396 / 1,103
395.煽ってねだって※
しおりを挟む
あれからじっくりと時間を駆けて慣らされた俺の後孔は、もうとろとろに蕩けきっていた。ぐちゅぐちゅと音を立てるそこには、もう三本の指が押し込まれている。
「やっ……あ、う…ア…んんっ…」
容赦なく前立腺を狙ってくる器用な指先に翻弄されながら、俺はうっすらと目を開いた。涙で滲んだ視界に見えたハルの目は、まるで飢えた獣のようにギラギラしている。
普段の大人の余裕なんてものは一切なくて、何とか欲望を制御しているだけだとその表情から伝わってくる。
これだけ蕩けていたら、もう入ると思うんだけどな。もういい加減入れて欲しいと願っても、ハルの手はまだ止まる気配が無い。
「…はッ…る…ぅ」
かすれた声で必死になって名前を呼ぶと、すぐに甘い口づけが降ってくる。
違う、違うんだよ、ハル。もちろんハルとするキスは大好きだし、いつでもして欲しいと思ってるよ。思ってるけど、今欲しいのはそれじゃない。
「も、はや…いれっ…てっ…」
たまらなくなって口にした俺の言葉に、ハルはぴたりと指を止めた。
「ハルっ…はや、く……おねがいっ…」
「アキトは本当に…」
煽るのが上手すぎるんだよねと呟いたハルは、最後にもう一度と言いたげに前立腺を刺激してから一気に指を引き抜いた。
「んあぁっ…」
ふるふると余韻に震える俺の後孔に、ハルのちんこがぴたりと押し当てられる。やっと入れてくれる。そう思ったのに、ハルは何故かそこでぴたりと動きを止めてしまった。
「ハルっ…なんでっ?」
これ以上焦らされたくない。そう思いながら慌てて振り返ると、ハルはたっぷりの特製ポーションを自分の手の平に垂らしている所だった。ぬらりと濡れた手が、淡い魔道具の光を反射して怪しく光って見える。
「ちょっとだけ待って」
ハルはそう言うと、その手で自分の性器をゆるゆると扱きあげた。じっと見つめる俺の視線に気づくと、この方が痛くないからねと笑って続けた。
「アキト、入れるよ?」
「うんっ……れ…て…ひああっ!…くっ!」
こんなにとろとろに蕩けていても、挿入の衝撃ってやっぱりまだ感じるんだな。頭の片隅の冷静な場所でそんな事を考えながら、俺は衝撃を逃がすように思いっきり声をあげた。
防音結界があるから叫んでも大丈夫な筈だけど、まるで悲鳴のような俺の声にハルは心配そうに目線を合わせてくれた。
「アキト、大丈夫?」
挿入しただけで動きを止めて尋ねてきたハルに、俺は必死に頷きを返した。
「ま、えよ…り…気持ち良…よ」
そう告げれば、中に入ったハルのちんこがぐぐっと更に質量を増した。
「なっ…まだおっき…なるの?」
「くっ…!あのね、アキト。そんな事言われたら大きくもなるよ……あーもう、痛くないんだよね?」
嘘は許さないと言いたげな探るような視線に、俺はこくこくと何度も頷いた。ハルはにっこりと嬉しそうに笑うと、じゃあ動くねと声をかけてきた。
「ア、ああっ…ひぁ…っ!」
きっちりと前立腺を狙って腰を揺らされると、途端にたまらないほどの快感が背筋を走った。
「ま、待って!」
反射的に叫べばハルは不思議そうに首を傾げるけれど、今回は腰は止まらなかった。可愛い仕草だけど、欲望でギラギラした目とは不釣り合いに思える。
「でも、気持ち良いんでしょう?」
「う、良い…けどっ…ひァぁんっ!」
ぐいっと奥まで突き上げられて思わず叫べば、ハルはふふと楽しそうに笑って更に激しく腰を動かしてくる。
「んぁっ!は…うぁっ!あ、ァっ!!」
「うん、良い声」
あれ?何か今日はハルがいつもよりも強引なような?そう思った俺に、ハルは色気たっぷりに囁いた。
「たっぷり楽しもうね?俺の伴侶候補サマ」
ああ、もしかしてこれって、俺が伴侶候補になった事でタガが外れかけてるのかな。
俺の弱点でもある腰骨をいやらしく撫で上げるハルの手に、一体これからどれだけ感じさせられるんだろうと少しだけ不安になった。でも同時に俺が伴侶候補になっただけでそこまで喜んでくれてたんだと、嬉しくなっちゃうんだよな。俺って単純だなと思うけど、惚れた方が負けって言うから仕方ない。
出来る限り精一杯の色気を込めて、俺はハルに向かって嫣然と微笑んでみせた。まあ、出来てるかどうかなんて分からないんだけど。
「ん…おれの…はん、りょ…こう、ほサマ」
途切れ途切れだったけれど甘えるような俺の言葉は、ハルの耳にはきちんと届いたらしい。
「あー…俺、もう、一生アキトには敵わない気がするな」
そんな言葉を吐きながら、それでもハルは幸せそうに笑ってくれた。
「やっ……あ、う…ア…んんっ…」
容赦なく前立腺を狙ってくる器用な指先に翻弄されながら、俺はうっすらと目を開いた。涙で滲んだ視界に見えたハルの目は、まるで飢えた獣のようにギラギラしている。
普段の大人の余裕なんてものは一切なくて、何とか欲望を制御しているだけだとその表情から伝わってくる。
これだけ蕩けていたら、もう入ると思うんだけどな。もういい加減入れて欲しいと願っても、ハルの手はまだ止まる気配が無い。
「…はッ…る…ぅ」
かすれた声で必死になって名前を呼ぶと、すぐに甘い口づけが降ってくる。
違う、違うんだよ、ハル。もちろんハルとするキスは大好きだし、いつでもして欲しいと思ってるよ。思ってるけど、今欲しいのはそれじゃない。
「も、はや…いれっ…てっ…」
たまらなくなって口にした俺の言葉に、ハルはぴたりと指を止めた。
「ハルっ…はや、く……おねがいっ…」
「アキトは本当に…」
煽るのが上手すぎるんだよねと呟いたハルは、最後にもう一度と言いたげに前立腺を刺激してから一気に指を引き抜いた。
「んあぁっ…」
ふるふると余韻に震える俺の後孔に、ハルのちんこがぴたりと押し当てられる。やっと入れてくれる。そう思ったのに、ハルは何故かそこでぴたりと動きを止めてしまった。
「ハルっ…なんでっ?」
これ以上焦らされたくない。そう思いながら慌てて振り返ると、ハルはたっぷりの特製ポーションを自分の手の平に垂らしている所だった。ぬらりと濡れた手が、淡い魔道具の光を反射して怪しく光って見える。
「ちょっとだけ待って」
ハルはそう言うと、その手で自分の性器をゆるゆると扱きあげた。じっと見つめる俺の視線に気づくと、この方が痛くないからねと笑って続けた。
「アキト、入れるよ?」
「うんっ……れ…て…ひああっ!…くっ!」
こんなにとろとろに蕩けていても、挿入の衝撃ってやっぱりまだ感じるんだな。頭の片隅の冷静な場所でそんな事を考えながら、俺は衝撃を逃がすように思いっきり声をあげた。
防音結界があるから叫んでも大丈夫な筈だけど、まるで悲鳴のような俺の声にハルは心配そうに目線を合わせてくれた。
「アキト、大丈夫?」
挿入しただけで動きを止めて尋ねてきたハルに、俺は必死に頷きを返した。
「ま、えよ…り…気持ち良…よ」
そう告げれば、中に入ったハルのちんこがぐぐっと更に質量を増した。
「なっ…まだおっき…なるの?」
「くっ…!あのね、アキト。そんな事言われたら大きくもなるよ……あーもう、痛くないんだよね?」
嘘は許さないと言いたげな探るような視線に、俺はこくこくと何度も頷いた。ハルはにっこりと嬉しそうに笑うと、じゃあ動くねと声をかけてきた。
「ア、ああっ…ひぁ…っ!」
きっちりと前立腺を狙って腰を揺らされると、途端にたまらないほどの快感が背筋を走った。
「ま、待って!」
反射的に叫べばハルは不思議そうに首を傾げるけれど、今回は腰は止まらなかった。可愛い仕草だけど、欲望でギラギラした目とは不釣り合いに思える。
「でも、気持ち良いんでしょう?」
「う、良い…けどっ…ひァぁんっ!」
ぐいっと奥まで突き上げられて思わず叫べば、ハルはふふと楽しそうに笑って更に激しく腰を動かしてくる。
「んぁっ!は…うぁっ!あ、ァっ!!」
「うん、良い声」
あれ?何か今日はハルがいつもよりも強引なような?そう思った俺に、ハルは色気たっぷりに囁いた。
「たっぷり楽しもうね?俺の伴侶候補サマ」
ああ、もしかしてこれって、俺が伴侶候補になった事でタガが外れかけてるのかな。
俺の弱点でもある腰骨をいやらしく撫で上げるハルの手に、一体これからどれだけ感じさせられるんだろうと少しだけ不安になった。でも同時に俺が伴侶候補になっただけでそこまで喜んでくれてたんだと、嬉しくなっちゃうんだよな。俺って単純だなと思うけど、惚れた方が負けって言うから仕方ない。
出来る限り精一杯の色気を込めて、俺はハルに向かって嫣然と微笑んでみせた。まあ、出来てるかどうかなんて分からないんだけど。
「ん…おれの…はん、りょ…こう、ほサマ」
途切れ途切れだったけれど甘えるような俺の言葉は、ハルの耳にはきちんと届いたらしい。
「あー…俺、もう、一生アキトには敵わない気がするな」
そんな言葉を吐きながら、それでもハルは幸せそうに笑ってくれた。
271
お気に入りに追加
4,148
あなたにおすすめの小説
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
▼毎日18時投稿予定
もう人気者とは付き合っていられません
花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。
モテるのは当然だ。でも――。
『たまには二人だけで過ごしたい』
そう願うのは、贅沢なのだろうか。
いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。
「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。
ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。
生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。
※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中
僕がハーブティーを淹れたら、筆頭魔術師様(♂)にプロポーズされました
楠結衣
BL
貴族学園の中庭で、婚約破棄を告げられたエリオット伯爵令息。可愛らしい見た目に加え、ハーブと刺繍を愛する彼は、女よりも女の子らしいと言われていた。女騎士を目指す婚約者に「妹みたい」とバッサリ切り捨てられ、婚約解消されてしまう。
ショックのあまり実家のハーブガーデンに引きこもっていたところ、王宮魔術塔で働く兄から助手に誘われる。
喜ぶ家族を見たら断れなくなったエリオットは筆頭魔術師のジェラール様の執務室へ向かう。そこでエリオットがいつものようにハーブティーを淹れたところ、なぜかプロポーズされてしまい……。
「エリオット・ハワード――俺と結婚しよう」
契約結婚の打診からはじまる男同士の恋模様。
エリオットのハーブティーと刺繍に特別な力があることは、まだ秘密──。
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
氷の華を溶かしたら
こむぎダック
BL
ラリス王国。
男女問わず、子供を産む事ができる世界。
前世の記憶を残したまま、転生を繰り返して来たキャニス。何度生まれ変わっても、誰からも愛されず、裏切られることに疲れ切ってしまったキャニスは、今世では、誰も愛さず何も期待しないと心に決め、笑わない氷華の貴公子と言われる様になった。
ラリス王国の第一王子ナリウスの婚約者として、王子妃教育を受けて居たが、手癖の悪い第一王子から、冷たい態度を取られ続け、とうとう婚約破棄に。
そして、密かにキャニスに、想いを寄せて居た第二王子カリストが、キャニスへの贖罪と初恋を実らせる為に奔走し始める。
その頃、母国の騒ぎから逃れ、隣国に滞在していたキャニスは、隣国の王子シェルビーからの熱烈な求愛を受けることに。
初恋を拗らせたカリストとシェルビー。
キャニスの氷った心を溶かす事ができるのは、どちらか?
平凡モブの僕だけが、ヤンキー君の初恋を知っている。
天城
BL
クラスに一人、目立つヤンキー君がいる。名前を浅川一也。校則無視したド派手な金髪に高身長、垂れ目のイケメンヤンキーだ。停学にならないせいで極道の家の子ではとか実は理事長の孫とか財閥の御曹司とか言われてる。
そんな浅川と『親友』なのは平凡な僕。
お互いそれぞれ理由があって、『恋愛とか結婚とか縁遠いところにいたい』と仲良くなったんだけど。
そんな『恋愛機能不全』の僕たちだったのに、浅川は偶然聞いたピアノの演奏で音楽室の『ピアノの君』に興味を持ったようで……?
恋愛に対して消極的な平凡モブらしく、ヤンキー君の初恋を見守るつもりでいたけれど
どうにも胸が騒いで仕方ない。
※青春っぽい学園ボーイズラブです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる