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第140話 万能キー
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ゴゴゴゴゴ……。
エルダーグリュプスを倒したことで部屋と通路を分断していた石の壁が開き、新たな階段が姿を見せた。
エルダーグリュプスが消滅したあたりから宝箱も現れる。
「わーい! マツイさーん、やりましたね――んみゅっ!?」
「何がやりましたねだ、また大事なこと伝え忘れやがって。マジで死んでもおかしくなかったんだからな」
俺はククリのほっぺたを両側から押さえつける。
「勝てたんらからいいじゃらいれしゅか」
「まったく……俺はいつかククリのせいで死ぬんじゃないかって気がするよ」
「やですよ、そんなことあるはずないじゃないですか~」
俺の胸をとんと叩き笑顔で返すククリ。
反省の色は見えない。
『ピキー』
スラも駆けつけてくれる。
「おお、ありがとうなスラ」
なんて言ってるのかはわからないが多分勝ててよかったねとかそんなとこだろう。
俺はスラを抱きかかえて頭を撫でた。
「マツイさん。スラさんはお腹がすいたって言ったんですよ」
「え、そうなの? スラ、そうなのか?」
『ピキー』
うんうんうなずく。
「燃費悪いな、お前」
なんだ。俺の勝利を喜んで駆けつけたわけじゃないのか。
「悪いけど食べ物はないなぁ。ちょっと我慢しててくれ、その内薬草くらいなら多分手に入るから」
カエルの涙っていう液体ならあるがこれは飲むものではなく石化した体に振りかけるものらしいしな。
『ピキー』
「うん、いい子だ」
俺はスラを地面に下ろすと宝箱に目を向けた。
「マツイさん、この宝箱の中身が食べ物かもしれないですよ」
「かもな。もし食べ物だったらすぐやるからな」
『ピキー』
俺はふたりに囲まれながら宝箱を開けてみた。
ガチャ。ギイィィ……。
「ん? ……これは、カギか?」
宝箱の底にぽつんと置かれていたものは銀色で複雑な形をしたカギのようだった。
『ピキー?』
「残念だけど食べ物じゃないな、これは。だよな? ククリ」
俺はカギのようなものを拾い上げるとククリに見せる。
「はい。それは正真正銘カギですね」
断言するククリ。
『ピキー』
スラはわかりやすくがっかりしてうなだれるが俺は今はこのカギに興味がある。
「ククリ、このカギはなんだ?」
「万能キーです」
「万能キー?」
なんか期待が膨らむ名前だが。
「どんなアイテムなんだ? 教えてくれ」
「どんなカギでも開けられる魔法のカギです。このトウキョウダンジョンにはまれにカギのかかった宝箱が出てくることがあるんですけどその宝箱はこの万能キーがないと開けることは出来ません」
「その宝箱ってレアアイテムが入ってたりするのか?」
「もちろんですよ。カギがかかっているくらいですからね。深層階に行けば行くほどカギのかかった宝箱が増えてくるはずですよ」
とククリは言う。
「ほほう。ちなみに売るといくらだ?」
「万能キーですか? 百円ですけど」
「安っ!?」
「だってただのカギですから。それ自体にはなんの価値もありませんし」
「だとしても安いだろ……」
百円なら売る必要はないかな。
万が一のために持っておくか。
『ピキー』
「それよりスラさんがお腹すいたから早く次の階でアイテム探そうですって」
「わかったわかった。今から行くよ」
俺には腹減らずのお守りがあるから腹は一切減らないがスラはそうではない。
万能キーを皮の袋の中にしまうと俺はククリとスラを連れ地下十二階層への階段を下り出した。
エルダーグリュプスを倒したことで部屋と通路を分断していた石の壁が開き、新たな階段が姿を見せた。
エルダーグリュプスが消滅したあたりから宝箱も現れる。
「わーい! マツイさーん、やりましたね――んみゅっ!?」
「何がやりましたねだ、また大事なこと伝え忘れやがって。マジで死んでもおかしくなかったんだからな」
俺はククリのほっぺたを両側から押さえつける。
「勝てたんらからいいじゃらいれしゅか」
「まったく……俺はいつかククリのせいで死ぬんじゃないかって気がするよ」
「やですよ、そんなことあるはずないじゃないですか~」
俺の胸をとんと叩き笑顔で返すククリ。
反省の色は見えない。
『ピキー』
スラも駆けつけてくれる。
「おお、ありがとうなスラ」
なんて言ってるのかはわからないが多分勝ててよかったねとかそんなとこだろう。
俺はスラを抱きかかえて頭を撫でた。
「マツイさん。スラさんはお腹がすいたって言ったんですよ」
「え、そうなの? スラ、そうなのか?」
『ピキー』
うんうんうなずく。
「燃費悪いな、お前」
なんだ。俺の勝利を喜んで駆けつけたわけじゃないのか。
「悪いけど食べ物はないなぁ。ちょっと我慢しててくれ、その内薬草くらいなら多分手に入るから」
カエルの涙っていう液体ならあるがこれは飲むものではなく石化した体に振りかけるものらしいしな。
『ピキー』
「うん、いい子だ」
俺はスラを地面に下ろすと宝箱に目を向けた。
「マツイさん、この宝箱の中身が食べ物かもしれないですよ」
「かもな。もし食べ物だったらすぐやるからな」
『ピキー』
俺はふたりに囲まれながら宝箱を開けてみた。
ガチャ。ギイィィ……。
「ん? ……これは、カギか?」
宝箱の底にぽつんと置かれていたものは銀色で複雑な形をしたカギのようだった。
『ピキー?』
「残念だけど食べ物じゃないな、これは。だよな? ククリ」
俺はカギのようなものを拾い上げるとククリに見せる。
「はい。それは正真正銘カギですね」
断言するククリ。
『ピキー』
スラはわかりやすくがっかりしてうなだれるが俺は今はこのカギに興味がある。
「ククリ、このカギはなんだ?」
「万能キーです」
「万能キー?」
なんか期待が膨らむ名前だが。
「どんなアイテムなんだ? 教えてくれ」
「どんなカギでも開けられる魔法のカギです。このトウキョウダンジョンにはまれにカギのかかった宝箱が出てくることがあるんですけどその宝箱はこの万能キーがないと開けることは出来ません」
「その宝箱ってレアアイテムが入ってたりするのか?」
「もちろんですよ。カギがかかっているくらいですからね。深層階に行けば行くほどカギのかかった宝箱が増えてくるはずですよ」
とククリは言う。
「ほほう。ちなみに売るといくらだ?」
「万能キーですか? 百円ですけど」
「安っ!?」
「だってただのカギですから。それ自体にはなんの価値もありませんし」
「だとしても安いだろ……」
百円なら売る必要はないかな。
万が一のために持っておくか。
『ピキー』
「それよりスラさんがお腹すいたから早く次の階でアイテム探そうですって」
「わかったわかった。今から行くよ」
俺には腹減らずのお守りがあるから腹は一切減らないがスラはそうではない。
万能キーを皮の袋の中にしまうと俺はククリとスラを連れ地下十二階層への階段を下り出した。
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