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760.【ハル視点】慌てるルセフ達
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楽し気なファリーマの声に反応して、固まってたウォルター、ルセフ、ブレイズの三人もようやく動き出した。
「はー…びっくりした…すげぇな、アキトの浄化魔法!」
笑顔で近づいてきたウォルターは、そう言いながらアキトの髪をぐしゃぐしゃと乱暴にかき混ぜた。すごく雑な撫で方だが、アキトは嬉しそうだから問題は無い。
「えと、ありがとうございます」
照れくさそうに笑いながら答えたアキトに、今度はルセフが近づいてきた。
「ウォルター、アキトの髪がぐちゃぐちゃになってるじゃないか」
「ああ、悪ぃ。感動してついな」
ウォルターは軽く謝ると、そっと両手をあげた。まったくお前はと苦笑しながら、ルセフはアキトの髪を優しく整えるように撫でつけ始める。
「まあその反応も仕方ないとは思うけどな…俺も本当にびっくりしたよ。でも、アキトのおかげで一気にすっきりした。ありがとうな、アキト」
「いえ、役立てたなら良かったです」
「すごくありがたいよ。ちゃんと礼になるかは分からないが、俺も全力で腕を振るうからな」
そう言って爽やかに笑ったルセフは、俺は厨房に行ってくるから二人の案内は頼んだぞと手を振って去って行った。台の隅に載せていた魔導収納鞄だけはさっと拾っていったから、料理の用意に向かったんだろうな。
嬉しそうに笑うアキトを微笑ましく眺めていると、不意にブレイズが大声で叫んだ。
「あーっ!」
「なんだよ、ブレイズ!急に叫ぶな!」
間髪いれずにブレイズ以上の大きな声で叫び返したウォルターに、ブレイズはえ?と首を傾げた。
「でも、ウォルター兄ちゃんも叫んでるよ?」
「誰がお前の兄ちゃんだ!―――じゃなくて、ブレイズ、さっきなんで急に叫んだんだ?」
いつも通りのやりとりをしてるなーとアキトと二人で和みながら見つめていたんだが、不意にウォルターが不思議そうに尋ねた。俺もなんでいきなりあんな大声で叫んだのかは気になるなと、ブレイズの返答を待った。
「これ!見て!」
興奮状態のブレイズが元気に指を差したのは、皆の装備が並んだ備え付けの棚だった。ああ、なるほど。アキトが装備まで綺麗にしてるとは思ってなかったから、それで驚いて叫んだのか。
「これアキトだよね!?装備まで一緒に綺麗にしてくれたの?」
「あ、うん」
「すごいすごいー!」
ここまで全力で褒められたら、嫌な気分にはならないよな。そう思うぐらい力いっぱい褒め続けるブレイズに、アキトは嬉しそうにこどもっぽい笑みを返している。
うーん、この笑顔は友人のブレイズだから引き出せる笑顔だよな。
「え、待ってくれ、アキト。さっきのあの一回で俺達四人だけじゃなくて俺達の装備まで浄化したのか…?」
ずっとブツブツ言いながら自分の浄化魔法の改良案を考えていたファリーマも、今は驚いた顔でアキトを見つめている。
「はい。えっと装備も綺麗にした方が良いかなーとおもって」
アキトの返答を聞くなり、ファリーマは装備棚の方へとふらふらと近づいていった。進行方向にいたブレイズはそんなファリーマをさっと避けると、楽し気に笑いながらアキトと俺の隣へと戻ってくる。
「きっと大騒ぎになるよ」
ブレイズの笑いながらの言葉に、俺はそうだろうなとニヤリと笑みを返した。。
「うわー、本当にすっごく綺麗になってる!えー感覚派だとしても、一体どうやって想像したらこんな事になるんだ?信じられない…俺、アキトに弟子入りさせて欲しいぐらいだよ」
魔法に詳しい人ほど、アキトのすごさを突きつけられる事になるからな。その反応も無理は無い。まあいきなり弟子入りしたいとか言い出すとは思わなかったが。
「は…?おいおい」
ファリーマの背後から棚を覗き込んでいたウォルターは、信じられないと言いたげに装備を見つめていた。
「嘘だろう!?これ、鎧のつなぎ目にちょっとだけ挟まってた砂まで無くなってるぞ!」
絶対にここの手入れは面倒だろうなと思ってたんだよと、ウォルターは力強く叫んだ。なんだ、ただ綺麗になった装備に感動していただけか。
「おい、ファリーマ、このレベルの浄化魔法使えるようになってくれ!」
「俺だってなれるもんならなりたいわ!」
そう簡単な事じゃないんだって分かるだろうがとファリーマが返せば、ウォルターはそこをなんとかとさらに詰め寄る。
そろそろ収拾がつかなくなってきたなと思いながらも何も言わずに荒ぶる二人を眺めていると、厨房から足音を立ててルセフが戻ってきた。
「こら、お前ら!いつまでお客さんを玄関にいさせる気だ?」
