもな!この一カ月、あのクローディアにしてやられてばかりだぞ!わかっているのか!カーティス!!」
ローレンスが不満の矛先をカーティスに向けたがカーティスは表面上は意に介さずにそうですねとだけ伝えてきた。
「お前は悔しくないのか!あのクローディアに攻勢をかけられているんだぞ。披露目の場に出席しないくらいしないと腹の虫が収まらん!」
カーティスはそんなローレンスをニヤリと見ると少し顔を寄せた。
「ローレンス、私に良い考えがあるんだ。耳を貸してくれ。」
「何!そうなのか?早く言え!」
そうして二人は何かを話すと嫌な感じでニヤリと笑った。
「そうか、それなら私も出席しよう。」
ローレンスが満足そうに頷いたのだった。
ビクトル王子は、アッカルド王国の外交大臣となったダルトリーから新王太子の御披露目パーティへの招待状を受け取っていた。
はっきり言って隣国とは言えシダール王国とは国土も国力も大きく異なるアッカルド王国の戴冠式ならまだしも王太子の御披露目などは王族でない貴族が行くのが通例だった。
しかしながら、最近またアッカルドフリークとなったビクトル王子を止めるものもいなかったのだ。
「アーベル!私は出席するぞ!」
ビクトル王子が宣言するとアーベルが投げやりに答えた。
「はい、はい、わかっております。今ビクトル殿下の予定を組み直しておりますのでもう少しお待ちください。」
「ああ、頼んだ。しかし、どうしてアッカルドから招待状が二通も届いているんだ?一つはダルトリー、もう一つはアッカルド王からだな。」
「はい、そうなんです。ダルトリー子爵からは額面通り王太子披露パーティへの誘いなんですが、もう一方は王直々にビクトル殿下にゲストとして10日間程滞在してほしいときましたからね。」
ビクトル王子は不思議に思いながらも両方の誘いに返事を送ったのだった。もちろん内容は喜んで出席しますだった。
元々ビクトル王子はなるべく長く滞在するつもりではあったのだ。ただ、なんの理由もなく滞在を長引かせる訳にもいかず困っていたくらいだったのでローレンスからの誘いは願ったり叶ったりのものだった。
「アーベル、あとお前が調べて来たアッカルドと新王太子についての報告書だが、あれは間違い無いのか?」
ビクトルが招待状をアーベルに手渡しながら確認した。
「はい、何か疑問点がありましたか?」
「ああ、いや、、間違い無いならいいんだ。それじゃあ招待状への返事は頼んだぞ。」
「はい、わかりました。」
そう言ってアーベルは部屋から出て行った。ビクトル王子はそれを確認すると先日アーベルから受け取った二通の報告書を手にソファに腰を下ろした。
一通はアッカルド王国についてでもう一通はクローディアについてのものだった。
ビクトル王子はクローディアの報告書を広げて読み始めた。もう既に何回も読んではいたのだがそれでも毎日のように確認してしまうのだ。
クローディアは自暴自棄にならなかった!
それが一番ビクトル王子が感銘を受けた所だった。確か渡した年表にはその後の結婚についても書かれていたのにクローディアは諦めず、運命と戦ったのだ。
そして、クローディア個人の年表はアッカルド王国を追放されてから大幅に修正されたのだった。
クローディアは勉学に励み、王位継承権を放棄せず、家族仲も良いまま今を迎えたのだ。
ビクトル王子は運命は変わらないと諦めた自分自身を恥じた。
自分も何か出来たのかもしれないのになにも知ろうとしなかったのだ。
だから、今度は今度こそはクローディアの為に何か出来ないかを考えようと思っていた。
ビクトル王子の胸はクローディアとの再会を考えると高鳴るのだった。
クローディアが指名した四人の大臣補佐のうち三人までが大臣と入れ替わり、今はそれぞれの担当のトップとなっていた。あとの一人も今法律通りの諮問委員会にかけられているのでそろそろ入れ替わりが言い渡されるだろう。
「やっぱり馬鹿につける薬はないのね。」
クローディアはそれぞれの大臣が失態を続けて直ぐに補佐のカウンターパートナーである司法担当に目をつけられた過程を思い出していた。
王太子が指名した補佐の方が大臣に相応しいという結果に怒り狂った者もいたがそれはそれとして捕縛後に幽閉していた。
クローディアの気持ちとしては復讐までもう少し待って欲しかった。
ローレンスもカーティスも不満そうではあったが、司法の長の元行われる正規の手続きである諮問委員会の結果に従うしかないのだ。
「ふふふ、二人の顔は最高だったわ。
ねぇ、バーナード、ダルトリー子爵からの連絡はあって?」
「いえ、まだでございます。ですが、そろそろいらっしゃる頃だと思われます。」
トントン
丁度その時にノックがして今は大臣となったダルトリーが入ってきた。
「クローディア王太子殿下、ご機嫌麗しゅうございます。ご報告が遅くなり申し訳ありません。二週間後の王太子殿下のお披露目パーティの返事が全て届きまして、出席者が確定いたしました。」
「そう。誰が出席することになって?」
