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263.お昼ごはんと白い花
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白い花が風で揺れる様子を眺めながら、俺達は買ってきた食事を取り出した。
ハルおすすめだという屋台飯は、焼いたお肉と新鮮な野菜を薄いナンのような生地で挟んだものだった。甘辛い味付けのお肉を柑橘の風味がぎゅっと引き締めてて、すっごく俺好みの味だった。
「っ!すごく美味しい!」
「それは良かった。アキトが好きそうな味だと思ってね」
そんな風にさらりと言ってのけたハルは、俺の食事する姿を見ながら表情とか反応から好きな味を予想してたんだと教えてくれた。幽霊の時から俺の食事してる姿を見るのが好きなのかなーとは思ってたけど、そんな事考えてたのか。
「うん、俺の好みばっちりだよ」
「俺も好きな店だから…気に入ってくれたら嬉しいよ」
屋台飯をしっかり食べ終えた後は、ノルパルの実の実食だ。ハルが二つに切り分けてくれた断面は、果肉が白色な事さえ除けば本当にアボカドそっくりだった。
「今日のは種が小さいね」
「俺達の運が良い日だからね」
クスクスと笑い合いながら種を取り除くと、木製のスプーンを取り出す。もちろん二人でお揃いで買った、あの食器セットにあったスプーンだ。
「「いただきます」」
スプーンですくい上げた白い果肉をそっと口に放り込めば、たちまちマンゴーのような濃厚な甘みが口に広がった。
「んー…おいしいっ!」
「ああ、久しぶりだけど美味しいな」
「甘みが濃厚なんだね」
しかも良く熟れたアボカドって感じのクリーミー感があって、これはもう果物というよりすごく手の込んだデザートって感じだった。
「はー美味しかったー!」
「今度ノルパルの実を見つけたらいくつか採取しておきたいね」
「うん。屋台飯も美味しかったよ」
ハルと味覚が近いってのが地味に嬉しいなんて考えていたら、ハルが笑顔で口を開いた。
「味覚が近いみたいで嬉しい」
「うわ…全く同じ事考えてた…」
「ほんと?」
嬉しいとふにゃりと笑ってみせたハルの笑顔があまりに可愛すぎて、俺はそのまま後ろに倒れそうになるのを必死で堪えた。あんなに男前で強いのに不意に可愛いって。ハルって本当にすごいな。
「ほんとだよ!」
俺達は白い花を眺めながら、のんびりと食後の時間を過ごした。本当に誰も来ないからこんな綺麗な景色を二人占めしての食休みだ。
「それにしても、こんなに人がこないのは珍しいね」
ハルはそう言うと、周りの気配を探ってからまた俺に向き直った。
「数人は気配があるけど、ほとんどは帰っちゃったみたいだね」
「それでこんな贅沢な景色を、二人占めできちゃってるのか」
しみじみと呟けば、ハルはふふと嬉しそうに笑ってそっと手を繋いでくれた。
街中はともかく採取地で片手を塞ぐのは、いざという時に命に関わる。そう言ってたけど、今は例外で良いんだ。俺もそっと手に力を入れて握り返した。
「…この白い花、すごい綺麗だよね」
「ああ、綺麗だよね」
ハルはあっさりとそう答えただけだったけど、俺はどうしてもさっきから気になって仕方がない事があった。この花って、明らかに休憩所の周りに植えてあるんだと思うんだよね。
でも、こんなに綺麗だと採られちゃわないのかな。ふと気になってハルに尋ねてみれば、どこにでもある花をあえて選んでるからわざわざここで採取する人はいないんだって。
「色々考えてあるんだね」
「ああ、ここもちゃんと冒険者ギルドが管理してるからね。他にも…」
のんびりと花を見つめながら、俺はハルに色んなことを教えてもらった。
さあ次はホワイトブランカだと意気込んだけれど、そっちはハルがあっさりと群生地を発見して終了した。今日は、俺達本当に運が良い日なのかもしれない。
「終わっちゃったね」
「ああ。少しは残しておいたけど、それにしてもすごい量だ」
いやでも本当に運が良かったら、ウロスに遭遇なんてしないかな。ハルが強かったから大丈夫だっただけで、普通だったら死亡フラグだったかもしれないんだもんな。
ハルおすすめだという屋台飯は、焼いたお肉と新鮮な野菜を薄いナンのような生地で挟んだものだった。甘辛い味付けのお肉を柑橘の風味がぎゅっと引き締めてて、すっごく俺好みの味だった。
「っ!すごく美味しい!」
「それは良かった。アキトが好きそうな味だと思ってね」
そんな風にさらりと言ってのけたハルは、俺の食事する姿を見ながら表情とか反応から好きな味を予想してたんだと教えてくれた。幽霊の時から俺の食事してる姿を見るのが好きなのかなーとは思ってたけど、そんな事考えてたのか。
「うん、俺の好みばっちりだよ」
「俺も好きな店だから…気に入ってくれたら嬉しいよ」
屋台飯をしっかり食べ終えた後は、ノルパルの実の実食だ。ハルが二つに切り分けてくれた断面は、果肉が白色な事さえ除けば本当にアボカドそっくりだった。
「今日のは種が小さいね」
「俺達の運が良い日だからね」
クスクスと笑い合いながら種を取り除くと、木製のスプーンを取り出す。もちろん二人でお揃いで買った、あの食器セットにあったスプーンだ。
「「いただきます」」
スプーンですくい上げた白い果肉をそっと口に放り込めば、たちまちマンゴーのような濃厚な甘みが口に広がった。
「んー…おいしいっ!」
「ああ、久しぶりだけど美味しいな」
「甘みが濃厚なんだね」
しかも良く熟れたアボカドって感じのクリーミー感があって、これはもう果物というよりすごく手の込んだデザートって感じだった。
「はー美味しかったー!」
「今度ノルパルの実を見つけたらいくつか採取しておきたいね」
「うん。屋台飯も美味しかったよ」
ハルと味覚が近いってのが地味に嬉しいなんて考えていたら、ハルが笑顔で口を開いた。
「味覚が近いみたいで嬉しい」
「うわ…全く同じ事考えてた…」
「ほんと?」
嬉しいとふにゃりと笑ってみせたハルの笑顔があまりに可愛すぎて、俺はそのまま後ろに倒れそうになるのを必死で堪えた。あんなに男前で強いのに不意に可愛いって。ハルって本当にすごいな。
「ほんとだよ!」
俺達は白い花を眺めながら、のんびりと食後の時間を過ごした。本当に誰も来ないからこんな綺麗な景色を二人占めしての食休みだ。
「それにしても、こんなに人がこないのは珍しいね」
ハルはそう言うと、周りの気配を探ってからまた俺に向き直った。
「数人は気配があるけど、ほとんどは帰っちゃったみたいだね」
「それでこんな贅沢な景色を、二人占めできちゃってるのか」
しみじみと呟けば、ハルはふふと嬉しそうに笑ってそっと手を繋いでくれた。
街中はともかく採取地で片手を塞ぐのは、いざという時に命に関わる。そう言ってたけど、今は例外で良いんだ。俺もそっと手に力を入れて握り返した。
「…この白い花、すごい綺麗だよね」
「ああ、綺麗だよね」
ハルはあっさりとそう答えただけだったけど、俺はどうしてもさっきから気になって仕方がない事があった。この花って、明らかに休憩所の周りに植えてあるんだと思うんだよね。
でも、こんなに綺麗だと採られちゃわないのかな。ふと気になってハルに尋ねてみれば、どこにでもある花をあえて選んでるからわざわざここで採取する人はいないんだって。
「色々考えてあるんだね」
「ああ、ここもちゃんと冒険者ギルドが管理してるからね。他にも…」
のんびりと花を見つめながら、俺はハルに色んなことを教えてもらった。
さあ次はホワイトブランカだと意気込んだけれど、そっちはハルがあっさりと群生地を発見して終了した。今日は、俺達本当に運が良い日なのかもしれない。
「終わっちゃったね」
「ああ。少しは残しておいたけど、それにしてもすごい量だ」
いやでも本当に運が良かったら、ウロスに遭遇なんてしないかな。ハルが強かったから大丈夫だっただけで、普通だったら死亡フラグだったかもしれないんだもんな。
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