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第161話 ボアのドロップ
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地下七階層は体長二メートルほどのイノシシによく似たモンスター、ボアの出るフロアだ。
丸腰の俺はボアに出遭わないようにしながらフロアの宝箱を探して回る。
そうそうに満腹草とムカデ草をみつけた俺だったが三つ目の宝箱の前にボアがいるのを目にした。
「あいつ邪魔だなぁ。どっか行ってくれないかな……」
「倒せばいいじゃないですか」
ククリは言う。
「それはそうだけど俺今武器も持ってないし……」
「そんなのなくてもボア相手なら素手でも余裕ですよ」
「そう言われても……」
手をこまねいているとボアもこっちに気付いたようで前足をざっざっと動かして今にも向かってきそうな体勢をとる。
「あら~、気付かれましたね」
『マツイさん、頑張れー!』
スラの掛け声を合図にしたようにボアは俺めがけて突進してきた。
がしっ。
俺はボアの突進を牙を掴んで受け止めると、
「このっ!」
首のあたりを狙って右足で蹴りを入れた。
ドゴーン!
二メートルの巨体が壁に吹っ飛び激突する。
そのまま地面に倒れたボアは泡となり消滅していった。
『やったー、マツイさんかっこいいー』
スラが跳んで喜ぶ中ククリが冷静に、
「ほら、武器がなくても倒せたでしょう」
俺の顔を見てにこりと微笑む。
「あ、ああ」
俺は自分でもびっくりだがまるでバトル漫画の主人公ばりにボアを圧倒して倒すことが出来たのだった。
結局そこの部屋にあった宝箱は罠だったのだが俺はその後も出遭ったボアを素手で蹴散らしていった。
そして地下八階層へと続く階段のある部屋でも、
「おらっ!」
『ブフー……ッ!』
俺はボアの牙を持つ手に力を込めて強引にボアの首をへし折った。
「ふぅ……」
足元で消滅していくボアを見下ろす俺。
と、
「あっ、マツイさん宝箱ですっ」
『ほんとだほんとだー!』
ボアが消え去ったあとに宝箱が出現した。
ボアのドロップアイテムだ。
「開けてみましょうか」
『何かなー?』
ククリは俺の頭上からスラは俺の横にぴったりとくっつき宝箱の中を覗き込む。
開けなくても透視をつかわなくても中身は大体わかる。
ボアが落とすアイテムは一種類しかないはずだ。
俺は宝箱に手をかけた。
ガチャ。ギイィィ……。
中にはピンク色の肉の塊が入っていた。
「やっぱりボアの肉だ」
「そうですね」
『ボアの肉っ!? やったー! 美味しいんだよね、それ。食べよ食べよー!』
スラがつやつやの肌を俺の腕にこすりつけながら感情を表現する。
「まあ、待て。いくらなんでもまだ早いだろ」
『えー』
「さっき毒消し草も食べたしこれはもう少しあとで食べような。その時はスラがいっぱい食べていいから。な?」
『うん……わかった』
少しだけ口をとがらせるもスラは素直に言うことをきいてくれた。
俺は布の袋にボアの肉を詰め込むとククリとスラを連れ地下八階層に下りていった。
丸腰の俺はボアに出遭わないようにしながらフロアの宝箱を探して回る。
そうそうに満腹草とムカデ草をみつけた俺だったが三つ目の宝箱の前にボアがいるのを目にした。
「あいつ邪魔だなぁ。どっか行ってくれないかな……」
「倒せばいいじゃないですか」
ククリは言う。
「それはそうだけど俺今武器も持ってないし……」
「そんなのなくてもボア相手なら素手でも余裕ですよ」
「そう言われても……」
手をこまねいているとボアもこっちに気付いたようで前足をざっざっと動かして今にも向かってきそうな体勢をとる。
「あら~、気付かれましたね」
『マツイさん、頑張れー!』
スラの掛け声を合図にしたようにボアは俺めがけて突進してきた。
がしっ。
俺はボアの突進を牙を掴んで受け止めると、
「このっ!」
首のあたりを狙って右足で蹴りを入れた。
ドゴーン!
二メートルの巨体が壁に吹っ飛び激突する。
そのまま地面に倒れたボアは泡となり消滅していった。
『やったー、マツイさんかっこいいー』
スラが跳んで喜ぶ中ククリが冷静に、
「ほら、武器がなくても倒せたでしょう」
俺の顔を見てにこりと微笑む。
「あ、ああ」
俺は自分でもびっくりだがまるでバトル漫画の主人公ばりにボアを圧倒して倒すことが出来たのだった。
結局そこの部屋にあった宝箱は罠だったのだが俺はその後も出遭ったボアを素手で蹴散らしていった。
そして地下八階層へと続く階段のある部屋でも、
「おらっ!」
『ブフー……ッ!』
俺はボアの牙を持つ手に力を込めて強引にボアの首をへし折った。
「ふぅ……」
足元で消滅していくボアを見下ろす俺。
と、
「あっ、マツイさん宝箱ですっ」
『ほんとだほんとだー!』
ボアが消え去ったあとに宝箱が出現した。
ボアのドロップアイテムだ。
「開けてみましょうか」
『何かなー?』
ククリは俺の頭上からスラは俺の横にぴったりとくっつき宝箱の中を覗き込む。
開けなくても透視をつかわなくても中身は大体わかる。
ボアが落とすアイテムは一種類しかないはずだ。
俺は宝箱に手をかけた。
ガチャ。ギイィィ……。
中にはピンク色の肉の塊が入っていた。
「やっぱりボアの肉だ」
「そうですね」
『ボアの肉っ!? やったー! 美味しいんだよね、それ。食べよ食べよー!』
スラがつやつやの肌を俺の腕にこすりつけながら感情を表現する。
「まあ、待て。いくらなんでもまだ早いだろ」
『えー』
「さっき毒消し草も食べたしこれはもう少しあとで食べような。その時はスラがいっぱい食べていいから。な?」
『うん……わかった』
少しだけ口をとがらせるもスラは素直に言うことをきいてくれた。
俺は布の袋にボアの肉を詰め込むとククリとスラを連れ地下八階層に下りていった。
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