737 / 1,103
736.【ハル視点】美しい庭
しおりを挟む
警備隊員達が去っていく背中をなんとなく眺めていると、不意にアキトがぽすりと俺にもたれかかってきた。甘えるような仕草にときめきながらそっと視線を向ければ、アキトは上目遣いで俺を見つめてくる。
今は俺達しかいないとはいえ、恥ずかしがり屋なアキトに外でこうやって甘えられるのはちょっと珍しいな。
「アキト?」
「あー緊張したー」
アキトは小さな声でそう言うと、大きく息を吐いた。どうやら警備隊員とのやり取りの間、ずっと緊張していたらしい。
きちんと招待されて来ているんだから問題がある筈も無いんだが、慣れていなければ緊張もするよな。俺はアキトに笑いかけながら小さく頷いた。
「ああ。まあ慣れないとあの空気は緊張するよね」
「うん、しかも絶対強い人だーって俺でも分かるぐらいだったから余計にね」
アキトがさらりと言ったその言葉に、感心してしまった。戦闘中のような威圧感を出していたわけでも無いし、むしろアキトへのサービスなのか少し笑顔さえ見せていた。
それでもあの警備隊員達の強さに気づけたのか。
「それが分かるようになっただけ、アキトも強くなったって事だよ。最初の頃なら分からなかったでしょう?成長したんだよ」
「そうかな…?
褒められてしまったと言いたげな少し照れくさそうな笑顔が、今日も可愛いな。
「ここの警備は、さすがに知り合いが相手でも一切手は抜かないからね」
俺には領主の親戚という立場があるから、追い払われる前に問い合わせぐらいはしてくれるかもしれないが、あの封筒が偽物だと判断されたら取り押さえようとするだろうからな。
「…え、さっきの人達、ハルの知り合いなの?」
「うん。まあ知り合いだね」
警備隊員を代表して喋っていた男は元騎士団員だし、その隣にいた男は衛兵から引き抜かれたという珍しい経歴の持ち主だ。他の奴らはさすがに知らない奴らだったがな。
アキトはそんな風には見えなかったと、しみじみと感心している。
「警備の人もすごいんだね」
「ここの専属だからね」
なんとも可愛らしい感想にふふと笑いながら、俺はそう答えた。元騎士団員とか元衛兵とかそんな詳しい説明をするつもりはかけらもない。もしアキトが興味を持ったら嫌だからな。
「ねえ、アキト。さっき案内が来るまで庭でも見ててって言われたでしょう?」
唐突にそう切り出した俺に、アキトはこくりと頷いた。
「うん」
「ここの庭は見る価値があると思うよ。ほら、こっち見てごらん」
声と身振りで後ろを指せば、アキトは素直にくるりと背後を振り返ってくれた。視界に飛び込んできた沢山の花々が咲き誇る庭にアキトは小さく息をのんだ。ここの庭は本当に圧倒されるぐらいに美しいんだよな。
折角ならアキトにも見せたいと思っていたから、庭を見て待っていてくれという提案はありがたかった。
「うわ―綺麗だね」
「アキトは好きだろうなと思ってたんだ」
「うん、好きだ…すごい…」
言葉こそ少ないが、アキトはキラキラした目で庭のあちこちに咲く花や木々を見つめている。
色とりどりの花が咲き誇っているこの庭だが、実はすこし植物に詳しい人が見たら絶句するほど育てるのが難しい花がさらりと混ざっていたりするんだよな。
「ここの庭はいつ見ても綺麗だと俺も思うよ」
静かに庭を鑑賞するつもりだったが、ふと気づけば花や木々の説明をしていたのには自分でもすこし驚いた。
あの花は初めて見る色だとか、あれは図鑑に載ってたやつに似てるけどちょっと違うとか、アキトがぽつりとこぼすひとり言に答えていたら、自然とそうなっていたんだよな。
「あっちの花は?」
「ああ、あれは南国の方に咲く花で、薬草としても人気のある花だよ」
「じゃああのねじれた不思議な形の木は?」
「あれは海の向こうの国の香木だね」
またアキトが嬉しそうにいっぱい質問してくれるから、ついつい説明に力が入ってしまった。ひと段落した所で、アキトは我に返ったのかしょぼんと肩を落とした。
「ごめん、質問責めにしちゃって」
「いや、気にしないで良いよ」
「あまりに綺麗な庭だから夢中になっちゃって」
「楽しかったならそれで良いよ」
そんな会話をしていると、不意にアキトが後ろを振り返った。少し離れた所に背筋をピンと伸ばして品よく立っているのは、執事長のエルソンだ。少し前から気配はあったが、俺達の会話を聞いて邪魔をしないように控えていたらしい。
「お待たせして申し訳ありません」
本当に申し訳なさそうに謝罪の言葉を口にしているが、庭を見て待つように手配してくれたのはおそらくエルソンだろう。俺はすぐに首を振って笑顔で答えた。
「いや、さほど待ってない。それに領主邸の見事な庭を、俺も俺の伴侶候補もしっかりと楽しめたからな」
庭に案内してくれてありがとうと遠回しに伝えれば、エルソンは朗らかな笑みを浮かべた。
「ありがとうございます。お二人に楽しんで頂けたのなら何よりです。お誉めの言葉に庭師もきっと喜びます」
「エルソン、紹介する。俺の伴侶候補アキトだ」
おそらく領主様から、アキトについての説明はされているだろう。それは分かっていたが、どうしても自分の口から紹介したかった。この領主城で、俺が一番世話になっているのはこのエルソンだからな。
緊張しなくて大丈夫な相手だよと伝えるために、俺はそっとアキトの背中を撫でた。アキトはそれだけの動きで肩の力を抜いてくれた。察しが良いんだよなぁ、アキトは。
「はじめまして、アキトといいます」
