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三章・初戦闘は苦い味と共に

29話:××系ヒロイン

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「……と、いうわけなんです」
「ふむ……ヴェレーがピンチというのは、シチュ的にアリね」
「そんなキャラでしたっけいろは……?」
 テンはいろはに会っていた。いろはの家(店の二階)に行ってツンポンを押してみたが返事はなく、仕方無いから合鍵を使って入ったらいろは(パンツ無しver.)がトイレの前で倒れていた。やはり腹に甚大なダメージが入っていたらしい。
「久々に登場したんだし無理言わないの。それより下痢止め無い……? このままだとサブヒロインどころかただのネタ要員になっちゃう」
 久々って、多分一万字ちょっともないから。
 ……というツッコミを、テンはぐっと堪える。私達のような、他作品では《THE☆モブ》達は、書いてもらえるだけで幸運だ。これで作者がもっと文章力高い人なら良かったんだけど、まあ最底辺の私達は最底辺のワナビに書かれるのがお似合いですね。
 なんて愚痴はさておき。
「もう十分ネタ要員だから大丈夫ですよ」
 下痢系ヒロインは売れない(確信)。筆者的にはそういうヒロインもいていいかと思ったが、よくよく考えれば無かった。鼻血系ヒロインとはわけが違うのだ……。
「と、そんなこと言っている場合じゃないです。行きますよ、いろは」
「え、ちょっと、まだお腹がすこぶる賑やかというか、今は現場監督中だからここを離れられないというか」
「ヴェレーとサクもピンチなんですから、おあいこです」
「ほら、グリフォン食べたから幸運度ラックも下がりまくってるし……」
「ラックなんて不要と言ったのはいろはでしょ。さ、うじうじ言ってないで行きますよ」
「れ、冷酷ね……」
 いろはは諦めたように立ち上がると、近くに脱ぎ捨ててあったズボンに脚を通した。
「さ、行きます」
「分かったわ。ところで、本当に下痢止め持ってない(ぎゅるるるる……)?」
「……」
「ねえ、持ってない(ぐぎゅるるるるる……)?」
「……」
「ねえ?」
「三分待ちますから、はやくトイレに行ってください」
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