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第104話 いざ、海へ
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「おそろしい魔物、ですか?」
「ああ、そうだ」
俺の言葉にうなずく船員の男性。
「馬鹿でけぇ魔物でよ、その魔物におれらの船は何隻も沈められちまったんだ。だから悪いが船は出せねぇんだよ」
「はあ……」
「なぁんだ、そんなことなのっ」
とゲルニカが口を挟んでくる。
「それならそうと早く言いなさいよねっ。そんな魔物あたしたちがちゃちゃっとやっつけてやるわよっ」
「馬鹿言うでねぇ。あんなおそろしく強い魔物、嬢ちゃんたちに倒せるわけねぇべ」
「ふふん。おじさん、あたしたちをみくびってもらっちゃ困るわ。あたしたちは大邪神直属の部下っていう魔物だって倒したんだからねっ」
「だいじゃしんちょくぞく? な、なんだそりゃ……」
船員の男性は頭の上にクエスチョンマークを浮かべていた。
だがそんなことはお構いなしでゲルニカは畳みかける。
「とにかくその馬鹿でかい魔物って奴をあたしたちが倒したら船は出せるんでしょ。だったら話は簡単だわ、今すぐその魔物のところに案内してちょうだいっ」
「あ、あんなぁ、おらの話全然聞いてねぇ嬢ちゃんだな。倒せるわけねぇって、死んじまうぞ」
「話を聞いてないのはそっちの方でしょ。あたしたちは強いから任せなさいって言ってるのよっ」
船員の男性はゲルニカでは話が通じないと思ったのか俺に顔を向けてきた。
「兄ちゃんからも諦めるよう言ってやってくれ」
「あの、すみません、その魔物ってどれくらい強いんですか?」
「どれくらいって大型船を破壊しちまうくらいだからなぁ……今冒険者ギルドとやらに頼んでAランクの冒険者を探してもらってるところだ」
Aランクの冒険者への依頼案件か……。
となると俺たちでなんとかなりそうだな。
「あの、こいつの言うように魔物退治は俺たちに任せてもらえませんか?」
「え、なんだって?」
「大丈夫です。俺Aランクの冒険者に勝ったこともありますから」
「本当か? う~ん、だがそう言われてもなぁ……」
渋る男性にローレライさんも口を出す。
「本当です。このクロクロさんはSランクの冒険者に匹敵する、いえ、それ以上の実力を持っています」
さらにゲルニカも続けて、
「ただで倒してやるって言ってるんだから何を迷うことがあるって言うのよっ」
男性に詰め寄った。
男性は「う~ん……」とうなりながら俺たちの顔を見比べていく。
そして観念したのか、
「わかっただ。好きなようにすりゃあええ」
首を縦に振った。
「まったく、最初からそう言えばいいのよ」
「それで魔物はどこにいるんですか?」
俺が訊くと、
「おらの小舟を貸してやるからそれで沖合に出てみな。ちょっと行けばでかい魔物が海から姿を現すからすぐわかるだよ」
男性は海に浮かぶ小さな船を見下ろし言う。
「ありがとうございます。じゃあ今すぐ行こうか?」
「あったり前でしょっ」
「はい、わかりました」
こうして俺たちは男性の小舟に乗り込むと、「死んでも知らねぇからなっ」と声を上げる男性をよそに沖へと向かっていくのだった。
「ああ、そうだ」
俺の言葉にうなずく船員の男性。
「馬鹿でけぇ魔物でよ、その魔物におれらの船は何隻も沈められちまったんだ。だから悪いが船は出せねぇんだよ」
「はあ……」
「なぁんだ、そんなことなのっ」
とゲルニカが口を挟んでくる。
「それならそうと早く言いなさいよねっ。そんな魔物あたしたちがちゃちゃっとやっつけてやるわよっ」
「馬鹿言うでねぇ。あんなおそろしく強い魔物、嬢ちゃんたちに倒せるわけねぇべ」
「ふふん。おじさん、あたしたちをみくびってもらっちゃ困るわ。あたしたちは大邪神直属の部下っていう魔物だって倒したんだからねっ」
「だいじゃしんちょくぞく? な、なんだそりゃ……」
船員の男性は頭の上にクエスチョンマークを浮かべていた。
だがそんなことはお構いなしでゲルニカは畳みかける。
「とにかくその馬鹿でかい魔物って奴をあたしたちが倒したら船は出せるんでしょ。だったら話は簡単だわ、今すぐその魔物のところに案内してちょうだいっ」
「あ、あんなぁ、おらの話全然聞いてねぇ嬢ちゃんだな。倒せるわけねぇって、死んじまうぞ」
「話を聞いてないのはそっちの方でしょ。あたしたちは強いから任せなさいって言ってるのよっ」
船員の男性はゲルニカでは話が通じないと思ったのか俺に顔を向けてきた。
「兄ちゃんからも諦めるよう言ってやってくれ」
「あの、すみません、その魔物ってどれくらい強いんですか?」
「どれくらいって大型船を破壊しちまうくらいだからなぁ……今冒険者ギルドとやらに頼んでAランクの冒険者を探してもらってるところだ」
Aランクの冒険者への依頼案件か……。
となると俺たちでなんとかなりそうだな。
「あの、こいつの言うように魔物退治は俺たちに任せてもらえませんか?」
「え、なんだって?」
「大丈夫です。俺Aランクの冒険者に勝ったこともありますから」
「本当か? う~ん、だがそう言われてもなぁ……」
渋る男性にローレライさんも口を出す。
「本当です。このクロクロさんはSランクの冒険者に匹敵する、いえ、それ以上の実力を持っています」
さらにゲルニカも続けて、
「ただで倒してやるって言ってるんだから何を迷うことがあるって言うのよっ」
男性に詰め寄った。
男性は「う~ん……」とうなりながら俺たちの顔を見比べていく。
そして観念したのか、
「わかっただ。好きなようにすりゃあええ」
首を縦に振った。
「まったく、最初からそう言えばいいのよ」
「それで魔物はどこにいるんですか?」
俺が訊くと、
「おらの小舟を貸してやるからそれで沖合に出てみな。ちょっと行けばでかい魔物が海から姿を現すからすぐわかるだよ」
男性は海に浮かぶ小さな船を見下ろし言う。
「ありがとうございます。じゃあ今すぐ行こうか?」
「あったり前でしょっ」
「はい、わかりました」
こうして俺たちは男性の小舟に乗り込むと、「死んでも知らねぇからなっ」と声を上げる男性をよそに沖へと向かっていくのだった。
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