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第43話 レベルとアイテム
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『グオオォォ』
『グアアァァォ』
『グギギギッ』
・
・
・
俺は白金の大迷宮内でミノタウロスの大群に遭遇していた。
おそらくだが、その数は100体以上いると思われた。
しかしミノタウロスの推奨討伐レベルは100。
それに比べて俺の現在のレベルは3592。
まったくもって相手にはならない。
なので俺は戦闘中であるにもかかわらず、別のことを考えていた。
それは裏ダンジョンについてのことだった。
俺はミノタウロスとの戦闘中だというのに、そのことについてずっと思考を巡らせていた。
なぜなら――
裏ダンジョンとは、本当になんなんだろう? 俺だけが知っているものなのだろうか?
という疑問が浮かんだからだ。
最初は単なる好奇心だったが、今は不思議と強い関心を抱いていた。
一度は死にそうな目にも遭った。
二度と行かないという選択肢だってある。
にもかかわらず、俺は裏ダンジョンのことが頭から離れないでいた。
機会があればまた行ってみたいとすら思う自分がいた。
そしてその思いは日に日に強くなっていた。
『グオオォォッ!』
『グアアァァォッ!』
『グギギギィァーッ!』
・
・
・
ミノタウロスたちが雄叫びを上げる。
「おっと」
俺はハッとすると意識を切り替えた。
そして、
「よしっ! 決めたっ!」
自分の気持ちを素直に口に出すことにした。
「やっぱり俺はもう一度裏ダンジョンに行きたい」
そう宣言する。
「そのためにもお前らには俺の糧になってもらうぞっ!」
俺はそう言い放つと、目の前のミノタウロスたちに殴りかかっていくのだった。
◆ ◆ ◆
それから数分後。
『ミノタウロス撃破! レベルが3596に上がりました!』
「ふぅ~。ようやく片付いたな」
俺は最後の一体であるミノタウロスの腹に風穴を開け、仕留めたところだった。
しかしレベルは上がったものの、かなりの数のモンスターを倒したにしてはやや物足りない。
やはり現状では、レベル上げをするならゴールドメタルスライムが一番効率がいい。
そうとわかれば――
「ゴールドメタルスライムを探しますかっ」
意気込む俺だったが、そんな俺の背後からドスンドスンと足音を響かせ現れ出たのは身の丈3メートルはあるキングゴブリンだった。
「はぁ、今度はお前か……今日はでかいモンスターによく遭うな」
一人つぶやくと俺はこぶしを握り締める。
『ウグォォァァーーッ!』
「かかってくるなら容赦はしないぞっ」
◆ ◆ ◆
結局今日一日で俺のレベルはほんの少しだけしか上がらなかった。
ゴールドメタルスライムに1匹も出遭えなかったのが原因だ。
明日こそは。
そう思いながら俺は帰宅の途についていた。
だがそんな俺の手の中には、つい今しがたダークマンモスというモンスターを倒した際に拾ったアイテムがあった。
それは紙切れのようなものだったが、《ダンジョン通行証》と書かれていた。
「このアイテムはなんなんだろうな?」
俺の知識の中にはないアイテムだった。
「とりあえず、売る前にネットでもう一度よく調べてみるか……」
ここ一ヶ月くらいはずっとダンジョンに潜ったり、バトルトーナメントに出たりと忙しかったので、最近のダンジョン情報はほとんど仕入れていない状態だった。
なので、俺が知らないだけで、世界のどこかではこのダンジョン通行証なるアイテムが発見されているかもしれない。
そう考え、俺は早くネットを開いて調べたいという衝動に駆られ、自然と歩くスピードを速めていた。
「1億円くらいで売れるレアアイテムだったらいいなぁ」
などと、そんな夢みたいなことを口にしながら。
『グアアァァォ』
『グギギギッ』
・
・
・
俺は白金の大迷宮内でミノタウロスの大群に遭遇していた。
おそらくだが、その数は100体以上いると思われた。
しかしミノタウロスの推奨討伐レベルは100。
それに比べて俺の現在のレベルは3592。
まったくもって相手にはならない。
なので俺は戦闘中であるにもかかわらず、別のことを考えていた。
それは裏ダンジョンについてのことだった。
俺はミノタウロスとの戦闘中だというのに、そのことについてずっと思考を巡らせていた。
なぜなら――
裏ダンジョンとは、本当になんなんだろう? 俺だけが知っているものなのだろうか?
という疑問が浮かんだからだ。
最初は単なる好奇心だったが、今は不思議と強い関心を抱いていた。
一度は死にそうな目にも遭った。
二度と行かないという選択肢だってある。
にもかかわらず、俺は裏ダンジョンのことが頭から離れないでいた。
機会があればまた行ってみたいとすら思う自分がいた。
そしてその思いは日に日に強くなっていた。
『グオオォォッ!』
『グアアァァォッ!』
『グギギギィァーッ!』
・
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ミノタウロスたちが雄叫びを上げる。
「おっと」
俺はハッとすると意識を切り替えた。
そして、
「よしっ! 決めたっ!」
自分の気持ちを素直に口に出すことにした。
「やっぱり俺はもう一度裏ダンジョンに行きたい」
そう宣言する。
「そのためにもお前らには俺の糧になってもらうぞっ!」
俺はそう言い放つと、目の前のミノタウロスたちに殴りかかっていくのだった。
◆ ◆ ◆
それから数分後。
『ミノタウロス撃破! レベルが3596に上がりました!』
「ふぅ~。ようやく片付いたな」
俺は最後の一体であるミノタウロスの腹に風穴を開け、仕留めたところだった。
しかしレベルは上がったものの、かなりの数のモンスターを倒したにしてはやや物足りない。
やはり現状では、レベル上げをするならゴールドメタルスライムが一番効率がいい。
そうとわかれば――
「ゴールドメタルスライムを探しますかっ」
意気込む俺だったが、そんな俺の背後からドスンドスンと足音を響かせ現れ出たのは身の丈3メートルはあるキングゴブリンだった。
「はぁ、今度はお前か……今日はでかいモンスターによく遭うな」
一人つぶやくと俺はこぶしを握り締める。
『ウグォォァァーーッ!』
「かかってくるなら容赦はしないぞっ」
◆ ◆ ◆
結局今日一日で俺のレベルはほんの少しだけしか上がらなかった。
ゴールドメタルスライムに1匹も出遭えなかったのが原因だ。
明日こそは。
そう思いながら俺は帰宅の途についていた。
だがそんな俺の手の中には、つい今しがたダークマンモスというモンスターを倒した際に拾ったアイテムがあった。
それは紙切れのようなものだったが、《ダンジョン通行証》と書かれていた。
「このアイテムはなんなんだろうな?」
俺の知識の中にはないアイテムだった。
「とりあえず、売る前にネットでもう一度よく調べてみるか……」
ここ一ヶ月くらいはずっとダンジョンに潜ったり、バトルトーナメントに出たりと忙しかったので、最近のダンジョン情報はほとんど仕入れていない状態だった。
なので、俺が知らないだけで、世界のどこかではこのダンジョン通行証なるアイテムが発見されているかもしれない。
そう考え、俺は早くネットを開いて調べたいという衝動に駆られ、自然と歩くスピードを速めていた。
「1億円くらいで売れるレアアイテムだったらいいなぁ」
などと、そんな夢みたいなことを口にしながら。
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