「はい、まずはクローディア王太子殿下のご両親、そして近隣の国から王族の方が、出席となりました。後は王太子殿下が亡命されていた国の国王陛下もいらっしゃいます。」
「まぁ、国王陛下がいらしてくれるのね。嬉しいわ。国内の様子はどうなの?」
クローディアが御披露目パーティの仕切りを依頼したダルトリーは額の汗をハンカチで拭った。
「こ、国内は、、、芳しくありません。若手の貴族と元老院の方々は基本出席なんですが、現在要職についている者からは断りの返事も多く受け取っています。」
クローディアは少し考えてからダルトリーに命じた。
「わかったわ。では欠席の返事を出した者のリストをわたくしに教えて頂戴。そして、わたくしが欠席者リフトを欲している事を噂で広めなさい。それだけで保身に走った者からは出席の返答が届くはずよ。」
「はぁ、そうですか、、。」
「くだらないことに現職の者で話し合った結果でしょうね。わたくしのパーティに現職の大臣達が出席しないなんて他国から見たらおかしいと思うもの。でも、わたくしに恥をかかせる為に自分の地位を売る者はいないはずよ。すぐにわかるわ。」
そう言ってクローディアはにっこりと笑ったのだった。
その数日後、ダルトリーの所に用事が無くなったから出席したいと言う連絡が何十件も入ったのだった。
「私は出ないぞ!!」
ローレンスは王の執務室で声を荒だてていた。
「ローレンスが出席しないのは不味いだろ?なんと言っても国内だけではなく国外からも要人が来るんだぞ。」
「でもな!この一カ月、あのクローディアにしてやられてばかりだぞ!わかっているのか!カーティス!!」
ローレンスが不満の矛先をカーティスに向けたがカーティスは表面上は意に介さずにそうですねとだけ伝えてきた。
「お前は悔しくないのか!あのクローディアに攻勢をかけられているんだぞ。披露目の場に出席しないくらいしないと腹の虫が収まらん!」
カーティスはそんなローレンスをニヤリと見ると少し顔を寄せた。
「ローレンス、私に良い考えがあるんだ。耳を貸してくれ。」
「何!そうなのか?早く言え!」
そうして二人は何かを話すと嫌な感じでニヤリと笑った。
「そうか、それなら私も出席しよう。」
ローレンスが満足そうに頷いたのだった。
ビクトル王子は、アッカルド王国の外交大臣となったダルトリーから新王太子の御披露目パーティへの招待状を受け取っていた。
はっきり言って隣国とは言えシダール王国とは国土も国力も大きく異なるアッカルド王国の戴冠式ならまだしも王太子の御披露目などは王族でない貴族が行くのが通例だった。
しかしながら、最近またアッカルドフリークとなったビクトル王子を止めるものもいなかったのだ。
「アーベル!私は出席するぞ!」
ビクトル王子が宣言するとアーベルが投げやりに答えた。
「はい、はい、わかっております。今ビクトル殿下の予定を組み直しておりますのでもう少しお待ちください。」
「ああ、頼んだ。しかし、どうしてアッカルドから招待状が二通も届いているんだ?一つはダルトリー、もう一つはアッカルド王からだな。」
「はい、そうなんです。ダルトリー子爵からは額面通り王太子披露パーティへの誘いなんですが、もう一方は王直々にビクトル殿下にゲストとして10日間程滞在してほしいときましたからね。」
ビクトル王子は不思議に思いながらも両方の誘いに返事を送ったのだった。もちろん内容は喜んで出席しますだった。
元々ビクトル王子はなるべく長く滞在するつもりではあったのだ。ただ、なんの理由もなく滞在を長引かせる訳にもいかず困っていたくらいだったのでローレンスからの誘いは願ったり叶ったりのものだった。
「アーベル、あとお前が調べて来たアッカルドと新王太子についての報告書だが、あれは間違い無いのか?」
ビクトルが招待状をアーベルに手渡しながら確認した。
「はい、何か疑問点がありましたか?」
「ああ、いや、、間違い無いならいいんだ。それじゃあ招待状への返事は頼んだぞ。」
「はい、わかりました。」
そう言ってアーベルは部屋から出て行った。ビクトル王子はそれを確認すると先日アーベルから受け取った二通の報告書を手にソファに腰を下ろした。
一通はアッカルド王国についてでもう一通はクローディアについてのものだった。
ビクトル王子はクローディアの報告書を広げて読み始めた。もう既に何回も読んではいたのだがそれでも毎日のように確認してしまうのだ。
クローディアは自暴自棄にならなかった!
それが一番ビクトル王子が感銘を受けた所だった。確か渡した年表にはその後の結婚についても書かれていたのにクローディアは諦めず、運命と戦ったのだ。
そして、クローディア個人の年表はアッカルド王国を追放されてから大幅に修正されたのだった。
クローディアは勉学に励み、王位継承権を放棄せず、家族仲も良いまま今を迎えたのだ。
ビクトル王子は運命は変わらないと諦めた自分自身を恥じた。
自分も何か出来たのかもしれないのになにも知ろうとしなかったのだ。
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