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第83話 ゲルニカ
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「お、お前がゲルニカ……?」
「あなたがゲルニカさんなのですか?」
「そうよ、文句あるっ?」
ゲルニカと名乗った少女は挑戦的な目で俺を見上げてくる。
「いや文句はないけどさ、ゲルニカって人は魔物を研究してるって聞いてたから……」
「なに、年寄りが出てくるとでも思ってたわけっ?」
「まあ、そんなところだ」
「ふーん……」
ゲルニカは俺とローレライさんを品定めするようにじっくりと眺めてから、
「それで、クロクロとローレライだっけ? あんたたちは何しに来たのっ?」
あごをしゃくった。
「なあ、その前にその喋り口調なんとかならないか。お前絶対俺たちより年下だろ」
「あんた年いくつよ」
不遜な態度で訊いてくる。
「俺は二十六歳だ」
「あなたは?」
ゲルニカはローレライさんに鋭い視線を飛ばした。
「私は二百六十……ではなくて、私もクロクロさんと同じ二十六歳です」
ローレライさん。今二百六十歳って言おうとしたような……。
「ちなみにあたしは十六歳よっ」
「やっぱり年下じゃないか」
「だから何っ。この世は実力がすべてよ、年功序列なんかくそくらえだわっ」
とゲルニカがほえる。
「それともあんたはあたしよりすべての面において優れてるって言えるわけっ。えぇ、どうなのよっ!」
「はいはい、わかったよ。もう好きにしろ」
話が前に進みそうにないのでこの際タメ口なのは無視することにした。
「俺たちはゲルニカが魔物の研究をしてるって聞いたからここに来たんだ。強い魔物の出現情報とか知ってたら教えてもらおうと思ってな」
「お願いしますゲルニカさん、私たちどうしても知りたいのです」
「ふーん、そうなんだ。別に教えるのはいいけどさ、なんでそんなこと知りたいのよ、理由を教えてちょうだい」
興味がないのか退屈そうにゲルニカが言う。
「大邪神を倒してこの世を平和にしたいのです」
と真面目な顔でローレライさん。
「大邪神? あなたたち大邪神が本当にいるって信じてるの?」
「はい、信じています」
「あんたは?」
「俺か? うん、いるんじゃないのか」
エルフ族の言い伝えでは存在しているらしいし、何よりローレライさんが信じて疑っていないのだから俺もそう答えておく。
するとゲルニカは、
「……つまりあんたたちの目的は大邪神を倒すことなのね」
「そう言ってるだろ」
「はい。そのために強い魔物を倒して回る旅をしようと思っています」
「そう、わかったわ」
楽しそうに口角を上げた。
そして、
「だったらあたしもその旅についてってあげるわっ」
感謝しなさいとでも言いたげな口ぶりでゲルニカはそう言い切るのだった。
「あなたがゲルニカさんなのですか?」
「そうよ、文句あるっ?」
ゲルニカと名乗った少女は挑戦的な目で俺を見上げてくる。
「いや文句はないけどさ、ゲルニカって人は魔物を研究してるって聞いてたから……」
「なに、年寄りが出てくるとでも思ってたわけっ?」
「まあ、そんなところだ」
「ふーん……」
ゲルニカは俺とローレライさんを品定めするようにじっくりと眺めてから、
「それで、クロクロとローレライだっけ? あんたたちは何しに来たのっ?」
あごをしゃくった。
「なあ、その前にその喋り口調なんとかならないか。お前絶対俺たちより年下だろ」
「あんた年いくつよ」
不遜な態度で訊いてくる。
「俺は二十六歳だ」
「あなたは?」
ゲルニカはローレライさんに鋭い視線を飛ばした。
「私は二百六十……ではなくて、私もクロクロさんと同じ二十六歳です」
ローレライさん。今二百六十歳って言おうとしたような……。
「ちなみにあたしは十六歳よっ」
「やっぱり年下じゃないか」
「だから何っ。この世は実力がすべてよ、年功序列なんかくそくらえだわっ」
とゲルニカがほえる。
「それともあんたはあたしよりすべての面において優れてるって言えるわけっ。えぇ、どうなのよっ!」
「はいはい、わかったよ。もう好きにしろ」
話が前に進みそうにないのでこの際タメ口なのは無視することにした。
「俺たちはゲルニカが魔物の研究をしてるって聞いたからここに来たんだ。強い魔物の出現情報とか知ってたら教えてもらおうと思ってな」
「お願いしますゲルニカさん、私たちどうしても知りたいのです」
「ふーん、そうなんだ。別に教えるのはいいけどさ、なんでそんなこと知りたいのよ、理由を教えてちょうだい」
興味がないのか退屈そうにゲルニカが言う。
「大邪神を倒してこの世を平和にしたいのです」
と真面目な顔でローレライさん。
「大邪神? あなたたち大邪神が本当にいるって信じてるの?」
「はい、信じています」
「あんたは?」
「俺か? うん、いるんじゃないのか」
エルフ族の言い伝えでは存在しているらしいし、何よりローレライさんが信じて疑っていないのだから俺もそう答えておく。
するとゲルニカは、
「……つまりあんたたちの目的は大邪神を倒すことなのね」
「そう言ってるだろ」
「はい。そのために強い魔物を倒して回る旅をしようと思っています」
「そう、わかったわ」
楽しそうに口角を上げた。
そして、
「だったらあたしもその旅についてってあげるわっ」
感謝しなさいとでも言いたげな口ぶりでゲルニカはそう言い切るのだった。
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