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865.今後の予定
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食事も終わりメイドさん達によってお皿や料理が片づけられても、部屋から出て行こうとする人は誰もいなかった。
今日はお昼から仕事の予定になっていて、万が一何か問題が起きたらこの部屋まで呼びに来てくれるから急がなくて良いんだって。
それならとそのままのんびりと会話を楽しんでいると、話題が途切れた所でケイリーさんが俺達に視線を向けて口を開いた。
「ところで、アキトくんとハルのこれからの予定は、もう決まっているのかい?」
ハルはすぐに首を振って答えた。
「いや、まだ細かい予定については全く決まってないな」
ね?と言いたげに向けられたハルの視線に、俺はこくこくと頷いた。
辺境領で食べたい物とか、行きたい場所とか、買いたい物とかについてはいっぱい話したんだよ。でも日程とか順番とか、細かいところについてはまだ全く相談できてないんだよね。
急に決まったから時間が無かったってのもある。
あ、でももし細かく決めてここに来てたとしても、無駄になってたかもしれないよね。
実際に辺境領に来たら気になるものが色々あったし、衛兵さんやここにいるみんなに教えてもらった場所や物もできれば見てまわりたいから。
「でも、魔法陣で移動してきたって事は、しばらくは滞在するんだよな?」
ワクワクした様子を隠さず嬉しそうに笑いながらそう確認してくれるグレースさんに、俺も自然と笑顔になった。
「はい!滞在させてもらいます!」
そう答えれば、グレースさんだけじゃなくこちらを見ていたみんなも一気に笑顔になった。
「それは嬉しいなー!アキト、一緒に色々しような!」
領主城前の森で採取してまわったり、気配の消し方と探り方の実地訓練もしようかと、グレースさんは指を折りながらニコニコ笑顔で提案してくれた。
「はい、ぜひ!」
色々の方向性が先輩冒険者から後輩冒険者への教えに振り切られてる気もするけど、グレースさんと一緒だったらきっとそれも楽しめると思うんだよね。
あと勉強にもなりそうで嬉しい。
「…ねぇ、アキト、俺との時間も作ってね…?」
すこし寂しそうにそう声をかけてきたハルに、俺は息を呑んだ。なにその反応?可愛すぎない?
「もちろん!辺境領でも二人でいろいろしよーね!」
「ああ、ありがとう」
勢いこんで答えれば、ハルからは少しはにかんだ笑みが返ってきた。やっぱり可愛い。
「こんなハルは珍しすぎて、気を抜くとうっかり笑いそうになるな」
そうぽつりと呟いたのはファーガスさんだ。口にした途端、駄目だろうと言いたそうなマチルダさんにぐいっと手を引かれてるけど、嬉しそうにわらっている
「えー、俺はむしろこういうハルはじっくり観察したくなるけど?」
ニヤニヤ笑顔で答えたウィリアムさんも、ジルさんに揶揄わないと叱られている。こちらも嬉しそうだから逆効果かもな。
「キースはどう思う?」
叱られながらも悪戯っぽくキースくんに尋ねたせいで、ウィリアムさんのお説教時間はどうやら伸びるみたいだ。
「え、僕は仲良しだなーって思います」
キースくんはやっぱり天使だ。
「兄さんたち、別に恥ずかしくないからなんとでも言ってくれ」
キースはありがとうなと続けたハルに、キースくんもニコニコ笑顔だ。
うーん、癒しの光景だな。
「実地訓練も採取も、別にアキトだけとは言ってないだろう?もし良ければハルも来たら良いさ」
グレースさんは、ハルに向かって笑いながらそう告げた。
「ああ、ぜひ参加させてもらうよ」
「どれぐらい腕が上達したか見せてくれ」
「もちろん、全力を出すよ」
不敵に笑ったハルに、グレースさんもニヤリと笑みを返した。なんだか母と子というより、ライバル同士みたいなやりとりだ。
これが二人なりの親子のコミュニケーションなのかな。
「それで、今日はどうするんだい?」
二人で決めたら良いと判断を委ねられた俺たちは、ぱちりと視線を合わせた。
「アキトはどうしたい?」
「んー、俺は…辺境領のことをもっと知りたいな」
「そうか。それじゃあとりあえず、今日は街に遊びに行こうか?」
気になる物があれば買い物をしても良いし、のんびり街中を見て回るだけでも良いしとハルは優しく続けた。
「うん、楽しそう!」
「決まったね」
「ハル、もし万が一街中で何かがあれば衛兵か騎士に伝えてくれ」
