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第三章 心の奥底で疼く何か
紡がれる刻に彩りを添えて。
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紡がれる刻に彩りを添えて。Vol2より抜粋
――――あたしが日常に還ったらこう云うのも忙しなさに埋没してしまったら寂しいわねぇ。
あたしにとってこの非日常が日常になるならこんな嬉しいことって無いのに。
やっぱりこの夢のような現在を日常的な思考で考えてしまうのは仕方のない事よね。
まだまだ半人前だけど社会人なのだし。
璃央さんが去り際に視せたはにかむような笑顔が素敵だったわねぇ。
ちょっとドキッってしたのはナイショだけどっ。
毎日とか毎朝とか出来たらきっと幸せなんだろうなぁ。
あたしってこう云うのや、もっと云っちゃえば男性に対して免疫がないんだろうか……
それとも璃央さんが特別な……
あぁもうぉっ。考えるの止めぇぇぇ!
答えなんて在って無いようなものなのだから。
どうせアタシに云わせたら
「答えなんて決まってる」って云うでしょうけど!
知・ら・な・い・わ・よ!
そんな事よりお弁当作らなきゃ。
「ねぇ。彩華さん。璃央さんの好物って何ですか? 釜土で炊いたご飯以外でお願いします」
「そうねぇ。あの子って基本的に好き嫌いないのよね。お酒は好きだからそういう意味で好物なのはお酒の肴かなぁ。でもお弁当でしょ? 弥生ちゃんが作ったのなら何でも喜んで食べると想うわよぉ。ふふふ」
「そうなんですか。ちょっと残念です。折角だから苦手なお料理をいっぱい作ってあげようかな? って考えてたんですけど……無理っぽいですねぇ」
「あらまぁ。ふふふ。弥生ちゃんって可愛らしいわね! キュートって言葉が似合い過ぎるもの」
「えっ? 何でそうなるんですかぁ。ちょっと悔しくてそうしたかったんですよぉ。それだけです」
「私だって女よ? そんなの解かるに決まってるじゃない。女心は複雑なのよねぇ」
「彩華さぁ~ん。あたし、何だかまな板の上の鯉になった気分ですよぉ。」
あたしの油断で完全にアプローチを間違えたみたい……
決定的に。壊滅的に。いゃ徹底的に。
ちょっとだけ意地悪するのも――――
――――あたしが日常に還ったらこう云うのも忙しなさに埋没してしまったら寂しいわねぇ。
あたしにとってこの非日常が日常になるならこんな嬉しいことって無いのに。
やっぱりこの夢のような現在を日常的な思考で考えてしまうのは仕方のない事よね。
まだまだ半人前だけど社会人なのだし。
璃央さんが去り際に視せたはにかむような笑顔が素敵だったわねぇ。
ちょっとドキッってしたのはナイショだけどっ。
毎日とか毎朝とか出来たらきっと幸せなんだろうなぁ。
あたしってこう云うのや、もっと云っちゃえば男性に対して免疫がないんだろうか……
それとも璃央さんが特別な……
あぁもうぉっ。考えるの止めぇぇぇ!
答えなんて在って無いようなものなのだから。
どうせアタシに云わせたら
「答えなんて決まってる」って云うでしょうけど!
知・ら・な・い・わ・よ!
そんな事よりお弁当作らなきゃ。
「ねぇ。彩華さん。璃央さんの好物って何ですか? 釜土で炊いたご飯以外でお願いします」
「そうねぇ。あの子って基本的に好き嫌いないのよね。お酒は好きだからそういう意味で好物なのはお酒の肴かなぁ。でもお弁当でしょ? 弥生ちゃんが作ったのなら何でも喜んで食べると想うわよぉ。ふふふ」
「そうなんですか。ちょっと残念です。折角だから苦手なお料理をいっぱい作ってあげようかな? って考えてたんですけど……無理っぽいですねぇ」
「あらまぁ。ふふふ。弥生ちゃんって可愛らしいわね! キュートって言葉が似合い過ぎるもの」
「えっ? 何でそうなるんですかぁ。ちょっと悔しくてそうしたかったんですよぉ。それだけです」
「私だって女よ? そんなの解かるに決まってるじゃない。女心は複雑なのよねぇ」
「彩華さぁ~ん。あたし、何だかまな板の上の鯉になった気分ですよぉ。」
あたしの油断で完全にアプローチを間違えたみたい……
決定的に。壊滅的に。いゃ徹底的に。
ちょっとだけ意地悪するのも――――
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