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第10話 ホブゴブリン
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「はぁ~……おいおいマジか。これで何度目だよ。俺って運だけはいいはずだよな」
またも行き止まりで立ち往生してしまい、俺は落胆とともに大きくため息をつく。
骸骨と出遭ってからもうかれこれ10時間近く、俺はダンジョン内をさまよっていた。
ダンジョンの中はだだっ広い空間もあれば、迷路のように入り組んだ通路もあるのだが、俺はそんな迷路のような通路に完全に迷い込んでしまっていたようだった。
「マズいぞ……このままだとマジで行き倒れになっちまう」
俺は焦りからくる汗なのか、疲れからくる汗なのか、どちらともわからない額の汗を手で拭うと唇を噛みしめる。
やみくもに歩き回っても体力を消耗するだけだし、かといって、ただじっとしているだけでは事態は何も変わらない。
まさしく八方ふさがりだった。
そんな中、追い打ちをかけるように、
ぺたん、ぺたん。と、どこからかモンスターの足音が聞こえてくる。
音はゆっくりとこちらに近付いてきているようだった。
俺はとっさに身構えた。
すると次の瞬間、通路の曲がり角から現れたのはこんぼうを手にしたホブゴブリンだった。
心身ともに疲れ果て、その上空腹である俺としては遭遇したくなかった相手だ。
というのも、ホブゴブリンはゴブリンより数段格上のモンスターだからだ。
レベルが164に上がっているとはいえ、最悪なコンディションで、初めて出遭ったモンスターと戦わなければいけない。
先手必勝。
どうせ戦わなければならないのならば、速攻で終わらせてやる!
俺はそう考え、ホブゴブリンが戦闘態勢に入る前に飛びかかっていった。
「うおおーっ!」
雄叫びをあげながら、こぶしを振りかぶる。
そしてホブゴブリンの顔面を思いきり打ち抜いた。
ドゴッ。
鈍い打撃音が響き渡り、ホブゴブリンは吹っ飛んでいくと壁に激突する。
さらに間髪入れず、追撃を加えるべく駆け寄ろうとしたその時――
パキッと小枝を踏んだような乾いた音が耳に届いた。
ハッとして振り向くと、反対側の通路からもう一体、ホブゴブリンがやってきていた。
ふざけるなよ。
俺の運の数値はとんでもなく高かったはずだぞ。
なのにどういうことなんだ。
全然ツイてないじゃないか……。
「……くそったれ!」
俺は悪態をつくと、もう一体のホブゴブリンに対して前蹴りを浴びせ後方に追いやり、その隙に一体目のホブゴブリンのとどめを刺すため、心臓部分に体重の乗ったパンチをお見舞いしてやった。
『ギャァッ……!』
胸に強い衝撃を受け、ホブゴブリンは膝から崩れ落ちるようにして地面に沈む。
さらにダメ押しとばかりに、俺はホブゴブリンの頭を踏み潰した。
それにより、ホブゴブリンは緑色の粒子となって霧散していく。
一体目のホブゴブリンの死を見届ける暇もなく、俺はもう一体のホブゴブリンに駆け寄り、
「次はお前だぁっ!」
全身全霊を込めた右ストレートをホブゴブリンのあごめがけて放った。
『ガァッ……!』
こぶしがヒットすると、ホブゴブリンの首は一瞬でおかしな方向に曲がった。
結局その一打が決め手となり、ホブゴブリンは塵となって消滅した。
またも行き止まりで立ち往生してしまい、俺は落胆とともに大きくため息をつく。
骸骨と出遭ってからもうかれこれ10時間近く、俺はダンジョン内をさまよっていた。
ダンジョンの中はだだっ広い空間もあれば、迷路のように入り組んだ通路もあるのだが、俺はそんな迷路のような通路に完全に迷い込んでしまっていたようだった。
「マズいぞ……このままだとマジで行き倒れになっちまう」
俺は焦りからくる汗なのか、疲れからくる汗なのか、どちらともわからない額の汗を手で拭うと唇を噛みしめる。
やみくもに歩き回っても体力を消耗するだけだし、かといって、ただじっとしているだけでは事態は何も変わらない。
まさしく八方ふさがりだった。
そんな中、追い打ちをかけるように、
ぺたん、ぺたん。と、どこからかモンスターの足音が聞こえてくる。
音はゆっくりとこちらに近付いてきているようだった。
俺はとっさに身構えた。
すると次の瞬間、通路の曲がり角から現れたのはこんぼうを手にしたホブゴブリンだった。
心身ともに疲れ果て、その上空腹である俺としては遭遇したくなかった相手だ。
というのも、ホブゴブリンはゴブリンより数段格上のモンスターだからだ。
レベルが164に上がっているとはいえ、最悪なコンディションで、初めて出遭ったモンスターと戦わなければいけない。
先手必勝。
どうせ戦わなければならないのならば、速攻で終わらせてやる!
俺はそう考え、ホブゴブリンが戦闘態勢に入る前に飛びかかっていった。
「うおおーっ!」
雄叫びをあげながら、こぶしを振りかぶる。
そしてホブゴブリンの顔面を思いきり打ち抜いた。
ドゴッ。
鈍い打撃音が響き渡り、ホブゴブリンは吹っ飛んでいくと壁に激突する。
さらに間髪入れず、追撃を加えるべく駆け寄ろうとしたその時――
パキッと小枝を踏んだような乾いた音が耳に届いた。
ハッとして振り向くと、反対側の通路からもう一体、ホブゴブリンがやってきていた。
ふざけるなよ。
俺の運の数値はとんでもなく高かったはずだぞ。
なのにどういうことなんだ。
全然ツイてないじゃないか……。
「……くそったれ!」
俺は悪態をつくと、もう一体のホブゴブリンに対して前蹴りを浴びせ後方に追いやり、その隙に一体目のホブゴブリンのとどめを刺すため、心臓部分に体重の乗ったパンチをお見舞いしてやった。
『ギャァッ……!』
胸に強い衝撃を受け、ホブゴブリンは膝から崩れ落ちるようにして地面に沈む。
さらにダメ押しとばかりに、俺はホブゴブリンの頭を踏み潰した。
それにより、ホブゴブリンは緑色の粒子となって霧散していく。
一体目のホブゴブリンの死を見届ける暇もなく、俺はもう一体のホブゴブリンに駆け寄り、
「次はお前だぁっ!」
全身全霊を込めた右ストレートをホブゴブリンのあごめがけて放った。
『ガァッ……!』
こぶしがヒットすると、ホブゴブリンの首は一瞬でおかしな方向に曲がった。
結局その一打が決め手となり、ホブゴブリンは塵となって消滅した。
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