「ああ、分かった」
予定が決まったなら行っておいでとみんなに見送られ、俺とハルは部屋を後にした。
辺境領巡り、楽しみだ。
今日はお昼から仕事の予定になっていて、万が一何か問題が起きたらこの部屋まで呼びに来てくれるから急がなくて良いんだって。
それならとそのままのんびりと会話を楽しんでいると、話題が途切れた所でケイリーさんが俺達に視線を向けて口を開いた。
「ところで、アキトくんとハルのこれからの予定は、もう決まっているのかい?」
ハルはすぐに首を振って答えた。
「いや、まだ細かい予定については全く決まってないな」
ね?と言いたげに向けられたハルの視線に、俺はこくこくと頷いた。
辺境領で食べたい物とか、行きたい場所とか、買いたい物とかについてはいっぱい話したんだよ。でも日程とか順番とか、細かいところについてはまだ全く相談できてないんだよね。
急に決まったから時間が無かったってのもある。
あ、でももし細かく決めてここに来てたとしても、無駄になってたかもしれないよね。
実際に辺境領に来たら気になるものが色々あったし、衛兵さんやここにいるみんなに教えてもらった場所や物もできれば見てまわりたいから。
「でも、魔法陣で移動してきたって事は、しばらくは滞在するんだよな?」
ワクワクした様子を隠さず嬉しそうに笑いながらそう確認してくれるグレースさんに、俺も自然と笑顔になった。
「はい!滞在させてもらいます!」
そう答えれば、グレースさんだけじゃなくこちらを見ていたみんなも一気に笑顔になった。
「それは嬉しいなー!アキト、一緒に色々しような!」
領主城前の森で採取してまわったり、気配の消し方と探り方の実地訓練もしようかと、グレースさんは指を折りながらニコニコ笑顔で提案してくれた。
「はい、ぜひ!」
色々の方向性が先輩冒険者から後輩冒険者への教えに振り切られてる気もするけど、グレースさんと一緒だったらきっとそれも楽しめると思うんだよね。
あと勉強にもなりそうで嬉しい。
「…ねぇ、アキト、俺との時間も作ってね…?」
すこし寂しそうにそう声をかけてきたハルに、俺は息を呑んだ。なにその反応?可愛すぎない?
「もちろん!辺境領でも二人でいろいろしよーね!」
「ああ、ありがとう」
勢いこんで答えれば、ハルからは少しはにかんだ笑みが返ってきた。やっぱり可愛い。
「こんなハルは珍しすぎて、気を抜くとうっかり笑いそうになるな」
そうぽつりと呟いたのはファーガスさんだ。口にした途端、駄目だろうと言いたそうなマチルダさんにぐいっと手を引かれてるけど、嬉しそうにわらっている
「えー、俺はむしろこういうハルはじっくり観察したくなるけど?」
ニヤニヤ笑顔で答えたウィリアムさんも、ジルさんに揶揄わないと叱られている。こちらも嬉しそうだから逆効果かもな。
「キースはどう思う?」
叱られながらも悪戯っぽくキースくんに尋ねたせいで、ウィリアムさんのお説教時間はどうやら伸びるみたいだ。
「え、僕は仲良しだなーって思います」
キースくんはやっぱり天使だ。
「兄さんたち、別に恥ずかしくないからなんとでも言ってくれ」
キースはありがとうなと続けたハルに、キースくんもニコニコ笑顔だ。
うーん、癒しの光景だな。
「実地訓練も採取も、別にアキトだけとは言ってないだろう?もし良ければハルも来たら良いさ」
グレースさんは、ハルに向かって笑いながらそう告げた。
「ああ、ぜひ参加させてもらうよ」
「どれぐらい腕が上達したか見せてくれ」
「もちろん、全力を出すよ」
不敵に笑ったハルに、グレースさんもニヤリと笑みを返した。なんだか母と子というより、ライバル同士みたいなやりとりだ。
これが二人なりの親子のコミュニケーションなのかな。
「それで、今日はどうするんだい?」
二人で決めたら良いと判断を委ねられた俺たちは、ぱちりと視線を合わせた。
「アキトはどうしたい?」
「んー、俺は…辺境領のことをもっと知りたいな」
「そうか。それじゃあとりあえず、今日は街に遊びに行こうか?」
気になる物があれば買い物をしても良いし、のんびり街中を見て回るだけでも良いしとハルは優しく続けた。
「うん、楽しそう!」
「決まったね」
「ハル、もし万が一街中で何かがあれば衛兵か騎士に伝えてくれ」
「ああ、分かった」
予定が決まったなら行っておいでとみんなに見送られ、俺とハルは部屋を後にした。
辺境領巡り、楽しみだ。
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