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第76話 影縫いのお守り
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「はあっ……はあっ……」
俺はにおい袋のにおいにつられて寄ってきたコボルトたちを一掃した。
するとコボルトたちがいた辺りから宝箱が出現した。
「マツイさん、ドロップアイテムですよっ」
「……ああ、わかってる」
息を整えつつ宝箱に近付いていくと魔眼の透視能力で罠ではないことを確認してからこれを開けた。
「あ……またお守りだ」
中に入っていたのは先ほど手に入れた解呪のお守りとよく似た形のお守りだった。
ただ布地には[解呪]ではなく[影縫い]と刺繍が施されている。
「わあっ! それって影縫いのお守りじゃないですかっ!」
ククリが宝箱を覗き込みながら驚きの声を上げた。
そして俺の肩をばしばし叩く。
「なんだよ、これすごいアイテムなのか?」
「これがさっき話していた例のアイテムですよっ」
とククリ。
「例の?」
「ほら、フロアの時間制限を無効化するアイテムですっ」
「おおっ。これがそうかっ」
俺は影縫いのお守りを宝箱の中から取り上げた。
「よかったですねマツイさん。これでいちいちフロアを行ったり来たりしなくてもダンジョンの外に放り出される心配はありませんよ」
「これ、持っているだけでいいのか?」
「はい。首にでもかけておいてください」
ククリに言われるがまま俺は影縫いのお守りを首にかけた。
「かっこいいです、マツイさんっ」
ブーメランパンツに首からお守り二つとにおい袋をぶら下げた恰好のどこがいいのかわからないがククリは手を叩いてほめてくれる。
「そろそろ一時間が経ちますけどそれがあればもう平気ですからねっ」
「ああ」
俺はそう答えたものの少し不安だった。
だがそれも取り越し苦労に終わる。
ククリの話した通り俺は一時間を過ぎても強制的にダンジョン外に出されることはなかった。
面倒くさい手間が省けたおかげで俺はこれまでよりさらにコボルト狩りに集中することが出来た。
そして――
【コボルトコレクターを取得しました】
一日かからずに俺は目的を達成したのだった。
俺はにおい袋のにおいにつられて寄ってきたコボルトたちを一掃した。
するとコボルトたちがいた辺りから宝箱が出現した。
「マツイさん、ドロップアイテムですよっ」
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「あ……またお守りだ」
中に入っていたのは先ほど手に入れた解呪のお守りとよく似た形のお守りだった。
ただ布地には[解呪]ではなく[影縫い]と刺繍が施されている。
「わあっ! それって影縫いのお守りじゃないですかっ!」
ククリが宝箱を覗き込みながら驚きの声を上げた。
そして俺の肩をばしばし叩く。
「なんだよ、これすごいアイテムなのか?」
「これがさっき話していた例のアイテムですよっ」
とククリ。
「例の?」
「ほら、フロアの時間制限を無効化するアイテムですっ」
「おおっ。これがそうかっ」
俺は影縫いのお守りを宝箱の中から取り上げた。
「よかったですねマツイさん。これでいちいちフロアを行ったり来たりしなくてもダンジョンの外に放り出される心配はありませんよ」
「これ、持っているだけでいいのか?」
「はい。首にでもかけておいてください」
ククリに言われるがまま俺は影縫いのお守りを首にかけた。
「かっこいいです、マツイさんっ」
ブーメランパンツに首からお守り二つとにおい袋をぶら下げた恰好のどこがいいのかわからないがククリは手を叩いてほめてくれる。
「そろそろ一時間が経ちますけどそれがあればもう平気ですからねっ」
「ああ」
俺はそう答えたものの少し不安だった。
だがそれも取り越し苦労に終わる。
ククリの話した通り俺は一時間を過ぎても強制的にダンジョン外に出されることはなかった。
面倒くさい手間が省けたおかげで俺はこれまでよりさらにコボルト狩りに集中することが出来た。
そして――
【コボルトコレクターを取得しました】
一日かからずに俺は目的を達成したのだった。
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