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第二章 深い絆への羨望が憧れになる瞬間

お料理の下拵え

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お料理の下拵え Vol2より抜粋




「――――――――――つくね種から片付けてしまおうじゃないかい」

「分かりました。お手伝いします。この刻んだお野菜とお肉を捏ねていけば良いですよね?」

「焼き物に使う方のは混ぜる程度にざっくり捏ねてたら、胡麻油と片栗粉で調整しながら粘りが出るまでやっとくれな」

「了解です。凄く薫り高いお料理になりそうですね。あたしは焼き鳥屋さんのつくねしか食べた事ないので、未体験なお味な気がして愉しみなんですよ」

「一般的な料理でも何でも工夫次第ってもんだ。これで完成ってのは無いんだよ」

「そうですね。いつでもその先を目指して行かないとって事と同じですね」

「お前さんもちゃんと解ってるじゃないか。それは彩華にも当て嵌まる事だけどねぇ」


 あたしにつくね種を任せると、師匠はお出汁を採ったり、烏賊を湯通ししたり、お酒やみりんを煮切る為に小鍋の雪平をストーブに掛けたりしてる。
 煮切って熱いまま使えるお料理も在るけど、冷ます必要の在るお料理も作るから予めやって置くのは合理的だわ。
 こう云うのって忘れがちなのよねぇ。
 お料理の途中で必要な時に「失敗したぁ」って慌てない様に手順に加えて置――――――――――
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