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第88話 エクスヒール
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「かはっ……」
ガロワにお腹を刺され口から吐血する俺。
それを見たローレライさんとゲルニカが、
「クロクロさんっ!」
「クロクロっ!」
と叫んだ。
俺の体から槍が引き抜かれると俺は地面に膝をつく。
そんな俺をガロワは死んだ魚のような目で見下ろして言った。
『僕、心臓を狙ったつもりだったんだけど避けられちゃった……きみ、結構速いね』
そう。
俺は槍を刺される瞬間、とっさに反応して急所からそらしていたのだった。
とはいえ、お腹に槍が貫通したのは事実。
俺は呼吸をするので精いっぱいだった。
『でも、その傷だともう避けられないでしょう。今度こそ殺してあげる』
ガロワが槍を俺に向けたその時だった。
「やぁっ!」
ローレライさんが駆けてきて植物を武器化した剣をガロワめがけて振るった。
その攻撃を後ろに跳んで避けるガロワ。
「ゲルニカさん、クロクロさんの回復をお願いしますっ。私はその間あの魔物を足止めしてみますっ」
「わかったわっ」
そう返事をしたゲルニカは俺のもとに来ると俺のお腹に手をかざして「エクスヒールっ」と唱えた。
直後、暖かい光が俺の傷をいやしていく。
『なあに? きみ、僕と戦う気なの?』
「ええ、そうですっ」
『きみ、死んじゃうよ」
「かもしれませんが時間稼ぎくらいは出来ますっ」
ローレライさんがガロワと対峙している。
よく見るとローレライさんの剣を持つ手が震えているようだった。
「ゲ、ゲルニカっ……あと、ど、どれくらいかかる……?」
「喋らないでよ、余計に時間がかかっちゃうでしょっ」
「で、でも……早くしないと、ローレライさんが……」
「そんなのわかってるわよっ。これでも急いでるんだからねっ」
ゲルニカも焦っている。
さっきのガロワの動きを見てローレライさんでは勝てないと察しているのだろう。
「きゃあっ……!」
ローレライさんの悲鳴が上がった。
振り向くとローレライさんの腕から出血している。
ガロワの目の覚めるような連続攻撃をローレライさんはなんとか急所を守りつつ防いでいるが、それでも確実にダメージが蓄積されていた。
あっという間に全身血だらけになるローレライさん。
これ以上黙って見ていられない。
「ゲルニカ、もういい。あ、あとはローレライさんを頼むっ……」
「えっ、でもまだ傷が塞がってないわよっ」
「だ、大丈夫だっ」
ゲルニカに言うと俺は立ちあがった。
まだふらつくがさっきよりはだいぶマシになっている。
「ブースト、レベル4っ」
俺は口にした。
その途端全身が熱くなり力がみなぎってくるのを感じる。
だがそれと同時にお腹から血が溢れ出してきた。
「嘘っ、あんた、ブーストなんて魔法使えるのっ?」
驚いた顔で俺を見上げるゲルニカをよそに俺はガロワに向かって駆け出していった。
ガロワにお腹を刺され口から吐血する俺。
それを見たローレライさんとゲルニカが、
「クロクロさんっ!」
「クロクロっ!」
と叫んだ。
俺の体から槍が引き抜かれると俺は地面に膝をつく。
そんな俺をガロワは死んだ魚のような目で見下ろして言った。
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そう。
俺は槍を刺される瞬間、とっさに反応して急所からそらしていたのだった。
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俺は呼吸をするので精いっぱいだった。
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ローレライさんが駆けてきて植物を武器化した剣をガロワめがけて振るった。
その攻撃を後ろに跳んで避けるガロワ。
「ゲルニカさん、クロクロさんの回復をお願いしますっ。私はその間あの魔物を足止めしてみますっ」
「わかったわっ」
そう返事をしたゲルニカは俺のもとに来ると俺のお腹に手をかざして「エクスヒールっ」と唱えた。
直後、暖かい光が俺の傷をいやしていく。
『なあに? きみ、僕と戦う気なの?』
「ええ、そうですっ」
『きみ、死んじゃうよ」
「かもしれませんが時間稼ぎくらいは出来ますっ」
ローレライさんがガロワと対峙している。
よく見るとローレライさんの剣を持つ手が震えているようだった。
「ゲ、ゲルニカっ……あと、ど、どれくらいかかる……?」
「喋らないでよ、余計に時間がかかっちゃうでしょっ」
「で、でも……早くしないと、ローレライさんが……」
「そんなのわかってるわよっ。これでも急いでるんだからねっ」
ゲルニカも焦っている。
さっきのガロワの動きを見てローレライさんでは勝てないと察しているのだろう。
「きゃあっ……!」
ローレライさんの悲鳴が上がった。
振り向くとローレライさんの腕から出血している。
ガロワの目の覚めるような連続攻撃をローレライさんはなんとか急所を守りつつ防いでいるが、それでも確実にダメージが蓄積されていた。
あっという間に全身血だらけになるローレライさん。
これ以上黙って見ていられない。
「ゲルニカ、もういい。あ、あとはローレライさんを頼むっ……」
「えっ、でもまだ傷が塞がってないわよっ」
「だ、大丈夫だっ」
ゲルニカに言うと俺は立ちあがった。
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「ブースト、レベル4っ」
俺は口にした。
その途端全身が熱くなり力がみなぎってくるのを感じる。
だがそれと同時にお腹から血が溢れ出してきた。
「嘘っ、あんた、ブーストなんて魔法使えるのっ?」
驚いた顔で俺を見上げるゲルニカをよそに俺はガロワに向かって駆け出していった。
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