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第二章 深い絆への羨望が憧れになる瞬間

宴のお料理

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 宴のお料理 Vol 2より抜粋 



 ――――――――――かき揚げを揚げてるわ。
 揚げながら次の分を用意してて、春菊と小柱に打ち粉してから、お玉で衣を入れてザックリ混ぜ合わせる。
 かき揚げは小さなボウルに一つ分の分量で衣を纏わせるから、三つも使って忙しそうなの。

 当然、二度揚げしないと中まで揚がる前に色だけ付いちゃうから、色が付く前にキッチンペーパーを敷いたバットに上げてるわ。
 揚げ油は胡麻油とサラダオイルを半々で使って、薫り高いお料理が多い今晩の献立とのバランスをとるのと、仕上がりに色が付き過ぎちゃうからって胡麻油だけじゃ無いのね。
 天麩羅をメインメニューにするなら、やっぱり胡麻油100%の方が薫りも良いのだけど……

 タラの芽の揚げ衣には氷を浮かべて冷やす事も忘れてないわ。
 薄力粉もダマになる位にしか混ぜてない。
 混ぜ過ぎるとグルテンが出ちゃって「カラッ!」っと仕上がらないのよね。
 比較的直ぐ火が通るから、かき揚げを二度揚げする時に一緒に揚げる段取りみたいだわ。
 この衣の水加減だとかなり薄めの衣にする感じかな?
 かき揚げが結構ボリューム感あるから、揚げ物が重くなり過ぎないようにって配慮だと思うのだけど。

 時々、あたしは師匠と彩華さんの横顔を視て想うの。
 お二人共真剣にお料理してるけど、どこか笑みを湛えていて愉しそうだし幸せそうだわ。
 そりゃぁ、あたしもすごくく愉しいわよ。
 みんなでお料理するなんて滅多にない機会だし、お二人共お料理が上手で見てるだけでも勉強になるし云う事ないわね。
 趣味と実益を兼ねてるって感――――――――――
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