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第52話 超速爆速レベルアップ!
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俺は銀色に光り輝く大きなスライムを追いかけていた。
だが一向にその距離は縮まらない。
そこで俺は、手を前に差し出して、
「グラビティハントっ!」
と口にした。
直後、銀色の大きなスライムの逃げるスピードが遅くなる。
しかしそれでも、かなりの速さであることには違いなかった。
「待て、でかいスライムっ」
俺は必死に追いすがる。
すると次の瞬間、銀色の大きなスライムがぴたっと止まったかと思いきや、俺に向かって体当たりをかましてきた。
「うごっ……!?」
完全に意表を突かれた俺はその一撃をもろにくらってしまう。
思っていた以上にその銀色の大きなスライムの身体は硬く、俺は大きなダメージを受けるとともに後方の壁に激突し、そこで気を失ってしまった。
◆ ◆ ◆
――!
「く、くそっ……やられた」
あまり長くない時間だが眠ってしまっていた俺は、頬をぱしんと叩くと、自分に喝を入れる。
そして、
「あのでかぶつめ……ぜったいに倒してやるからなっ」
気合いを入れ直し、再度銀色の大きなスライムを追い始めた。
◆ ◆ ◆
ゴールドメタルスライムとは違って、銀色の大きなスライムは素早いだけではなく、攻撃力も防御力もかなりのものだった。
そのため、グラビティハントで重力を大きくして負荷をかけてもなお、俺とほぼ互角に渡り合っていた。
銀色の大きなスライムを追い始めてから気付けば1時間が経過していたが、俺は諦める気などさらさらなかった。
待たせている岸田さんには申し訳ないが、どうしても見逃す気にはなれなかったのだ。
なぜならば、あの銀色の大きなスライムはゴールドメタルスライムとどこか同じにおいがするからだった。
もちろん実際のにおいがどうとかではなく、感覚的なものだ。
俺は一目見て、あの銀色の大きなスライムはレア中のレアモンスターであると感じていた。
あのモンスターを倒せば、俺のレベルは飛躍的にアップするのではないか、そんな予感がしていたのだ。
だから俺は、何時間かかろうとも、何日かかろうとも、あの銀色の大きなスライムを倒すと心に誓っていた。
だがその時は意外とすぐに訪れた。
『プハァッ……プヒュー、プヒュー、プヒューッ……』
突然銀色の大きなスライムが通路の真ん中で立ち止まったかと思うと、肩で大きく息をし出したのだ。
そして俺の方を振り向いて、
『プヒャ、プヒャ、プヒャーッ……』
と苦しそうに浅く呼吸をする。
「へへっ、はぁはぁ、俺もだいぶ疲れてるけど、お前の方がもっと疲れてそうだな……ははっ」
『プヒュー、プヒュー、プヒュー、プヒューッ……』
「はぁはぁ、悪いけど見逃す気はないからな、はぁ……はぁ……俺に遭ったのが運の尽きだと思って諦めてくれっ……」
『プヒュー、プヒュー、プヒュー、プヒューッ……』
銀色の大きなスライムを少しだけ可哀想だと思う自分もいたが、見た目に惑わされるな。と自分自身に言い聞かせ、
「お前を倒せば裏ダンジョンへ、また挑戦できそうな気がするんでな……はぁはぁ……倒させてもらうぞっ!」
俺は飛びかかっていった。
そして、
「ホーリーエッジっ!」
俺の今持てる最大級の攻撃を仕掛けた。
その結果――パアァァーーン!
