生まれつき幽霊が見える俺が異世界転移をしたら、精霊が見える人と誤解されています

根古川ゆい

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399.【ハル視点】アキトの可愛さ※

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 ベッドに下ろされたアキトは、そのままそこで待つのではなくすぐに動き出した。

 寝転がったまま懸命に服を脱ごうともぞもぞするアキトの姿は、可愛くもあり同時に刺激的でもあった。胸元まで服をたくし上げると、ここからどうしようと言いたげにアキトは身じろいだ。

「アキト、自分で脱ごうとしてくれたの?」

 あまりの可愛さにクスクスと笑いながら尋ねれば、寝転がったままのアキトも笑って答えてくれた。

「そうなんだけど…失敗した」
「うん。でもこれはこれで可愛いけどね」
「ハル、ここからどうしよう?」

 そう尋ねてくる声は笑い混じりで、俺もわざと悪戯っぽい笑みを浮かべて答えた。

「そうだね…じゃあこうしようか」

 声をかけながらそっと手を差し出せば、アキトはすぐに察して寝転がったまま両手を伸ばしてくれた。たくし上げたままだった服を頭から抜き取ると、やっと脱げたと可愛い感想が耳に届いた。

 嫌がらずにされるがままなのを確認してから、一枚ずつアキトの服を脱がせていく。もう少しで脱がし終えるかなと思った瞬間、アキトの手がそっと俺の服に伸びてきた。

 上に着ているシャツのボタンを、アキトの指がひとつずつ外していく。緊張のせいかなかなか外れないボタンに、アキトは真剣な表情で挑んでいる。

 邪魔をしないように気をつけながらゆっくりとアキトの服を取り去ると、アキトは慌てた様子で俺のシャツを脱がせてくれた。

「下も脱がせてくれる?」

 そう尋ねたのはほんの悪戯心だった。この前は脱がすのは無理だと即答だったからな。今日は頑張ってくれたんだと分かっているから、無理をさせるつもりはなかった。

 アキトは予想通りフルフルと小刻みに首を振った。

「ごめん、ハル。下は…まだ、無理」

 そうか。絶対に無理じゃなくて、まだ、なのか。次の楽しみにしておくよなんて軽口を言いながら服を脱ぐ。

 ベッドに上った俺は、目の前のアキトの体をきゅっと抱きしめた。触れ合う素肌の感触が気持ち良い。アキトは一見筋肉が少なく見えるけれど、実際に服を脱ぐとうっすらと筋肉がついた均整の取れた体をしている。他の人には見せたくないなと、そんな事を考えてしまう体つきだ。

「アキト…口開けて」

 囁くように声をかければ、アキトはすぐに口を開いて舌を突き出してくれた。二人の間ではすっかり定番になった、深い口づけの誘い方だ。この誘い方、やっぱり好きなんだよな。そんな事を考えながら、俺はアキトの頭を一撫でするとすぐに唇を重ねた。

 少しは慣れてきたのか、アキトの舌がぎこちなく絡まってくるのがたまらない。まだ戸惑い混じりの舌先を絡めとって吸い上げていく。

 ほわりと蕩けたアキトの顔を見つめながら、俺はそっと指を伸ばした。

「んっ…っ!」

 乳首に触れるか触れないかぐらいの距離を保って指を動かせば、アキトはビクビクと背中を揺らした。

「わっ…ハルっ…」
「やっぱりここは嫌?」

 もしはっきりと嫌だと言われたら、今日はもう乳首には一切触れないつもりだった。アキトに嫌な思いをさせたいわけじゃないからな。決意を込めた質問に、アキトはゆるりと首を振った。

「ううん、嫌ってわけじゃない…けど…」
「アキトが嫌じゃないなら、もう少しだけ触らせて?」
「でも、やっぱり気持ち良くは無いんだけど…それでも良いの?」

 本当に嫌がってはいないかと表情を伺えば、アキトは何故か申し訳なさそうな表情を浮かべていた。え、申し訳ない事なんて無いだろう?そう思ったけれど、アキトはボソボソと続けた。

「……せっかく触ってくれてるのに、何の反応もできないんだけど」

 ああ、反応できない事を気にしてくれていたのか。

「うん、さすがにそんなにすぐには変わらないと思うよ」
「…でもするの?」
「アキトが良いなら、俺はしたいな」

 すぐに変わらなくて良いんだ。じっくりじっくり仕込んでいって、少しずつアキトの体を作り変えていきたい。

「今は感じなくても、これからどうなるかは分からないし…ね?」

 思わせぶりにそう囁けば、アキトはボンッと頬を赤く染めた。照れる姿も可愛いな。

「じっくり仕込みたいっていったでしょう?」
「あー…うん。じゃあハルの好きにして良いよ…」

 小さな声で与えられた許可に、俺は笑って頷いた。じゃあ好きにさせて貰おうかな。
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