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570.果物飴の反応は
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手渡した果物飴の瓶を目の高さまで持ち上げて、ブレイズはまじまじと観察し始めた。こうして見ると中身もカラフルで綺麗だし、見た目も可愛らしいんだよな。お土産に渡したら喜ばれそうな華やかな見た目だ。
さあどんな反応がかえってくるかな。こっそりと横目で見つめていると、次の瞬間にはブレイズは満面の笑みを浮かべて俺の方を振り返った。盗み見してたからばっちりと目が合っちゃったよね。
「うわー!すっごい綺麗!アキト、これってなに?」
素早くこちらを振り返ったブレイズの目は、好奇心でキラキラと輝いていた。
えっと、この反応は果物飴を食べた事がないって事で良いんだよね?もし食べた事あったら、これってなにとはさすがに聞かないと思うんだ。
内心では喜んでもらえるかなとちょっとだけそわそわワクワクしながら、それでも俺はできるだけ普通の表情を作ってから口を開いた。ハルにだったらいくら表情を取り繕ってもすぐにバレちゃうからしないんだけど、今はここにハルはいないからバレない…筈。
「これはね、果物飴っていうんだ」
「へー果物飴…?」
ぼそりとそう繰り返しながら、ブレイズは不思議そうな表情で瓶にそっと顔を近づけた。おでこが瓶に当たってしまいそうなぐらいの近い距離だ。
「あっ!本当だ!近くでみたらちゃんと果物だ!」
見た事のある果物があるとブレイズは何とも嬉しそうだ。その反応の良さに嬉しくなりながら俺は続けた。
「四角く切り出した新鮮な果物に、薄く飴をかけてあるっていうお菓子だよ」
「そうなんだ!すっごく美味しそう!」
「うん、俺も食べたけど本当に美味しかったよ。あ、ハルいわく、薄い飴だから舐めるよりも噛んだ方が美味しいって」
「なるほど、つまりこれは噛んで食べる果物の飴か」
「ブレイズも気に入ると良いんだけど…」
「俺、果物は基本的に何でも好きだから、きっと気に入ると思うよ!ありがとな、アキト」
太陽のように輝く笑顔には、嘘もごまかしも一切無さそうだ。うんうん、とりあえずこのお土産は合格かな。ブレイズに喜んでもらえたみたいで良かった。ホッと息を吐いた俺の後ろから、ファリーマさんが声をかけてくる。
「果物飴とは、ブレイズ良い物もらったなー」
「え、ファリーマさん、これ知ってるの?」
ひょこっと俺の後ろから顔を出したファリーマさんに、ブレイズは手に持ったままの瓶を持ち上げて尋ねる。
「ああ。果物飴だろう?もちろん知って…」
そう言いかけたファリーマさんはブレイズの手の瓶をじーっと見つめると、不思議そうに首をゆるりと傾げた。あれ、どうしたんだろう?知ってるんだよね?
「…知ってるんだけど、あのさ、これってアキトが色んな味を混ぜて選んだのか?」
あ、気になってたのはそこなんだ。そういえばハルも、珍しい売り方だって店員さんの発想力を褒めてたな。
「いえ、最初からこうやって色んな味を混ぜた状態で売ってました」
「そうなのか…なあ、ブレイズ、よければちょっと見せてくれるか?」
「うん、どうぞ」
すっと差し出された瓶を落とさないように慎重に受け取ったファリーマさんは、ひとしきり観察してから感心した様子で口を開いた。
「へーすごいな、これ。俺が知ってるのは一種類の味が袋とか瓶に入ってるって果物だったんだが…こんなのがあるんだな?」
王都でも他の国でも見た事があるけど、こんな分け方がされてるのは初めてみたらしい。
「選ぶのが大変だって毎年言われるから、今年から試験的に作ってみたんだって屋台の人が言ってました!」
そこまで説明したところで、俺はハッと大事な事を思いだした。慌てて魔導収納鞄に手を入れて小さなカードの用な紙を取り出す。味の説明の紙、混ざったのを買った数だけ付けてくれたのにすっかり忘れてた。
「ブレイズ、ごめん。これ忘れてたよ…色ごとに味が違うからって、ちゃんと味の説明がついてるんだって」
ファリーマさんが混ざってるのを珍しがってくれなかったら、完全に忘れる所だった。
「へー面白いね。ありがと!パーティーのみんなで楽しむね!」
ファリーマさんの手から戻ってきた果物飴の瓶を大事そうに受け取ると、ブレイズはそーっと慎重に自分の鞄にしまい込んだ。そこまで丁寧に扱わなくても大丈夫だよと笑いそうになるぐらい慎重な動きだった。
「ブレイズ、別に一人で全部食べても俺もルセフもウォルターも怒らないぞ?」
「別に怒られるとは思って無いけどさ…みんなで食べた方が絶対に美味しいからね!」