「「ごめんなさい」」
きっと普段から怒られ慣れているんだろうな。そう思ってしまうほどの、反射的な謝罪に俺は思わず笑ってしまった。
「はー…びっくりした…すげぇな、アキトの浄化魔法!」
笑顔で近づいてきたウォルターは、そう言いながらアキトの髪をぐしゃぐしゃと乱暴にかき混ぜた。すごく雑な撫で方だが、アキトは嬉しそうだから問題は無い。
「えと、ありがとうございます」
照れくさそうに笑いながら答えたアキトに、今度はルセフが近づいてきた。
「ウォルター、アキトの髪がぐちゃぐちゃになってるじゃないか」
「ああ、悪ぃ。感動してついな」
ウォルターは軽く謝ると、そっと両手をあげた。まったくお前はと苦笑しながら、ルセフはアキトの髪を優しく整えるように撫でつけ始める。
「まあその反応も仕方ないとは思うけどな…俺も本当にびっくりしたよ。でも、アキトのおかげで一気にすっきりした。ありがとうな、アキト」
「いえ、役立てたなら良かったです」
「すごくありがたいよ。ちゃんと礼になるかは分からないが、俺も全力で腕を振るうからな」
そう言って爽やかに笑ったルセフは、俺は厨房に行ってくるから二人の案内は頼んだぞと手を振って去って行った。台の隅に載せていた魔導収納鞄だけはさっと拾っていったから、料理の用意に向かったんだろうな。
嬉しそうに笑うアキトを微笑ましく眺めていると、不意にブレイズが大声で叫んだ。
「あーっ!」
「なんだよ、ブレイズ!急に叫ぶな!」
間髪いれずにブレイズ以上の大きな声で叫び返したウォルターに、ブレイズはえ?と首を傾げた。
「でも、ウォルター兄ちゃんも叫んでるよ?」
「誰がお前の兄ちゃんだ!―――じゃなくて、ブレイズ、さっきなんで急に叫んだんだ?」
いつも通りのやりとりをしてるなーとアキトと二人で和みながら見つめていたんだが、不意にウォルターが不思議そうに尋ねた。俺もなんでいきなりあんな大声で叫んだのかは気になるなと、ブレイズの返答を待った。
「これ!見て!」
興奮状態のブレイズが元気に指を差したのは、皆の装備が並んだ備え付けの棚だった。ああ、なるほど。アキトが装備まで綺麗にしてるとは思ってなかったから、それで驚いて叫んだのか。
「これアキトだよね!?装備まで一緒に綺麗にしてくれたの?」
「あ、うん」
「すごいすごいー!」
ここまで全力で褒められたら、嫌な気分にはならないよな。そう思うぐらい力いっぱい褒め続けるブレイズに、アキトは嬉しそうにこどもっぽい笑みを返している。
うーん、この笑顔は友人のブレイズだから引き出せる笑顔だよな。
「え、待ってくれ、アキト。さっきのあの一回で俺達四人だけじゃなくて俺達の装備まで浄化したのか…?」
ずっとブツブツ言いながら自分の浄化魔法の改良案を考えていたファリーマも、今は驚いた顔でアキトを見つめている。
「はい。えっと装備も綺麗にした方が良いかなーとおもって」
アキトの返答を聞くなり、ファリーマは装備棚の方へとふらふらと近づいていった。進行方向にいたブレイズはそんなファリーマをさっと避けると、楽し気に笑いながらアキトと俺の隣へと戻ってくる。
「きっと大騒ぎになるよ」
ブレイズの笑いながらの言葉に、俺はそうだろうなとニヤリと笑みを返した。。
「うわー、本当にすっごく綺麗になってる!えー感覚派だとしても、一体どうやって想像したらこんな事になるんだ?信じられない…俺、アキトに弟子入りさせて欲しいぐらいだよ」
魔法に詳しい人ほど、アキトのすごさを突きつけられる事になるからな。その反応も無理は無い。まあいきなり弟子入りしたいとか言い出すとは思わなかったが。
「は…?おいおい」
ファリーマの背後から棚を覗き込んでいたウォルターは、信じられないと言いたげに装備を見つめていた。
「嘘だろう!?これ、鎧のつなぎ目にちょっとだけ挟まってた砂まで無くなってるぞ!」
絶対にここの手入れは面倒だろうなと思ってたんだよと、ウォルターは力強く叫んだ。なんだ、ただ綺麗になった装備に感動していただけか。
「おい、ファリーマ、このレベルの浄化魔法使えるようになってくれ!」
「俺だってなれるもんならなりたいわ!」
そう簡単な事じゃないんだって分かるだろうがとファリーマが返せば、ウォルターはそこをなんとかとさらに詰め寄る。
そろそろ収拾がつかなくなってきたなと思いながらも何も言わずに荒ぶる二人を眺めていると、厨房から足音を立ててルセフが戻ってきた。
「こら、お前ら!いつまでお客さんを玄関にいさせる気だ?」
「「ごめんなさい」」
きっと普段から怒られ慣れているんだろうな。そう思ってしまうほどの、反射的な謝罪に俺は思わず笑ってしまった。
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