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第216話 自爆
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――耳鳴りがする。
スラは大量発生したドラゴンとともに自爆した。
ドラゴンたちは消滅しスラもまた消滅した。
ぱらぱらと石片が飛び散る中、
カランカラン……。
と俺の目の前にダイヤモンドティアラが転がってきた。
俺はそれを掴むとゆっくり起き上がった。
「あ、マツイさん動けるようになったんで――」
「これ、俺がスラにあげたやつだ」
スラ、これもらってすごく喜んでいたっけ。
スラの喜んだ顔が目に浮かぶ。
「マ、マツイさん。だ、大丈夫ですか……?」
「……ああ、俺はな」
「……あ、あの――」
「そうだ。宝箱……ってさっきの爆発で消し飛んじゃったか……」
部屋の中には石片だけしかない。
「た、宝箱ってマツイさん、今スラさんが死んだんですよっ! それなのに宝箱の心配ですかっ!」
ククリが今まで見せたことないような悲しい顔で怒鳴った。
「……」
「スラさんはマツイさんを守るために死を選んだんですよっ!」
「……」
「スラさんはマツイさんのことが大好きだから……大好きだったからっ!」
「……」
「それなのにマツイさんは――」
「わかってるよっ!」
俺はククリの言葉を遮るように声を振り絞った。
「俺のせいだっ、俺のせいでスラは死んだんだっ、わかってるよっ!」
「な、何もマツイさんのせいだなんて、言ってはいませんけど……」
「……俺、地上に戻るよ」
「え……マツイさん……?」
俺は全裸になるとダイヤモンドティアラ以外の持っていたもの、着ていたものをすべてその場に置いた。
「ど、どういうことですか? このアイテムは……? お金も……」
「俺はもうここには来ない。ダンジョンで拾って持ち帰った家にあるものも全部処分するよ」
「え……そんな……」
ククリは捨てられた子犬のような顔をする。
「でもこれだけは持って帰らせてほしい。頼む」
俺はダイヤモンドティアラをククリに見せてから頭を下げた。
「……マツイさん、あの――」
「ここでお別れだククリ。俺は一人で戻るよ。じゃあな」
俺はククリの目を見ることもなくきびすを返したのだった。
俺のレベルが上がっていたからかそれとも俺を見て直感的にモンスターたちが近寄ってはいけないと悟ったからなのか地上に戻るまでの間に俺に向かってくるモンスターは一体もいなかった。
そして――
この日を境に俺はトウキョウダンジョンに潜るのをやめた。
スラは大量発生したドラゴンとともに自爆した。
ドラゴンたちは消滅しスラもまた消滅した。
ぱらぱらと石片が飛び散る中、
カランカラン……。
と俺の目の前にダイヤモンドティアラが転がってきた。
俺はそれを掴むとゆっくり起き上がった。
「あ、マツイさん動けるようになったんで――」
「これ、俺がスラにあげたやつだ」
スラ、これもらってすごく喜んでいたっけ。
スラの喜んだ顔が目に浮かぶ。
「マ、マツイさん。だ、大丈夫ですか……?」
「……ああ、俺はな」
「……あ、あの――」
「そうだ。宝箱……ってさっきの爆発で消し飛んじゃったか……」
部屋の中には石片だけしかない。
「た、宝箱ってマツイさん、今スラさんが死んだんですよっ! それなのに宝箱の心配ですかっ!」
ククリが今まで見せたことないような悲しい顔で怒鳴った。
「……」
「スラさんはマツイさんを守るために死を選んだんですよっ!」
「……」
「スラさんはマツイさんのことが大好きだから……大好きだったからっ!」
「……」
「それなのにマツイさんは――」
「わかってるよっ!」
俺はククリの言葉を遮るように声を振り絞った。
「俺のせいだっ、俺のせいでスラは死んだんだっ、わかってるよっ!」
「な、何もマツイさんのせいだなんて、言ってはいませんけど……」
「……俺、地上に戻るよ」
「え……マツイさん……?」
俺は全裸になるとダイヤモンドティアラ以外の持っていたもの、着ていたものをすべてその場に置いた。
「ど、どういうことですか? このアイテムは……? お金も……」
「俺はもうここには来ない。ダンジョンで拾って持ち帰った家にあるものも全部処分するよ」
「え……そんな……」
ククリは捨てられた子犬のような顔をする。
「でもこれだけは持って帰らせてほしい。頼む」
俺はダイヤモンドティアラをククリに見せてから頭を下げた。
「……マツイさん、あの――」
「ここでお別れだククリ。俺は一人で戻るよ。じゃあな」
俺はククリの目を見ることもなくきびすを返したのだった。
俺のレベルが上がっていたからかそれとも俺を見て直感的にモンスターたちが近寄ってはいけないと悟ったからなのか地上に戻るまでの間に俺に向かってくるモンスターは一体もいなかった。
そして――
この日を境に俺はトウキョウダンジョンに潜るのをやめた。
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