「ご丁寧にありがとうございます。はじめまして、アキト様。私はトライプール領主城の執事長を務めております、エルソンと申します。どうぞよろしくお願いいたします」
「こちらこそお願いします」
ペコリと頭を下げたアキトに、エルソンは更に笑みを深めた。ああ、これはきっと気に入られたな。
「それではハロルド様、アキト様、こちらへどうぞ。ご案内いたします」
エルソンに案内されて辿り着いたのは、城の中でも奥まった位置にある一室の前だった。ここはきちんとした来客用の応接室だな。いつもはトライプール領主の書斎に案内されるんだが。アキトがいるから気を使ったのか。
俺がそんなくだらない事を考えている間に、エルソンはコンコンと部屋のドアをノックした。
「失礼いたします、旦那様。ハロルド様とアキト様をご案内致しました」
「ああ、入ってくれ」
今は俺達しかいないとはいえ、恥ずかしがり屋なアキトに外でこうやって甘えられるのはちょっと珍しいな。
「アキト?」
「あー緊張したー」
アキトは小さな声でそう言うと、大きく息を吐いた。どうやら警備隊員とのやり取りの間、ずっと緊張していたらしい。
きちんと招待されて来ているんだから問題がある筈も無いんだが、慣れていなければ緊張もするよな。俺はアキトに笑いかけながら小さく頷いた。
「ああ。まあ慣れないとあの空気は緊張するよね」
「うん、しかも絶対強い人だーって俺でも分かるぐらいだったから余計にね」
アキトがさらりと言ったその言葉に、感心してしまった。戦闘中のような威圧感を出していたわけでも無いし、むしろアキトへのサービスなのか少し笑顔さえ見せていた。
それでもあの警備隊員達の強さに気づけたのか。
「それが分かるようになっただけ、アキトも強くなったって事だよ。最初の頃なら分からなかったでしょう?成長したんだよ」
「そうかな…?
褒められてしまったと言いたげな少し照れくさそうな笑顔が、今日も可愛いな。
「ここの警備は、さすがに知り合いが相手でも一切手は抜かないからね」
俺には領主の親戚という立場があるから、追い払われる前に問い合わせぐらいはしてくれるかもしれないが、あの封筒が偽物だと判断されたら取り押さえようとするだろうからな。
「…え、さっきの人達、ハルの知り合いなの?」
「うん。まあ知り合いだね」
警備隊員を代表して喋っていた男は元騎士団員だし、その隣にいた男は衛兵から引き抜かれたという珍しい経歴の持ち主だ。他の奴らはさすがに知らない奴らだったがな。
アキトはそんな風には見えなかったと、しみじみと感心している。
「警備の人もすごいんだね」
「ここの専属だからね」
なんとも可愛らしい感想にふふと笑いながら、俺はそう答えた。元騎士団員とか元衛兵とかそんな詳しい説明をするつもりはかけらもない。もしアキトが興味を持ったら嫌だからな。
「ねえ、アキト。さっき案内が来るまで庭でも見ててって言われたでしょう?」
唐突にそう切り出した俺に、アキトはこくりと頷いた。
「うん」
「ここの庭は見る価値があると思うよ。ほら、こっち見てごらん」
声と身振りで後ろを指せば、アキトは素直にくるりと背後を振り返ってくれた。視界に飛び込んできた沢山の花々が咲き誇る庭にアキトは小さく息をのんだ。ここの庭は本当に圧倒されるぐらいに美しいんだよな。
折角ならアキトにも見せたいと思っていたから、庭を見て待っていてくれという提案はありがたかった。
「うわ―綺麗だね」
「アキトは好きだろうなと思ってたんだ」
「うん、好きだ…すごい…」
言葉こそ少ないが、アキトはキラキラした目で庭のあちこちに咲く花や木々を見つめている。
色とりどりの花が咲き誇っているこの庭だが、実はすこし植物に詳しい人が見たら絶句するほど育てるのが難しい花がさらりと混ざっていたりするんだよな。
「ここの庭はいつ見ても綺麗だと俺も思うよ」
静かに庭を鑑賞するつもりだったが、ふと気づけば花や木々の説明をしていたのには自分でもすこし驚いた。
あの花は初めて見る色だとか、あれは図鑑に載ってたやつに似てるけどちょっと違うとか、アキトがぽつりとこぼすひとり言に答えていたら、自然とそうなっていたんだよな。
「あっちの花は?」
「ああ、あれは南国の方に咲く花で、薬草としても人気のある花だよ」
「じゃああのねじれた不思議な形の木は?」
「あれは海の向こうの国の香木だね」
またアキトが嬉しそうにいっぱい質問してくれるから、ついつい説明に力が入ってしまった。ひと段落した所で、アキトは我に返ったのかしょぼんと肩を落とした。
「ごめん、質問責めにしちゃって」
「いや、気にしないで良いよ」
「あまりに綺麗な庭だから夢中になっちゃって」
「楽しかったならそれで良いよ」
そんな会話をしていると、不意にアキトが後ろを振り返った。少し離れた所に背筋をピンと伸ばして品よく立っているのは、執事長のエルソンだ。少し前から気配はあったが、俺達の会話を聞いて邪魔をしないように控えていたらしい。
「お待たせして申し訳ありません」
本当に申し訳なさそうに謝罪の言葉を口にしているが、庭を見て待つように手配してくれたのはおそらくエルソンだろう。俺はすぐに首を振って笑顔で答えた。
「いや、さほど待ってない。それに領主邸の見事な庭を、俺も俺の伴侶候補もしっかりと楽しめたからな」
庭に案内してくれてありがとうと遠回しに伝えれば、エルソンは朗らかな笑みを浮かべた。
「ありがとうございます。お二人に楽しんで頂けたのなら何よりです。お誉めの言葉に庭師もきっと喜びます」