それでも良いかな?と視線だけで尋ねてくるブレイズに、俺はもちろんと笑みを返した。
多分ブレイズはみんなで食べるって言うだろうなと思ったから、大きめの瓶にしたんだよね。俺の読みはあってたみたいだ。
さあどんな反応がかえってくるかな。こっそりと横目で見つめていると、次の瞬間にはブレイズは満面の笑みを浮かべて俺の方を振り返った。盗み見してたからばっちりと目が合っちゃったよね。
「うわー!すっごい綺麗!アキト、これってなに?」
素早くこちらを振り返ったブレイズの目は、好奇心でキラキラと輝いていた。
えっと、この反応は果物飴を食べた事がないって事で良いんだよね?もし食べた事あったら、これってなにとはさすがに聞かないと思うんだ。
内心では喜んでもらえるかなとちょっとだけそわそわワクワクしながら、それでも俺はできるだけ普通の表情を作ってから口を開いた。ハルにだったらいくら表情を取り繕ってもすぐにバレちゃうからしないんだけど、今はここにハルはいないからバレない…筈。
「これはね、果物飴っていうんだ」
「へー果物飴…?」
ぼそりとそう繰り返しながら、ブレイズは不思議そうな表情で瓶にそっと顔を近づけた。おでこが瓶に当たってしまいそうなぐらいの近い距離だ。
「あっ!本当だ!近くでみたらちゃんと果物だ!」
見た事のある果物があるとブレイズは何とも嬉しそうだ。その反応の良さに嬉しくなりながら俺は続けた。
「四角く切り出した新鮮な果物に、薄く飴をかけてあるっていうお菓子だよ」
「そうなんだ!すっごく美味しそう!」
「うん、俺も食べたけど本当に美味しかったよ。あ、ハルいわく、薄い飴だから舐めるよりも噛んだ方が美味しいって」
「なるほど、つまりこれは噛んで食べる果物の飴か」
「ブレイズも気に入ると良いんだけど…」
「俺、果物は基本的に何でも好きだから、きっと気に入ると思うよ!ありがとな、アキト」
太陽のように輝く笑顔には、嘘もごまかしも一切無さそうだ。うんうん、とりあえずこのお土産は合格かな。ブレイズに喜んでもらえたみたいで良かった。ホッと息を吐いた俺の後ろから、ファリーマさんが声をかけてくる。
「果物飴とは、ブレイズ良い物もらったなー」
「え、ファリーマさん、これ知ってるの?」
ひょこっと俺の後ろから顔を出したファリーマさんに、ブレイズは手に持ったままの瓶を持ち上げて尋ねる。
「ああ。果物飴だろう?もちろん知って…」
そう言いかけたファリーマさんはブレイズの手の瓶をじーっと見つめると、不思議そうに首をゆるりと傾げた。あれ、どうしたんだろう?知ってるんだよね?
「…知ってるんだけど、あのさ、これってアキトが色んな味を混ぜて選んだのか?」
あ、気になってたのはそこなんだ。そういえばハルも、珍しい売り方だって店員さんの発想力を褒めてたな。
「いえ、最初からこうやって色んな味を混ぜた状態で売ってました」
「そうなのか…なあ、ブレイズ、よければちょっと見せてくれるか?」
「うん、どうぞ」
すっと差し出された瓶を落とさないように慎重に受け取ったファリーマさんは、ひとしきり観察してから感心した様子で口を開いた。
「へーすごいな、これ。俺が知ってるのは一種類の味が袋とか瓶に入ってるって果物だったんだが…こんなのがあるんだな?」
王都でも他の国でも見た事があるけど、こんな分け方がされてるのは初めてみたらしい。
「選ぶのが大変だって毎年言われるから、今年から試験的に作ってみたんだって屋台の人が言ってました!」
そこまで説明したところで、俺はハッと大事な事を思いだした。慌てて魔導収納鞄に手を入れて小さなカードの用な紙を取り出す。味の説明の紙、混ざったのを買った数だけ付けてくれたのにすっかり忘れてた。
「ブレイズ、ごめん。これ忘れてたよ…色ごとに味が違うからって、ちゃんと味の説明がついてるんだって」
ファリーマさんが混ざってるのを珍しがってくれなかったら、完全に忘れる所だった。
「へー面白いね。ありがと!パーティーのみんなで楽しむね!」
ファリーマさんの手から戻ってきた果物飴の瓶を大事そうに受け取ると、ブレイズはそーっと慎重に自分の鞄にしまい込んだ。そこまで丁寧に扱わなくても大丈夫だよと笑いそうになるぐらい慎重な動きだった。
「ブレイズ、別に一人で全部食べても俺もルセフもウォルターも怒らないぞ?」
「別に怒られるとは思って無いけどさ…みんなで食べた方が絶対に美味しいからね!」
それでも良いかな?と視線だけで尋ねてくるブレイズに、俺はもちろんと笑みを返した。
多分ブレイズはみんなで食べるって言うだろうなと思ったから、大きめの瓶にしたんだよね。俺の読みはあってたみたいだ。
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