9 / 59
第9話 使い魔の卵
しおりを挟む
「な、なんだったんだ一体……」
正体不明の骸骨は幻だったのではないか。
そう思いたかったが、首筋に手をやると、たった今つけられた傷から血が出ているのが確認できた。
『もっと強くなれ人間よ。さすれば我が冥界へといざなってやる』
骸骨の言葉が耳から離れない。
あれはどういう意味だったのだろうか……?
俺は少しの間、その場に立ち尽くしていた。
だが、何気なく足元に目線を落とした時、そこに気になる物が落ちていることに気付いた。
「なんだ、これ……?」
地面に落ちていた物を拾い上げ、観察する。
それはカラフルな模様の卵に見えた。
大きさは野球ボールくらいで、表面はつるっとしている。
「もしかして、さっきの骸骨が置いていったのか?」
誰にともなく問いかけるが、当然答えは返ってこない。
そこで、俺はステータス画面を開いて、それがアイテムなのかどうかを確かめてみることにした。
「ステータスオープン」と口にして自分のステータスを表示させると、画面をスクロールし所持アイテム欄を開く。
するとそこには<使い魔の卵>という文字があった。
「使い魔の卵……?」
それは俺が今までネットを駆使してかき集めた情報の中にはないアイテムだった。
俺は使い魔の卵とやらの説明文に目を通す。
それによると、使い魔の卵は12時間所持し続けると何かしらのモンスターが生まれてくるらしい。
そしてその生まれてきたモンスターは使役することが出来るようだった。
「へー、生まれてくるモンスター次第では役に立ちそうなアイテムだな」
感心してそう口にするが、俺の情報網にないアイテムである以上、使い魔の卵はレアアイテムである可能性が高い。
なので俺は、モンスターを孵化させることはせずに国に買い取ってもらうことに決めた。
ただそのためにはまず、このダンジョンを脱出しなくてはならない。
目下のところ俺は迷子状態なので、早いとこ見知った通路をみつけないとレアアイテムを売るうんぬんの前に俺はダンジョン内で遭難してしまう。
もしそうなったら目も当てられない。
「うーん……とりあえず、こっちに行ってみるか」
俺は自分の直感だけを頼りに進む道を定めると、棒のようになっていた足を動かし一歩ずつ歩み始めるのだった。
正体不明の骸骨は幻だったのではないか。
そう思いたかったが、首筋に手をやると、たった今つけられた傷から血が出ているのが確認できた。
『もっと強くなれ人間よ。さすれば我が冥界へといざなってやる』
骸骨の言葉が耳から離れない。
あれはどういう意味だったのだろうか……?
俺は少しの間、その場に立ち尽くしていた。
だが、何気なく足元に目線を落とした時、そこに気になる物が落ちていることに気付いた。
「なんだ、これ……?」
地面に落ちていた物を拾い上げ、観察する。
それはカラフルな模様の卵に見えた。
大きさは野球ボールくらいで、表面はつるっとしている。
「もしかして、さっきの骸骨が置いていったのか?」
誰にともなく問いかけるが、当然答えは返ってこない。
そこで、俺はステータス画面を開いて、それがアイテムなのかどうかを確かめてみることにした。
「ステータスオープン」と口にして自分のステータスを表示させると、画面をスクロールし所持アイテム欄を開く。
するとそこには<使い魔の卵>という文字があった。
「使い魔の卵……?」
それは俺が今までネットを駆使してかき集めた情報の中にはないアイテムだった。
俺は使い魔の卵とやらの説明文に目を通す。
それによると、使い魔の卵は12時間所持し続けると何かしらのモンスターが生まれてくるらしい。
そしてその生まれてきたモンスターは使役することが出来るようだった。
「へー、生まれてくるモンスター次第では役に立ちそうなアイテムだな」
感心してそう口にするが、俺の情報網にないアイテムである以上、使い魔の卵はレアアイテムである可能性が高い。
なので俺は、モンスターを孵化させることはせずに国に買い取ってもらうことに決めた。
ただそのためにはまず、このダンジョンを脱出しなくてはならない。
目下のところ俺は迷子状態なので、早いとこ見知った通路をみつけないとレアアイテムを売るうんぬんの前に俺はダンジョン内で遭難してしまう。
もしそうなったら目も当てられない。
「うーん……とりあえず、こっちに行ってみるか」
俺は自分の直感だけを頼りに進む道を定めると、棒のようになっていた足を動かし一歩ずつ歩み始めるのだった。
30
お気に入りに追加
1,362
あなたにおすすめの小説
「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした
御浦祥太
ファンタジー
どこにでもいる高校生、朝比奈結人《あさひなゆいと》は修学旅行で京都を訪れた際に、突然清水寺から落下してしまう。不思議な空間にワープした結人は女神を名乗る女性に会い、自分がこれから異世界転生することを告げられる。
異世界と聞いて結人は、何かチートのような特別なスキルがもらえるのか女神に尋ねるが、返ってきたのは「残念でした~~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~~ん(笑)」という強烈な言葉だった。
女神の言葉に落胆しつつも異世界に転生させられる結人。
――しかし、彼は知らなかった。
転移先がまさかの禁断のレベルアップの実の群生地であり、その実を食べることで自身のレベルが世界最高となることを――
最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~
華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』
たったこの一言から、すべてが始まった。
ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。
そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。
それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。
ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。
スキルとは祝福か、呪いか……
ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!!
