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1章 王

4話 救助

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 草原を駆ける馬、と聞くと爽やかな感じだが、今の俺は全く爽やかではない。
 間違いなくテリエルが攫われた。それも、あんなに出血するような状態にされて。ただ怒りに身を任せ、地面に残された血痕を追う。
 まあ待て。怒りに身を任せてもいい結果にはならないだろう。移動は馬に任せて、俺は冷静に現況を分析しよう。
 まず、誰が攫ったのか。魔蛇教徒の奴らと決めつけるには状況証拠しかないが、まあ誰が攫ったかは言うほど重要ではない。
 一番気にかけるべきは彼女の生死だ。魔法使いは体が丈夫、彼女自身から聞いた話。しかしあそこまで血が出るくらいには痛めつけられて、おまけに殴り書きの「たすけて」。切羽詰まった状況なのだ。一刻も早く助けに行くべきだ。
 さてもう一つ。テリエルがいる場所に到着したら、どうやって救助するか。相手が誰であれ魔法を使えば大丈夫だろう。たださっきの、屋敷と牢獄の往復で発生した戦闘で魔力をだいぶ消費したように思う。まだ余裕はあるだろうが、油断は大敵だ。

「む?」

 馬が脚を緩めた。血痕はここで途切れている。だが馬を降りた瞬間にわかった。

「ここか」

 草むらに隠れてうっすらと地面に切れ目が入っている。掘り返すと案の定取っ手が姿を現した。

「ここまでありがとう。少し待っててくれ」

 馬に礼を言う。こっくり頷いてくれたのは気のせいではないはずだ。
 さて、この地下道の先には何があるのやら。

 人一人通れるだけの狭い道を進む。一定の間隔でろうそくが備えられているから明るいことは明るい。だが洞窟のようにでこぼこした地面に何度もつまづく。

「おい、そこのお前」
「は、はい。なんでしょう」

 やがて扉にたどり着くが、ただで通してはくれないようで門番らしき男が問うてくる。

「合い言葉。今年は何の年だ」

 いきなりなんだ? と迷う時間すら俺にはない。一瞬でも間を作れば怪しまれる。何でもいいから答えろ、自分。

「えー、寅年です」
「……何を言ってるんだ、お前」

 彼が求めていた答えとは違ったようだ。

「申し訳ないが、合い言葉の通じない者を通すわけにはいかない。間違えてここに入ってきてしまったのか少年? なら早く帰りなさい」

 意外と紳士的な対応をされたので強行突破という訳にもいかず、足が勝手に引き返し始めた。
 はあ、どうするかなあ。やっぱ魔法でぶち破るか? しかしここがテリエルを攫った奴らのアジトと決まったわけではない以上それは憚られる。

「おい、どこ見て歩いてんだ」
「す、すみません」

 狭い地下道で人とすれ違った。肩がぶつかって強めに怒られたが、謝るしかない。
 まあいい。いったん戻って策を練り直そう。けど、今もテリエルは苦しんでるはずだから事態は一刻を争うんだがな……

「合い言葉は」

 後ろの方から声が響いてきた。さっきの門番の声だ。洞窟なのでよく響く。

「今年は何の年だ」
「五百年に一度の魔蛇様降臨の御年です」
「入れ」

 はっきりと聞こえた。合い言葉だ。すぐに引き返しさっきの扉の所へ戻った。

「君はさっきの少年じゃないか」
「五百年に一度の魔蛇様降臨の御年です」

 先ほど聞いたのを忘れないうちに復唱した。門番は納得いかない顔をしつつも扉を開けた。 扉の中は、ホールのようになっていた。地下なのに明るく、中央の大きな机、脇の小さな机それぞれに人々がたむろして賑やかに話していた。
 ここって、パーティー会場か何か? 俺は困惑することしかできない。しかしここの入り口で血痕が途切れていた。それは事実なんだ。もうちょっと調べよう。
 適当に端の椅子に腰掛け、耳の感度を最大まで上げる。

「なあ、今度の選挙は本当に俺らの勝ちなんだよな」
「当たり前だろ」

 選挙……王の選挙の話か?

「村のガキまで攫ったんだ、ここまでして勝てないはずがないぜ」

 こ、この会話は……いきなり核心にたどり着いたな。

「さっきは、カルディアの警護をしてるとかいう魔法使いまで連れてきたらしい」
「ほー、上も手荒な真似するな」
「もう選挙も近いから圧勝のための決め手が欲しいんだろ」
「だが、魔法使いなら魔法使いなら檻を破って出てくるんじゃ?」
「鎖で体中を縛って牢屋の一番奥に埋めたらしい。体が動かせなければ魔法も使えんしな」
「かー、乱暴すねえ」
「いやなに、もうすぐ俺たちがこの国の全てを司るんだ。最悪魔法使いの一匹死なせたって構わんよ」

 ここまでの二人の話を聞いて、怒りと爽快感が湧いてきた。テリエルをそんな風にしたという怒り、そしてたったこれだけの短い会話で全てを教えてくれたお前らに対する……

「爽快感さ」

 席から立ち上がる。そういえば、このホールの隅に一つの穴がある。人が屈まないと入れない穴。あそこが檻かね。

 真っ暗な洞窟。唯一の光源は穴の外から差す光のみというこの黒い空間は、やはり牢屋らしく鉄の格子が降ろされていた。
 牢屋の一番奥と彼は言っていたので、手始めに水魔法を発動させ水圧で鉄をゆがめる。そこから侵入した後、ひたすら奥を目指す。

「だあれ……?」

 暗くて姿はよく見えないが、少女の声がした。残念ながらテリエルではない。だが火魔法を発動させ周囲を明るくすると、浮かび上がった顔はついさっき見た顔であった。

「君は確か……エルピスじゃないか?」
「おにーさん、なんでエルピスの名前知ってるの?」

 王に濡れ衣を着せるため誘拐された少女だった。さっき新聞で見たあの顔だ。

「いろいろ聞きたいことはある。けどそれはあとだ。この牢屋に銀髪の女の子はいないか?」「それなら……」

 エルピスが指さした方向を自分の手の上で燃やし続けている火で照らす。

「カズ……マサ……?」
「テリエル!」
「おにーさんとおねーさん知り合い? おねーさんはさっき血まみれで連れてこられたんだよ」

 重大なことを呑気な口調で述べる少女にも驚いたが、一番驚いたのはテリエルの姿だった。肩より下は土に埋められ、見えている肩には鎖が食い込んでいる。

「エルピスね、おねーさんが苦しそうだったから掘り返してあげようと頑張ったんだ、見て見て」

 とこちらへ見せた小さくて白い手は土まみれだった。しかし彼女にとっては難しい仕事だったらしく、テリエルの埋まった土には少しばかりの削り跡が残されているのみである。

「待ってろ、今助けてやる」

 脳内でイメージ。強すぎると体ごと吹き飛ばしてしまうから、あくまで周りの土を削ぐことだけ……

「よいしょ、っと」

 俺が奮った土魔法によって、周りを固めていた土は一瞬で消え去った。

「あり……がとう……カズマサ」
「待ってろ、今鎖も解くから」

 こればっかりは魔法でゴリ押すわけにはいかない。いよいよ体ごと痛めつけてしまうからだ。絡まった鎖は地道に解いていくしかない。ただ安心してくれ、俺は知恵の輪が得意なんだ。

「ほら、これで大丈夫」

 短時間で全て解くと、自由になった彼女の体はたちまちへたり込んでしまった。

「おい!? 大丈夫か」
「ちょっと体力が……それよりカズマサ、その子」
「ああわかってる。エルピスだ。この子さえいればカルディアの父の無実を証明できる」

 ただそのためには、当然二人とも連れ帰らないといけない。体力を消耗しきって立てない女の子と、まだ幼い女の子。この二人をここから安全に地上へ送る手段。考えろ……いや、考えなくていい。

「テリエル、魔法使いは魔力の溜まり具合をオーラで見れるんだったな」
「今のカズマサは十分な量溜まってる。正確にはわからないけど、まだ十万はあると思う」

 よし、ならやはり何も考えず突っ切ろう。

「二人とも、俺に捕まってくれ」

 まだ魔力は相当にあるらしい。では出し惜しみする必要もないな。

「よっ、と」

 まずは軽く炎で壁を粉砕。その後駆け足で扉を出て、地上へと脱出。しかし彼らも置物ではない。当然追いかけてくるが、それは問題ない。なぜならここは、

「地下だからさ」

 人一人通れる狭い地下道に魔法で水を充満させる。するとまるで蟻地獄に水を満たしたかの如く、追ってくる者たちは水没、この調子だとさっき俺の近くで会話してた二人ももうだめだな。

 地上へ上がることができた。肩にがしっと捕まるテリエルとエルピスはどちらも無事なようでよかった。

「で、お前も無事だったか」

 大人しく待っていてくれた馬の毛並みを一撫で。

「さて、エルピスよ」

 左肩にかかる茶髪短髪の幼い子供に聞く。

「君の村――7番村はここから近いかい?」
「わかんない……いきなり連れてこられて、ここがどこかもわかんない」
「それなら大丈夫。7番村なら歩いてもすぐ」

 右肩のテリエルがそう言ったので、ひとまず安心だ。

「じゃ、テリエルは馬で屋敷に帰ってくれ」
「カズマサは?」
「この子を家へ帰し、親御さんに顔を見せる。カルディア父への疑いを晴らしてもらうのはその後だ」
「なるほど。じゃあ、村までの地図を描く。それに従って歩いて」
「サンキュー」