銀色の大きなスライムは大きな破裂音とともに、銀色の光の粒子となって宙に舞い散った。
その美しさたるや、すべてを忘れて見惚れるほどだった。
そして、その光景に目を奪われていた俺の頭の中に、
『プラチナゴッドスライム撃破! 木崎賢吾のレベルが12047に上がりました!』
大幅なレベルアップを告げる無機質な機械の音声が鳴り響いた。
「はっ、はははっ。いける、これならいけるぞっ」
レベルアップをこの身に感じ、俺は打ち震えながらもこぶしを強く握り締め、天に突き上げながら口にする。
「もう一度行くから待ってろよ! ――裏ダンジョンっ!!」
だが一向にその距離は縮まらない。
そこで俺は、手を前に差し出して、
「グラビティハントっ!」
と口にした。
直後、銀色の大きなスライムの逃げるスピードが遅くなる。
しかしそれでも、かなりの速さであることには違いなかった。
「待て、でかいスライムっ」
俺は必死に追いすがる。
すると次の瞬間、銀色の大きなスライムがぴたっと止まったかと思いきや、俺に向かって体当たりをかましてきた。
「うごっ……!?」
完全に意表を突かれた俺はその一撃をもろにくらってしまう。
思っていた以上にその銀色の大きなスライムの身体は硬く、俺は大きなダメージを受けるとともに後方の壁に激突し、そこで気を失ってしまった。
◆ ◆ ◆
――!
「く、くそっ……やられた」
あまり長くない時間だが眠ってしまっていた俺は、頬をぱしんと叩くと、自分に喝を入れる。
そして、
「あのでかぶつめ……ぜったいに倒してやるからなっ」
気合いを入れ直し、再度銀色の大きなスライムを追い始めた。
◆ ◆ ◆
ゴールドメタルスライムとは違って、銀色の大きなスライムは素早いだけではなく、攻撃力も防御力もかなりのものだった。
そのため、グラビティハントで重力を大きくして負荷をかけてもなお、俺とほぼ互角に渡り合っていた。
銀色の大きなスライムを追い始めてから気付けば1時間が経過していたが、俺は諦める気などさらさらなかった。
待たせている岸田さんには申し訳ないが、どうしても見逃す気にはなれなかったのだ。
なぜならば、あの銀色の大きなスライムはゴールドメタルスライムとどこか同じにおいがするからだった。
もちろん実際のにおいがどうとかではなく、感覚的なものだ。
俺は一目見て、あの銀色の大きなスライムはレア中のレアモンスターであると感じていた。
あのモンスターを倒せば、俺のレベルは飛躍的にアップするのではないか、そんな予感がしていたのだ。
だから俺は、何時間かかろうとも、何日かかろうとも、あの銀色の大きなスライムを倒すと心に誓っていた。
だがその時は意外とすぐに訪れた。
『プハァッ……プヒュー、プヒュー、プヒューッ……』
突然銀色の大きなスライムが通路の真ん中で立ち止まったかと思うと、肩で大きく息をし出したのだ。
そして俺の方を振り向いて、
『プヒャ、プヒャ、プヒャーッ……』
と苦しそうに浅く呼吸をする。
「へへっ、はぁはぁ、俺もだいぶ疲れてるけど、お前の方がもっと疲れてそうだな……ははっ」
『プヒュー、プヒュー、プヒュー、プヒューッ……』
「はぁはぁ、悪いけど見逃す気はないからな、はぁ……はぁ……俺に遭ったのが運の尽きだと思って諦めてくれっ……」
『プヒュー、プヒュー、プヒュー、プヒューッ……』
銀色の大きなスライムを少しだけ可哀想だと思う自分もいたが、見た目に惑わされるな。と自分自身に言い聞かせ、
「お前を倒せば裏ダンジョンへ、また挑戦できそうな気がするんでな……はぁはぁ……倒させてもらうぞっ!」
俺は飛びかかっていった。
そして、
「ホーリーエッジっ!」
俺の今持てる最大級の攻撃を仕掛けた。
その結果――パアァァーーン!
銀色の大きなスライムは大きな破裂音とともに、銀色の光の粒子となって宙に舞い散った。
その美しさたるや、すべてを忘れて見惚れるほどだった。
そして、その光景に目を奪われていた俺の頭の中に、
『プラチナゴッドスライム撃破! 木崎賢吾のレベルが12047に上がりました!』
大幅なレベルアップを告げる無機質な機械の音声が鳴り響いた。
「はっ、はははっ。いける、これならいけるぞっ」
レベルアップをこの身に感じ、俺は打ち震えながらもこぶしを強く握り締め、天に突き上げながら口にする。
「もう一度行くから待ってろよ! ――裏ダンジョンっ!!」
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