主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。
ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。
ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。
しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。
一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。
途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。
その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。
そして、世界存亡の危機。
全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した……
※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。
外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。
しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。
『ハズレスキルだ!』
同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。
そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』
固有スキルガチャで最底辺からの大逆転だモ~モンスターのスキルを使えるようになった俺のお気楽ダンジョンライフ~
うみ
ファンタジー
恵まれない固有スキルを持って生まれたクラウディオだったが、一人、ダンジョンの一階層で宝箱を漁ることで生計を立てていた。
いつものように一階層を探索していたところ、弱い癖に探索者を続けている彼の態度が気に入らない探索者によって深層に飛ばされてしまう。
モンスターに襲われ絶体絶命のピンチに機転を利かせて切り抜けるも、ただの雑魚モンスター一匹を倒したに過ぎなかった。
そこで、クラウディオは固有スキルを入れ替えるアイテムを手に入れ、大逆転。
モンスターの力を吸収できるようになった彼は深層から無事帰還することができた。
その後、彼と同じように深層に転移した探索者の手助けをしたり、彼を深層に飛ばした探索者にお灸をすえたり、と彼の生活が一変する。
稼いだ金で郊外で隠居生活を送ることを目標に今日もまたダンジョンに挑むクラウディオなのであった。
『箱を開けるモ』
「餌は待てと言ってるだろうに」
とあるイベントでくっついてくることになった生意気なマーモットと共に。
異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。
異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。
せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。
そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。
これは天啓か。
俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。
【魔物島】~コミュ障な俺はモンスターが生息する島で一人淡々とレベルを上げ続ける~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
【俺たちが飛ばされた魔物島には恐ろしいモンスターたちが棲みついていた――!?】
・コミュ障主人公のレベリング無双ファンタジー!
十九歳の男子学生、柴木善は大学の入学式の最中突如として起こった大地震により気を失ってしまう。
そして柴木が目覚めた場所は見たことのないモンスターたちが跋扈する絶海の孤島だった。
その島ではレベルシステムが発現しており、倒したモンスターに応じて経験値を獲得できた。
さらに有用なアイテムをドロップすることもあり、それらはスマホによって管理が可能となっていた。
柴木以外の入学式に参加していた学生や教師たちもまたその島に飛ばされていて、恐ろしいモンスターたちを相手にしたサバイバル生活を強いられてしまう。
しかしそんな明日をも知れぬサバイバル生活の中、柴木だけは割と快適な日常を送っていた。
人と関わることが苦手な柴木はほかの学生たちとは距離を取り、一人でただひたすらにモンスターを狩っていたのだが、モンスターが落とすアイテムを上手く使いながら孤島の生活に順応していたのだ。
そしてそんな生活を一人で三ヶ月も続けていた柴木は、ほかの学生たちとは文字通りレベルが桁違いに上がっていて、自分でも気付かないうちに人間の限界を超えていたのだった。
異世界転生!俺はここで生きていく
おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。
同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。
今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。
だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。
意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった!
魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。
俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。
それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ!
小説家になろうでも投稿しています。
メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。
宜しくお願いします。
【完結】投げる男〜異世界転移して石を投げ続けたら最強になってた話〜
心太
ファンタジー
【何故、石を投げてたら賢さと魅力も上がるんだ?!】
(大分前に書いたモノ。どこかのサイトの、何かのコンテストで最終選考まで残ったが、その後、日の目を見る事のなかった話)
雷に打たれた俺は異世界に転移した。
目の前に現れたステータスウインドウ。そこは古風なRPGの世界。その辺に転がっていた石を投げてモンスターを倒すと経験値とお金が貰えました。こんな楽しい世界はない。モンスターを倒しまくってレベル上げ&お金持ち目指します。
──あれ? 自分のステータスが見えるのは俺だけ?
──ステータスの魅力が上がり過ぎて、神話級のイケメンになってます。
細かい事は気にしない、勇者や魔王にも興味なし。自分の育成ゲームを楽しみます。
俺は今日も伝説の武器、石を投げる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる