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585.目覚めと朝食
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ハル達に見張りを交代してもらってからぐっすりと眠ったおかげか、今朝の寝起きはすっきりしたものだった。
いつもならもう少しうだうだと転がったりするのに、今日はパチっと目が覚めるなりすぐに今は護衛の依頼中だったなと思い出せたんだ。これはめったにない寝起きの良い日だ。
何だか得したような気分でささっと身支度を整えると、俺はすぐにテントから這い出した。
「アキト?」
「おはよう、ハル」
「ああ、おはよう。よく眠れた?」
「ぐっすりだったよ。すっきり目が覚めたぐらいよく寝たー」
へへへと笑いながら答えれば、ハルは蕩けるような笑みを返してくれた。
「おはよう、アキト」
「おはよ、起こされる前に自分で起きてくるとかすごいな、アキト」
ルセフさんとウォルターさんの挨拶に、俺も笑顔でおはようございますと返した。起こされる前に起きてきただけで褒められても、反応に困ってしまうのでそこは流させてもらった。
「アキト、はいこれ」
手招きに答えてハルの隣に腰を下ろせば、すぐに目の前に果実水が入ったカップが差し出された。
「ありがとう、ハル」
お礼を言ってすぐに口をつければ、柑橘系の酸味が聞いた果実水が寝起きの乾いた喉を潤してくれた。最近は朝に飲むならこのレモンみたいな風味の果実水が、一番お気に入りなんだよね。
「なんだ…花茶じゃないのか?」
少し不思議そうに尋ねたウォルターさんに、アキトは寝起きに花茶は飲まないからとあっさりとハルが答えている。うん、たしかに花茶は寝起きにはあまり飲まないね。
それにしても果実水の中でもこれが朝に飲みたいやつとか話した事は無いんだけど、俺の好みを把握してくれてるんだな。さすがハルだなと感心してしまった。
しばらくすると、ブレイズもファリーマさんも自主的に起きだしてきた。
ウォルターさんはその度におおげさに驚いていたけど、ブレイズとファリーマさんにも綺麗に流されてたよ。うん、分かる。ちょっと反応に困るんだよね。
最後にクリスさんに手を引かれた無表情なカーディが馬車から下りてくれば、全員が集まった。ウォルターさんは起きれないタイプの寝起きが悪い人だけど、カーディは機嫌が悪くなるというか無表情なタイプの寝起きの悪さなんだよな。人それぞれって事かな。
「全員揃ったな。おはよう、それじゃあさっそく朝食にしようか」
にっこりと笑ったルセフさんが用意してくれていたのは、具だくさんのスープだった。軽くあぶったパンを浸しながら食べるのが最高に美味しくて、ルセフさんはやっぱり天才だなとしみじみ思いながら完食しました。
食事を終えたらすぐに出発かと思ったけど、もう急がなくても今日中にトライプールに着くからとしばらく自由時間がもらえるらしい。
自由時間って事は、もしかして昨日言ってた実験ができる?そう思って視線を向ければ、パチリと視線が合ったファリーマさんはニッと笑みを浮かべた。
「ルセフ。自由時間なら、今からアキトと魔法の実験したいんだけど…良いかな?」
はいっと元気に手を上げて尋ねたファリーマさんをまじまじと見つめてから、ルセフさんは疲れた様子でゆるく首を振った。
「あのな、ファリーマ。今は依頼中なんだから、俺じゃなくて依頼人に聞いてくれ」
判断はまかせますとルセフさんは申し訳なさそうに、クリスさんとカーディに視線を向けた。
「あ、クリスさん、カーディさん、アキトの魔法の実験しても良いですか?」
「えーと、魔法の実験…ですか。カーディ?」
「ああ、良いんじゃないか。俺は別に気にしないぞ」
「カーディが気にしないなら、私たちは問題ありません」
「え…良いんですか?」
あっさりと許可が出た事に驚いたらしいルセフさんは、気を取り直すと俺へと視線を向けた。
「アキト、こんな事を言ってるけど…実験を手伝うって約束したのか?」
「あ、はい。面白そうな話だったので、俺も気になってます!」
「そうか…」
「むしろ俺が時間も考えずに実験しそうだった所を、ファリーマさんは止めてくれたぐらいなんですよ」