 懐から出した羊皮紙にさらさらと道の簡略図を記して渡してきた彼女に礼を言った後、馬に跨がって屋敷へ戻るのを見送った。もう日は昇った。屋敷も近い。変なのには出くわさないだろうし、一人でも大丈夫だと思う。さて、

「じゃ行こうか、エルピス」
「エルピスはおにーさんのことなんて呼んだらいい?」
「一政、カズマサでいいよ」
「じゃーご主人様ね」
「聞いてたか? 俺の話」
「だってご主人様は命の恩人でしょ? そー呼ばなきゃ」

 と舌っ足らずで言ってくると、かわいいなあと言う感想しか抱けない。無邪気と無感情の合間みたいなしゃべり方と相まって、聴いてるだけで癒やされる声だ。

「まあ呼び方は何でもいい。家に帰るぞ」
「はい! ご主人様」



 生い茂る緑。立ち並ぶレンガ造りの家々。赤やオレンジの屋根。まさにファンタジー世界の村といった印象だ。

「ご主人様、エルピスここ見覚えあるよー」
「そうか、よかったよかった」

 道に迷わず来られたのも、妙にわかりやすい地図のおかげだ。

「自分の家がどこかわかるか?」
「うんっとねー」

 と言いつつ俺の袖口をつまみ引っ張ってくる。早足で彼女について行く。時刻は朝で、家々の煙突からは薄ら白い煙が溢れていた。

「ここだよ!」

 少し歩いた後に示されたのは、こじんまりとした小さな家。煙突からは周りと同じくやはり煙が上がっている。

「なんか、俺邪魔じゃないか?」

 親子感動の再会だ。それに、行方不明の娘がある朝突然帰ってきて、その隣に見知らぬ男がいたら変な勘違いを起こされるやもしれぬ。

「ご主人様は邪魔なんかじゃないよ。ほら入って入って、ただいまー」

 連れられて、おそるおそる木の扉をくぐる。

「……エルピス、なの?」
「まさか……ほんとに! 娘だ! 娘が帰ってきた!」

 中で出迎えたのはご両親と思しき二人。穏やかそうだが、この時ばかりは我を忘れて立ち上がったかと思うと、一直線に愛娘に駆け寄った。

「おとーさん、おかーさん、くすぐったいよ」

 とエルピスは可愛らしいが、こっちは気が気でない。ひとしきり娘の無事を確認した親は、そのうちこちらに興味を移すだろう。

「ところでエルピス、そこの男の人は誰なの?」

 ほら来た。とりあえずなるべく爽やかに返答する。

「あ、どうも。俺カズマサっていいます。ここから近くの地下アジトで娘さんが拉致られてたので助けました」

 なんか、凄い恩着せがましい物言いになってしまった。こんな言い方するつもりじゃなかったのに。

「カズマサ、と言ったかね君。それは本当かい」
「いやあマジですよ、信じてくださ、」
「ほんとーだよおとーさん」

 俺と父の会話にエルピスが割って入る。

「暗い牢屋に閉じ込められてたの。そしたら、さっきこのご主人様が来て出してくれたの」
「ご主人様!? カズマサ君、娘になんて呼ばせ方を……」
「違いますよ! 娘さんが勝手にそう言い出しただけで」
「何だとー!」

 何というか、怖い、このお父さん。だが、娘が攫われて長い間姿も見えず、そして突然帰ってきたことを思えばこの気の立ちようは理解できなくもない。

「だが……君が娘を救ってくれたのは、本当のようだね」
「ええ、まあ。大したことはしてませんけど」
「いいや、ありがとう。父として礼を言う」

 この点に関しては信じてくれたようだ。よかったよかった。やっぱり本人の口から聞かせることで信じてもらえる事実というのはあるからな。そう、いくら俺やカルディアが元国王の無実を言って聞かせても誰も耳を貸さないが、誘拐された本人が言えば……

「それで、お父さんお母さん。お願いがあるんですが」
「何だね」
「娘さんを連れて行きたい所があるんです」
「わたしー?」

 エルピスがまた呑気に割り込む。

「そうだ。着いてきて欲しい所がある。協力して欲しいことがあるんだ」
「ご主人様の言うことなら何でも聞くよー」
「そういうわけでお父さん、無事だけは絶対確保しますから、連れてってもいいですかね」
「まあ……久々に会った娘とすぐに別れるのは寂しいが、久々に会えたのはそもそも君のおかげだしな。よかろう」
「ありがとうございます!」
「ねーご主人様、エルピスとどこ行くのー?」
「まあ……地方営業ってとこかな」
「ちほーえーぎょー?」
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