「エルソン、紹介する。俺の伴侶候補アキトだ」
おそらく領主様から、アキトについての説明はされているだろう。それは分かっていたが、どうしても自分の口から紹介したかった。この領主城で、俺が一番世話になっているのはこのエルソンだからな。
緊張しなくて大丈夫な相手だよと伝えるために、俺はそっとアキトの背中を撫でた。アキトはそれだけの動きで肩の力を抜いてくれた。察しが良いんだよなぁ、アキトは。
「はじめまして、アキトといいます」
「ご丁寧にありがとうございます。はじめまして、アキト様。私はトライプール領主城の執事長を務めております、エルソンと申します。どうぞよろしくお願いいたします」
「こちらこそお願いします」
ペコリと頭を下げたアキトに、エルソンは更に笑みを深めた。ああ、これはきっと気に入られたな。
「それではハロルド様、アキト様、こちらへどうぞ。ご案内いたします」
エルソンに案内されて辿り着いたのは、城の中でも奥まった位置にある一室の前だった。ここはきちんとした来客用の応接室だな。いつもはトライプール領主の書斎に案内されるんだが。アキトがいるから気を使ったのか。
俺がそんなくだらない事を考えている間に、エルソンはコンコンと部屋のドアをノックした。
「失礼いたします、旦那様。ハロルド様とアキト様をご案内致しました」
「ああ、入ってくれ」
108
お気に入りに追加
4,148
あなたにおすすめの小説
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
▼毎日18時投稿予定
もう人気者とは付き合っていられません
花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。
モテるのは当然だ。でも――。
『たまには二人だけで過ごしたい』
そう願うのは、贅沢なのだろうか。
いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。
「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。
ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。
生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。
※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中
僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました
楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたエリオット伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。
ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。
喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。
「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」
契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。
エリオットのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
氷の華を溶かしたら
こむぎダック
BL
ラリス王国。
男女問わず、子供を産む事ができる世界。
前世の記憶を残したまま、転生を繰り返して来たキャニス。何度生まれ変わっても、誰からも愛されず、裏切られることに疲れ切ってしまったキャニスは、今世では、誰も愛さず何も期待しないと心に決め、笑わない氷華の貴公子と言われる様になった。
ラリス王国の第一王子ナリウスの婚約者として、王子妃教育を受けて居たが、手癖の悪い第一王子から、冷たい態度を取られ続け、とうとう婚約破棄に。
そして、密かにキャニスに、想いを寄せて居た第二王子カリストが、キャニスへの贖罪と初恋を実らせる為に奔走し始める。
その頃、母国の騒ぎから逃れ、隣国に滞在していたキャニスは、隣国の王子シェルビーからの熱烈な求愛を受けることに。
初恋を拗らせたカリストとシェルビー。
キャニスの氷った心を溶かす事ができるのは、どちらか?
平凡モブの僕だけが、ヤンキー君の初恋を知っている。
天城
BL
クラスに一人、目立つヤンキー君がいる。名前を浅川一也。校則無視したド派手な金髪に高身長、垂れ目のイケメンヤンキーだ。停学にならないせいで極道の家の子ではとか実は理事長の孫とか財閥の御曹司とか言われてる。
そんな浅川と『親友』なのは平凡な僕。
お互いそれぞれ理由があって、『恋愛とか結婚とか縁遠いところにいたい』と仲良くなったんだけど。
そんな『恋愛機能不全』の僕たちだったのに、浅川は偶然聞いたピアノの演奏で音楽室の『ピアノの君』に興味を持ったようで……?
恋愛に対して消極的な平凡モブらしく、ヤンキー君の初恋を見守るつもりでいたけれど
どうにも胸が騒いで仕方ない。
※青春っぽい学園ボーイズラブです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる