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711.思いつきの行動※
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そっと見上げれば、ハルはぱちっと俺と視線が合うなり、ふわりと柔らかい笑みを浮かべてくれた。
「最後まで脱がせてくれてありがとう、アキト」
ここで最初に出てくるのが感謝の言葉ってのが、なんだかすごくハルらしい気がする。
服を脱がせてお礼を言われるなんて、そうそう無い経験だと思う。真面目な顔でお礼を言ってくれるのが、ちょっと面白い。
「アキトが頑張ってくれてるのが伝わってきて、すごく嬉しかったよ」
優しい声色でそう続けたハルは、もう立って良いんだよと言いたげに俺に向かってそっと手を差し伸べてくれた。
そのあまりに自然な態度に一瞬だけ忘れそうになったけど、俺はまだ服をきちんと着たままでハルは既に全裸だ。
そんな状況なのに、ハルには恥ずかしそうな様子なんてかけらも無かった。
もし逆の立場だったら、俺は絶対にハルみたいに堂々としてなんていられない。
何なら勢いよくベッドに潜り込むか、全速力でカーテンにくるまりに行くだろうな。とにかく隠れないとって考えて、そういう行動を取ると思う。
いや、むしろハルは堂々としてるからこそ、恥ずかしくないんだろうか。俺も堂々としてたら恥ずかしくないのかな?
そんな事をぼんやりと考えていた俺は、ハルの伸ばされた手を取るでも無くただじっとその手を見つめていた。
「…アキト?どうかした?」
いつまで待っても手を取らずまだ立ち上がらない俺に、ハルはゆるりと不思議そうに首を傾げた。なんで立たないの?って聞きたそうな表情だ。
別に立ち上がりたくないってわけじゃないんだけど、ちょっとだけしてみたい事があるんだよね。
俺はさっきから気になって仕方がなかった、目の前にあるひきつれた傷跡にそっと顔を近づけると、そのまま軽く音を立てて口づけた。唇が一瞬触れるだけの、軽いキスだ。
「えッ…アキト!?」
叫んだハルの声は明らかにひっくり返ってたけど、これは多分ただ予想外の行動にびっくりしただけだよね。うん、特に痛かったりするわけじゃ無いみたいだ。
ハルの反応からそう理解した俺は、今度は大胆にペロリとその傷跡を舐め上げた。
後になってハルにあの時は何であんな事したの?って聞かれたんだけど、実は自分でもよく分かってない。
こんな派手な傷跡が残るような怪我をしたんだなとか、それでも生き抜いて俺に出会ってくれたんだなとか考えてたのはぼんやりと覚えてるんだけどね。
静止されないのを良い事にペロペロと気が済むまでその傷跡を舐めていた俺は、ふとハルがずっと黙ったままな事に気がついた。
あれ?と思ってそーっと恐る恐る視線を上げてみたら、ハルは眉間にしわを寄せてぎゅっと目を瞑っていた。
あれ、これってもしかして、ハル的には駄目な行動だった?
「えっと、ハル…ごめん。もしかして俺に舐められるのが嫌だった?」
慌てて名前を呼びながらそう言いつのれば、ハルは黙ったまますっとしゃがみこむなりガバリと俺を抱き上げた。
え、という間も無く、次の瞬間には優しくベッドの上に転がされていた。何がどうなったのかすら分からない。驚きの早わざだ。
すかさず俺の身体の上にのしかかってきたハルは、一転してにっこりと笑みを浮かべた。何だか笑みにすごみがある気がするのは、気のせいかな。
「アキトに舐めて貰うのが、嫌なわけない」
あっさりと否定してくれたハルに、俺は慌ててもう一つの可能性を問いただした。
「じゃあ…もしかして、あの傷って触れたらまだ痛かったりする…の?」
もしそうだとしたら眉間にしわが寄るのも無理は無い。あわてて謝ろうとした俺を、ハルの手がさっと静止した。
「待って。あれはかなり昔の怪我の跡だから、触れられても痛くは無いよ」
「そうなんだ、良かった…」
あれ、じゃあでも何でハルはさっきあんな表情をしたんだろう。そう思った瞬間、ハルは俺の顔を覗き込んできた。
「アキトは勘違いしてると思うんだ」
「勘違い?」
「そう、勘違い。俺はただ、大事な伴侶候補に可愛い事されて煽られただけだよ?」
「え?」
「あんな風に愛おしそうに舐められたら、誰だって煽られるに決まってるよね。もちろん覚悟はできてるよね?」
にっこりと笑ったハルは、そのまま俺の服に手をかけてから俺に尋ねた。
「脱がされるのは嫌?」
明らかに目を欲望でギラギラさせているのに、それでも俺の意思を聞いてくれるんだ。
「大事な伴侶候補に脱がされるのが嫌なわけない」
ハルはふうーとひとつ息を吐いてから、俺の服を一枚ずつ剥ぎ取っていった。
「最後まで脱がせてくれてありがとう、アキト」
ここで最初に出てくるのが感謝の言葉ってのが、なんだかすごくハルらしい気がする。
服を脱がせてお礼を言われるなんて、そうそう無い経験だと思う。真面目な顔でお礼を言ってくれるのが、ちょっと面白い。
「アキトが頑張ってくれてるのが伝わってきて、すごく嬉しかったよ」
優しい声色でそう続けたハルは、もう立って良いんだよと言いたげに俺に向かってそっと手を差し伸べてくれた。
そのあまりに自然な態度に一瞬だけ忘れそうになったけど、俺はまだ服をきちんと着たままでハルは既に全裸だ。
そんな状況なのに、ハルには恥ずかしそうな様子なんてかけらも無かった。
もし逆の立場だったら、俺は絶対にハルみたいに堂々としてなんていられない。
何なら勢いよくベッドに潜り込むか、全速力でカーテンにくるまりに行くだろうな。とにかく隠れないとって考えて、そういう行動を取ると思う。
いや、むしろハルは堂々としてるからこそ、恥ずかしくないんだろうか。俺も堂々としてたら恥ずかしくないのかな?
そんな事をぼんやりと考えていた俺は、ハルの伸ばされた手を取るでも無くただじっとその手を見つめていた。
「…アキト?どうかした?」
いつまで待っても手を取らずまだ立ち上がらない俺に、ハルはゆるりと不思議そうに首を傾げた。なんで立たないの?って聞きたそうな表情だ。
別に立ち上がりたくないってわけじゃないんだけど、ちょっとだけしてみたい事があるんだよね。
俺はさっきから気になって仕方がなかった、目の前にあるひきつれた傷跡にそっと顔を近づけると、そのまま軽く音を立てて口づけた。唇が一瞬触れるだけの、軽いキスだ。
「えッ…アキト!?」
叫んだハルの声は明らかにひっくり返ってたけど、これは多分ただ予想外の行動にびっくりしただけだよね。うん、特に痛かったりするわけじゃ無いみたいだ。
ハルの反応からそう理解した俺は、今度は大胆にペロリとその傷跡を舐め上げた。
後になってハルにあの時は何であんな事したの?って聞かれたんだけど、実は自分でもよく分かってない。
こんな派手な傷跡が残るような怪我をしたんだなとか、それでも生き抜いて俺に出会ってくれたんだなとか考えてたのはぼんやりと覚えてるんだけどね。
静止されないのを良い事にペロペロと気が済むまでその傷跡を舐めていた俺は、ふとハルがずっと黙ったままな事に気がついた。
あれ?と思ってそーっと恐る恐る視線を上げてみたら、ハルは眉間にしわを寄せてぎゅっと目を瞑っていた。
あれ、これってもしかして、ハル的には駄目な行動だった?
「えっと、ハル…ごめん。もしかして俺に舐められるのが嫌だった?」
慌てて名前を呼びながらそう言いつのれば、ハルは黙ったまますっとしゃがみこむなりガバリと俺を抱き上げた。
え、という間も無く、次の瞬間には優しくベッドの上に転がされていた。何がどうなったのかすら分からない。驚きの早わざだ。
すかさず俺の身体の上にのしかかってきたハルは、一転してにっこりと笑みを浮かべた。何だか笑みにすごみがある気がするのは、気のせいかな。
「アキトに舐めて貰うのが、嫌なわけない」
あっさりと否定してくれたハルに、俺は慌ててもう一つの可能性を問いただした。
「じゃあ…もしかして、あの傷って触れたらまだ痛かったりする…の?」
もしそうだとしたら眉間にしわが寄るのも無理は無い。あわてて謝ろうとした俺を、ハルの手がさっと静止した。
「待って。あれはかなり昔の怪我の跡だから、触れられても痛くは無いよ」
「そうなんだ、良かった…」
あれ、じゃあでも何でハルはさっきあんな表情をしたんだろう。そう思った瞬間、ハルは俺の顔を覗き込んできた。
「アキトは勘違いしてると思うんだ」
「勘違い?」
「そう、勘違い。俺はただ、大事な伴侶候補に可愛い事されて煽られただけだよ?」
「え?」
「あんな風に愛おしそうに舐められたら、誰だって煽られるに決まってるよね。もちろん覚悟はできてるよね?」
にっこりと笑ったハルは、そのまま俺の服に手をかけてから俺に尋ねた。
「脱がされるのは嫌?」
明らかに目を欲望でギラギラさせているのに、それでも俺の意思を聞いてくれるんだ。
「大事な伴侶候補に脱がされるのが嫌なわけない」
ハルはふうーとひとつ息を吐いてから、俺の服を一枚ずつ剥ぎ取っていった。
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