勇者パーティーを追い出された大魔法導士、辺境の地でスローライフを満喫します ~特Aランクの最強魔法使い~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中

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第12話 交換条件

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「スタンスすまなかった、この通りだっ!」
マーキュリーは気持ちいいほどきれいな土下座で俺に謝罪した。

「おれは普段からカッとなりやすい性格なんだ。直そうとは思っているんだがなかなか上手くいかなくてさ」
顔を上げ俺をまっすぐみつめる。

「まったく……あやうく死ぬとこだったぞ」
「へへっ、二度としないよ」
「当たり前だ」
弟子に殺されてたまるか。

「それでだが、お前に魔法を教えてやってもいいけど条件がある」
「なんだ? もしかしてやらしいことか?」
「えぇ~っ! スタンスさん不潔ですっ」
コロンが顔を赤らめながら声を上げた。

「そんなわけないだろっ」
「ふぇ……違うんですか」
とコロン。

「な~んだ、違うのか。兄貴たちが男はやらしいことしか考えてない生き物だって言ってたからてっきりそうだと思ったぜ」
マーキュリーはぼさぼさの髪を掻きながら言う。

「お前の兄貴たちの言うことは無視しろ。それよりお前に魔法を教える条件だが金貨三枚でどうだ?」
「どうだ……ってどういう意味だ?」
「授業料だよ、授業料。ただで魔法を教わろうってのは虫が良すぎるぞ」
俺はこれでも天下の大魔法導士なんだ。
大魔法導士に魔法を教えてもらえるなんて金貨三枚でも安いくらいだ。

だが、
「金のことを言っているのか。だったらおれは持ってないぞ」
手を広げて無一文だとアピールするマーキュリー。

「は? 銅貨一枚すら持ってないのか?」
「ああ、そうだぜ」
「お前どうやって生活してるんだよ」
「スタンスさん、スタンスさん。マーキュリーさんはクォーツ地区の方ですからきっと自給自足の生活でお金は必要ないんだと思いますよ」
とコロンが耳打ちしてくる。

「あ~、なるほど」
「でもなんでお金なんてとるんですか? ただで教えてあげないんですか?」
「ギルドの依頼が全然ないからもう生活費がやばいんだよ」
ひそひそとコロンと話していると、
「なあ、金が要るんだったらおれのスキルが役に立つかもしれないぜ」
マーキュリーが割って入ってきた。

「お前のスキル?」
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