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第68話 コボルト
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地下五階層に下り立った俺を待っていたのはコボルトという人間そっくりのモンスターだった。
俺を見て走って向かってくるコボルト。
俺はすぐさま逃げ出した。
「え、ちょっと何逃げてるんですかマツイさんっ! コボルトくらい今のマツイさんなら余裕で勝てますってばっ!」
「そういう問題じゃないっ。あんな人間みたいなモンスター斬れるかっ」
人間のような容姿をしているのでいくらモンスターとはいえ攻撃するのはためらわれる。
「そんなこと言ってたら逆にやられちゃいますよっ。ほらっ、向こうからもコボルトがっ」
ククリが俺の前方を指差す。
そこにはコボルトがいて挟まれる形になった。
「くっ」
俺は走るのをやめ一方には剣を一方には盾を向けて二体のコボルトから距離をとる。
『ケケケッ……』
『ケケケッ……』
不気味に口角を上げるコボルトたち。
全身体毛だらけだが顔は人間のようなので妙に気味が悪い。
と次の瞬間コボルトたちが示し合わせたかのように一斉に襲い掛かってきた。
俺は見た目に惑わされ一瞬反応が遅れる。
『ケケッ!』
『ケケッ!』
「ぐあっ……」
一体が俺の頭を掴みかみついてきた。
もう一体は鋭い爪で俺の腹を裂く。
「マツイさんっ、反撃してくださいっ」
二体のコボルトにいいようにされる中ククリの声がうっすらと耳に入ってきた。
「このっ……いったいだろ、くそっ!」
さすがに頭に来た俺は両腕を思いきり振り回しコボルトたちを振り払う。
コボルトたちがいったん離れた。
手で触ると頭から血が出ているのが確認できた。
もちろん腹からも血が流れ出ている。
「手加減してたらいい気になりやがって……もう容赦しないぞっ」
鉄の剣を強く握り、
「はっ!」
一歩踏み込むと学生時代さながらの剣道の胴を見舞った。
コボルトの上半身と下半身を真っ二つにする。
『ケケッ……!?』
仲間が一瞬でやられて焦ったのか俺と目が合うと走って逃げだすコボルト。
「待てこらっ」
俺はとっさに持っていたうろこの盾をコボルトに投げつけた。
利き手とは逆の手だったので狙い通りには飛ばなかったが運よくコボルトの足に当たりコボルトがすっ転んだ。
俺は石畳の上に転んで倒れているコボルトの心臓付近に鉄の剣を突き刺した。
『ケケーッ……!』
コボルトは断末魔の叫び声を上げ消えていった。
ククリが飛んでくる。
「マツイさん大丈夫ですか? 頭とお腹から血が出てますけど」
「ああ、油断した」
「だから言ったじゃないですか。いくら人間に似てるといってもコボルトはモンスターなんですからちゃんと倒してくださいよ」
「もう手加減しないから大丈夫だ」
怒りはなにものをも凌駕する。
俺はコボルトに傷つけられたことによってコボルトへの変な親近感は完全になくなっていた。
「とりあえずヒールで回復したほうがいいんじゃないですか?」
ククリに言われ俺はヒールでコボルトからくらったダメージを回復するとうろこの盾を拾い上げた。
「さて、気を取り直してダンジョン探索始めるぞ」
「はいっ」
元気なククリの返事を受けて俺は足取り軽くダンジョンを歩き始めた。
俺を見て走って向かってくるコボルト。
俺はすぐさま逃げ出した。
「え、ちょっと何逃げてるんですかマツイさんっ! コボルトくらい今のマツイさんなら余裕で勝てますってばっ!」
「そういう問題じゃないっ。あんな人間みたいなモンスター斬れるかっ」
人間のような容姿をしているのでいくらモンスターとはいえ攻撃するのはためらわれる。
「そんなこと言ってたら逆にやられちゃいますよっ。ほらっ、向こうからもコボルトがっ」
ククリが俺の前方を指差す。
そこにはコボルトがいて挟まれる形になった。
「くっ」
俺は走るのをやめ一方には剣を一方には盾を向けて二体のコボルトから距離をとる。
『ケケケッ……』
『ケケケッ……』
不気味に口角を上げるコボルトたち。
全身体毛だらけだが顔は人間のようなので妙に気味が悪い。
と次の瞬間コボルトたちが示し合わせたかのように一斉に襲い掛かってきた。
俺は見た目に惑わされ一瞬反応が遅れる。
『ケケッ!』
『ケケッ!』
「ぐあっ……」
一体が俺の頭を掴みかみついてきた。
もう一体は鋭い爪で俺の腹を裂く。
「マツイさんっ、反撃してくださいっ」
二体のコボルトにいいようにされる中ククリの声がうっすらと耳に入ってきた。
「このっ……いったいだろ、くそっ!」
さすがに頭に来た俺は両腕を思いきり振り回しコボルトたちを振り払う。
コボルトたちがいったん離れた。
手で触ると頭から血が出ているのが確認できた。
もちろん腹からも血が流れ出ている。
「手加減してたらいい気になりやがって……もう容赦しないぞっ」
鉄の剣を強く握り、
「はっ!」
一歩踏み込むと学生時代さながらの剣道の胴を見舞った。
コボルトの上半身と下半身を真っ二つにする。
『ケケッ……!?』
仲間が一瞬でやられて焦ったのか俺と目が合うと走って逃げだすコボルト。
「待てこらっ」
俺はとっさに持っていたうろこの盾をコボルトに投げつけた。
利き手とは逆の手だったので狙い通りには飛ばなかったが運よくコボルトの足に当たりコボルトがすっ転んだ。
俺は石畳の上に転んで倒れているコボルトの心臓付近に鉄の剣を突き刺した。
『ケケーッ……!』
コボルトは断末魔の叫び声を上げ消えていった。
ククリが飛んでくる。
「マツイさん大丈夫ですか? 頭とお腹から血が出てますけど」
「ああ、油断した」
「だから言ったじゃないですか。いくら人間に似てるといってもコボルトはモンスターなんですからちゃんと倒してくださいよ」
「もう手加減しないから大丈夫だ」
怒りはなにものをも凌駕する。
俺はコボルトに傷つけられたことによってコボルトへの変な親近感は完全になくなっていた。
「とりあえずヒールで回復したほうがいいんじゃないですか?」
ククリに言われ俺はヒールでコボルトからくらったダメージを回復するとうろこの盾を拾い上げた。
「さて、気を取り直してダンジョン探索始めるぞ」
「はいっ」
元気なククリの返事を受けて俺は足取り軽くダンジョンを歩き始めた。
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