俺がそう言葉を付け足せば、ファリーマさんはよく言ってくれたと言いたげに笑みを浮かべている。ルセフさんはそんなファリーマさんをちらりと見てから、ふーとひとつ大きなため息を吐いた。
いつもならもう少しうだうだと転がったりするのに、今日はパチっと目が覚めるなりすぐに今は護衛の依頼中だったなと思い出せたんだ。これはめったにない寝起きの良い日だ。
何だか得したような気分でささっと身支度を整えると、俺はすぐにテントから這い出した。
「アキト?」
「おはよう、ハル」
「ああ、おはよう。よく眠れた?」
「ぐっすりだったよ。すっきり目が覚めたぐらいよく寝たー」
へへへと笑いながら答えれば、ハルは蕩けるような笑みを返してくれた。
「おはよう、アキト」
「おはよ、起こされる前に自分で起きてくるとかすごいな、アキト」
ルセフさんとウォルターさんの挨拶に、俺も笑顔でおはようございますと返した。起こされる前に起きてきただけで褒められても、反応に困ってしまうのでそこは流させてもらった。
「アキト、はいこれ」
手招きに答えてハルの隣に腰を下ろせば、すぐに目の前に果実水が入ったカップが差し出された。
「ありがとう、ハル」
お礼を言ってすぐに口をつければ、柑橘系の酸味が聞いた果実水が寝起きの乾いた喉を潤してくれた。最近は朝に飲むならこのレモンみたいな風味の果実水が、一番お気に入りなんだよね。
「なんだ…花茶じゃないのか?」
少し不思議そうに尋ねたウォルターさんに、アキトは寝起きに花茶は飲まないからとあっさりとハルが答えている。うん、たしかに花茶は寝起きにはあまり飲まないね。
それにしても果実水の中でもこれが朝に飲みたいやつとか話した事は無いんだけど、俺の好みを把握してくれてるんだな。さすがハルだなと感心してしまった。
しばらくすると、ブレイズもファリーマさんも自主的に起きだしてきた。
ウォルターさんはその度におおげさに驚いていたけど、ブレイズとファリーマさんにも綺麗に流されてたよ。うん、分かる。ちょっと反応に困るんだよね。
最後にクリスさんに手を引かれた無表情なカーディが馬車から下りてくれば、全員が集まった。ウォルターさんは起きれないタイプの寝起きが悪い人だけど、カーディは機嫌が悪くなるというか無表情なタイプの寝起きの悪さなんだよな。人それぞれって事かな。
「全員揃ったな。おはよう、それじゃあさっそく朝食にしようか」
にっこりと笑ったルセフさんが用意してくれていたのは、具だくさんのスープだった。軽くあぶったパンを浸しながら食べるのが最高に美味しくて、ルセフさんはやっぱり天才だなとしみじみ思いながら完食しました。
食事を終えたらすぐに出発かと思ったけど、もう急がなくても今日中にトライプールに着くからとしばらく自由時間がもらえるらしい。
自由時間って事は、もしかして昨日言ってた実験ができる?そう思って視線を向ければ、パチリと視線が合ったファリーマさんはニッと笑みを浮かべた。
「ルセフ。自由時間なら、今からアキトと魔法の実験したいんだけど…良いかな?」
はいっと元気に手を上げて尋ねたファリーマさんをまじまじと見つめてから、ルセフさんは疲れた様子でゆるく首を振った。
「あのな、ファリーマ。今は依頼中なんだから、俺じゃなくて依頼人に聞いてくれ」
判断はまかせますとルセフさんは申し訳なさそうに、クリスさんとカーディに視線を向けた。
「あ、クリスさん、カーディさん、アキトの魔法の実験しても良いですか?」
「えーと、魔法の実験…ですか。カーディ?」
「ああ、良いんじゃないか。俺は別に気にしないぞ」
「カーディが気にしないなら、私たちは問題ありません」
「え…良いんですか?」
あっさりと許可が出た事に驚いたらしいルセフさんは、気を取り直すと俺へと視線を向けた。
「アキト、こんな事を言ってるけど…実験を手伝うって約束したのか?」
「あ、はい。面白そうな話だったので、俺も気になってます!」
「そうか…」
「むしろ俺が時間も考えずに実験しそうだった所を、ファリーマさんは止めてくれたぐらいなんですよ」
俺がそう言葉を付け足せば、ファリーマさんはよく言ってくれたと言いたげに笑みを浮かべている。ルセフさんはそんなファリーマさんをちらりと見てから、ふーとひとつ大きなため息を吐いた。
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